思い出処方箋

みしぁ

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1錠 「症状にあったお薬を・・・」

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「いつも俺が助けてやれるとは限らないんだぞ。それにな・・・・。」

「はいはーい。なるべく気を付けるから~。
そういえばお茶を出すの忘れてたな~。緑茶でいいよね。」

「・・・はぁ~。」

本日3回目のため息をついて、お茶を入れに店の裏に行った冬夜を見た。

冬夜は他人の過去について透視をすることができる訳だが、それに加えて相手の記憶を変える、正しくは『上書き』もする事ができる。

この世界は特殊な能力を持った人間と持ってない人間がいる。その中でも異能が2種類使えるものは数少ない。異能同士の親から生まれる子どもでも、お互いの異能が組み合わさったものになるか、どちらかの異能が受け継がれる。異能者と非異能者の親から生まれると半々の確率で異能があるかないかが決まる。異能が2種類使えるものは全人口のうち、1%もいないという。

その1%のうちに入っているのが冬夜になるのだが、こいつはそこが知れない。感情が読めないやつで、全て読み切っているような節がある。
ただ、勝手に他人の記憶を覗くようなデリカシーのない事はしないようだ。

俺が冬夜を心配して守護していることについて、本人からどうしてと聞かれたことはある。
それもそうだ。俺も執着していることは理解している。
だが、その理由については冬夜だとしても知られたくないのだ。

だから、聞かれた時は自分の口からは言いたくねぇから、「お前なら透視出来るだろ。」と吐き捨てるように言ったら、冬夜はこっちをじっと見つめてはぁ~と息を吐いた。

「僕はね、紫音。他人の記憶を勝手に覗こうなんて趣味はないんだよ。
・・・・・特に知られたくない過去とかね。」

こっちを見ずにかすかに微笑んでいた。

腹黒で意地悪いところはあるが、本当の奥底は優しい人物なのだろう。

俺も過去に色々あったけど、こいつも俺くらい、いや、もっと悲惨な過去があるのではないかと思った。微笑んだ時にどこか諦めたような、それでいて何かを望んでいるような期待しているような目をしていた。
俺がこいつの背負っている過去を少しでも軽くしたいと思うし、こいつを助けると自分が満たされる気分になる。
こいつは分かってなのか、俺がこっちの仕事を手伝いつつ助けているのに何も言わず付き合ってくれている。

ほんと感謝しかないなぁ~なんて思って自分のお茶を用意してくれている冬夜を見ていたら、

prprpr・・・・・

店のカウンターに置いてある電話がなった。
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