何でも屋

ポテトバサー

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第一章:廃工場の謎

はい、決まり!

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修「ないすんらよ!」

 先ほどの渡と同じように、鼻をつまみながら文句を言う修。

渡「やられたことをやり返しただけだろ!」

知哉「いましめだ、この野郎!」

修「なひがいまひめらぁ!」

重「なに言ってんのか分かんないよ! ほら、マスク」

 修はひったくるように重からマスクを取ると、素早くマスクをかけた。

修「何が戒めだ!」

知哉「うるせぇよ! いつになったら理由を聞き終えられるんだよバカ!」

修「安いんだから、たくさんあるって言っただろ! ったく、グダグダ言ってねぇで、倉庫だ倉庫。安い理由の倉庫編だこの野郎」

 修は倉庫のドアのカギを開けると、知哉に手招きをした。

知哉「ん? 何だよ?」

修「倉庫のでっかい引き戸があんだろ? それ開けんの手伝ってくれよ? 錆び付いてて大変なんだよ」

知哉「構わねぇけど、もうそのドアあいてんだからいいんじゃねぇの?」

修「いや、いま電気が止まってて中が暗いから、そこの引き戸開けたほうが明るいんだよ」

知哉「あぁそういことか。よし……」

 知哉は腕まくりをして、倉庫の引き戸の前に立った。

修「いやだからさ知哉、中から開けるのを手伝って欲しいんだって。ドアを開けるときの取っ手が中にしか付いてないんだよ」

知哉「いろいろ面倒…… あ、だから安いのか」

修「まぁ、倉庫にある理由は細々したのが多いんだよ。説明するより見て回った方が早いからよ」

知哉「わかったわかった」

修「そいじゃ、二人はちょっと待っててくれよ」

 そう言い残して、修と知哉は倉庫の中に入っていた。渡は忌々いまいましい事務所の引き戸をしっかりと閉めると、倉庫の前で腕組みをして待った。

重「ねぇワックン?」

 臭いから解放された重が渡の隣に立った。

渡「……一年に一回か二回だけ、そのあだ名で呼ぶの何なの?」

重「いいじゃない別に。んで、教授さんから見て事務所の方はどうなの?」

渡「うーん、良いとは思うんだけどね。ただ、あの臭いは取れるかな?」

重「どうだろう……」

渡「知ちゃんが言ったみたいに、壁紙とか張り直すってことになると、別にお金が掛かっちゃうからねぇ。雨漏りの具合も気になるしさ」

重「まっ、そういうところがあっての十二万円なんだろうね」

渡「あとは倉庫の理由しだいかな?」

 二人がまじめに話をしていると、倉庫の中から激しい物音が聞こえてきた。それに続いて修と知哉の声も聞こえてきた。

修「いま足元に気をつけろって言ったろ!」

知哉「暗くて見えねぇんだよ!」

修「だから気をつけろって言ってんだよ! ったく、ほら、開けるぞ? 俺は右側を開けるから、左頼むぞ」

知哉「はいはい……」

 二人は位置について腕まくりをすると、金属製の引き戸を力いっぱいに押した。

重「おっ、開くよ教授さん」

渡「中はどうなってるのか……」

 二人は引き戸が開くのを待っていたが、修と知哉の唸り声が聞こえるばかりだった。

修「ダメだ! 下の車輪かなんかが錆び付いてんのか!?」

知哉「ビクともしねぇぞ!」

修「二人で片方を押してみるか」

知哉「そうだな。じゃあ修の方を押すか……」

 今度は二人掛かりで引き戸を押し始めた。

重「あの筋肉バカ二人掛かりで開かないんじゃ、俺たち二人じゃ開かないね」

渡「これも理由の一つなのかね? これ、壊れてたら修理大変だよ」

重「壁紙と違って、自分たちじゃ直せないもんね」

渡「うん」

 二人は引き戸が開くのを待っていたが、またしても修と知哉の唸り声が聞こえるばかりだった。

知哉「おい、さすがに固すぎねぇか!?」

修「おかしいな、伯父さんは開くって…… あっ」

 修はマヌケな声を出すと、ばつが悪そうに引き戸の中央に近づいて行った。

知哉「なんだよ、どうしたんだよ?」

 修は知哉の問いに答えることなく、しゃがみこんで何やらカチャカチャと音を立てた。

知哉「カギはさっき開けてたろ」

修「うん、あの、カギが二つあるのを忘れてた……」

知哉「……じゃあ何? カギが掛かったまま、俺たちは‥」

修「まぁまぁ、それじゃ開けようじゃないの」

知哉「なにが『まぁまぁ』なんだよ! ちゃんと確認しろよ!」

修「悪かったよ。それじゃ、そっち頼むわ」

知哉「……あいよ」

 二人が力を入れて引き戸を押すと、引き戸は金属特有の音を立てながらゆっくりと動き始めた。

渡「ようやく開いたよ」

重「それにしても、あの二人が筋肉を浮き出せて力を入れなきゃ動かないって…」

渡「潤滑油かなんかで直ればいいけど……]

