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4話 独りでいる事しか知らない
しおりを挟む「おい、どうした」
トラ模様のオス猫は
じーっとこっちを見てる
「いや、昔を思い出してただけだ」
オレはそう答えた
「それで、何故1人を好むんだ」
睨みを効かせるように
じーっとこっちを見てまた聞いてきた
『1人でいることしか知らないから』
本当はそう思ったんだが
オレは「ただ1人が好きなんだ」と答えた
よく見るとソイツの右耳は大きく欠けていて反対の耳より小さな耳だと感じた
トラ模様のオス猫は呆れたのか
「最近の人間は物騒だから気おつけろ」
とだけ言うと去って行った
確かにこのごろ
猫を襲う人間の事は噂には聞いていたが
オレはそういった場面に一度も会う事もなく平和だった
トラ模様がさっき言ってた群れるということの必要性など全く感じる事もなく
オレは
これからも1人でいる
そう本気で思っていた
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