47 / 64
46.俺、幸せになるから
しおりを挟む
次の夜。
またフィンが魔法でサーラとカリオを連れて現れた。
二人とも目をまん丸にして固まってる。
まあそうだよな。瞬間移動なんて普通は一生体験できないもん。
う、羨ましい。
「思ったんだけどさ。人を連れてこられるなら、俺が牢で寝てるように偽装して、フィンの部屋に連れてってくれても良くない?」
軽く言ってみたら、フィンが俺の首のリングをそっとなぞった。
「逃走防止の魔道具だ。これを外そうとしたり、勝手に牢を出ようとすると、首を絞めつけて、兵に知らせる仕組みだ」
「ひえっ、怖っ。
ほんと城の魔道具だて本当にいろいろあるんだな」
「普通はこんなものを使わない。昔作られた貴重な魔道具だ。
それだけ伯爵は君を逃がしたくないってことだ。
くそっ、ここまで君に執着するなんて。
まさか、君を自分のものにしようとしてるのか!?
罪をでっち上げて奴隷にして……性奴隷に……!」
ちょっ!?
フィン、王子さまの仮面、完全に外れてるよ!?
俺だって嫌だよ、そんなバッドエンドルート!
絶対、フィンルートでハッピーエンドにするんだから。
「お義兄様っ、お元気そうで何よりですわっ」
サーラが俺の手をぎゅっと握る。
サーラの目は潤んでいた。
「心配かけてごめんな。俺は元気だよ。……サーラや母さんは?」
「わたくしは侍女のお仕事をお休みする以外は自由です。でもお母様は昨日、お城の方に部屋から出るのを止められてしまって……。部屋の中では自由ですが、お義兄様をとても心配しておられます」
サーラが悔しそうに下唇を噛んだ。
「迷惑かけてごめん。でも、本当に俺は何もしてないから。無事に帰るって伝えて」
俺はサーラの手を握り返して、力強く頷いた。
「あのー、すみません。どうして俺たちを危険を冒してまでここに?
見張りが来る前に話すことがあるんですよね?」
カリオがおずおずと口を挟んだ。
そうだ。
見張りは一時間に一度見回りに来る。
さっき来たばかりだから、あと五十分ほどしかない。
フィンだって一日に何度も魔法は使えない。
気持ちを切り替えて、俺はフィンに話した内容を二人にも話して聞かせた。
二人は、驚きながらも、フィンの魔法を実際に見た後では、そんなお告げがあってもおかしくないと納得したみたいだ。
「つまり皆で集まれと言うことは、それぞれの持ち場でできることがある……ということかしら?」
サーラが首をかしげる。
「でも俺は騎士団だから、王宮内部のことは分からない。
ガルディア卿なら探れるだろうけど。
卿はまだ囚われてて、かなりひどい尋問を受けてるらしい。
守るべき相手を裏切ったなんて、騎士にとって死んでも許されない罪だからな」
俺は胸がずんと重くなる。
「ねえ、君は今、誰のことで悲しんでるの?
エリゼオは私のことだけ考えていればいい。
ガルディアは大丈夫。
だてに騎士団長をしていない。
精神の強さは折り紙つきだ。
それに、護衛対象の私が不利になることを、彼が話すはずがない」
さすが。
二人は、強い絆で結ばれてるんだ。
小さい頃から共にいたと言ってたし、積み重ねた歴史があるんだろうな。
俺、フィンにそんな人がいたことは嬉しかった。
嬉しかったけど。
ちょっとだけ妬ける。
気づけば、俺はフィンに抱きついて甘えていた。
俺、前世から家族とのスキンシップが好きだったんだよな。
フィンとは好きにならないようずっと距離をとってたけど。
前世の妹に抱きつこうとして、よく逃げられてたの思い出した。
妹……そうだ。
「あっ、思い出した! 確かサーラととカリオが一緒に動いて、俺はフィンと協力するんだ!」
『推しと好感度マックスなのに、何でこのヤンデレ王子と行動なのよ!
しかもサーラは推しの騎士と組むってて、何それ!
