王族の花嫁

いずみ

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花嫁修業と旅への準備

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 どうやら、俺は花嫁修業というものをしているようです。仲良くしたい三人の先輩達には睨まれて王族としての正しい所作を習っていますが、とてもやってられません。王族の歴史の勉強に、正しい言葉の使い方や、正しい姿勢を保つための筋力づくりなど、一番厳しいのは美しい笑顔のつくり方だ。凡人なのだから何時でも笑顔でいなさいと言われるが、とてもそんな事難しすぎる。口の甲を上げるだの、目はもって優しく開くだの、頬をもっと上げなさいなど、無理無理すぎる。だが、紅玉の優しい優雅な動きは見た時は凄く洗礼されていると思った。あれを目指すのかと思うと、俺は無理だと挫折しそうになる。あれの所作は真似ようにも高度すぎるのだ。もう、こんな花嫁修業辞めてやりたいが、俺の頑張りを見て紅玉の母親である紅季(こうき)に婚約者として了承を得ないといけないのだ。紅玉には謝られてしまった。
【俺の力がないばかりにごめん】などと。
 いや、そう思うならこの三人から婚約者を選んでくれって言いそうになったが耐えた。そんな事言おうものなら、この三人に殺される。この三人の先輩の紅玉への愛は重い。部屋は紅玉の絵を絵師描かせたものが天井や壁に貼られていたり、紅玉の一日の過ごし方を知っていたり、紅玉の好きな事や嫌い事から趣味などまで知らない事ないと言ってもいい位に紅玉への関心が高い。俺はこんなのこの人達の方が紅玉と幸せになれると思うのだ。どう転んでも俺がこの三人では紅玉について上にいっているモノが無いのだから。
「あの、そろそろ休憩になりませんか? 黄姫」
「ふんっ! これぐらいの歴史の勉強で終わりだなんて、甘い甘すぎます!」
「だって、次は他国の国の事についてでしょう? 頭が追い付きません」
 俺は机に向かって先輩の一人である黄姫から勉強を教えてもらっていた。教え方がスパルタだが、教え方上手く頭にはなんとか勉強したことが日々詰め込まれる。その分、何かを忘れているように思うが。
「しょうがない。15分休憩にしましょう」
「ありがとうございます!」
 俺は横に置いてあるお茶に口をつけて、饅頭にかぶりついて食べている。だが、それにも所作の注意がはいる。
「蒼、饅頭を食べる時は手で一口サイズにして食べる様に言ったはずですが?」
「えっと、休憩時間だからいいかなと……」
 黄姫は美人な顔で睨んでくる。美人な女の人よりも美しい黄姫の睨みは見ていて辛い。
「はい、すみません」
 俺は一口サイズにして口に放りこんだ。
「だめよ! ちゃんと口まで手で持って食べるようにする事!」
「はい! すみません!」
 和菓子一つの食べ方も行儀よく食べないといけない。一般市民だった頃が懐かしい。
 こんな食べ方一つでは煩くなかったな。いや、箸の持ち方とか育ての親は厳しかったな。
 他にも村の人に会ったら必ず挨拶する、困った人がいたら声をかけるなど、一般人でも守らないといけないルールというものがあったな。
 だが、王族はそれがとても細かくなっていると思えばいいのか。昔の俺ってばこんな事が出来ていたのか?
謎すぎる。
 今日も厳しい花嫁修業を終えて自分の部屋に戻るとドッと疲れが押し寄せてくる。
「はぁー、今日も終わった! なんでこんなに勉強やら習い事の時は時間が遅いの!」
 椅子に座って、机につっぷす。そんな俺を見て鏡は苦笑しながらお茶を出してくれた。
「今日もお疲れ様です。蒼様」
「ありがとう、鏡」
「紅玉様が先ほど部屋に来られて伝言を受けていますが、お話しても?」
 紅玉から伝言? なんだろう?
