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番外編13:近衛騎士団長は王族の青年に愛される【払拭】
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この夜、結局私とリナルド様が一つになることはなかった。
私の涙に気付いたリナルド様が、もう抱こうとしなかったからだ。
それも仕方ない。
だって、私は男だ。そのうえ、ずいぶん年上にも関わらず、幼子のように泣き出した私など、面倒以外の何物でもない。
いくら幼き頃からの情があるとは言っても、その気が失せてしまったのだろう。
目を覚ましたのは夜明け前であり、遠くの空が少しずつ白くなってきている頃であった。
私を抱きしめて眠るリナルド様を、じっと見つめる。
王宮からここまで、ずいぶんな距離がある。
それなのに、病み上がりのリナルド様は私のためにここまで来てくださったのだ。
もう、十分思い出を頂けた。
十年ほどの年月、リナルド様のおそばにいさせていただいた。
最後には、このように引き留めて思い出をくださったのだ。
たとえ最後までできなくても、何が不満なのだ。
私には十分すぎるくらいだ。
リナルド様のお優しさにこれ以上甘えられない。
リナルド様がお目覚めになられたら、お別れを告げよう。
この場所にいることが許されないのであれば、どこか遠くへ行こうと思う。
これでリナルド様とは本当にお別れだ。
少しずつ朝日が昇り、陽光に反射して輝くまつ毛を見つめながら、心の中でそっと決意した。
服を着て、ベッドの床に正座する。
そこからただひたすら、リナルド様の精悍で美しいお顔を見つめていた。
それから、どれくらい時間がたっただろうか。
すでに陽は空の上にのぼり、暖かな光をこの部屋にも届けていた。
突然、リナルド様の呼吸が乱れ、眉を寄せる。
リナルド様がお目覚めになられたようだ。
「……おはよう、ガルディア。なぜそんなところにいるの?
こちらへ」
「おはようございますリナルド様」
私はリナルド様の声を遮るようにして挨拶をし、頭を床につける。
「昨夜のお礼を申し上げます。
私のような粗忽者に対し、これほどの恩情、ありがとうございました」
「——ガルディア」
この一言で、先ほどまでの柔らかな雰囲気が一変する。
「本気で言ってるの? 恩情って何?
ありがとうってまるでお別れの挨拶みたいじゃないか」
「……」
何も答えられなかった。
別れのあいさつのつもりだった。けれど、お別れだとは、私の口からは言いたくなかった。
少しでもお別れだと言ってしまえば、涙が止まらなくなるのが分かっていたから。
「なぜ話さないんだ。無言は肯定ととるぞ」
それでも私は一言も発せず、ただ頭を下げ続けた。
「やめてくれ。ガルディア、顔を見せて。
昨夜は、好きだと言ってくれたじゃないか。
それすら嘘だったというのかっ!」
「いいえ、それは私の本心です。けれど、リナルド様には忘れていただきたい」
私の言葉に、リナルド様が立ち上がる。勢いよく私のもとに駆け寄って両腕を掴み、むりやり私を起こした。
「なぜそのようなことを申すのだ。
昨夜、私に抱かれたいと言っていたではないか。
うわごとのように何度も一つになりたいと。
それは、昨夜の戯れだったとでもいうつもりじゃないだろうな」
「……リナルド様。もう良いのです。私のことはお気になさらないでください。
私は十分、リナルド様の優しさに触れることができました。
これ以上は分不相応です」
リナルド様は、私の両腕から手を離し、そのまま立ち上がってふらふらとベッドに座り込んだ。
「……ガルディア、何を、言っているんだ。だって、私たちは昨日思いを交わしたではないか。
あれほど、あなたを好きだと……」
リナルド様の声が、徐々に弱々しくなる。
片手で前髪を掴み、くしゃりと握りつぶすのが見える。
「——リナルド様には、シャルロット様がおられます。
私のような年配者のことなどお気になさらず、ご自分の幸せだけを考えてください」
「なぜだ。なぜ、そうなる。
シャルロット嬢は友人だ。私のガルディアへの思いを知り、応援してくれていたのだ。
私は長年、あなたを、あなただけに愛を囁いてきた。
それは一つも届いていなかったのか。
——なぜだ。なぜ私の気持ちがあなたにだけは伝わらないのだ」
リナルド様のお言葉に、ほんの一瞬だけ心が震えた。
