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2章 スティルド王国編
第54話 分析
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自室のソファに座り、優雅に紅茶を飲んでいるティニア。
その部屋をノックする者がいた。
「どうぞ」
「失礼しま~す」
ティニアの返事を聞き、室内に入ってきたのはメイリだった。
「どうだったかしら?」
ティニアは紅茶を一口飲んでから、メイリに聞く。
「シズカ様はかなりの魔力をお持ちみたいですね」
「そう。他二人は?」
「エアリス様はわかりませんでした。もしかしたら、魔力を持たない人間かもしれません」
「彼女は戦力外と言うことかしら?」
「はい」
「じゃあ、彼は?」
「それが……魔力はそこまで高いようには感じなかったんですよね」
メイリは考えるように首を傾げる。
この挙動は、メイリにしては珍しいことだった。
「何か、変な点でもあったの?」
「うーん、なんていうんですかね。魔力を視ようとしたんですけど、膜みたいなのがあって、ぼやけた感じだったんですよね」
「あなたにしては珍しいわね」
「私も初めての経験で困惑しています」
メイリは言葉とは裏腹に、顔は笑っていた。
いままでと違う現象に遭遇し、新しいおもちゃを見つけたかのようだ。
メイリには、生まれ持った特殊能力があった。
それは、《魔力視》――この能力は、魔力を視ることができる能力だった。
ただ魔力を感じることなら、それなりの技量を持つ魔法使いなら、誰でもできる。
しかし、魔力を感じられるのは、放出されている魔力だけ。
メイリの能力は、その人間が保有する全魔力量を視覚化することができる。
この力を借りてティニアは数多くの埋もれた人材を引き上げていた。
だが、その能力をしても、琉海の魔力を見極めることができなかったようだ。
「つまり、未知数ってことかしら?」
「残念ながら、そういうことになりますね」
メイリが頷くと、
「だが、彼の技量は本物だと言える。あれだけの数のベアウルフを一掃してみせたのだからな」
「あら、アンジュが人を褒めるなんて珍しいわね」
「わ、私もちゃんとした技量の持ち主なら、褒めます」
ティニアに突っ込まれ、顔を赤くするアンジュ。
「そう? 私もアンジュが褒めているのは見たことないわよ?」
メイリもアンジュを茶化す。
「それは、部下たちが不甲斐ないからだ」
「そんなに厳しいこと言っていると嫌われちゃうわよ」
メイリが悪戯顔でそう言った。
「そういえば、お父様たちと先に行ったあなたの部下は清々しい表情で王都に向かったわね」
ティニアは父親が王都に向かう際の時のことを思い出した。
「チッ、やはり、たるんでいます。王都に着いたら、鍛え直します」
「ほどほどにしてあげなさい」
スタント公爵領から、王都へ当主の父と母が先に出立した。
その後を追っかけるようにティニアたちも向かったのだ。
護衛を付けるという話も合ったのだが、ティニアが拒否した。
長い旅の間ぐらい、寛いだ旅をしたいと言ったのだった。
ティニアに反論できる者がおらず、アンジュも同行するため、他の護衛は付けずに出発することにした。
そして、道中でなぜか魔物に襲われる羽目になったのだ。
「それで、私はベアウルフを退治した姿を見ていないので、何とも言えないのですが、どうだったんですか?」
「私も見てないわ」
メイリに聞かれたティニアは首を横に振り、アンジュに視線を向けた。
「私も最後の一匹を斬ったところしか見ていませんが、あの太刀筋はかなりの使い手かと思います」
「どのぐらいの使い手だと思うかしら?」
「そうですね。最低でも私と互角に戦うことはできると思います」
「そう。あなたと互角ね……」
アンジュはスティルド王国でも十指に入るほどの強者である。
アンジュを信頼しているが、どのぐらいの使い手なのかは実際に戦っている所を見ないとわからない。
「はあ、やっぱり判断材料が少ないわね」
ティニアは顎に手を置き、黙考する。
「それでしたら、王都での大会に参加させるのは、いかがでしょうか?」
メイリの提案にティニアが勢いよく視線を上げた。
「そうね。その手があるわね」
メイリの提案にティニアがそれだと言わんばかりの反応を示す。
「ですが、どうやって参加させるのですか?」