 少しずつ開いていく引き戸。その隙間から外光が射し込み、薄暗かった倉庫の中が徐々に明るくなっていく。渡と重はその光景に、内心わずかではあるが、ワクワクとした好奇心を覚えた。

渡「……まただよ」

 しかし、好奇心は一つの塵も残さずに消え去った。それも無理はなかった。倉庫内はゴミやガラクタで溢れ返っており、倉庫二階に続く右端の階段も物が散らばっていたのだ。

知哉「よーし、これで全開だ! それで?」

 知哉は酷使した腕をほぐすかのように回すと、倉庫内に目をやった。

知哉「………チッ!」

 明らかに見て取れる十二万円の理由に、思わず舌打ちをする知哉。

修「ホンット重い扉だな! うーし、それじゃ皆、中を見てくれよ!」

 元気よく声を出した修だったが、倉庫内を見るや否や声を漏らした。

修「えっ!? 何コレ!?」

 無責任な修の発言に、渡はすぐに言い返そうとしたが、続いた修の言葉に驚いてしまった。

修「増えてる!」

渡「ハァ!?」

修「ガラクタが増えてんだよ! この前、来た時はこんなに無かったのに!」

 修がウソをついていると知哉は思っていた。が、その驚きように、修が真実を言っている事に気がついた。

修「勘弁してくれよ……」

知哉「そんなに増えたのかよ?」

修「おう、こんなの前には無かったぜ?」

 修は近くに落ちていた首の折れている扇風機を拾い上げた。

知哉「他には?」

修「他は特に増えてない」

 知哉は近くにあった空き缶を、修の足元に投げつけた。

修「うおっ! 何すんだよバカ!」

知哉「んなもん増えたうちに入らねぇよバカ!」

修「増えたことに間違いはねぇだろ!」

知哉「全体のゴミの量からしたら、増えたうちに入らねぇって言ってんだよ!」

 渡が二人の言い合いに呆れていると、ずっと黙っていた重が、目を輝かせながら倉庫の中へと入っていった。

渡「あれ、大先生?」

重「ん、どした?」

渡「いや『どした?』じゃないよ。なにをそんなに嬉しそうにしてんのよ?」

重「シロウネリとかが出そうで良いじゃない」

渡「シロウネリ? 妖怪?」

重「そうそう」

 重は興味深そうに辺りを見まわしながら、奥へと進んでいく。

重「はい、ちょっとごめんなさいねぇ」

 言い合う修と知哉の間を通っていく重。

修「な、なんだ?」

知哉「あ? おい教授どうしたんだよ大先生は?」

渡「妖怪が出そうなんだって」

修「妖怪? 本当に好きだな」

知哉「つーか、妖怪が出ちゃマズイんじゃねぇの?」

 重は一階を簡単に見て回ると、二階へ続く階段に近づいて行った。

知哉「なぁ大先生、俺の言ったこと聞こえたのか?」

重「ん、なに?」

知哉「だから、妖怪が出ちゃマズイんじゃねぇの? そのー、あれ、何て言ったっけ?」

 知哉は渡のほうへ振り向いた。

渡「シロウネリ」

知哉「そうそう、シロウネリ。どんな妖怪なのか知らねぇけど、危ないんだろ?」

重「うーん、使い古した雑巾とか布が化けた妖怪でねぇ。ひどいと人間の首に巻き付いたりして襲うこともあるんだけど…… まぁ、ご愛敬だよね」

知哉「意味わかんねぇよ!」

重「そんなこといいからさ、階段をふさいでるガラクタどかすの手伝ってよ」

知哉「上いくの?」

重「そりゃそうでしょ、見て回んないと」

 知哉は面倒くさそうにしながらも、重を手伝った。

渡「ハァ…… それじゃ倉庫の理由を教えてもらおうか」

修「あーっと、まずは、まぁ見ての通りのガラクタの山。次に……」

 修はガラクタを避けながら、倉庫奥の窓ガラスに向かって歩き出した。

修「こっちに来てくれ」

 言われた渡は修の後についていく。

修「これだよ、これ。窓ガラスのこのサッシの具合が悪いんだよ」

渡「どれ…… あぁ、本当だ。ガタついてんね」

修「そうなんだよ。他のサッシもガタついててさぁ。ちょっと防犯上よろしくないんだよなぁ。たぶんガタついてるから、強引に何回か動かしてるとカギが開いちゃうんだよ、たぶん」