んもう、解決のためとはいえ、仕様がひどすぎる!』
病院のベッドで机叩いて怒ってた前世の妹を思い出したんだ。
サーラがハッとした顔になり、カリオを見てから慌てて目を逸らして俺に向き直った。
ひと月以上一緒に働いているのに、サーラはまだカリオを見ると緊張するらしい。
「そう言えば、カリオ様の行きつけのお店で、先日、隣国の服を着た人と伯爵がコソコソと同じ部屋に入るのを見ましたの。
私、あのお店には入ったことはないんですけど、外からよく見える絶景スポットがありましてね。
あのお店、天井がオープンですから、小高い丘から丸見えなんですのよ」
おいサーラ、それ大丈夫か?
時々星を見に行くって言ってたの、そういう理由だったのか。
別に店の中を見おろすだけなら、許されるのか?
だって、見られても仕方ない仕様だもんな。
って言うか、叔父さんもそんなところで悪巧みって抜けてない?
「サーラでかした!
でもさ、それだと会話までは聞こえないよな」
俺が色々な思いを飲み込んでからサーラを褒めると、サーラは誇らしげに笑った。
隣のカリオは、顔が真っ赤だけどな。
うん。
サーラの愛はきっと重いぞ?
フィンと同じくらいにな。
そのカリオをじっと見ていたら、フィンがそっと俺の目を隠した。
「いや、魔道具で音声を録音できる。
エリゼオを城に迎える前に、君の部屋に使えないかと思ってガルディアに相談したら、叱られて断念したが。
それに、映像も撮れるかも知れない。
今開発中だ」
ん?
俺の部屋、盗聴しようとしてたの!?
手をのけて、ジッと見つめたら、フィンが珍しく目をそらした。
うん、寂しい。
やっぱりどんな理由があっても、俺の方だけ見てて欲しいな。
「いつ刺客に狙われるかと思ったら不安で……。
だが実行していない!
一緒の部屋で寝ればいいと、ガルディアに言われたんだ」
何故か胸を張るフィン。
サーラとカリオが引いているのが空気で分かる。
「うわ、ヤンデレ……」
サーラの小声を俺は聞き逃さなかった。
あれ、そんな言葉しってるの?
サーラも転生者?
いや、ここは元々ゲームの世界だ。
現代日本語っぽい単語を使っててもおかしくない……のか?
俺が考え込んでたら、気を取り直したらしいカリオが口を開いた。
「では、俺が店に許可を取って魔道具を設置します。
店主は、俺の幼馴染なので、黒幕側じゃないことは確かです。
騎士団の捜査目的なら、問題はないはず」
「そうだね。カリオの関係者は全員白だと判明してるから、安心していい」
フィン……?
そっか。
カリオの身辺は全て調査したって前にガルディアが言ってたもんな。
でも、そんな知り合いまで調べてたなんて。
フィンはカリオのこと、どれだけ調べ上げたんだろ?
いやいや、今は叔父さんを追い詰める方が大事だ。
俺は両頬をパチンと叩いて、気持ちを入れ直す。
「では、私たちはあの書類をもう一度確認しよう。
色んな金の流れを私と君でまとめたからね。
もう一度古い資料から見直して金の流れをもう一度洗い流せたら、何か分かるかも知れない」
フィンの言葉に、俺も大きく頷く。
やることが決まった安心感から、俺は一気に眠気が押し寄せてきた。
いくらフィンが魔法で快適にしてくれても駄目だ。
フィンが隣りにいない夜なんて、このひと月一度だって無かったから。
俺、もうフィン無しじゃ安眠できない体になってる。
とうとうフィンに寄りかかって目が開けられなくなる。
サーラの静かな声が聞こえた。
「お義兄さまのそんな無防備なお姿、初めて見ます。
殿下、お義兄さまは、父の不在で寂しかったわたくしに、家族の愛情をくれた大切な方です。
たとえ殿下でも、お義兄さまを泣かせることは許しません。
もし泣かせるようなことがあれば、わたくし、殿下と差し違える覚悟ですわ」
サーラ、それは困る。
そんなことしたら、お前が幸せになれないじゃないか。
だから俺は絶対に幸せになる。
フィンと一緒に。
そう思ったところで、意識はすとんと落ちた。
またフィンが魔法でサーラとカリオを連れて現れた。
二人とも目をまん丸にして固まってる。
まあそうだよな。瞬間移動なんて普通は一生体験できないもん。
う、羨ましい。
「思ったんだけどさ。人を連れてこられるなら、俺が牢で寝てるように偽装して、フィンの部屋に連れてってくれても良くない?」
軽く言ってみたら、フィンが俺の首のリングをそっとなぞった。
「逃走防止の魔道具だ。これを外そうとしたり、勝手に牢を出ようとすると、首を絞めつけて、兵に知らせる仕組みだ」
「ひえっ、怖っ。
ほんと城の魔道具だて本当にいろいろあるんだな」
「普通はこんなものを使わない。昔作られた貴重な魔道具だ。
それだけ伯爵は君を逃がしたくないってことだ。
くそっ、ここまで君に執着するなんて。
まさか、君を自分のものにしようとしてるのか!?
