母国アメリカと愛しきイタリア

ハーマ

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双剣とネックレス

兄の形見と弟の形見

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ジーヴァン視点

αチーム隊員「ルァーザ少佐……ジーヴァン大佐はいつ目覚めるんでしょうか……」

ルァーザ「分からない……ジーヴァンがここまで意識が戻らないのは珍しい……」

ジーヴァンの失神後直ぐに治療を施したがここ数日ジーヴァンの意識が戻らない

少年「お兄  この火薬の中に何か入ってる」

青年「ん?……これは……薬か?」

ルァーザ「?何を言ってるのかわからねぇ……」

ジーヴァン「火薬の中に……薬が入ってたらしい」

声で目が覚めたジーヴァンは呼吸が苦しいのか大佐専用の服の第一ボタンを外す

ルァーザ「大丈夫か?」

ジーヴァン「な訳あるか  熱出てんのか視界がぼやけてる」

青年「そう言えばイタリア語がわかるんですか?」

ジーヴァン「今更かよ……」

本気で熱が出ているのかジーヴァンは汗をかいており辛そう

少年「お兄ちゃん大丈夫?」

ジーヴァン「ん  Thank   you……君名前は?……後……双剣って分かる……?」

少年「ルイザー・バーサーだよ  双剣っていっぱいあるんだけど……」

ジーヴァン「一つ一つ見せてくれ……」

ジーヴァン  視界が歪むけど……まぁ多分……大丈夫だよな……

10数年降りに高熱に浮かされたジーヴァンはまだ両親が生きていた頃を懐かしくも思う……

ジーヴァン「……これ」

ルイザー「格好良いね  この双剣」

ジーヴァン「兄の形見だ…………ルァーザ?その手に持ってるのって……」

ジーヴァン  あれは……フォーシャの着けていたネックレス……

ルァーザ「……味方から物資が届いた時に一緒に入っていたんだ……その後に無線で「戦死した」との連絡が……」

ジーヴァン「嘘……だろ……?」

ジーヴァン  フォーシャが死んだ?そんな……嘘だ……

ルァーザ「事実だ……ついでにこれも入っていた」

ジーヴァン「…………」

ルァーザから手渡されたのは昔の家族4人で撮った写真……左胸に入れていたであろうその写真には撃ち抜かれた痕跡が……

ジーヴァン「……っ……」

とうとう耐えきれなくなったジーヴァンは柄にも無く泣いていた……

ルァーザ  両親も兄も弟も失って……辛い現実を目の当たりにした……

その後  ジーヴァンは暫く泣き続け兄の形見の双剣を抱いて夢の世界へ……

~回想~

シューザ「ジーヴァン  お前は本当に双剣と小太刀の相性がいいな」

ジーヴァン「双剣の技術では兄さんに負けるよ」

フォーシャ「ジーヴァン兄さんは何でもできるから良いよねぇ……その力頂戴~」

ジーヴァン「吐くまで頑張りゃ誰でもできるようになるよ」

ジーヴァンの言葉にシューザは「お前は血を吐いてたけどな」と笑う

ジーヴァン「兄さん……言わないでって約束したのに……」

シューザ「忘れてた」

ジーヴァン  兄さん……

夢を見ているジーヴァンはこれが夢であることは理解しているが……「ずっとこの幸せが続いて欲しい」と願ってしまう

フォーシャ「ジーヴァン兄さん  軍から何か来てるよ?」

ジーヴァン「見せてくれ  ……昇格試験で受かって次軍に帰った時には「大佐」だってさ」

シューザ「まだ20なのに「大佐」か……凄いな」

ジーヴァン「「英雄」って言われる兄さんに言われると照れる」

フォーシャ「俺は!?」

ジーヴァン「身内に言われると嬉しいんだよ」

ジーヴァン  そう言って笑っていたのに……

ジーヴァン「兄さん……?」

シューザ「……ジーヴァン……無事か……?」

ジーヴァン  次の瞬間には兄さんは敵に斬られて瀕死状態だった……

シューザ「ジーヴァン……敵に見つからないように……俺の双剣を持っていけ……」

ジーヴァン「駄目だ  兄さんと一緒に行く」

シューザ「どうせ助からない……せめてお前だけでも……」

ジーヴァン「一緒に帰ろう……国に……兄さんも一緒に……」

ジーヴァン  分かっていたんだ……あの時兄さんが斬られたのは俺を守ろうとして斬られたのだと

ジーヴァン「……ジーヴァン・ルーギン並びにシューザ・ルーギン元帥  共に帰還しました」

仲間「…………」

軍に帰った時ジーヴァンは酷い有様だった……身体中に傷があり片足は動いていない、シューザは軍に戻る直前に目を閉じてしまったが傷跡は無いので「護りながら帰ってきた」と、誰もが思うが元帥が死んだ理由はジーヴァンにあると誰もが理解