渡「じゃあ、あれだ。窓開けて中に不法投棄してるのかもね。このガラクタの量じゃ」

修「かもな……」

 そのとき、階段のガラクタをどかしていた知哉の声が倉庫内に響いた。

知哉「あっぶね! 危ねぇ…… 腰持ってかれるとこだった……」

 知哉はひとつの段ボール箱の前で、腰をさすっていた。

修「おう、どうした!」

 修と渡はガラクタに気をつけながら、知哉のもとに急いだ。

修「どうしたんだよ!?」

重「いやね、段ボールをどかしてたの。で、ほとんどは軽かったんだけど、いま知ちゃんが持とうとしたやつは重かったんだよ」

渡「ちょっと大丈夫なの?」

知哉「大丈夫、持ち上げた瞬間に気づいて止めたからよ。でも危なかったよ、最後の一個で気抜いてたからさぁ。軽いと思ったまま勢いよく持ち上げてたら、腰をやってたな……」

修「怪我しなくて良かったな…… にしても何が入ってたんだ?」

 修は問題の段ボール箱を開けてみた。

修「重いわけだよ」

渡「何が入ってたの?」

修「雑誌が十数冊、あと車のバッテリー」

知哉「ハァ!? 何で、んなもん入れてんだよ! どうせ雑誌も車の雑誌だろ!?」

修「いや、神社とか仏閣とかの雑誌」

知哉「バカじゃねぇの! 雑誌から何も学べてねぇじゃねぇか! チッ、訳わかんねぇバカがいるんだなホント!」

 腰をさすりながら怒る知哉。それにもかかわらず、重はすっとんきょうな声で知哉に質問をした。

重「知ちゃん、結局、腰は?」

知哉「えっ?」

重「腰は大丈夫だったんでしょ?」

知哉「大丈夫だったよ」

重「じゃあ、もう二階を見に行っていいね?」

知哉「えっ?」

重「怪我してないなら、もう二階に行くよって言ってんの」

 知哉は思わず吹き出して笑ってしまった。

知哉「修に教授さん、ここに薄情なバカいたけど」

修「いたいた。いま俺も見たよ」

渡「ほら見てごらん、もう楽しそうに階段上り始めてるよ?」

知哉「もうちょっと心配してもいいだろうよ大先生!」

重「怪我してないか心配してあげたでしょ? それで怪我がなかったんだから、それ以上は心配できないでしょ」

 重は振り返りもせず、軽快に階段を上っていった。

重「ほう、なるほどなるほど! 一階よりも汚い!」

知哉「マジかよ!? 上もゴミだらけ?」

重「ネジとか小さい部品とか割れたビンが散らばっててね、黄色のペンキの缶が倒れて、床の一部が黄色くなっちゃってる。それで……」

知哉「まだあんのか!?」

重「ビールの空き缶にツマミの袋、あと大量のカップラーメンの容器がそこら中に捨ててある」

知哉「ここで酒盛りをするバカいんのかよ?! つーか、シメにラーメンすすってんじゃねぇよ!」

 これ以上、二階を見て回るのは無駄と判断した重は、気をつけながら階段を下りてきた。

修「まぁ実はさ、安い理由の一つに、防犯のためにも早く人に貸したいってのがあるんだってよ」

知哉「あぁ、そういうことか。ずっと空いてるから変な奴らが来ちゃうんだな?」

渡「空き家とか空き地はいろんな自治体でも問題になってるからね……」

重「そうらしいね」

修「まっ、理由は大体こんなとこなんだけどよ…… どうかな?」

渡「うーん…… 一回さ、外に出ようよ? 新鮮な空気を吸いたい」

修「あぁ、それもそうだな」

 四人は倉庫から出ると、マスクを外した。通りを抜けていくそよ風が、四人にはとても心地よかった。

知哉「んで、どうするか?」

重「ここで良いと思うけどねぇ。いろいろ見てきた上で修はここを紹介してくれたんでしょ?」

修「まあな。伯父さんと一緒に苦労して、ここに辿り着いたからな。ちょっと問題はあるけど、総合的に考えたらいい物件だし」

渡「確かにね。ガラクタとかにおいとかの問題はあるけど、立地は良いし、建物自体は頑丈そうだしねぇ」

知哉「事務所のほうだってさ、自分たちで直せば安く済むしな。俺の知り合いに頼めば壁紙とかフローリング材も安く買えるしよ?」

修「あ、ホントに?」

知哉「おう。あとあれ、コーキング」

修「コーキング? コーキングも傷んでた?」

知哉「事務所の外回りのとこな。でもそれも大輔だいすけに頼めばやってくれんだろ? 安くさぁ」

 大輔とは、四人の中学生時代の同級生である。