罪をでっち上げて奴隷にして……性奴隷に……!」
ちょっ!?
フィン、王子さまの仮面、完全に外れてるよ!?
俺だって嫌だよ、そんなバッドエンドルート!
絶対、フィンルートでハッピーエンドにするんだから。
「お義兄様っ、お元気そうで何よりですわっ」
サーラが俺の手をぎゅっと握る。
サーラの目は潤んでいた。
「心配かけてごめんな。俺は元気だよ。……サーラや母さんは?」
「わたくしは侍女のお仕事をお休みする以外は自由です。でもお母様は昨日、お城の方に部屋から出るのを止められてしまって……。部屋の中では自由ですが、お義兄様をとても心配しておられます」
サーラが悔しそうに下唇を噛んだ。
「迷惑かけてごめん。でも、本当に俺は何もしてないから。無事に帰るって伝えて」
俺はサーラの手を握り返して、力強く頷いた。
「あのー、すみません。どうして俺たちを危険を冒してまでここに?
見張りが来る前に話すことがあるんですよね?」
カリオがおずおずと口を挟んだ。
そうだ。
見張りは一時間に一度見回りに来る。
さっき来たばかりだから、あと五十分ほどしかない。
フィンだって一日に何度も魔法は使えない。
気持ちを切り替えて、俺はフィンに話した内容を二人にも話して聞かせた。
二人は、驚きながらも、フィンの魔法を実際に見た後では、そんなお告げがあってもおかしくないと納得したみたいだ。
「つまり皆で集まれと言うことは、それぞれの持ち場でできることがある……ということかしら?」
サーラが首をかしげる。
「でも俺は騎士団だから、王宮内部のことは分からない。
ガルディア卿なら探れるだろうけど。
卿はまだ囚われてて、かなりひどい尋問を受けてるらしい。
守るべき相手を裏切ったなんて、騎士にとって死んでも許されない罪だからな」
俺は胸がずんと重くなる。
「ねえ、君は今、誰のことで悲しんでるの?
エリゼオは私のことだけ考えていればいい。
ガルディアは大丈夫。
だてに騎士団長をしていない。
精神の強さは折り紙つきだ。
それに、護衛対象の私が不利になることを、彼が話すはずがない」
さすが。
二人は、強い絆で結ばれてるんだ。
小さい頃から共にいたと言ってたし、積み重ねた歴史があるんだろうな。
俺、フィンにそんな人がいたことは嬉しかった。
嬉しかったけど。
ちょっとだけ妬ける。
気づけば、俺はフィンに抱きついて甘えていた。
俺、前世から家族とのスキンシップが好きだったんだよな。
フィンとは好きにならないようずっと距離をとってたけど。
前世の妹に抱きつこうとして、よく逃げられてたの思い出した。
妹……そうだ。
「あっ、思い出した! 確かサーラととカリオが一緒に動いて、俺はフィンと協力するんだ!」
『推しと好感度マックスなのに、何でこのヤンデレ王子と行動なのよ!
しかもサーラは推しの騎士と組むってて、何それ!
んもう、解決のためとはいえ、仕様がひどすぎる!』
病院のベッドで机叩いて怒ってた前世の妹を思い出したんだ。
サーラがハッとした顔になり、カリオを見てから慌てて目を逸らして俺に向き直った。
ひと月以上一緒に働いているのに、サーラはまだカリオを見ると緊張するらしい。
「そう言えば、カリオ様の行きつけのお店で、先日、隣国の服を着た人と伯爵がコソコソと同じ部屋に入るのを見ましたの。
私、あのお店には入ったことはないんですけど、外からよく見える絶景スポットがありましてね。
あのお店、天井がオープンですから、小高い丘から丸見えなんですのよ」
おいサーラ、それ大丈夫か?
時々星を見に行くって言ってたの、そういう理由だったのか。
別に店の中を見おろすだけなら、許されるのか?
