思い出処方箋

みしぁ

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1錠 「症状にあったお薬を・・・」

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「丁度お茶が入ったよ~。
仕事の依頼かな。やっと仕事入ったよ。良かったぁ。」

笑顔でウキウキした様子で電話を取った。

「こちら記憶処方箋です。」

一定のリズムだが、少しワクワクした感じで答えた。
小説家の時は見ることができない顔だ。

『お忙しいところ申し訳ございません。捜査二課異能部の松森ですが・・・』

それを聞いて冬夜はまたぁ~とでも言いたそうな、明らかにさっきとは違う無気力な顔をして、電話のコードを指でクルクルといじっていた。

まぁ、仕方ないが・・・
こちらの仕事の8割は警察からの依頼が多い。だからといってそんなに態度を変えるな。

「それで~?今回はなに~?」

いかにも嫌そうな口調で言う。
こちらからでも分かる。すごく嫌そうでやる気が微塵も感じられない。

『もう私から電話が来た時点でお察しかと思いますが・・・。
今から署まで来ていただくことはできないでしょうか。』

「ふぅ~。またそれ~。ここの電話は盗聴の心配は100%ないって言ってるのに。
・・・まぁ、いいけど交通料上乗せね。」

と言って電話を切った。
こいつ、他人の何倍も稼いでいるのに、どんだけがめついんだよ。

ほんと恐ろしいやつだな―――。
なんて、まだ熱さの残る緑茶を啜りながら、心の中でツッコミを入れていると、

「何ゆっくりしてんの。早く用意して。」

と言われた。

「いやいや、いつも言ってるけどな。警察署にヤクザなんて行くわけねぇだろ。」

「大丈夫だって。あの子気が弱いから紫音にだって低姿勢でしょ。」

「それはそれでいいのかよ・・・。てか、お前から賃金もらってないのにいつもタダ働きかよ。これでも組長やってんのによ。」

いつもはそのまま冬夜のいう通りついて行くが、今回は少し反抗してみた。
さて、どう反応するのか・・・。

でも、さすが冬夜。ふふっと笑ってこっちを横目でチラッと見て、

「そうだね。こっちは強制してないから来るか来ないかは自由だよ。別に自分1人でなんとかなるしねぇ~。
どっちでもいいよ。」

と言って店の入り口から出て行った。

「・・・ん~・・・」

ほんのわずかの時間考えたが、席を立ち冬夜を追いかけたのだったーーーー。

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