もしかして、リナルド様は本当に……。
けれど、すぐに否定する声が頭の中で響く。
違う。
そんなはずがない。
リナルド様は、私を慕ってはくださっている。
けれど、それは「恋」ではない。
私はリナルド様にとって、幼い頃から側にいた存在というだけだ。
それ以上の意味を、持たせてはいけない。
それに——。
「リナルド様……」
声が震える。
たとえ、万が一、リナルド様のお言葉が本心だったとしても。
それを受け入れることはできない。
「私のような年配の、子を成すこともできぬ男では……
リナルド様の未来を、奪ってしまいます」
もし本当にリナルド様が私を想ってくださっているとしたら。
そうならば、尚更、私は身を引かなければならない。
全ての勇気を奮って言葉にする。
「リナルド様に子を成せない男との未来など、選ばせることはできません。
どうか、私のことはお忘れになって……」
そこまで言って、言葉に詰まる。
フィルベルト殿下も、エリゼオ様と結婚されるまで苦悩なされていた。
それを私は、殿下付きの近衛騎士として間近で見てきた。
エリゼオ様はチェネレントの靴に選ばれし特別な存在。
それであっても、王太子配となることは難しかったのだ。
それだけ、王族の血を残すことはこの王政を平和に保つためにも重要だ。
フィルベルト殿下は、甥のエリゼオ様を養子に迎えることで決着なされた。
リナルド様の世代では、直系の流れをくむ者はリナルド様ただ一人。
養子を迎えることはできない。
それに、私はただの近衛騎士。
エリゼオ様のように選ばれし者でもない。
このような状況で、リナルド様の手を取ることは、不必要にリナルド様を苦しめることになるのだ。
私を憎むことでリナルド様のお心が軽くなるのであれば、いくらでも憎まれ役を買う。
リナルド様を私が苦しめる事だけは、決してできない。
リナルド様はただ苦し気に息を吐くのが聞こえた。
しばしの沈黙が落ちる。
それはひどく重く、長いものにも、一瞬にも感じられた。
「……ガルディアにそのように言わせてしまうのは、私が王族だからか?」
リナルド様の声は震えていた。
「王族でなければ、あなたは私を一人の男として、見てくれたのか?」
息を呑んだ。
「こんなにも好きだと、私とともにいてくれと言い続けてきたのに。
なぜ私の言葉を否定する」
ぽろり、と。
リナルド様の頬を、雫が伝った。
長年仕えていたが、リナルド様の涙を初めて見たことに、私は気づいた。
私の涙に気付いたリナルド様が、もう抱こうとしなかったからだ。
それも仕方ない。
だって、私は男だ。そのうえ、ずいぶん年上にも関わらず、幼子のように泣き出した私など、面倒以外の何物でもない。
いくら幼き頃からの情があるとは言っても、その気が失せてしまったのだろう。
目を覚ましたのは夜明け前であり、遠くの空が少しずつ白くなってきている頃であった。
私を抱きしめて眠るリナルド様を、じっと見つめる。
王宮からここまで、ずいぶんな距離がある。
それなのに、病み上がりのリナルド様は私のためにここまで来てくださったのだ。
もう、十分思い出を頂けた。
十年ほどの年月、リナルド様のおそばにいさせていただいた。
最後には、このように引き留めて思い出をくださったのだ。
たとえ最後までできなくても、何が不満なのだ。
私には十分すぎるくらいだ。
リナルド様のお優しさにこれ以上甘えられない。
リナルド様がお目覚めになられたら、お別れを告げよう。
この場所にいることが許されないのであれば、どこか遠くへ行こうと思う。
これでリナルド様とは本当にお別れだ。
少しずつ朝日が昇り、陽光に反射して輝くまつ毛を見つめながら、心の中でそっと決意した。
服を着て、ベッドの床に正座する。
そこからただひたすら、リナルド様の精悍で美しいお顔を見つめていた。
それから、どれくらい時間がたっただろうか。
すでに陽は空の上にのぼり、暖かな光をこの部屋にも届けていた。
突然、リナルド様の呼吸が乱れ、眉を寄せる。
リナルド様がお目覚めになられたようだ。
「……おはよう、ガルディア。なぜそんなところにいるの?
こちらへ」
「おはようございますリナルド様」
私はリナルド様の声を遮るようにして挨拶をし、頭を床につける。
「昨夜のお礼を申し上げます。
私のような粗忽者に対し、これほどの恩情、ありがとうございました」
「——ガルディア」
この一言で、先ほどまでの柔らかな雰囲気が一変する。
「本気で言ってるの? 恩情って何?