修「あぁそうか、大ちゃんコーキングやってんだもんな」

重「ねぇ、コーキングって?」

知哉「ん? ほら、壁のつなぎ合わせの隙間とかにあんだろ? あのー、窓枠の外側にゴムみたいなのが入ってんだろ?」

重「はいはい、わかった、アレね。その仕事を大ちゃんがやってんだ?」

知哉「そう。つーかさ、ウチの実家の常連は職人が多いから、修理とかには困んねぇよ」

重「そっか。じゃあどうする? ここに決める?」

知哉「俺は賛成かな。修は当然あれだろ? オススメしてんだから賛成だろ?」

修「そりゃもちろん」

重「俺も賛成だから、あとは教授さん次第だけど、どう?」

渡「理由を聞いても、まだ安すぎるのが引っ掛かってるんだけど…… 何でも屋を開業するには良い場所だと思う。だって開業するだけで防犯になって近隣の住民の人たちに貢献できるんだからさ。じゃ、ここに決めようか!」

修「よーし、全員賛成だな! それじゃ早速……」

 修はポケットからスマホを取り出すと、どこかに電話を掛けた。

修「……あ、もしもし、修ですけど。はい、物件なんですが、決めました! ……いやぁもう三人も『この物件以外は考えられない』って言ってまして! あはは、そりゃもう……」

 修に言いくるめられた感がぬぐえない三人だったが、これから世話になる事務所と倉庫を改めて見上げた。

渡「なんか…… 急に愛着が湧いてくるのは何だろうね?」

知哉「そうだな。早く汚れてるところを直してやんなきゃって思うよ、急にな」

重「そのうち、今日が思い出話になるのが嫌だねぇ。三十・四十代になったときに振り返るのが……」

知哉「その『年取りたくねぇ病』を今のうちから発症させてて大丈夫なのかよ?」

渡「ホントだよ、高校三年生くらいから言ってるけどさ」

重「だってさぁ、なんかこう…… あの『青春』が終わると思うとさぁ……」

修「ふぃー、終わり終わり! 教授さん、明日さ、俺と一緒に伯父さんとこ行ってもらうからな?」

渡「ん? あぁ、オッケー」

修「なんだよ、どうした?」

知哉「大先生の『年取りたくねぇ病』だよ」

修「まーた、しみったれたジジイみたいなこと言ってんのかよ?」

重「だってさぁ……」

修「だってじゃねぇよ。黙ってたって俺たちはしみったれたジジイになるんだからよ? 今から言ってんなよ、んなこと」

重「でも、青春にさ、一区切りする感じじゃない?」

修「だったら死ぬまで青春と思ってりゃいいだろ!」

重「そうだけどさぁ……」

知哉「まだまだ若者には負けないぞ! って年取ってから言うなよ?」

重「いやほら、青春でも年を取ったら……」

修「年食ってなきゃ出来ないことだってあんだろ?」

重「例えば?」

修「知るかよ! つーか、そんなこと言ってて、今しか出来ないことを見逃して、あーしてりゃ良かった、こーしてりゃ良かったって言うなよ!」

重「いい、いい、もうわかった。数年のうちに不老不死の薬見つけるから」

 ただでさえ笑って話していた三人は、重の一言に呆れて更に笑い出した。

渡「何もわかってないじゃないの!」

知哉「訳わかんねぇなぁ、大先生は」

修「まぁ、とにかく、決まって良かったじゃねぇか。滅多にあるもんじゃないからな、四人で三万なんて物件は」

 腕を組んで倉庫を見上げる修。そんな修を、腕を組んで睨み付ける他三人。

渡「今さ、何て言った?」

修「何がですか?」

渡「何がですかじゃないんだよ! 何て言ったんだよ!」

修「何がだよ? 決まって良かった‥」

知哉「もっと先」

修「え? 滅多にあるもんじゃ‥」

重「もっと先!」

修「あぁ? 四人で三ま、あの……」

渡「四人で三万だぁ!?」

知哉「一人あたり三万じゃねぇのかよ!」

渡「四人で3万って一人当たり七千五百円だぞ!」

修「あら、お安い!」

知哉「うるせぇよ!」

重「なんだよ、その高校生のバイトでも稼げるような値段は!」

渡「まだ理由を隠してるな? 言え!」

修「ま、まぁ、出るとか出ないとか……」

渡「なにぃ!?」
重「バカじゃないの!?」
知哉「ウソだろ!?」

 こうして幼馴染四人は、いわくだらけの事務所と倉庫で、何でも屋を開業することになった。
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