百合夫婦のドキドキ憲兵日記

ぬるかん1010

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第4話「僕たちの夏休みを返して」

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[前回までのあらすじ]時は西暦2070年。伊美島での惨劇から2年後、僕「みお」と家族の「琴子」は念願の大学生活を送っていた。しかし増大する一方の「怪異」の被害に対し僕たちは憲兵隊の「予備役」として望まぬ戦いを強いられる。
今朝も朝まで怪異とジャンキー相手に大立ち回りを演じ、僕たちはズタボロだった。そして夏休みが迫る。

「あぢい。死ぬ~」

ミミミミと蝉の鳴き声がやかましい事この上ない。
僕はゼミの研究室で暑さと寝不足で一人死にそうになっていた。

愛する琴子は今朝の出動から家に帰った後も、ぐーすかぴーと全く起きる様子がなく、
僕はやむをえず一人で昼前に大学に着いたという訳だ。

「やあ、みお君、琴ちゃんは今日はお休みかい?夏風邪?」
「ざんね~ん。琴子は風邪ひきませ~ん。絶賛お寝坊中で~す。
そして夏休み前に一目琴子を見たいと思っていた男子諸君お気の毒で~す。男みたいな女しかいなくてすいませ~ん」

僕はゼミの机に突っ伏しながら投げやりな言葉を吐いた。
とにかく寝不足で疲労困憊だった。
ゼミもせっかく来たのに夏休み前だからか、簡単な事務連絡だけで後は夏合宿の話ばかりだった。
「みお君、大丈夫だよね?琴ちゃん合宿来るよね?」
「行けたら行きま~す。」
「それはNOという意味じゃないか~。折角君たちの為に今年は奮発したんだから頼むよ~」
ゼミの幹事の斎藤氏が困った様子で言ってくる。それもそのはず、今年の夏合宿の行き先は思い切って神津島に決まったのだ。この時代、夏休みに島でバカンスなんてそう滅多にあるものではない。しかし・・。

どうせ琴子の水着姿が目当てのくせに・・。

僕は一人毒づいた。まあ普段ガラクタや基板相手に睨めっこする暗い青春を送っている男子諸君には、それくらいのご褒美はあってもいいのかもしれないが。

僕と琴子が入っているゼミは「リバースエンジニアリング概論」、大厄災後に広まった学問で、過去の遺物を分析し、失われた技術を現在に蘇らせる、という物だ。

大厄災前にすでにこの国の技術はIT化と海外へのアウトソーシングによりかなりの量が失われていたようで、分析に必要な図面すら残っているケースは殆ど無い。
現物相手の極めて地道な作業であり、分析の結果何も出てこないこともザラである。
壁には「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」という笑えない標語が書いてある。
というものの、僕にとってはこのゼミの研究結果は貴重な物であり、実際に私生活に利用しているものも少なくない。
一方琴子にとっては過去の遺物について機能性やデザインに注目がいくようだ。
その時、教授が僕の所にやってきた。

「みお君、学生課から呼び出しがあるから、この後行くように」
学生課?一体何の用だ?
「みお君……カンニングはよくないよ。」
「そんなことしてませええん。」
しかし全く心当たりがない。一体何の用だろう?
この前部室棟の中で酔ってバーベキューをしたからか?
でもそれならば部長の所に話がいく筈だろう。

僕はゼミが終わった後、学生課へ足を運んだ。
学生課の前ではいつもどおり自治会と体育会が押し問答をしている。
「僕たちはあああ!学費値上げに抗議をおお!テッテイ的な議論を要求するうう!」
「帰れー!サヨク帰れー!」
「お前たちこそ帰れー!権力の犬めー!」
僕は嘆息しながら彼らの横をすり抜けて学生課の中に入った。
この暑いのにご苦労なことだ。

