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短編
猫の飼い主を見つけろ!
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鍛錬を終えたリィは、アメリーの姿を探していた。ここずっとアメリーと一緒にいるので、彼女がいる場所は何となく分かる。リィは近道で木の上を飛び移りながら庭園へと向かう。
アメリーは大体庭園にいる。彼女の姿を発見すると、リィは木から飛び降りて近付いた。
「アメ、そこで何をしている?」
「あ、リィ」
こちらに背を向けていたアメリーはこちらに振り返った。彼女は大事そうに何かを抱えていて、リィは思わず怪訝な表情を浮かべた。茶色い毛が生え、長い尾を持ったそれからは生を感じられた。
「何だその生物は」
「猫だよ。見た事無い?」
「……初めて見た。それは食用にしては肉が少ないようだが」
魔物の森にいた時、リィは食事に困った時は魔物を食物にしている時があった。ほとんどが獣型であった為、解体の仕方は知っているのだが、アメリーの持つ猫という生物は肉が少なそうだし小さいので苦労しそうだ。
猫の身体をジロジロと見ていると、アメリーは慌てて猫を身体で隠した。
「ね、猫は食べないよ! 何処からか迷い込んで来ちゃったみたい」
アメリーの話から、猫は愛玩動物である事が分かった。リィには理解が出来ない事だったが、肉が少ないのはそれが理由か、と納得した。
猫は人に慣れているのか、アメリーの腕の中で大人しくしている。アメリーは動物が好きなのだろう。猫を愛おしそうに見下ろしていた。
「こっそり私の部屋で飼おうかなって思うんだけれど」
「駄目だよ、アメリー」
「あ、アリー」
会話の途中で入って来たのは、アメリーの弟アリソンだ。姉とそっくりな顔をしているが、いつも眉を吊り上げていて不機嫌そうだ。今は何故か鼻を赤くしている。
「城の中で猫を飼う事は許さないよ。僕が猫アレルギーだって知っているだろう。それに、その猫――へぶしっ」
アリソンはくしゃみをして鼻を啜った。鼻が赤いのは近くに猫がいたからのようだ。アレルギーという言葉に縁のないリィは一人首を傾げたが、アリソンは猫が好きではないという事かと勝手に納得した。
アメリーは残念そうに眉を下げたが、可愛い弟の事を考えると無理矢理猫を飼うなど出来ないのだろう。
「じゃあ、他に飼い主を探さなくちゃ! リィも一緒に探そう!」
「分かった」
「あ、ちょっとアメリー!」
アリソンの制止も聞かず、アメリーはリィを連れて猫の飼い主探しを始めた。
**
「猫、ですか?」
アメリーがまず声を掛けたのは、騎士隊長グランデルだった。今は鍛錬場で兵士に指南をしている最中だった。珍しくアメリーが鍛錬場に来たと思ったら猫を飼わないかという話だったので、酷く困惑しているようだった。
「うん、グランデル飼わない?」
「生憎、私は動物を飼う余裕が無くてですね……。家にはほとんど戻りませんし、寂しい思いをさせてしまうでしょう。イムはどうだ?」
グランデルは隣にいる弓兵隊長イムに声を掛けた。訓練をよくサボる彼がここにいるのは、恐らく師匠であるグランデルに強制的に連れて来られたのだろう。話を振られたイムはアメリーの腕の中にいる猫に視線を向けて嫌そうに顔をしかめた。
「うわー、勘弁してくださいよー。俺の部屋は動物が入り込む余地無いですよー。余計部屋が散らかってしまうかもしれないしー。それに俺、動物の世話とかした事無いし、興味が無いから絶対放置する自信がありますわー」
「それは同感だ。イムには任せない方が良いでしょう」
「じゃあ何で俺に聞いたんですかー。はあ。そこにいるリィに頼めばいいじゃないですかー。動物は得意でしょうー?」
リィが動物に得意、というのは彼が魔物の森時代に多くの生物と関わって来た事を言っているのだろう。――ほとんど魔物だが。
