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四章 月下香
被害者は観客
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「———こちらから参りますっ!」
リコリスが放った言葉からは先程までの冷酷な感情が消えており、力強い低い声に変わる
彼女の装備は胸当てすら無い、無防備の衣服。拳闘士の御徳、肌の露出面積がとても多い
しかし、逆を考えればそれほど自信があるという裏付け
男の俺が胸当てをしているのが恥ずかしくなってくる‥‥
「はああぁぁ!」
彼女は閃光の如くレオンとの距離を縮め、殴りかかってきた
「———は、早すぎ——」
俺は体を無理やり動かし間一髪のところで躱した
彼女の交わされた拳は闘技台に打ち付けられ全体にヒビが入り、さらには灼熱の火柱が昇る
「———ふう。躱されてしまいましたか‥‥この一撃で終わらそうとしたのですが、そうもいかなかったようですね」
いやいやいや何それ!躱さなかったらマル焦げ何だが‥‥加減を知らないよ、この王女‥‥
「はい‥‥さすがに一発では観客も面白くは無いでしょう?」
俺はありったけの笑みを作りいかにも余裕の姿勢をとる
こんなにも堂々としているが内心冷や汗が止まらない
「ふふふ。そうですね。この炎天を初見で躱した人は初めてですよ?」
いやいや、それよか殺しに来ている技じゃね?この人やばいわ。それにこの人戦闘狂っぽいな‥‥‥
「そ、それは光栄です。炎天ですか?とても粋な技ですね。しかしもっと楽しんで戦いましょう」
「———そうでしたね。では楽しませて下さいっ!」
「ええ。頑張りますっ!」
二人は鏡写しのように一瞬で互いの距離を磁石のように踏み込んだ
————ドゴォォォンッ!!
二人の拳と拳が衝突し凄まじい衝撃波を産む。その衝撃波は魔障壁さえも抑えられず、観客まで届き人々を退けさせた
「うおおぉおぉ!?なんつー衝撃波だ?!」
「きゃああぁぁぁっ!スカートがぁぁ! 」
「あ、ありえねーぜっ?!化け物どもが!」
「この‥‥常軌を逸脱してやがるっ!?」
観客達は腕を顔の前に備え衝撃波に耐えている。しかしそれでは衝撃波は一生防げない‥‥
「凄まじいわ‥‥」
「眼を開けませんっ!」
「はっはっは!涼しいでは無いか!」
俺の仲間三人もとても驚いている様子。しかし一人だけ的外れな意見を言っているが‥‥まあ良い
リコリスと拳同士が衝突した事によってできた衝撃波
それは一回だけでは収まらなかった‥‥
————ドゴォオォン!
何度も互いに打撃を繰り出す。打撃を繰り出すたびに爆音が耳を通り抜ける
————ドゴォオォン!
そして俺たちが殴り合う度に観客達は衝撃波に襲われる
「うおおいい!いつまで続くんだ?!」
「闘技場がもたねーぞぉぉぉ!!」
「眼がぁっ眼があぁぁぁぁ!!」
観客達が騒ぐ中、俺は内心苛立ちを覚える
(‥‥くそ!いつまで続けるきだ!この王女様は!)