学生課の中は夏休みの前だからだろう。
大勢の学生が学割証明書を求めてごった返していた。

「すいません、2年の君島みおですが・・・。」
「あっ、君島さん!?ど、どうぞこちらへ!」
職員が緊張した様子で僕を奥へ案内する。一体何だろう?
職員はカギがかかったドアを開けると、僕を通路の奥に案内した。
学生課の奥にこんな場所があったのを僕は初めて知った。
職員は突き当りの部屋に僕を案内すると、「どうぞごゆっくり!」と言って足早に去っていった。嫌な予感がする。僕は重い気持ちでドアを開けた。

そして嫌な予感は的中した。

「い、五十嵐少将!?」
室内には不機嫌全開な顔をした五十嵐少将が軍服ではなくスーツ姿でソファに座っていた。傍らには夕べ僕と琴子が出動した時に、家で留守番を務めたあの眼鏡の女が直立不動で立っている。

「な、なんでここまで・・。セクトの巣ですよ?このキャンパスは。」
「君が出頭命令を無視するからだ。中尉。」
五十嵐少将はぶすっとした顔で呟いた。
僕は今日何度目かのため息をつきながらソファに座った。
五十嵐少将。東京を含む第一管区の憲兵司令官である。
陸軍がかつて「陸上自衛隊」という奇妙な名称の組織であったころから在籍している、たたき上げの軍人だ。

「琴子君は家かね?」
「ぐっすり寝てますよ。夕べ一晩中起きてたんですから。夕方まで起きないんじゃないですか?」
「しょうがない。彼女には電話で連絡しよう。」
「それにしても少将。なぜこんな所に?夕べの事件に特に報告することはないですよ。
いつもの無差別テロ事件です。後は本隊が捜査するだけです。」
「昨日の事件は十分深刻だ。クスリに怪異の血が混入されていたんだぞ?この東京に薬物中毒者が何十万人いると思ってる?まあいい。どっちみち昨日の事件の報告は口実だ。用件は別だ。」

僕は自分の表情が歪むのを感じた。絶対にロクでもない話だ。
もうすぐ夏休みなのにどこの誰が何を起こしたんだ?

「夕べ呉の海軍本部に怪異の侵入があった。一番奥の情報処理室まで入られたらしい。」
僕は耳を疑った。怪異が海軍本部?しかも情報処理室だと!?

「その怪異はどういう方法か不明だが、海軍本部に侵入し、ものの10分ほどで情報処理室に入った後、脱出したとの事だ。付近に停泊していた空母「赤城」の見張り兵から女性型で有翼。そのまま飛んで行ったとの事だ。あまりに短時間で誰も対処できなかったらしい。」
「死者は?」
「驚くことにゼロだ。数名負傷者が出たがいずれも軽傷だ」
僕は驚いた。怪異が侵入して人を殺さずに出ていった話なんて聞いたことが無い。

「しかし情報処理室?あそこは大厄災前のシステムが残っている核シェルターも兼ねている施設ですよ?そんな所になんで入ったんです?」
「映像を直接見てもらった方が早い。飯島准尉。」
飯島准尉と呼ばれた眼鏡の女性は、部屋の映写機を操作し始めた。
フィルムが回るカラカラという音と共に、暗幕に映像が映し出される。

映像は情報処理室の中だった。(この映像だけで国家機密だ)
室内に警告音が鳴り響いた瞬間、物凄い速さで何かが転がり込んでくる。


僕は目を見開いた。

銀髪の少女。目は刀を持った琴子と同じく真紅に輝き、頭に角も生えているがそれ以外は全くの人間だった。
服装はなぜかフリルのついたロングスカートでハイヒールを履いている。
池袋か原宿でこういうのを着ている人たちがいるが似たような格好である。

僕も着たことがあるからわかるが、どう見ても動きにくくてこの場には向かない格好だった。

映像の中の銀髪の少女は次の瞬間、しゃがんで膝を立てると即座に短機関銃を発射する。
飯島准尉がそこで映像を止める。

五十嵐少将が重い口を開く。
「君島中尉。どう思う?」
「明らかに正式な訓練を受けた射撃です。明白に牽制の為に射撃している。最初に上方に一発。対象は監視カメラです。その後に海軍兵の足元を狙って命中しないように正確に射撃しています。銃はH&K MP5。30発程を撃った後で即座に弾倉を交換しています。プロの動きです」
「見事だ、君島中尉。そう。『監視カメラ』だ。君もご存じの通りこの時代には監視カメラなんてものはもう機能していない。それにも拘わらずこの怪異は真っ先に正確にこの監視カメラを射撃している、つまりこの怪異は『監視カメラが機能していたころの情報処理室の内部構造を正確に把握している可能性が高い』という事だ。飯島准尉、次だ。」