「飼う、という事が俺には分からない」
「リィは食べちゃいそうだからダメだよ。はあー。グランデルなら大丈夫かなと思ったんだけれどな」
この鍛錬場にいる兵士に声を掛けてみようか、とアメリー周りを見渡しているとグランデルが視界に入り込んできた。
「それではガイア隊長はどうです? 彼は動物好きのはずですよ。確かマイクル殿と一緒に書庫室へいるはずですが」
「ちょっと聞いてみる!」
豪快な銃器兵隊長なら快く猫を飼ってくれるかもしれない。そう思ったアメリーは早速ガイアの元へ行く事にした。
**
「ふむう! 猫ですか! 申し訳ございませんアメルシア王女! 実は家には犬が二頭おりましてな! 子猫は飼えないですなあ」
書庫室で大砲について調べていたガイアに、猫を飼えないか聞いたが、返って来た言葉にアメリーは肩を落とした。どうやらガイアは犬派でもあるらしい。
一緒にいたリィは熱心に子供向けの文字を覚える本を読んでいる。書庫室へ来るとリィは文字を覚えようと本を読み出す。目的の猫の飼い主を探す事も忘れてしまっているようだ。
それを横目で見てから、今度はマイクルに視線を送る。マイクルは元騎士隊長である。引退してからも兵士達の鍛錬を手伝ったりしてくれている。
「……申し訳ございません。私は猫が好きなのですが、嫌われてしまう質なのです。ほら、このように」
マイクルが猫に手を伸ばしてみると、シャーと牙を剥かれてしまった。
「マイクル、猫似合うのに意外!」
「本当なら飼いたいんですけれどね。ほら、私は独り身ですし、癒しが家にあればなあと思うのですが……」
そう言うとマイクルは悲しそうに目を伏せた。どうやら彼を傷つけてしまったようだ。アメリーは慌てて未だ牙を剥いている猫を自分で隠した。
「ご、ごめんねマイクル! もっと別の人に――」
聞いてみるよ、と言いかけた時だった。背後から「アメリー!」と自分を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると、そこに立っていたのはアリソンだった。
「あ、アリー!」
「もう、アメリーは早とちりなんだから! ……へぶし。僕の話を……へぶし。……リィさん、ちょっと猫持って少し離れてくれる?」
アリソンが本に熱中しているリィにそう言うと、彼は素直に応じて本棚に本を戻し、アメリーから猫を受け取った。リィの持ち方が、両前足の付け根を持つだけだったので、猫の下半身は伸びてしまっている。アメリーはそれを見てハラハラしていたが、そんな中、アリソンが少し遠くへ行ったリィの持つ猫を指差した。
「あの猫、飼い猫じゃないか? ほら、首輪をつけている」
「あ、本当だ。気が付かなかった」
猫の首元には茶色の首輪が付いていた。毛色と同色だったので全く気が付かなかった。アメリーはリィに近付き、抱かれ方に不満そうな猫の首輪に付いているタグを確認してみた。
「あ。住所じゃなくて店名が書かれている。ここは――」
**
「チョコちゃーん!! 良かった、何処に行ったのかと思っていたのよー!」
タグに書かれていたのは、アメリーが脱走した時に良く行く酒場の名前だった。マイクルに伝えると、彼は兵士を酒場まで行かせて、酒場の女店主に猫を迎えに来るよう伝えたのだ。
そして今、女店主が城へ着き、涙目で猫の名前を呼ぶと、今までアメリーの腕の中でのんびりとしていたチョコはすぐに顔を上げた。そしてふくよかな女性の姿を確認すると、アメリーの腕からするりと抜け出し、女店主の足元へと擦り寄った。
「アメリー王女、リィ君、本当にありがとうございます!! この子、本当に気まぐれで、よく出かけちゃうんですけれど、今日はなかなか帰って来なかったから心配で……!」
「見つかって良かったね! 今度行くとき、私の好きなジュース用意しておいてね!」
