元現代人はそれでも安定を切望する

眼鏡から鱗

文字の大きさ
27 / 103
1の章

23.そんな目で見ないでぇ

しおりを挟む
『さぁ、尊きフェンリルの我に似合う良い名前をつけよ!』

ゔぇ~マジっすか?センス無いんだけどぉ~。

「えっ、あ、はい。決まる迄、コレ食べて待ってて貰えます?」

異世界通販を開き、犬用ジャーキーをお小遣いで買って渡した。はぁ~、痛い出費だよ。

『なんだ、この良き香りの物は?』

「(犬用)ジャーキーです。食べて大丈夫はずですから、さぁさぁどうぞどうぞ。」

さぁ、考えよう。

『うま~い!!!ジャーキーとはいいものだ!』

はいはい、左様ですか。尻尾千切れちゃうんじゃない?。




ガジガジガジガジガジガジガジガジ‥‥









どうしよう、ガジガジ音で纏まらない。

もう忘れなさそうな名前でいいかな。





「お待たせしました。【大和やまと】にします。」

『変わった響きの名だな。ヤマトとは、どの様な意味なのだ?』

「あ~、異世界の神話に出てくる方で、もっと長い名ですが一部を頂戴したんですよ。普段は、ヤマさんって呼ばせてもらいますね。」

『なるほど、我が名に相応しいな!よし、では我に触れよ。』

「はい。あっ、頭の上でいいですか?」

『どこでもいいぞ。』

私は、ふかふかの頭の上に置こうとしたが、すんでのところで辞めた。

「ヤマさん、契約する前に日常生活においてのお願いがあります。」

『なんだ?我にきけない願いはないぞ。何でも言うが良い!』

フフンってしたよ、このフェンリルさん。

「では、1.非常事態を除いて日常的に小型犬並みの大きさでいること。2.自分のご飯分を稼いで来て欲しいこと。3.契約後は、タメ口にします。4.時々ブラッシング&もふもふさせてもらいたいです。」

『なにっ、4つ!しかも、小さくなる?自分のメシ代を稼げ?タメ口とはなんだ?最後は、小娘の欲望をひしひし感じるぞ!』

「きけない願いは無いんですよね?先程、言いましたよね!?」

うっわぁ~ヤマさん、威嚇してる様な顔になっちゃったよ。

『ぐぬぬぬぬぬっ。』

もう一押ししておくかな。

「お願いをきいてもらえないと、先程のジャーキー好きな時に食べられませんよ。今の私は、まだ10歳の学生で大金なんて有りませんから、ジャーキーが買えません。」

『ジャ、ジャーキーが、食べられない・・・だと!?』

あれ~なんか、凄いショックを受けてるみたい。耳は折れ今にも泣きそうな目で私を見つめてくる。

まるで捨てられた子犬に見えてくるから、そんな目で見ないでぇ~!

「うぅっ。ですから、狩りをしてお金を稼いで来て頂きたいのです。そして、ジャーキー以外にも異世界の美味しい食材の購入費用になりますから。」

おっ、顔も明るくなって耳がピンって立った!持ち直したみたい。

『なるほど!我が頑張れば、いつでもジャーキーが食べられるのだな!よし、小娘の願い全て受け入れよう!子犬にだってなるぞ!』

「普段は、自由にして頂いて大丈夫です。用がある時に、子犬の姿で私の元に来てもらえれば助かります。」

『それなら、我は転移魔法が使えるから小娘の魔力を辿って、何処へでも我は参上する!普段は、冒険者として活動する事にしよう。では、我に触れよ。それ、契約だ契約。』

あれ?ジャーキー目当てに、なんだかシフトチェンジしてるぞ?本来の意味を忘れてる?そんなんじゃ、創造神様に言いつけるぞ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

処理中です...