映像が再開された。
銀髪の少女は弾倉を交換した後、懐から何かを取り出して海軍兵に投げつける。
次の瞬間凄まじい音と共に海軍兵が悲鳴を上げる。
音響手榴弾だった。

少女は海軍兵が倒れるのを確認すると、即座に端末のコンソールに飛びついた。
そこで僕は目を疑う光景を見た。

少女が端末を操作している。

少女は端末を操作した後、今度は手に何かを持って、ケーブルを端末に接続した。
手に持っているのはなんと小型のポータブルハードディスクだった。
あんなものは秋葉原の闇市でも滅多にお目にかかれない。

そして少女は1分間ほどするとケーブルを抜いて驚くべき行動に出た。
背中から真っ黒な羽が出てくる。彼女はその場で羽ばたくとその場から飛び去った。
映像はそこで終了した。

「少将、これどうやって海軍は撮影したんです?」
「海軍は監視カメラは運用できていないからな。こういう機密を扱う部屋の出入りの際はご丁寧に入口の歩哨が記録として8mmカメラを回すらしい。怪異がこの歩哨の8mmカメラを奪わなかった理由はよく分からないが・・。どのみち音響手榴弾を食らいながらカメラを回し続けたのは大した根性だな。」

僕はこの少女が歩哨の8mmカメラを奪わなかった理由を推測する。
監視カメラを撃っている訳だから証拠を残すつもりは一切無かった。
という事はこの少女は8mmカメラを見たこと自体がなかったのではないのだろうか?

「少将、この怪異がコピーしたデータの詳細は分かりますか?」
「それが全くわからないとの事だ。コピーしたデータがどれかはログを見て分かったそうだが、肝心のデータにプロテクトがかかっていて全く解析できないそうだ。恐らく大厄災の前後の機密データと思われる。海軍ではどうにもならないという事で、非常に珍しいことだが海軍大臣から陸軍大臣に支援要請があった。どのみち解析できる人間は一人しかいないからな。」

「あの、少将。非常に嫌な予感がするのですが。」

「陸海軍とも君には非常に期待しておる、頼んだぞ。君島中尉。」

「そ、そんな・・・。」
僕は愕然とした。僕はこれから夏休みなのに・・・。

「後ほどコピーされたデータを積んだハードディスクが市ヶ谷の陸軍情報センターに届くという事だ。君は琴子君と一緒に解析に励んでくれ。海軍に恩を売る絶好のチャンスだ。」
「ちょっと待ってください。なぜ琴子が?彼女まで市ヶ谷に詰める必要はないでしょう?」
「陸軍参謀本部及び憲兵隊司令部が検討した結果、この怪異の目的は大厄災前後の機密データだ。そしてその機密データが保管されている場所は日本に二か所しかない。呉の海軍本部と市ヶ谷の陸軍情報センターだ。よってこの怪異は市ヶ谷も襲撃する可能性が高い。
そしてこの怪異に対抗できる相手は一人だけという結論になった。結論を聞きたいかね?」

そんな、まさか、まさか・・・。

「という次第で明日0900に琴子君と着替えを持参して、完全武装で情報センターに出頭するように。頼んだぞ君島中尉!」
「そ、そんな泊りがけなんて・・・。いつまで?僕と琴子の夏休みは?ゼミとサークルの夏合宿は?隅田川花火大会は~!?」
「琴子君が怪異をやっつければ即日夏休みだ!頑張るんだぞ中尉!ハッハッハ~!」
五十嵐少将は破顔一笑すると立ち上がって部屋を出ていった。

僕は絶望の表情でその場に座り込む。いくらなんでもあんまりだ~!