アンジュは難しいのでは、と暗に聞いてくる。
「そうね――」
ティニアはにやにやと悪巧みをする顔をして作戦を考えた。
その部屋をノックする者がいた。
「どうぞ」
「失礼しま~す」
ティニアの返事を聞き、室内に入ってきたのはメイリだった。
「どうだったかしら?」
ティニアは紅茶を一口飲んでから、メイリに聞く。
「シズカ様はかなりの魔力をお持ちみたいですね」
「そう。他二人は?」
「エアリス様はわかりませんでした。もしかしたら、魔力を持たない人間かもしれません」
「彼女は戦力外と言うことかしら?」
「はい」
「じゃあ、彼は?」
「それが……魔力はそこまで高いようには感じなかったんですよね」
メイリは考えるように首を傾げる。
この挙動は、メイリにしては珍しいことだった。
「何か、変な点でもあったの?」
「うーん、なんていうんですかね。魔力を視ようとしたんですけど、膜みたいなのがあって、ぼやけた感じだったんですよね」
「あなたにしては珍しいわね」
「私も初めての経験で困惑しています」
メイリは言葉とは裏腹に、顔は笑っていた。
いままでと違う現象に遭遇し、新しいおもちゃを見つけたかのようだ。
メイリには、生まれ持った特殊能力があった。
それは、《魔力視》――この能力は、魔力を視ることができる能力だった。
ただ魔力を感じることなら、それなりの技量を持つ魔法使いなら、誰でもできる。
しかし、魔力を感じられるのは、放出されている魔力だけ。
メイリの能力は、その人間が保有する全魔力量を視覚化することができる。
この力を借りてティニアは数多くの埋もれた人材を引き上げていた。
だが、その能力をしても、琉海の魔力を見極めることができなかったようだ。
「つまり、未知数ってことかしら?」
「残念ながら、そういうことになりますね」
メイリが頷くと、
「だが、彼の技量は本物だと言える。あれだけの数のベアウルフを一掃してみせたのだからな」
「あら、アンジュが人を褒めるなんて珍しいわね」
「わ、私もちゃんとした技量の持ち主なら、褒めます」
ティニアに突っ込まれ、顔を赤くするアンジュ。
「そう? 私もアンジュが褒めているのは見たことないわよ?」
メイリもアンジュを茶化す。
「それは、部下たちが不甲斐ないからだ」
「そんなに厳しいこと言っていると嫌われちゃうわよ」
メイリが悪戯顔でそう言った。
「そういえば、お父様たちと先に行ったあなたの部下は清々しい表情で王都に向かったわね」
ティニアは父親が王都に向かう際の時のことを思い出した。
「チッ、やはり、たるんでいます。王都に着いたら、鍛え直します」
「ほどほどにしてあげなさい」
スタント公爵領から、王都へ当主の父と母が先に出立した。
その後を追っかけるようにティニアたちも向かったのだ。
護衛を付けるという話も合ったのだが、ティニアが拒否した。
長い旅の間ぐらい、寛いだ旅をしたいと言ったのだった。
ティニアに反論できる者がおらず、アンジュも同行するため、他の護衛は付けずに出発することにした。
そして、道中でなぜか魔物に襲われる羽目になったのだ。
「それで、私はベアウルフを退治した姿を見ていないので、何とも言えないのですが、どうだったんですか?」
「私も見てないわ」
メイリに聞かれたティニアは首を横に振り、アンジュに視線を向けた。
「私も最後の一匹を斬ったところしか見ていませんが、あの太刀筋はかなりの使い手かと思います」
「どのぐらいの使い手だと思うかしら?」
「そうですね。最低でも私と互角に戦うことはできると思います」
「そう。あなたと互角ね……」
アンジュはスティルド王国でも十指に入るほどの強者である。
アンジュを信頼しているが、どのぐらいの使い手なのかは実際に戦っている所を見ないとわからない。
「はあ、やっぱり判断材料が少ないわね」
ティニアは顎に手を置き、黙考する。
「それでしたら、王都での大会に参加させるのは、いかがでしょうか?」
メイリの提案にティニアが勢いよく視線を上げた。
「そうね。その手があるわね」
メイリの提案にティニアがそれだと言わんばかりの反応を示す。
「ですが、どうやって参加させるのですか?」
アンジュは難しいのでは、と暗に聞いてくる。
「そうね――」
ティニアはにやにやと悪巧みをする顔をして作戦を考えた。
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