「何かな?」
「はい、もし部屋に来られたら蒼様が住まわれていた村に行く予定などを話したいと」
「え! マジで!」
「はい、そう伺っております」
「なら、今から行ってもいいのかな?」
「はい、蒼様がいい時間帯に来てもらっていいとの事でした」
「なら、今から行ってくるよ」
 俺は急いで廊下に出て紅玉の部屋に向かった。
 紅玉の部屋の扉を叩くと「どうぞ」と中から声がして紅玉の部屋に入った。
「あら、まだまだ元気みたいね。明日からもっと厳しくてもいいかしら?」
「え、黄姫? なんで此処に?」
 紅玉の部屋の中には椅子に座っている紅玉と黄姫がいた。
「そんなの、紅玉様に呼ばれたからですよ」
「あの、紅玉。俺が村に行くための話しがしたいと言うのは?」
「あぁ、悪いね。俺の母上にこの話がバレて、黄姫を連れて行くなら旅に出ても良いって了承を得てね」
「え?」
 黄姫が来るって事は……。
「まさか、村でも勉強しないといけないとか?」
「そういう事になる」
「そういう事よ! 紅季様から直々にお願いされたのだから私も全力でいくから。宜しく」
「マジですか!」
 村でならのんびり出来るなんて、そんな甘い事を考えていたのに、紅季にはその考えはバレバレだったという事なんだね。あぁ、そんな馬鹿な。俺のオアシスが。
「ごめんね、蒼。二人で行きたかったのに」
 紅玉が謝ってくるが、もう黄姫がいく事が決まっているならあまり意味のない謝罪に感じた。
「いや、人数は別にどうでもいいよ。あー、のんびりしたかった。村に帰るのに勉強!」
「こらっ、蒼。どんな時にでも姿勢は正しなさい」
「はい……しかし、黄姫は凄いね」
「へ?」
「だって、姿勢も綺麗だし、立ち振る舞いも優雅で、勉強だって出来て、王族として満点じゃん!」
「なっ、何を言っているの! こんなの、王族では常識なのよ!」
「そんな事ないよ。黄姫の努力がこの綺麗な黄姫を作っているんだから! そう卑下しないでよ!」
「そ、そんな事……」
 何故か黄姫が顔を赤くしてうつむいている。風邪でも引いたのだろうか?
「どうかしたの黄姫? 風邪?」
 俺がそう聞くと紅玉は笑いだし、黄姫は余計に顔を赤くして怒ってくる。
「誰か風邪ですって! 私は健康でしてよ! 失礼しちゃうんだから! それよりも、何時まで突っ立ているんですの、椅子に座っては?」
「うんうん、蒼はそう言う天然な所があったね。あー、おかしい」
 俺は何故か怒られたり笑われたりしながら紅玉の横の椅子に座った。
「それで、俺の村に行く予定ってどうなっているのか聞いても?」
「あぁ、二日で着ける村みたいだね」
「うん、近い方だと思うけど」
「山だなんて、私は虫が嫌いなのよね」
 黄姫がうんざりといった顔をして予定表を見てくる。
「それなら、俺の特性の虫が近づきづらくなる薬があるよ」
「ほ、本当ですの! 是非、その薬を譲ってください! 他の子にも教えたらきっと欲しがりますわ!」
「え、そうなの?」
「金貨をいくら積んでもいいですわね!」
「そこまで!」
 俺は虫が大丈夫だからアキナの為に作っていたが、男でも虫が苦手な人がいるから必要なのか。なるほどな。
「分かった。旅に行く前に虫が近づきづらくなる薬作っておくよ」
「ありがとう、嬉しい収穫ですわ」
 嬉しそうに微笑んでいる黄姫。
「蒼は聡明だね」
 嬉しそうに俺を見てくる紅玉。
「いやいや、紅玉や黄姫には敵わないよ。俺は好きな事しか出来ないからな」
「けど、まだ俺達が知らない薬を作ったんだろう?」