「ええ。勿論です。本当に、ありがとう――」
女店主は猫を抱き、涙を流しながら礼を言った。
あれ程アメリーに抱かれていたというのに、チョコは女店主の腕の中で一度もこちらを見る事は無かった。アメリーは複雑な思いを抱きながら、女店主を見送った。
日は既に傾いており、そろそろ薄暗くなりそうだ。アメリーはリィと共に庭園に戻り、猫を見つけた場所まで行くと大きくため息を吐いた。
「いいなあ、猫。私も飼いたかったな」
「……俺じゃダメなのか」
「リィはペットじゃないでしょ!」
少しずれた発言に、アメリーは少しだけ笑ってしまった。リィは魔物の森にずっといたので、他の人間とは少々違った感性を持ち合わせている。だから、彼と一緒にいるのはとても楽しい。
猫がいなくなってしまったのは残念だが、今日はリィと一緒に城中を回れて、何だか冒険をした気分だった。城は自分が産まれた時から変わらないのに、リィが一緒にいると全てが新鮮に見える。
「アメは、猫に似ているな」
「え? そうかな」
「気まぐれで、よく脱走する所」
「そ、それはチョコちゃんだけだよ! 他の猫は違うんだから!」
「そうなのか」
「絶対そう!」
「……」
「……リィ、今笑った?」
隣にいたから肩が震えたくらいしか確認出来なかった。リィはアメリーとは反対方向に顔を向けており、表情が分からない。
「……笑っていない」
「絶対笑ったでしょ! もう!」
アメリーは頬を膨らませてリィの肩を軽く叩く。リィはすぐにこちらを向いたが、表情はいつもの無だったが、少しだけ口元が緩んでいる気がした。
「こ、こうなったらリィに内緒で脱走してチョコちゃんに会いに行くんだから!」
「アメ、俺からは逃げられない。脱走する時はちゃんとアリーとかに言え」
「それは脱走って言わないよ! アリーに言ったら絶対ダメって言われるんだから!」
庭園では、しばらく二人の楽しそうな会話が聞こえていた。
アメリーは大体庭園にいる。彼女の姿を発見すると、リィは木から飛び降りて近付いた。
「アメ、そこで何をしている?」
「あ、リィ」
こちらに背を向けていたアメリーはこちらに振り返った。彼女は大事そうに何かを抱えていて、リィは思わず怪訝な表情を浮かべた。茶色い毛が生え、長い尾を持ったそれからは生を感じられた。
「何だその生物は」
「猫だよ。見た事無い?」
「……初めて見た。それは食用にしては肉が少ないようだが」
魔物の森にいた時、リィは食事に困った時は魔物を食物にしている時があった。ほとんどが獣型であった為、解体の仕方は知っているのだが、アメリーの持つ猫という生物は肉が少なそうだし小さいので苦労しそうだ。
猫の身体をジロジロと見ていると、アメリーは慌てて猫を身体で隠した。
「ね、猫は食べないよ! 何処からか迷い込んで来ちゃったみたい」
アメリーの話から、猫は愛玩動物である事が分かった。リィには理解が出来ない事だったが、肉が少ないのはそれが理由か、と納得した。
猫は人に慣れているのか、アメリーの腕の中で大人しくしている。アメリーは動物が好きなのだろう。猫を愛おしそうに見下ろしていた。
「こっそり私の部屋で飼おうかなって思うんだけれど」
「駄目だよ、アメリー」
「あ、アリー」
会話の途中で入って来たのは、アメリーの弟アリソンだ。姉とそっくりな顔をしているが、いつも眉を吊り上げていて不機嫌そうだ。今は何故か鼻を赤くしている。
「城の中で猫を飼う事は許さないよ。僕が猫アレルギーだって知っているだろう。それに、その猫――へぶしっ」
アリソンはくしゃみをして鼻を啜った。鼻が赤いのは近くに猫がいたからのようだ。アレルギーという言葉に縁のないリィは一人首を傾げたが、アリソンは猫が好きではないという事かと勝手に納得した。
アメリーは残念そうに眉を下げたが、可愛い弟の事を考えると無理矢理猫を飼うなど出来ないのだろう。
