異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます

ひと息

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その後の話

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これは、廉の店で起きたノアの暴走事件のすぐ後の話である。


廉の店を出た後、アッシュはノアとともに騎士団へと戻った。
二人が向かった先は騎士団長の部屋。
アッシュは初め、先ほどの事は3人の秘密にしてもいいのではないかとノアに尋ねた。
普段は真面目なアッシュの意外な一言に驚き、ノア気持ちも一瞬揺らいだが、一般市民に迷惑をかけてしまったという罪の意識から、自ら謝罪をしに行くとアッシュに申し出たのだった。


「…というわけで、サキュバスとしての本能が暴走し、一般市民に危害を加えそうになってしまいました…」
ノアは団長の前で深く頭を下げる。
「私も同じ場にいながら、対処が遅れてしまいました。申し訳ありません」
アッシュもそう言うと、ノアに続いて頭を下げた。
団長は腕を組み、しばらく黙って話を聞いていたが、頭を下げる二人を見るとゆっくりと話し始めた。
「まず、怪我人が出なかったことは、不幸中の幸いだ」
「…はい…」
「さらに手違いで薬が届かなかったことは不可抗力。これは私も理解できる。しかし、お前は注意を怠った」
団長の低い声が部屋に響く。

「お前は魔族だ。しかし魔族である自分が嫌いだと言う事も私は知っている。お前が人間らしく生きられるのなら、私はいくらでも協力するつもりだ。しかし、お前自身も、自分が人間でい続けるための努力を怠るな」
ノアは小さな声で「ごめんなさい」と呟く。
「お前は魔族である以前に、人を守る騎士なんだぞ。その自覚を持て。一瞬たりとも気を抜くな」
団長はそう言い、深いため息をつく。
「…だが、私ももう少し気を配るべきだった。自分の元で働く者たちへの配慮が足りなかったかもしれない」

一瞬の沈黙の後、団長はゆっくりとノアの前に立った。
「ノア、お前はしばらく謹慎だ。騎士団の外には出ず、団内で過ごせ」
アッシュは思わず団長を見た。てっきり、クビを言い渡されるものだと思っていたからだ。
ノアも同じ気持ちだったのか、一瞬、目を丸くして団長を見つめる。
団長はそれ以上、何も付け加えなかった。
ノアは「承知しました」と短く答え、再び頭を下げた。
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