「そんなのが、ありますの?」
「えっと、まぁ……村にいた時に作った薬がチラホラとあるぐらいだが……それよりも、旅に必要な旅する荷物や日数とかはどうなっているの?」
「薬の話はまたですわね。長旅になりそうだから、その時に薬の話を詳しく聞きましょう」
「そうだね、黄姫。えっと、蒼は何処まで旅の話を聞いている?」
 黄姫と紅玉が薬の話題からそれてくれてよかった。
「何も知らないよ。今から聞く予定だから」
「そっか、予定では10日間の旅になると思うんだ」
「10日って、結構長く村に居られるのか?」
「いや、ちょっと他国に寄っていく予定でね」
「他国?」
 俺が頭を傾げると黄姫が説明してくれた。
「他国で一番近い国の宴に呼ばれているの。紅玉様と蒼がね」
「え、なんで俺が?」
「紅玉様に媚びやら恩を売っておきたい他国の王族が多いのよ。我が国は何にしても秀でているから、実りある大地に、戦争では負けなし、金は民に配るほどに有り余っているから、他国の王族や貴族が次の我が国の王様第一候補の紅玉とその紅玉が好いている婚約者の蒼に媚びたいみたい」
「確かに、言われてみれば、俺達のいる国は税金も安いし医療費も学費も免除があるし、凄い国だったのか」
「そう、そのトップの王様になる予定が紅玉様よ。医療費や学費が免除制度は紅玉様が言われて作られたの」
「おぉー! 凄すぎるな俺達の国と次期王様って!」
 俺は紅玉に対して拍手を送った。紅玉は顔を赤くしながら照れていた。
「俺は蒼が昔言っていた事を行動にうつしただけだよ」
「俺が?」
「うん。【学費が無料なら勉学出来て就職に有利なって貧困から脱出できるかもしれないし、医療費が免除なら助かる命が多くなるだろうな】って言っていたんだ。俺それを王様に伝えて形になる様に助力しただけだよ」
「そうなんだ……昔の俺って凄すぎるな、今では考えられない」
「そう? 蒼は変わっていないよ。大丈夫」
 紅玉が優しく笑いかけてくれるが、また成長していないと言われている様で微妙だ。
「それよりも、旅で寄っていく他国の国は何処になるの?」
「隣国の国のラファンって言う、食文化が凄く発達している国だよ。珍しい食べ物も全て美味しいと有名なの」
「ラファンの王族は我が国の王族が大好きなんだよね」
「そう、疲れるぐらいにウザいのよね」
 紅玉と黄姫の表情から笑みが消えて、無表情になる。相当嫌らしい。だが俺はその他国の王族達の気持ちは分かる。
「あー、でもラファンの人の気持ちは分かるわ。美形に美人に好かれたいんだよね?」
「そうなるのかな?」
「俺が行ったら幻滅されないかな?」
「そんな事俺が「私がそんな事させません! 旅に出る前にみっちりと勉強などしごくから、ついてきなさいよ!」
「はい! 黄姫、ありがとう」
「何よ、行き成りお礼なんて!」
「だって、黄姫ってば俺の勉強を分かりやすくするために努力してくれているから、今だって眠いのにこの話し合いに来てくれて、俺すっごく嬉しい。いつもありがとう!」
 俺は机の上にある黄姫の手を握って笑顔でお礼を言った。
 黄姫が頑張ってくれているのを知ったのは本の保管庫で勉強道具を作っているのを見てからだ。他の二人の先輩も俺に教えるために努力してくれている。スパルタで最初は嫌で辞めたかったが、こんなに努力してくれている人がいるのに辞めるのは嫌だった。その努力にこたえたいと思ったのだ。
 黄姫は顔から耳まで真っ赤になって固まった。
「黄姫?」
 黄姫の手を握っている俺の手を紅玉の手がゆっくりと解き、紅玉は複雑な顔をしていた。