「じゃあ、他に飼い主を探さなくちゃ! リィも一緒に探そう!」
「分かった」
「あ、ちょっとアメリー!」
アリソンの制止も聞かず、アメリーはリィを連れて猫の飼い主探しを始めた。
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「猫、ですか?」
アメリーがまず声を掛けたのは、騎士隊長グランデルだった。今は鍛錬場で兵士に指南をしている最中だった。珍しくアメリーが鍛錬場に来たと思ったら猫を飼わないかという話だったので、酷く困惑しているようだった。
「うん、グランデル飼わない?」
「生憎、私は動物を飼う余裕が無くてですね……。家にはほとんど戻りませんし、寂しい思いをさせてしまうでしょう。イムはどうだ?」
グランデルは隣にいる弓兵隊長イムに声を掛けた。訓練をよくサボる彼がここにいるのは、恐らく師匠であるグランデルに強制的に連れて来られたのだろう。話を振られたイムはアメリーの腕の中にいる猫に視線を向けて嫌そうに顔をしかめた。
「うわー、勘弁してくださいよー。俺の部屋は動物が入り込む余地無いですよー。余計部屋が散らかってしまうかもしれないしー。それに俺、動物の世話とかした事無いし、興味が無いから絶対放置する自信がありますわー」
「それは同感だ。イムには任せない方が良いでしょう」
「じゃあ何で俺に聞いたんですかー。はあ。そこにいるリィに頼めばいいじゃないですかー。動物は得意でしょうー?」
リィが動物に得意、というのは彼が魔物の森時代に多くの生物と関わって来た事を言っているのだろう。――ほとんど魔物だが。
「飼う、という事が俺には分からない」
「リィは食べちゃいそうだからダメだよ。はあー。グランデルなら大丈夫かなと思ったんだけれどな」
この鍛錬場にいる兵士に声を掛けてみようか、とアメリー周りを見渡しているとグランデルが視界に入り込んできた。
「それではガイア隊長はどうです? 彼は動物好きのはずですよ。確かマイクル殿と一緒に書庫室へいるはずですが」
「ちょっと聞いてみる!」
豪快な銃器兵隊長なら快く猫を飼ってくれるかもしれない。そう思ったアメリーは早速ガイアの元へ行く事にした。
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「ふむう! 猫ですか! 申し訳ございませんアメルシア王女! 実は家には犬が二頭おりましてな! 子猫は飼えないですなあ」
書庫室で大砲について調べていたガイアに、猫を飼えないか聞いたが、返って来た言葉にアメリーは肩を落とした。どうやらガイアは犬派でもあるらしい。
一緒にいたリィは熱心に子供向けの文字を覚える本を読んでいる。書庫室へ来るとリィは文字を覚えようと本を読み出す。目的の猫の飼い主を探す事も忘れてしまっているようだ。
それを横目で見てから、今度はマイクルに視線を送る。マイクルは元騎士隊長である。引退してからも兵士達の鍛錬を手伝ったりしてくれている。
「……申し訳ございません。私は猫が好きなのですが、嫌われてしまう質なのです。ほら、このように」
マイクルが猫に手を伸ばしてみると、シャーと牙を剥かれてしまった。
「マイクル、猫似合うのに意外!」
「本当なら飼いたいんですけれどね。ほら、私は独り身ですし、癒しが家にあればなあと思うのですが……」
そう言うとマイクルは悲しそうに目を伏せた。どうやら彼を傷つけてしまったようだ。アメリーは慌てて未だ牙を剥いている猫を自分で隠した。
「ご、ごめんねマイクル! もっと別の人に――」
聞いてみるよ、と言いかけた時だった。背後から「アメリー!」と自分を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると、そこに立っていたのはアリソンだった。
「あ、アリー!」