だって、見られても仕方ない仕様だもんな。
って言うか、叔父さんもそんなところで悪巧みって抜けてない?
「サーラでかした!
でもさ、それだと会話までは聞こえないよな」
俺が色々な思いを飲み込んでからサーラを褒めると、サーラは誇らしげに笑った。
隣のカリオは、顔が真っ赤だけどな。
うん。
サーラの愛はきっと重いぞ?
フィンと同じくらいにな。
そのカリオをじっと見ていたら、フィンがそっと俺の目を隠した。
「いや、魔道具で音声を録音できる。
エリゼオを城に迎える前に、君の部屋に使えないかと思ってガルディアに相談したら、叱られて断念したが。
それに、映像も撮れるかも知れない。
今開発中だ」
ん?
俺の部屋、盗聴しようとしてたの!?
手をのけて、ジッと見つめたら、フィンが珍しく目をそらした。
うん、寂しい。
やっぱりどんな理由があっても、俺の方だけ見てて欲しいな。
「いつ刺客に狙われるかと思ったら不安で……。
だが実行していない!
一緒の部屋で寝ればいいと、ガルディアに言われたんだ」
何故か胸を張るフィン。
サーラとカリオが引いているのが空気で分かる。
「うわ、ヤンデレ……」
サーラの小声を俺は聞き逃さなかった。
あれ、そんな言葉しってるの?
サーラも転生者?
いや、ここは元々ゲームの世界だ。
現代日本語っぽい単語を使っててもおかしくない……のか?
俺が考え込んでたら、気を取り直したらしいカリオが口を開いた。
「では、俺が店に許可を取って魔道具を設置します。
店主は、俺の幼馴染なので、黒幕側じゃないことは確かです。
騎士団の捜査目的なら、問題はないはず」
「そうだね。カリオの関係者は全員白だと判明してるから、安心していい」
フィン……?
そっか。
カリオの身辺は全て調査したって前にガルディアが言ってたもんな。
でも、そんな知り合いまで調べてたなんて。
フィンはカリオのこと、どれだけ調べ上げたんだろ?
いやいや、今は叔父さんを追い詰める方が大事だ。
俺は両頬をパチンと叩いて、気持ちを入れ直す。
「では、私たちはあの書類をもう一度確認しよう。
色んな金の流れを私と君でまとめたからね。
もう一度古い資料から見直して金の流れをもう一度洗い流せたら、何か分かるかも知れない」
フィンの言葉に、俺も大きく頷く。
やることが決まった安心感から、俺は一気に眠気が押し寄せてきた。
いくらフィンが魔法で快適にしてくれても駄目だ。
フィンが隣りにいない夜なんて、このひと月一度だって無かったから。
俺、もうフィン無しじゃ安眠できない体になってる。
とうとうフィンに寄りかかって目が開けられなくなる。
サーラの静かな声が聞こえた。
「お義兄さまのそんな無防備なお姿、初めて見ます。
殿下、お義兄さまは、父の不在で寂しかったわたくしに、家族の愛情をくれた大切な方です。
たとえ殿下でも、お義兄さまを泣かせることは許しません。
もし泣かせるようなことがあれば、わたくし、殿下と差し違える覚悟ですわ」
サーラ、それは困る。
そんなことしたら、お前が幸せになれないじゃないか。
だから俺は絶対に幸せになる。
フィンと一緒に。
そう思ったところで、意識はすとんと落ちた。
114
あなたにおすすめの小説
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
欠陥Ωは孤独なα令息に愛を捧ぐ あなたと過ごした五年間
華抹茶
BL
旧題:あなたと過ごした五年間~欠陥オメガと強すぎるアルファが出会ったら~
子供の時の流行り病の高熱でオメガ性を失ったエリオット。だがその時に前世の記憶が蘇り、自分が異性愛者だったことを思い出す。オメガ性を失ったことを喜び、ベータとして生きていくことに。
もうすぐ学園を卒業するという時に、とある公爵家の嫡男の家庭教師を探しているという話を耳にする。その仕事が出来たらいいと面接に行くと、とんでもなく美しいアルファの子供がいた。
だがそのアルファの子供は、質素な別館で一人でひっそりと生活する孤独なアルファだった。その理由がこの子供のアルファ性が強すぎて誰も近寄れないからというのだ。
だがエリオットだけはそのフェロモンの影響を受けなかった。家庭教師の仕事も決まり、アルファの子供と接するうちに心に抱えた傷を知る。
子供はエリオットに心を開き、懐き、甘えてくれるようになった。だが子供が成長するにつれ少しずつ二人の関係に変化が訪れる。
アルファ性が強すぎて愛情を与えられなかった孤独なアルファ×オメガ性を失いベータと偽っていた欠陥オメガ
●オメガバースの話になります。かなり独自の設定を盛り込んでいます。
●最終話まで執筆済み(全47話)。完結保障。毎日更新。
●Rシーンには※つけてます。
過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~
水凪しおん
BL
過労死した平凡な会社員が目を覚ますと、そこは愛読していたBL小説の世界。よりにもよって、義理の家族に虐げられ、最後は婚約者に断罪される「悪役令息」リオンに転生してしまった!