「仲がいいのは妬けちゃうな」
「黄姫は綺麗だからな、分かる、分かる!」
「いや全然、蒼は分かってないから、紅玉様も私にジェラシー送らないで下さい」
 黄姫に俺の言葉に反論されてしまった。紅玉は「ごめん」と言っている。謎だ。
「それよりも、また話が脱線していますわ!」
 黄姫の一言でまた旅の話に戻った。説明は紅玉がしてくれる。
「あぁ、そうだな。我が国からラファンまでは半日で着く。ラファンには2日位の滞在になっているから1泊2日かな。後の8日はラファンから蒼がいた村までかかる日数は2日で変わらない。後の6日のうち、村に滞在する日数は4日になる。そして、2日かけて王宮に帰ってくる。これが、一応の旅の流れになっているが何か疑問とか質問あるかな?」
「俺はもう少し村に滞在していたい。あ、旅立つのは何ヶ月頃なんだ?」
「もっと、滞在か……。旅に行くのは1週間後だよ」
「え、それも聞いていなかったの、蒼?」
「誰からもそんな情報聞いていませんよ、黄姫。旅の事だって今日初めて鏡の口から予定あるって聞いただけだし。まぁ、いいさ。それよりも、村への滞在時間を最低でも1週間に出来ないのかな?」
 俺が紅玉に聞くと、紅玉は苦笑して黄姫の方を見た。
「出来そうか? 黄姫」
「私なら何時でも何処へでも行ける様にしてみせますわ」
 紅玉に真剣な眼差しで返事をした黄姫。
「黄姫てばカッコいい! よっ、流石俺の先輩!」
 俺はあまりの嬉しさに叫んでしまった。この先輩はツンツンデレがあって可愛いのだ。
「貴方のためじゃないわよ! 紅玉様からの頼みだからよ!」
「もう、黄姫はツンデレで可愛いな!」
「私はツンデレではありません!」
 黄姫はぷりぷりと怒っているが本気で怒っている訳ではないので、俺は軽く流す。
「1週間は村に滞在する予定なら、櫻の民にも準備する品を多くして貰わないとな」
「そうですわね、3日分は多くなりますから」
「ふふっ、楽しみだな」
「そんなに、村が恋しいの蒼は?」
 寂しそうな顔をした紅玉が聞いてくる。
「だってこの旅は豪華すぎるじゃん! ラファンの国で美味しい食べ物食べて、村に帰ってゆっくりできて、良い事尽くめ!」
「あぁ、そういう事か。うん、楽しみだね」
 寂しそうな顔から紅玉は優しい笑顔に表情が戻った。その紅玉の様子を黄姫はじっと見ていた。
「ラファンの事だけど、宴にはラファンの国の王族以外に誰か来るの?」
「そうだね。ラファンの兄弟国の二つの国が宴に呼ばれている」
「兄弟国?」
「王様同士が満月の夜に己の血が混じっている酒を飲む儀式があって、それをした国を兄弟国と言うんだ」
「そうなんだ、血ねぇー……物騒だな。えっと、その兄弟国は何処の国なの?」
 俺は心の声がダダ漏れだったが、兄弟国の事が知りたくて質問した。
「ラファンとの兄弟国は【シリエ】という武具や武器の製造に力を入れている国で。もう一つの国は【アリバック】音楽と知識が豊かな国で独特の文化をもっている個性が強い民や王族が多い。これらがラファンの兄弟国だ」
「へー、なんか凄い国そう」
「一番優秀なのは我が国だがね。どの国も緑が枯れてきていて砂漠現象がおきていたりするので、食糧難ではあるので、我が国が援助している」
「俺達の国って凄いんですね」
「そう、だから。蒼にはもっともっと頑張って貰わないと」
「へ?」
「だって、そんな凄い国の王妃様になるんだからね。自覚してよもう」
「あ、そうですね」
 まったく、自覚できないわ!