「もう、アメリーは早とちりなんだから! ……へぶし。僕の話を……へぶし。……リィさん、ちょっと猫持って少し離れてくれる?」
アリソンが本に熱中しているリィにそう言うと、彼は素直に応じて本棚に本を戻し、アメリーから猫を受け取った。リィの持ち方が、両前足の付け根を持つだけだったので、猫の下半身は伸びてしまっている。アメリーはそれを見てハラハラしていたが、そんな中、アリソンが少し遠くへ行ったリィの持つ猫を指差した。
「あの猫、飼い猫じゃないか? ほら、首輪をつけている」
「あ、本当だ。気が付かなかった」
猫の首元には茶色の首輪が付いていた。毛色と同色だったので全く気が付かなかった。アメリーはリィに近付き、抱かれ方に不満そうな猫の首輪に付いているタグを確認してみた。
「あ。住所じゃなくて店名が書かれている。ここは――」
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「チョコちゃーん!! 良かった、何処に行ったのかと思っていたのよー!」
タグに書かれていたのは、アメリーが脱走した時に良く行く酒場の名前だった。マイクルに伝えると、彼は兵士を酒場まで行かせて、酒場の女店主に猫を迎えに来るよう伝えたのだ。
そして今、女店主が城へ着き、涙目で猫の名前を呼ぶと、今までアメリーの腕の中でのんびりとしていたチョコはすぐに顔を上げた。そしてふくよかな女性の姿を確認すると、アメリーの腕からするりと抜け出し、女店主の足元へと擦り寄った。
「アメリー王女、リィ君、本当にありがとうございます!! この子、本当に気まぐれで、よく出かけちゃうんですけれど、今日はなかなか帰って来なかったから心配で……!」
「見つかって良かったね! 今度行くとき、私の好きなジュース用意しておいてね!」
「ええ。勿論です。本当に、ありがとう――」
女店主は猫を抱き、涙を流しながら礼を言った。
あれ程アメリーに抱かれていたというのに、チョコは女店主の腕の中で一度もこちらを見る事は無かった。アメリーは複雑な思いを抱きながら、女店主を見送った。
日は既に傾いており、そろそろ薄暗くなりそうだ。アメリーはリィと共に庭園に戻り、猫を見つけた場所まで行くと大きくため息を吐いた。
「いいなあ、猫。私も飼いたかったな」
「……俺じゃダメなのか」
「リィはペットじゃないでしょ!」
少しずれた発言に、アメリーは少しだけ笑ってしまった。リィは魔物の森にずっといたので、他の人間とは少々違った感性を持ち合わせている。だから、彼と一緒にいるのはとても楽しい。
猫がいなくなってしまったのは残念だが、今日はリィと一緒に城中を回れて、何だか冒険をした気分だった。城は自分が産まれた時から変わらないのに、リィが一緒にいると全てが新鮮に見える。
「アメは、猫に似ているな」
「え? そうかな」
「気まぐれで、よく脱走する所」
「そ、それはチョコちゃんだけだよ! 他の猫は違うんだから!」
「そうなのか」
「絶対そう!」
「……」
「……リィ、今笑った?」
隣にいたから肩が震えたくらいしか確認出来なかった。リィはアメリーとは反対方向に顔を向けており、表情が分からない。
「……笑っていない」
「絶対笑ったでしょ! もう!」
アメリーは頬を膨らませてリィの肩を軽く叩く。リィはすぐにこちらを向いたが、表情はいつもの無だったが、少しだけ口元が緩んでいる気がした。
「こ、こうなったらリィに内緒で脱走してチョコちゃんに会いに行くんだから!」
「アメ、俺からは逃げられない。脱走する時はちゃんとアリーとかに言え」
「それは脱走って言わないよ! アリーに言ったら絶対ダメって言われるんだから!」
庭園では、しばらく二人の楽しそうな会話が聞こえていた。
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