元帥補佐「ジーヴァン……お前その身体……」

ジーヴァン「元帥補佐官……申し訳有りません……兄を……元帥を御守りする所か俺のせいで……」

元帥補佐「……ここまでの道のりを歩いて帰ってきたのだろう?ヨーロッパから敵の手を逃れながら……元帥の死を己の命を削って先延ばしにし自分は傷だらけで元帥を護って帰ってきた……」

ジーヴァン「申し訳……有りません」

謝罪するしかなかった……ジーヴァンは兄を守る為に一緒に行ったのに……兄を失った

ジーヴァン「!!!!!」

上司「大佐であろう者が己の兄と元帥さえも護れないのか!!」

その後  シューザの添え式などが終わった数日後からジーヴァンは味方への当たりが強くなり、その都度仲間達がその者に反発し喧嘩が勃発

αチーム隊員「あんたは大佐の何を知ってるんだよ!?大佐が一番辛いに決まってるだろ!!」

ジーヴァン「よせ  元帥を護れなかったのは俺だ」

αチーム隊員「大佐!!」

ジーヴァン  兄さえも護れない俺が「大佐」だなんて笑わせる……

などと思いながらもジーヴァンは上司に土下座をし上司はジーヴァンの頭を踏みつけた

上司「良いザマだな  ジーヴァン大佐」

ジーヴァン「…………」

ジーヴァン  畜生……

頭を踏みつけられながらジーヴァンはキツく唇を噛んだ……悔しさや己の弱さ……その2つがジーヴァンを苛め誰よりもシューザの死が悲しい

ジーヴァン「っ……」

元帥補佐「やり過ぎだ  肋骨が折れてる」

突然上司がジーヴァンの背骨を思い切り蹴った事によりジーヴァンは肋骨を骨折

ジーヴァン「畜生……」

フォーシャ「ジーヴァン兄さん  大丈夫?これ薬」

ジーヴァン「助かる  ……ごめんなフォーシャ……俺……兄さんを護れなかった」

フォーシャ「そんなに自分を責めないでよジーヴァン兄さん」

ジーヴァン  今思えば3人で家に帰って食事をとっていたのがどれほど幸福だったのか……よく分かるな……

フォーシャ「ジーヴァン兄さんはとても強い……傷だらけになってシューザ兄さんと国に……基地に帰ってきた……確かにシューザ兄さんは死んでしまったけれどジーヴァン兄さんは生きてる……無駄死にしてはいけない……無駄死にしたらきっとあの世でシューザ兄さんに怒られるよ?ジーヴァン兄さん」

ジーヴァン「っ……!!」

フォーシャ「ジーヴァン兄さん……」

フォーシャの言葉にジーヴァンは肋骨の痛みを無視してフォーシャを抱きしめた……そしてその肩はかわいそうになるくらい揺れていて……

ジーヴァン「……死ぬな……フォーシャ……死なないでくれ……」

フォーシャ「…………」

ジーヴァン「お前だけなんだ……俺の家族は……唯一俺を癒してくれる人は……」

フォーシャ「ジーヴァン兄さん……」

その時にフォーシャは初めてジーヴァンの涙を目撃した……隠していてもジーヴァンは家族が好きで兄を護れずいた自分を、誰にも言わずにずっと心の底で責めていたのだ……

ジーヴァン「フォーシャ……」

そしてそれがフォーシャと面と向かって話ができた最後の時でもあった……

~回想終了~

ジーヴァン「はぁ……」

ルァーザ「おはよう  大丈夫か?」

ジーヴァン「ああ  ルァーザ……フォーシャのネックレスをくれ」

ルァーザ「はい」

まるで吹っ切れたかのように、ジーヴァンはルァーザからフォーシャのネックレスを貰い首に下げる

ジーヴァン「身体の傷も治った事だし……今やるべき事をしに行くぞ」

青年「大佐さん  でしたらこれをお持ちください」

そう言って青年が手渡してきたのはシンプルな指輪

青年「神の御加護を受けた指輪です  これをもって行ってください」

ジーヴァン「だがこれは君らのじゃ……」

青年「街を救ってくれたお礼です  どうぞ」

ジーヴァン「……分かった  有り難く貰っていく」

ジーヴァン  「神の御加護」……か……

熱も下がり動ける状態になったジーヴァンはルイザーを探す

ジーヴァン「ルイザー  お前はどうする?頭もいいし戦闘も可能だろ?」

ルイザー「一緒に行く  お父さんがどこかで戦ってると思う」

ジーヴァン「そうか  ルァーザ悪いんだがルイザーを護りながら行くぞ……恐らく無線をよく使うことになるだろうから忘れるなよ」

ルァーザ「了解  任せろ」

そうしてジーヴァンは兄  シューザの形見の双剣と弟  フォーシャのネックレスを首に下げ、国の為に再び過激かつ壮絶な戦場へと赴いた
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