「まぁまぁ、黄姫。さて話の脱線が凄いな。話戻すけど、ラファンで1泊2日滞在はいいかな? 二人とも」
「俺はいいよ」
「私もです。紅玉様」
「分かった。変わったのは、村のへの滞在時間だけだな」
「はい、そうなります」
「旅か、村の日程が1週間もあれば家の片付けとかしたいし、墓掃除もしたいし、やりたい事が沢山だな」
「1週間が認められたら、13日の旅ですわね」
「あぁ、そうなるな」
「旅が楽しみだな!」
 俺がそう叫ぶと紅玉の部屋の扉を叩く音がした。
「入ってよい」と紅玉が言うと、櫻の民の一人が入ってきた。
「紅玉様と黄姫様を王がお呼びしています」
 そう言って、櫻の民は下がっていき部屋から出て廊下に消えた。
「もう、そんな時間か」
 紅玉がそう呟くと、黄姫も時計を見て驚いていた。
「旅の話は思ったよりも時間がかかりましたね」
 俺も時計を見て、時間が経つのが早いなと思った。やはり、楽しい話だと時間が経つのが早いんだなとしみじみと思った。
「あ、本当だ。もう12時か、俺もそろそろ部屋に戻るよ。けど、二人を呼ぶなんて王様はなんの用なんだろう?」
「蒼が気にする事じゃないよ、今週一週間の報告だよ」
「そうそう、紅玉様は王様から課題を出されているから」
「そうか、次期王様は大変だな」
「蒼も大変でしょうが、他人事みたいに」
 黄姫が長いため息を吐く。俺はそれに苦笑してしまった。
「蒼、今日の旅の話は此処までで」
「分かったよ、二人ともおやすみ!」
 俺は扉から出ようとしたときに二人に右手を振って、廊下に出て自分の部屋に向かった。



 紅玉の部屋には紅玉と黄姫の二人だけが残っている。
「黄姫、分かっているな」
「はっ、もちろんでございます」
「王の間にゆくぞ」
「はい、お供させて頂きます」
 蒼が部屋を出てから紅玉も黄姫も笑顔がなくなり、真剣な顔で廊下に出て王の間に向かった。王の間の扉の前に着くと櫻の民が扉の左右に立ち「紅玉様と黄姫様のご到着」と大声でいい、扉が内から開かれる。王の間の部屋に入り、頭を下げながら紅玉も黄姫も膝まづいた。王はそれを王の座で椅子に座って上から見下ろしてくる。
「紅玉、黄姫。おもてをあげよ」
「「はっ!」」
 二人は返事をして、立ち上がり王様と目を合わせた。
「呼んだ理由は分かっているな?」
「アリバックが蒼を狙っていると言う内容でよろしいでしょうか?」
「あぁ、そうだ。蒼は住んでいた村で相当、珍しい薬を作っていたと村人から情報を聞いて回ってしったらしい。我が国の王族であり珍しい薬を作り蒼は、アリバックの国にしたら欲しい知識の宝庫だろう。ラファンでの宴の時には黄姫は蒼の護衛を頼む。其方の剣術や武術は王族一だからな。紅玉とそれだけは渡り合えるのだ、期待している」
「はっ」
 黄姫は頭を下げて返事をする。
「紅玉、ラファンでの蒼への対応は任せる」
「もちろんです。ラファンに行く事が、蒼が育った村に行く条件ですので」
「必ず、三人で我が国【シフラン】に帰ってきなさい」
「「もちろんです!」」
「護衛や旅の従者の選びは櫻の民の中でも、武力や医療に秀でた者を集めるが、他に何か私に言いたい事はあるか?」
「王様、実は蒼は旅で後3日の延長を望んでいます」
「ふむ、何故だ?」
「家の掃除や墓参りに村のへの人間への挨拶をしたいと言っていました」
「なるほど、それなら時間はかかるな。許可しよう」
「はっ、ありがとうございます」
「話は以上だ。また、何か動きがあれば櫻の民から報告させる。疲れたであろう、下がってよい」
「「はい、失礼します」」
 紅玉と黄姫は王の間から廊下に出ると、王の間の扉がギギィと音がして閉まる。
 廊下を歩きながら自分の部屋に向かっているが、紅玉と黄姫は固い表情をしていた。
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