俺は奥歯を噛みしめ悪態を吐いた
「オラっ!」
俺は右ストレートをリコリスの肩目掛けて打ち込む。しかし防がれてしまいカウンターが襲う。リコリスのカウンターも俺はガードし再び打ち込む
この繰り返しが何度も起こり、一発一発打ち込まれるたびに衝撃波が闘技場を襲う。闘技場には少しづつ亀裂が入り出し、この戦闘の脅威を物語る
「———くっ!なかなか楽しめせてくれますね!」
リコリスは一度距離を取り、数分間続いていた攻防の第一ラウンドが終了した
一度距離を置いたもののまだ体が疼いている
「はあはあ‥‥さすがですね王女様。これほど疲れたのは久しぶりですよ」
「それは良い運動になったようで何よりです。しかしこれで疲れていては先が思いやられますよ?」
あれ程の攻防をしていても尚、彼女は息を切らしていない
どんな体力をしているのか‥‥体力馬鹿とはこのことかも知れない
そして互いに意識を戦闘に戻し第二ラウンドが始まる
リコリスが放った言葉からは先程までの冷酷な感情が消えており、力強い低い声に変わる
彼女の装備は胸当てすら無い、無防備の衣服。拳闘士の御徳、肌の露出面積がとても多い
しかし、逆を考えればそれほど自信があるという裏付け
男の俺が胸当てをしているのが恥ずかしくなってくる‥‥
「はああぁぁ!」
彼女は閃光の如くレオンとの距離を縮め、殴りかかってきた
「———は、早すぎ——」
俺は体を無理やり動かし間一髪のところで躱した
彼女の交わされた拳は闘技台に打ち付けられ全体にヒビが入り、さらには灼熱の火柱が昇る
「———ふう。躱されてしまいましたか‥‥この一撃で終わらそうとしたのですが、そうもいかなかったようですね」
いやいやいや何それ!躱さなかったらマル焦げ何だが‥‥加減を知らないよ、この王女‥‥
「はい‥‥さすがに一発では観客も面白くは無いでしょう?」
俺はありったけの笑みを作りいかにも余裕の姿勢をとる
こんなにも堂々としているが内心冷や汗が止まらない
「ふふふ。そうですね。この炎天を初見で躱した人は初めてですよ?」
いやいや、それよか殺しに来ている技じゃね?この人やばいわ。それにこの人戦闘狂っぽいな‥‥‥
「そ、それは光栄です。炎天ですか?とても粋な技ですね。しかしもっと楽しんで戦いましょう」
「———そうでしたね。では楽しませて下さいっ!」
「ええ。頑張りますっ!」
二人は鏡写しのように一瞬で互いの距離を磁石のように踏み込んだ
————ドゴォォォンッ!!
二人の拳と拳が衝突し凄まじい衝撃波を産む。その衝撃波は魔障壁さえも抑えられず、観客まで届き人々を退けさせた
「うおおぉおぉ!?なんつー衝撃波だ?!」
「きゃああぁぁぁっ!スカートがぁぁ! 」
「あ、ありえねーぜっ?!化け物どもが!」
「この‥‥常軌を逸脱してやがるっ!?」
観客達は腕を顔の前に備え衝撃波に耐えている。しかしそれでは衝撃波は一生防げない‥‥
「凄まじいわ‥‥」
「眼を開けませんっ!」
「はっはっは!涼しいでは無いか!」
俺の仲間三人もとても驚いている様子。しかし一人だけ的外れな意見を言っているが‥‥まあ良い
リコリスと拳同士が衝突した事によってできた衝撃波
それは一回だけでは収まらなかった‥‥
————ドゴォオォン!
何度も互いに打撃を繰り出す。打撃を繰り出すたびに爆音が耳を通り抜ける
————ドゴォオォン!
そして俺たちが殴り合う度に観客達は衝撃波に襲われる
「うおおいい!いつまで続くんだ?!」
「闘技場がもたねーぞぉぉぉ!!」
「眼がぁっ眼があぁぁぁぁ!!」
観客達が騒ぐ中、俺は内心苛立ちを覚える
(‥‥くそ!いつまで続けるきだ!この王女様は!)
俺は奥歯を噛みしめ悪態を吐いた
「オラっ!」
俺は右ストレートをリコリスの肩目掛けて打ち込む。しかし防がれてしまいカウンターが襲う。リコリスのカウンターも俺はガードし再び打ち込む
この繰り返しが何度も起こり、一発一発打ち込まれるたびに衝撃波が闘技場を襲う。闘技場には少しづつ亀裂が入り出し、この戦闘の脅威を物語る
「———くっ!なかなか楽しめせてくれますね!」
リコリスは一度距離を取り、数分間続いていた攻防の第一ラウンドが終了した
一度距離を置いたもののまだ体が疼いている
「はあはあ‥‥さすがですね王女様。これほど疲れたのは久しぶりですよ」
「それは良い運動になったようで何よりです。しかしこれで疲れていては先が思いやられますよ?」
あれ程の攻防をしていても尚、彼女は息を切らしていない
どんな体力をしているのか‥‥体力馬鹿とはこのことかも知れない
そして互いに意識を戦闘に戻し第二ラウンドが始まる
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