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日常4 ~彼女と僕とデートと花と~
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京子さんの学校の実習がひと段落したらしい。
幸いなことに、僕の大学もこの時期は割と余裕があるし、今週末はバイトも入っていない。
だから、僕は実習明けの京子さんと共に、アパートでゆっくり過ごすのもありかと思ってた。
だが出不精の京子さんから、珍しく一緒に遊びに行こうと誘われた。
行先は2駅先の、県内では比較的大きな街だ。
今日の京子さんの格好は、スキニーパンツにシンプルなセーターだ。
以前、せっかくスタイルいいのだから、もっと色々着てみて欲しいです、と頼んだら
「体型のせいで着れる服があまり無くて...。」
と言われて、残念に思う一方、体型のせいというか、胸のせいなんだろな、と察して幸せいっぱいになれたので、本人にそれ以上しつこく要求はしなかった。
大きな街と言っても、都会とも田舎ともとれる中都市だ。回る店がそんなに多いわけではない。
いつもと変わらないルートで、本屋や雑貨店を回る。
駅ビルでの買い物中、京子さんがソワソワし出す。ここは4階だ。入っている店と言えば、アクセサリー店、下着店、それから奥に行くと、ああ...
「なあ、啓太、寄りたい店があるんだが...」
我慢し切れないといった様子で京子さんが切り出す。
全てを察した僕は言う。
「いいですよ。一緒に行きます。」
「本当か!(・∀・//)」
「では、行こう!アニメ○トへ!」
うん、ですよね。
というか、京子さん、今日のデートの主な目的それですよね。
大丈夫です。期待とかしてません。
京子さんは生き生きとした顔で、このフロア最奥へと向かう。
京子さんと付き合い始めてから大分見慣れた看板と、来る度変わる等身大パネルが見えてくる。
10分後には、つやつやした京子さんと、少し疲れた僕が出来上がった。
「京子さん、他に寄りたい所はありますか?」
「1階の花屋に、寄りたい。」
京子さんは花屋に着くなり、店員にフラワーアレンジメントを注文し始めた。
注文を終えた京子さんに話しかける。
「何の花にしたんですか?学校のお友達にあげるんですか?」
「ポインセチアを頼んだんだ。---」
ポインセチア...。
僕と京子さんにとっては、思い入れの深い花だ。
「嫁の誕生花でもある。---」
は...?
拗ねそうになる。
また、嫁か...。
確かに京子さんの嫁たちのことは、承知で付き合っている。
だが、今回は予想外だったから結構メンタルに来た。
(*´・ω・`*)
「だが、それ以上に大切なことは、私たちにとっても記念の花だという事だ。
私は元々、記念日とかあんまり執着無くてな。
自分の誕生日も言われなきゃ気付かない程だ。
本当に申し訳ないことに、あの頃ゴタゴタしてたから、交際記念日は何月何日なのか覚えてない、が、このくらいの時期だったはず。
去年は忘れてしまって、すまなかった。
アパートに飾ってもいいか?」
落として上げるのか。
ズルいな、京子さんは。
2次元嫁相手に少し嫉妬した自分が、急に恥ずかしくなる。
「はい。僕もその花好きです。」
京子さんが、僕にくれたあの日から。
幸いなことに、僕の大学もこの時期は割と余裕があるし、今週末はバイトも入っていない。
だから、僕は実習明けの京子さんと共に、アパートでゆっくり過ごすのもありかと思ってた。
だが出不精の京子さんから、珍しく一緒に遊びに行こうと誘われた。
行先は2駅先の、県内では比較的大きな街だ。
今日の京子さんの格好は、スキニーパンツにシンプルなセーターだ。
以前、せっかくスタイルいいのだから、もっと色々着てみて欲しいです、と頼んだら
「体型のせいで着れる服があまり無くて...。」
と言われて、残念に思う一方、体型のせいというか、胸のせいなんだろな、と察して幸せいっぱいになれたので、本人にそれ以上しつこく要求はしなかった。
大きな街と言っても、都会とも田舎ともとれる中都市だ。回る店がそんなに多いわけではない。
いつもと変わらないルートで、本屋や雑貨店を回る。
駅ビルでの買い物中、京子さんがソワソワし出す。ここは4階だ。入っている店と言えば、アクセサリー店、下着店、それから奥に行くと、ああ...
「なあ、啓太、寄りたい店があるんだが...」
我慢し切れないといった様子で京子さんが切り出す。
全てを察した僕は言う。
「いいですよ。一緒に行きます。」
「本当か!(・∀・//)」
「では、行こう!アニメ○トへ!」
うん、ですよね。
というか、京子さん、今日のデートの主な目的それですよね。
大丈夫です。期待とかしてません。
京子さんは生き生きとした顔で、このフロア最奥へと向かう。
京子さんと付き合い始めてから大分見慣れた看板と、来る度変わる等身大パネルが見えてくる。
10分後には、つやつやした京子さんと、少し疲れた僕が出来上がった。
「京子さん、他に寄りたい所はありますか?」
「1階の花屋に、寄りたい。」
京子さんは花屋に着くなり、店員にフラワーアレンジメントを注文し始めた。
注文を終えた京子さんに話しかける。
「何の花にしたんですか?学校のお友達にあげるんですか?」
「ポインセチアを頼んだんだ。---」
ポインセチア...。
僕と京子さんにとっては、思い入れの深い花だ。
「嫁の誕生花でもある。---」
は...?
拗ねそうになる。
また、嫁か...。
確かに京子さんの嫁たちのことは、承知で付き合っている。
だが、今回は予想外だったから結構メンタルに来た。
(*´・ω・`*)
「だが、それ以上に大切なことは、私たちにとっても記念の花だという事だ。
私は元々、記念日とかあんまり執着無くてな。
自分の誕生日も言われなきゃ気付かない程だ。
本当に申し訳ないことに、あの頃ゴタゴタしてたから、交際記念日は何月何日なのか覚えてない、が、このくらいの時期だったはず。
去年は忘れてしまって、すまなかった。
アパートに飾ってもいいか?」
落として上げるのか。
ズルいな、京子さんは。
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「はい。僕もその花好きです。」
京子さんが、僕にくれたあの日から。
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