1 / 8
1錠 「症状にあったお薬を・・・」
紫音side
しおりを挟む
「ふぅ~、暇だね。締切も終わったしやることないよ。」
白髪の中性的な顔立ちの男性が呟いた。
この処方箋の店主の冬夜は机に突っ伏して愛用の万年筆をコロコロと転がしていた。
「俺としてはな、正直こっちの仕事が入らない方が嬉しいんだけどな。
お前は危機管理能力が著しく欠如してるんだよ・・・。てか、客に薬作るだけで毎回こんな目に合うんだよ・・・。」
俺は腰に手を当て呆れたように息を吐き出した。
「仕事には手を抜かないのは紫音も知っているでしょ。これにこのスリルがいいんじゃないか。
小説家の仕事は自分が体験できない世界観だったり自由な空間を作り出すことができるけど、こっちの仕事は自分が考えたストーリーが1人にはリアルになる。
それはすごいことじゃないか。」
冬夜は両手を広げ得意げに言った。
「そのすごさは分かってやれねぇな。
他人の事実を変えちまうんだったらあんまりいい事だとは思えねぇよ。」
「ほんと紫音はお堅いよねぇ~。」
と言って薄く笑ってみせた。
「俺も仕事には極力口を出したかねぇが、お前は薬を作るだけじゃなくて客の要望している記憶について調べつくすじゃないか。
そうゆうのは探偵とかに任せればいいんじゃないのか?」
「そうゆうのも込みで値段提示しているから問題ないよ。
自分で調べないと納得いかないんだよ。どうも他人は信用できないしね。
それに、探偵なんて雇ったらその分費用がかかるじゃないか。」
「お前・・・物書きでだいぶ稼いでるんだろ。どんだけ金にがめついんだよ・・・。」
俺は頭を抑えて再度ため息を吐いた。
「まぁ、危険なことさえしなきゃ何も言わねぇよ。」
そう言うと冬夜はふふっと笑って、
「約束はできないなぁ~。もし危険だと思ったら紫音が助けてくれるだろう。」
と、さも当たり前のように言った。
白髪の中性的な顔立ちの男性が呟いた。
この処方箋の店主の冬夜は机に突っ伏して愛用の万年筆をコロコロと転がしていた。
「俺としてはな、正直こっちの仕事が入らない方が嬉しいんだけどな。
お前は危機管理能力が著しく欠如してるんだよ・・・。てか、客に薬作るだけで毎回こんな目に合うんだよ・・・。」
俺は腰に手を当て呆れたように息を吐き出した。
「仕事には手を抜かないのは紫音も知っているでしょ。これにこのスリルがいいんじゃないか。
小説家の仕事は自分が体験できない世界観だったり自由な空間を作り出すことができるけど、こっちの仕事は自分が考えたストーリーが1人にはリアルになる。
それはすごいことじゃないか。」
冬夜は両手を広げ得意げに言った。
「そのすごさは分かってやれねぇな。
他人の事実を変えちまうんだったらあんまりいい事だとは思えねぇよ。」
「ほんと紫音はお堅いよねぇ~。」
と言って薄く笑ってみせた。
「俺も仕事には極力口を出したかねぇが、お前は薬を作るだけじゃなくて客の要望している記憶について調べつくすじゃないか。
そうゆうのは探偵とかに任せればいいんじゃないのか?」
「そうゆうのも込みで値段提示しているから問題ないよ。
自分で調べないと納得いかないんだよ。どうも他人は信用できないしね。
それに、探偵なんて雇ったらその分費用がかかるじゃないか。」
「お前・・・物書きでだいぶ稼いでるんだろ。どんだけ金にがめついんだよ・・・。」
俺は頭を抑えて再度ため息を吐いた。
「まぁ、危険なことさえしなきゃ何も言わねぇよ。」
そう言うと冬夜はふふっと笑って、
「約束はできないなぁ~。もし危険だと思ったら紫音が助けてくれるだろう。」
と、さも当たり前のように言った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
嘘はあなたから教わりました
菜花
ファンタジー
公爵令嬢オリガは王太子ネストルの婚約者だった。だがノンナという令嬢が現れてから全てが変わった。平気で嘘をつかれ、約束を破られ、オリガは恋心を失った。カクヨム様でも公開中。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる