失いし仲間そして奇跡

ハーマ

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亡くしていた大切な人

愛故の奇跡

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翼視点

翼「…………」

翠琴「翼  出掛けるのか?」

翼「夜には戻ります」

つい先日再会し偶々外にいた翠琴の言葉に見向きもせず翼は置いておいたバイクに乗りどこかへ走り去る

翠琴「……変わったな」

駿岐「彪雅を失って我々と再会してからずっとあんな感じです
記憶を失っても尚彪雅を求めている」

翼がバイクでどこかに行ってすぐで駿岐と翠琴がそんな会話をしているとは翼は知らない

翼「……何で……思い出せないんだ」

翼  ちょくちょく夢には出てくるのに目が覚めると顔が思い出せない……声はとても懐かしくずっと覚えているのに……

彪雅との思い出の地に足を踏み出してもなかなか思い出せない翼は自己嫌悪しつつ次の場所へ向かう

翼「……彪雅……お前……どこにいるんだよ……」

翼  記憶がなくとも……俺が覚えていなくともお前は覚えているんだろ?俺の事を……

翼は何故彪雅を求めているのかは頭ではわかっていないだが心が……魂が彪雅を求めているのが身をもって分かる

バイクを運転しながら翼は思い当たる場所へ歩を進める

翼「!?」

不意にバイクを運転中銃声が聞こえ確実に翼を狙った銃弾が道路に当たり道路や歩道はパニックになる

翼「……彪雅?」

???「……また会おう」

恐らく誰が運転しているのだろうという確認で撃ったのが分かった翼は道の端にバイクを止め撃った場所であろう高層ビルに目を見やるすると怒りよりも自身を狙って撃った人間が夢に見る「彪雅」そのもので名前を呼ぶがその人物は「また会おう」と言ったのが聞こえその人物は黒いコートを靡かせて恐らく能力で霧となり消える

『人を愛し強く求めろ……お前の愛情は奇跡を呼ぶ……だからもっと彪雅を求め愛せ  煌』

一体いつ誰に言われたのかも分からない言葉……その言葉はまるで風に吹かれてやってきたかのような感じで翼の耳に入る

翼  心地の良い響き……とても懐かしくてそしてとても哀しい……その言葉は心にしみるのにその言葉の主は誰なのかがわからない……

その声の人物は彪雅と同じく翼の記憶から永遠に消え去った「羚析  響(りょうせき  ひびき)」……響はまだ幼く力が無かった翼に剣術や生きる為の術を教え翼が生まれて初めて本名を教えたのも響

翼  俺は何人もの人を忘れている……?記憶が無い以上誰が俺の記憶から消えたのかが分からない

翼「…………」

翼は彪雅かも去って暫くして未だパニックになっているのを放置しバイクを動かして彪雅との思い出の地に向かうが結局思い出せずに三年後になる
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