Lara

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告白

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『19時、生徒会室に来い』

メールで送られてきたその文は、とても簡潔だった。暗い、体育館倉庫でボーっとしている時に受け取った。

「…………最後には、いっか」

何を言われるのか、既にわからない。あの頃のように胸中を悟る様なこともできない。俺自身、何を感じているのかさえ分からなくなってしまった。今は、何時だっただろうか、携帯の画面を見る。19:03と点滅をしていた。

「…………過ぎてる…行くか」

遅刻しているが焦ることもなくふらりと立ち上がった。



「…………遅い」

腕を組み、机の上に腰かけて待っているが、来ない。

今の時間は七時半を過ぎた頃だ。

…………来ないのだろうか。もう、俺のことはどうでもいいということなのだろうか。そう言う考えが頭の中を渦巻いて重くする。

ギィッ…………キー

「!…椿!」
「…………そんな騒ぐな」

ようやくやって来た椿の表情からは生気が抜けていて、能面のように俺を見ていた。もう、暗いからか、扉の外に立つ椿は人間味がない。不気味でもあった。

「入れ…コーヒーでいいか?」
「…………別にいらねぇ」
「淹れてくる」

彼がよく好んでいた豆を選び、あまり慣れない手つきで淹れる。ほっかりと湯気が立ち上っているのを見て現実に引き戻されたような気がした。

「たしか、ブラックだったよな…」

ブラックと甘いの。会計と会長。学園でのイメージとは真反対のものを好む俺たちは、似た者同士だと彼が演技をやめる前にそう思ったことがある。中身は俺以上にブラックコーヒーが合っていたが。

俺のにだけ砂糖とミルクを…………いつもより少ない量を入れる。その証拠にコーヒーの色はほんの少しだけ茶色くなっただけだ。
今はそこまで、甘いものを飲もうとは思えなかったのだ。

執務室に戻るとソファーに座ってぼけっと夜空を見ていた椿が待っていた。
俺は彼の目の前まで歩いて、テーブルに淹れたてのコーヒーを置いた。

「ほら、お前の好きなやつだ」

ゆったりとした動作で俺を見、視線を下げた。もう、一つ一つの動作が記憶とは会わなくて混乱してしまう。

「ありがと…………」
「!…ああ」

意外だった。あれから冷たくなってしまった彼は会話を好まず、まず目を合わせてこない。ほんの偶に目が合うだけで、感謝なんて言われるとは思ってもみなかった。

すっかりと変わってしまった椿だが根底の部分は変わっていないのだろう、そんな当たり前のことを今更にして思い出した。

今に見合わないのんびりとした落ち着いた時間が流れる。

まだ、雨はやんでいない。少し冷えた体には温かいコーヒーが丁度良かった。


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