【完結】Twitterのフォロワーのウェブ小説を読もうとしたら異世界転移しちゃいました

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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5.合流

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 翔、煌、ROM-tが、戸籍申請の審査を関所に寝泊まりしながら待つ間。恭輔、伊吹、アリアの3人も森を抜けることが出来た。テントは折り畳むことが出来たので、寝る場所に困る事なく、移動が出来たのだ。

 ジーンシャン領の城壁の関所へとたどり着くと、3人は通行申請で並ぶ人の列に並んだ。

 地球の日本人の3人は非常に目立つ。特徴的な容姿を見つけた憲兵達はすぐさまピンときて駆け寄った。

憲兵1
「お前達、トキタさんの知り合いか? 同じ国の人だろ?」

 トキタ...確か行方不明者のリストにあった名前だ!

御山恭輔
「そうです! 時田翔さんの事ですよね? 知り合いではないのですが、時田さんを探しておりました」

憲兵1
「あぁ! やっぱり!」

憲兵2
「おい、お前、トキタを呼んで来いよ!」

 そう言った憲兵は、アリアを見つめてうっとりしていた。

憲兵1
「いや、お前が行けよ!」

 もう1人の憲兵も、瞬き多めでアリアに笑顔を送っている。

憲兵1
「呼びにいってやりたいが、この時間の当番は俺だ。持ち場を離れるわけにはいかないな」

憲兵2
「いやいや、もうすぐ俺の時間だから、今日は早めに変わってやるよ!」

憲兵1
「有難う! ならば休憩に入るついでにトキタの元へご案内しよう! お嬢さん、どうぞこちらへ!」

憲兵2
「何だと!? 誰がそんなことを許すか!」

 若い憲兵達はとうとう掴みあって、一歩も譲らないと睨みあった。

 そこへ年配の憲兵が飛び出して来る。

年配の憲兵
「貴様ら! 何をしている! 軍の規律を乱すとは何事だ!」

 威圧感のある怒鳴り声に、若い憲兵達は萎縮した。

年配の憲兵
「私がレディをご案内しよう」

 満面の笑みでアリアの手を取った。

 年配の憲兵がアリアを城壁の関所内部にエスコートすると、警備の憲兵達も、鼻を伸ばしてゾロゾロと後をついて歩く。恭輔と伊吹はその列の最後尾について行った。

 憲兵に案内された部屋から翔達が顔を出す。

時田翔
「私が時田です。貴方方あなたがたは?」

御山恭輔
「御山恭輔と申します。奥様から捜索依頼が出ております。僕の本職はルポライターなのですが、その伝手を使って、時田さんや、その他の行方不明者を探して欲しいと頼まれまして。」

時田翔
「迎えに来て下さったのですね!?」

 恭輔は頷いた。

時田翔
「やった! これで帰れるぞ!!」

 翔は、煌やROM-tと抱き合って喜んだ。憲兵達も泣きながら拍手を送る。

憲兵3
「何だ! 良かったじゃないか! 家族が探してくれていたなんて!」

憲兵4
「どうしたんだ?」

憲兵3
「生き別れの奥さんが、捜索願いを出していたらしい」

憲兵4
「せっかく、仲良くなったのに、寂しくなるが、達者で暮らせよ!」

時田翔
「はい! 有難うございます! 皆様には何とお礼を言ったら良いものか...」

 憲兵達は、翔を囲んでバシバシと肩を叩き、すっかり、感動のお別れムードである。

九条伊吹
「ちょ、ちょっと待ってーーーー!!!」

 伊吹の突然の叫びに、皆が一斉に注目する。

九条伊吹
「盛り上がっているところ、すっごく言い難いんだけど...俺達も帰り方が分からないんです!」

時田&憲兵達
「「「えぇ~~ええ!?」」」

時田翔
「ど、どうやってここに!?」

御山恭輔
「皆、一緒です。小説のサイトにアクセスした途端に転移しました」

憲兵4
「く、空間魔法!? 南の国では、魔族軍の侵攻が、まだ行われているのですか!?」

時田翔
「いえ、そういう訳ではないのです」

 空間魔法、魔族と聞いて、翔は考え込んだ。

 そういえば! 確か、主人公の友達になった元魔王のバルドなら空間魔法が使えるはず! やはり、主人公のアントニオ・ジーンシャンに会わないとダメなのか?

憲兵4
「では、どうして、そんなことに?」

 伊吹は懐から、例の詩が書かれた紙を取り出して広げた。

九条伊吹
「俺のところには、この詩が送られて来たんだ。これと一緒に狸田真って人からの手紙がついていて、確か...共同企画に代理人が応募したとか、詩をよく読んで共感して欲しいみたいな事が書かれていた気がする」

時田翔
「詩をよく読んで共感して欲しい?」

九条伊吹
「素敵な詩だけど、何か関係があったりしないのかな?」

 考えてみたが、すぐには答えは出なかった。

_______

 今日も泊めて貰えることになり、留置所の1室に転移者であるメンバーだけで集まった。もちろん、猫又の煌や犬のROM-tも一緒である。

九条伊吹
「時田さんは、動物に好かれやすいですね?」

時田翔
「いや、この方達は...」

葛城煌
「にゃ~、一応、おいらも被害者」

九条伊吹
「猫が喋った!?」

ROM-t
「やっぱり、そう思いますよね~」

九条伊吹
「犬も喋ったぁ~!!!」

時田翔
「その方も被害者です」

九条伊吹
「な、なんで、さっきは黙っていたんですか!?」

葛城煌
「だって、魔獣だと思われたら、ここを追い出されてしまうでしょう?」

九条伊吹
「そっか」

 しばし、気まずい空気が流れた後、誰もいないはずの壁側から、突然声が聞こえてきた。

嗅ぎタバコ野郎のテント
「あ、あの~...実は私も...」

 折り畳まれてリュックになっていたテントから声はする。

「「「て、テントが喋ったぁ~~!!???」」」

九条伊吹
「な、な、何で今まで黙っていたんだ!?」

嗅ぎタバコ野郎のテント
「その...タイミングを逃しまして...」

 無言の時間が流れた。

 そこにいた誰もが、自分達の考えられるキャパシティーを超えていたからだ。

 大分長い時間が流れ、落ち着いきたことで、ようやく皆は、1つのある見解に辿り着いた。

 ここは、あのコメディ好きの狸田真の小説の中だ。どんな可笑しな現象が起きても、不思議ではないのだと。
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