しばらく絶望の表情で座り込んだままの僕に、飯島准尉がお茶を差し出す。

「中尉、飲んで落ち着いてください。」
「う、うう、しみわたる…。ええと…飯島…准尉?夕べ初めてですね。僕と琴子が出動している間、部屋を掃除してくれてありがとう~。」
「我慢できなくて掃除しただけです。二人とも女の子なんだからもう少し綺麗にしてください」
「仕方ないでしょう。僕と琴子の部屋はサークルやゼミの連中が終電を逃した時の駆け込み寺なんだから。」
「女の家に男を泊めるなんて言語道断ですわ。大体クローゼットの中は武器だらけなのになんと非常識な。」
「ちゃんと施錠しているからわかりゃしないですって。それより琴子だ。ああ何て言おう・・。」
「先ほど少将がウキウキで出ていきましたから今頃電話してるのでは?」
「そ、そんな!琴子に家を破壊される!すぐに帰らないと!」

僕は慌てて部屋を出ようとする。その時ふと気が付いた。

「飯島准尉。君は少将と一緒に出なくていいのかい?」
「私は対セクト捜査の為、このW大に学生として潜入中です。お構いなく。」
「潜入?僕と琴子がいるのに?」
「まあ、学内で超有名人の貴女たちが何の潜入を?貴女たちの学内での行動は全~部ファンクラブの会報に乗ってますわ。まったく羨ましい事で。」
「会報!?何だそれは!?し、知らないぞ!」
「ホラホラ、早く愛する琴子さんの所に行きなさい。遅くなると家が破壊されますよ、シッシッ。」
僕は反論することもできず飯島准尉に部屋を追い出された。

ふらつく足取りで学生課を出る。
あまりに動揺した僕は、まずいつものタンメン屋でタンメンを食べてから、歩く気力もなくバスで高田馬場に戻ってきた。

ズタボロになって家に帰る。
精神的な打撃が大きすぎる。
やっとの思いでドアを開けようとした所で・・。
なんだこのどす黒いオーラは。

こっそり玄関のドアを開けた僕が見たのは、般若の様な鬼気迫る表情で、瞳を真紅に輝かせながら、一心不乱に丙午千手院長吉を研いでいる琴子の姿だった。

シュッシュ、シュッシュ、シュッシュ。
「許せない許せない私とみおの邪魔をするものは許せない殺してやる耳を削ぎ鼻を削ぎ手足を捥いで」
シュッシュ、シュッシュ、シュッシュ。
刀を研ぐ音と共に呟かれる琴子のどす黒い呪詛の言葉。

僕は迷ったあげく泣き声を出すことにした。
「琴子お~、少将がひどいんだよお~。僕たちに夏休み仕事しろと言うんだよお~。つらいよお~」
「そうだ!司令部を皆殺しにすれば・・!」
「琴子、ちょっと落ち着こうか。」
「落ち着くウ?せっかくの二人の夏休みが潰れるというのにい?ゼミ合宿は?サークルの合宿は?隅田川花火大会わああ~?」
「隅田川花火大会は市ヶ谷の屋上から見ればいいじゃないか!合宿は・・・そこまでには琴子が首を刎ねるからきっと問題ないよ!」
琴子はまだぶんむくれている。

「そうだ!情報センター行ったら二人でマリ○カートやろう!冷房も効いているし、ねっ!」
マリ○カート・・。僕は情報センターの端末やサーバーを好きに使える立場を利用して大厄災前のテレビゲームをこっそり丸ごとコピーして保存していたのだ。(国家反逆罪だ)
「マリ○カート・・・。」

琴子の瞳の色がようやく赤から黒に戻る。
「私何のキャラ使おうかな?ピー○姫かな?ヨッ○ーかな?」
「ハハッ、僕はワリ○一択だ。勝負だ琴子~」

その夜、僕と琴子は高田馬場の駅前で大いにお好み焼きをほうばった。
明日から当分食べれそうにないからだ。
僕と琴子の平穏は一体どこにあるのだろうか?
(続く)
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