【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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第二章 ワタクシが妊娠!? ...子供の父親は誰なのです!?

7.相手は護衛騎士?

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 デボラがシルバー公爵の屋敷に戻ると、護衛騎士のグレー卿とブラウン卿が馬車に駆け寄った。

ブラウン卿
「どちらに行かれていたのです!? 護衛も付けず!」

デボラ
「ちょっとした用事で王宮に行っていましたの」

ブラウン卿
「私達がどんな思いで探していたか、分かっていらっしゃるのですか!?」

デボラ
「悪かったわよ! だけど、そんなにガミガミ言うことないでしょ!?」

 ブラウン卿は、騎士の癖に見るからに真面目君で、ワタクシのやること為すことに口を出してくる、うるさい男だ。

 一方、グレー卿は大変無口で、何にも言わない。

ブラウン卿
「いいですか! デボラ様は公爵令嬢なのです! 高貴なお身分というだけでなく、未婚の、年頃の、しかも大変見目麗しいお嬢様なのでございます! たった一言、誰と話したということまでが、社交界の話題の的になるほどの!」

デボラ
「はいはい。分かりましたわ」

ブラウン卿
「分かっていらっしゃるのでしたら、私達、護衛騎士を置いて外出などなさらないで下さい! どうして、いつもそのように...」

 いつもの様に小言をいうブラウン卿の顔を、デボラは改めて観察した。

 顔はそんなに悪くないけど、いつも眉間にシワがよってて、意地悪なのよね。事あるごとに、公爵家の品位が~とか、淑女たる者~とか、ネチネチネチネチ! お前は教育係じゃなくて、護衛だろ!? って突っ込みたくなりますわ!

 そこ行くと、グレー卿は見た目はムサイけど、物静かで良い。

ブラウン卿
「....デボラ様! デボラ様!? 聞いておられますか!?」

デボラ
「うるさい! 聞いておりますわ!」

ブラウン卿
「でしたら、早くお支度をされて応接室へ向かって下さい。ホワイト子爵様がお待ちです」

デボラ
「ブレイデン様が!? 早く言いなさいよ!」

ブラウン卿
「先程から、そう申し上げております!」

 ブラウン卿を無視して、デボラは応接室へと直行した。

 そこには久しぶりにお会いするブレイデン・B・ホワイト子爵の姿があった。

 胸から飛び出しそうになる心臓を抑え、デボラは息を飲んだ。

ブレイデン
「突然の訪問、失礼致しました。お忙しいところをお邪魔してしまいましたね?」

デボラ
「いいえ! 全然! 今日はたまたま外出していただけですの。ブレイデン様は、いつ来て下さっても良いのですよ」

ブレイデン
「有難うございます」

デボラ
「ほ、本日はどのようなご用件でいらっしゃったのです?」

ブレイデン
「近くにあるギルドに用事がありまして、せっかくですから、ご挨拶させて頂きたいと思ったのです」

デボラ
「ま、まぁ! それはご丁寧に! 嬉しいですわ!」

 召使いにお茶を用意させ、2人でノンカフェインのルイボスティーの味を楽しむ。

 公爵令嬢の名誉のために、応接室の扉は開いているものの、部屋にはデボラとブレイデンの2人っきりである。

 普段は澄ましているブレイデン様の欠点のない顔が、今日は何故だか、はにかんでいるような気がする。

 ブレイデン様は、今はアンジェリカと結婚して子爵になったけれど、それまでは平民から成り上がった男爵であった。

 王家と血縁関係のある公爵令嬢であるワタクシは、ブレイデン様からしたら、手の届かない遠い星。

 サラサラの黒髪、紫色に光るセクシーな瞳、戦争を勝利に導いた逞しい胸。

 あの晩、この逞しい胸に、ワタクシは抱かれたのだろうか? この美しい瞳がワタクシを見つめ、ワタクシに身を焦がしている?
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