ありがとうってまるでお別れの挨拶みたいじゃないか」
「……」
何も答えられなかった。
別れのあいさつのつもりだった。けれど、お別れだとは、私の口からは言いたくなかった。
少しでもお別れだと言ってしまえば、涙が止まらなくなるのが分かっていたから。
「なぜ話さないんだ。無言は肯定ととるぞ」
それでも私は一言も発せず、ただ頭を下げ続けた。
「やめてくれ。ガルディア、顔を見せて。
昨夜は、好きだと言ってくれたじゃないか。
それすら嘘だったというのかっ!」
「いいえ、それは私の本心です。けれど、リナルド様には忘れていただきたい」
私の言葉に、リナルド様が立ち上がる。勢いよく私のもとに駆け寄って両腕を掴み、むりやり私を起こした。
「なぜそのようなことを申すのだ。
昨夜、私に抱かれたいと言っていたではないか。
うわごとのように何度も一つになりたいと。
それは、昨夜の戯れだったとでもいうつもりじゃないだろうな」
「……リナルド様。もう良いのです。私のことはお気になさらないでください。
私は十分、リナルド様の優しさに触れることができました。
これ以上は分不相応です」
リナルド様は、私の両腕から手を離し、そのまま立ち上がってふらふらとベッドに座り込んだ。
「……ガルディア、何を、言っているんだ。だって、私たちは昨日思いを交わしたではないか。
あれほど、あなたを好きだと……」
リナルド様の声が、徐々に弱々しくなる。
片手で前髪を掴み、くしゃりと握りつぶすのが見える。
「——リナルド様には、シャルロット様がおられます。
私のような年配者のことなどお気になさらず、ご自分の幸せだけを考えてください」
「なぜだ。なぜ、そうなる。
シャルロット嬢は友人だ。私のガルディアへの思いを知り、応援してくれていたのだ。
私は長年、あなたを、あなただけに愛を囁いてきた。
それは一つも届いていなかったのか。
——なぜだ。なぜ私の気持ちがあなたにだけは伝わらないのだ」
リナルド様のお言葉に、ほんの一瞬だけ心が震えた。
もしかして、リナルド様は本当に……。
けれど、すぐに否定する声が頭の中で響く。
違う。
そんなはずがない。
リナルド様は、私を慕ってはくださっている。
けれど、それは「恋」ではない。
私はリナルド様にとって、幼い頃から側にいた存在というだけだ。
それ以上の意味を、持たせてはいけない。
それに——。
「リナルド様……」
声が震える。
たとえ、万が一、リナルド様のお言葉が本心だったとしても。
それを受け入れることはできない。
「私のような年配の、子を成すこともできぬ男では……
リナルド様の未来を、奪ってしまいます」
もし本当にリナルド様が私を想ってくださっているとしたら。
そうならば、尚更、私は身を引かなければならない。
全ての勇気を奮って言葉にする。
「リナルド様に子を成せない男との未来など、選ばせることはできません。
どうか、私のことはお忘れになって……」
そこまで言って、言葉に詰まる。
フィルベルト殿下も、エリゼオ様と結婚されるまで苦悩なされていた。
それを私は、殿下付きの近衛騎士として間近で見てきた。
エリゼオ様はチェネレントの靴に選ばれし特別な存在。
それであっても、王太子配となることは難しかったのだ。
それだけ、王族の血を残すことはこの王政を平和に保つためにも重要だ。
フィルベルト殿下は、甥のエリゼオ様を養子に迎えることで決着なされた。
リナルド様の世代では、直系の流れをくむ者はリナルド様ただ一人。
養子を迎えることはできない。
それに、私はただの近衛騎士。
エリゼオ様のように選ばれし者でもない。
このような状況で、リナルド様の手を取ることは、不必要にリナルド様を苦しめることになるのだ。
私を憎むことでリナルド様のお心が軽くなるのであれば、いくらでも憎まれ役を買う。
リナルド様を私が苦しめる事だけは、決してできない。
リナルド様はただ苦し気に息を吐くのが聞こえた。
しばしの沈黙が落ちる。
それはひどく重く、長いものにも、一瞬にも感じられた。
「……ガルディアにそのように言わせてしまうのは、私が王族だからか?」
リナルド様の声は震えていた。
「王族でなければ、あなたは私を一人の男として、見てくれたのか?」
息を呑んだ。
「こんなにも好きだと、私とともにいてくれと言い続けてきたのに。
なぜ私の言葉を否定する」
ぽろり、と。
リナルド様の頬を、雫が伝った。
長年仕えていたが、リナルド様の涙を初めて見たことに、私は気づいた。
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