「出来損ないのΩ」と罵られ、食事もろくに与えられない絶望的な日々。破滅フラグしかない運命に抗うため、前世の知識を頼りに生き延びる決意をするリオン。
そんな彼の前に現れたのは、隣国から訪れた「冷徹皇帝」カイゼル。誰もが恐れる圧倒的カリスマを持つ彼に、なぜかリオンは助けられてしまう。カイゼルに触れられた瞬間、走る甘い痺れ。それは、αとΩを引き合わせる「運命の番」の兆しだった。
「お前がいいんだ、リオン」――まっすぐな求婚、惜しみない溺愛。
孤独だった悪役令息が、運命の番である皇帝に見出され、破滅の運命を覆していく。巧妙な罠、仕組まれた断罪劇、そして華麗なるざまぁ。絶望の淵から始まる、極上の逆転シンデレラストーリー!
記憶を失くしたはずの元夫が、どうか自分と結婚してくれと求婚してくるのですが。
鷲井戸リミカ
BL
メルヴィンは夫レスターと結婚し幸せの絶頂にいた。しかしレスターが勇者に選ばれ、魔王討伐の旅に出る。やがて勇者レスターが魔王を討ち取ったものの、メルヴィンは夫が自分と離婚し、聖女との再婚を望んでいると知らされる。
死を望まれたメルヴィンだったが、不思議な魔石の力により脱出に成功する。国境を越え、小さな町で暮らし始めたメルヴィン。ある日、ならず者に絡まれたメルヴィンを助けてくれたのは、元夫だった。なんと彼は記憶を失くしているらしい。
君を幸せにしたいと求婚され、メルヴィンの心は揺れる。しかし、メルヴィンは元夫がとある目的のために自分に近づいたのだと知り、慌てて逃げ出そうとするが……。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
【完結】花降る王国の魔法師団長は、新米魔法師の僕を愛でる
金浦桃多
BL
エルは魔法師団長の第三王子ノアに憧れて魔法師になった。
数年前、フローラ王国の最大のお祭りでノアが降らせた氷の花に触れた事がきっかけだ。新米ながらも当時のノアと同じ大役を任されたエル。真剣に鍛錬をするエルをノアはことさら優しく見守る。ある日、魔法師の間で奇病が広がり始めた。事態を重く見たノアは奇病の真相を追う。そんな中、エルも奇病に侵されてしまう。奇病の真実とは?ノアがエルに構う理由とは?
魔法師団長×新米魔法師
ハッピーエンドです。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
冷酷なアルファ(氷の将軍)に嫁いだオメガ、実はめちゃくちゃ愛されていた。
水凪しおん
BL
これは、愛を知らなかった二人が、本当の愛を見つけるまでの物語。
国のための「生贄」として、敵国の将軍に嫁いだオメガの王子、ユアン。
彼を待っていたのは、「氷の将軍」と恐れられるアルファ、クロヴィスとの心ない日々だった。
世継ぎを産むための「道具」として扱われ、絶望に暮れるユアン。
しかし、冷たい仮面の下に隠された、不器用な優しさと孤独な瞳。
孤独な夜にかけられた一枚の外套が、凍てついた心を少しずつ溶かし始める。
これは、政略結婚という偽りから始まった、運命の恋。
帝国に渦巻く陰謀に立ち向かう中で、二人は互いを守り、支え合う「共犯者」となる。
偽りの夫婦が、唯一無二の「番」になるまでの軌跡を、どうぞ見届けてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる