ローグ・ライク・ななな不思議

鏑屋アレン

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謎の宝箱 ミミッコとの出会い

遂にミミッコの能力が明らかに!…なのか?

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 昨日まで淡く桃色がかった白色で満開に感じていた桜の木はいつの間にか緑色に変わり日差しの強さを肌で感じる季節に、かー君は最寄りの駅に向かって一人こそこそと歩いていた。かー君の通う学校は、都内のオフィス街と住宅地の間にあるような位置に有り、中学受験が必要で電車で通う子の方が多い公立校で、比較的に優秀な子が集まる学校だ。親に中学受験を強いられ1年程塾に入りたまたま合格し、電車に揺られ15分程、ドアツードアで1時間程度の登校時間を使って毎日通っていた。下校の時間は、通勤ラッシュとはぶつからず角の席すら座れるくらいだ。かー君は、今日はいつもと違う時間帯の電車に乗ることになるなと考えながら帰路についていたが、頭の右上には何故か宝箱が浮いていた。
「なんか学校から出れたよーっ!ラッキーっ!」

 少し時間がさかのぼり放課後の人のいない教室。かー君は、初対面の若干の緊張を感じながらミミッコと話していた。
「僕、そろそろ帰ろうかなって思うんだけど…。ミミッコはどうするの?」
 大方話が終わりそろそろ切り上げようかと思う時間帯、かー君はこのまま帰って良いものなのか疑問に思った。寧ろ不可思議な物体と会話ができるといった貴重な時間が、別れることで終わっていしまうかもしれないという一抹の不安が、少しの間、会話を引き延ばしていたかもしれない。
「えっ、一緒に帰ろうよー。オレのこと持って帰ってよっ!」
 ミミッコこと中身のない空の宝箱、もしくは宝箱に化けた生命体は、自分を手に抱えながら帰るよう提案した。
「いやいやいや、ミミッコは他の誰かに見えてるのか分からないし、見えてたら僕が大きな宝箱持ってる変な奴に見えるし、見えてなかったらずっとパントマイムしてる人に見えるでしょ。それは…、えっ…。」
 かー君は、古文の授業中に注意をされる可能性がある事が分かっていてもそれに対策をしない子だったが、宝箱を持ち帰ることでミミッコが人に見えるにしても見えないにしても自分が変に見える事を気にするようだった。確かに大方の人間というものは、そのように目先の不安に抵抗を示し、それが確実な不安と確証を感じたら強く逃避を求めるものだろう。
「大丈夫、大丈夫っ。とりあえずオレのこと持ち上げてみてっ!」
 ミミッコは、かー君の不安など気にせず話を進める。
「えー…。」
 かー君は口では不満を漏らすものの、身体はミミッコに近づいた。こういう時に、決して自分の立場を変えずにきっぱりと断る訳ではなく、相手の話に流されつい協力してしまうややお人好しな性格のようだ。
「ちょっと待って、かー君っ!正面から抱くの?えへへへへー。」
 かー君の無造作な抱え方に、ミミッコがふたと箱を浅く開閉させながら声のトーンを弱めて答える。
「えっ…、あっじゃあー…。」
 かー君はミミッコの反応に何故か口数が少なくなりながら、後ろに回り込み黒板を背に空の教室を見渡すように立ち、ミミッコに手をかける。
「せーの…。」
 かー君が後ろから抱きかかえるようにミミッコの口元の下あたりで手のひらを重ね、胸を蝶番辺りに押し当てた。腕の力というよりか胸部に乗せるように力を入れて持ち上げようとする。
「くっ…。」
 ミミッコは想像以上に重かった。まるでミミッコが置いてある教卓を飛び越えて教室の床に張り付いているものを持ち上げようとしていると感じるほど動く気配が無かった。それまでの教卓の上を軽く飛び跳ねている様子を見ていただけに想定外の体重移動が身体に強いられ、思わず前のめりにかー君はミミッコの膨らんでるふたの上にのっかった。
「えっ、かー君ってばぁー。なにしてんのー…。」
「ちょ、ちょっと待って…。持ち上げられるって感じじゃ無かったよっ?動く気配が無かったよっ?」
 かー君は、教卓の前に向き直り反論する。
「えっ、なんでよー?オレ、そんなに重くないってっ。」
 ミミッコはそう言いながらジャンプをすると、そのままそっと空中に浮きあがりかー君の方にゆっくりと浮遊し、かー君はふわりと弧を描きながら近づくミミッコをそっと受け止めた。
「飛べるじゃん…。」

 電光掲示板に自身が乗りたい電車の順番には余裕があることを確認しながら改札を通る学生と、その学生の頭上にふわふわと風に吹かれたビニール袋のように軽々しく浮かんでいる宝箱の姿があった。と言っても、どうやら宝箱の姿は他の人には見えてないらしかった。
「これから電車に乗るのかー。何となく知ってたけど、見るのも乗るのもオレ初めてだよーっ!オレは子供料金で乗れるのか?」
 ミミッコは校舎から、いや教室から楽し気な口数が多かったが、かー君がその言葉に反応する事は無かった。
「なんだよー、さっきから早歩きしてーっ。大丈夫だって、オレのこと誰にも見えてないみたいだし!」
 先ほどから2人で人通りを歩いていたが、確かに宙に浮いてる喋る宝箱に気が付いている人はいなかった。だからと言って、かー君の心持ちが良い訳では無かった。時々頭の付近をUFOのようにビュンビュンビュンビュン飛び回り、ふと止まったなと思えば話しかけられる。気になるものがあれば人、物お構いなしにふわっと近づきはしゃいでいる。気にする必要が無い事ではあるものの、気が気でならなかった。
「おいおいおいー、なんか長いもの持ってる人がいるよー。なんだろ、これー布で包まってるけど―。」
 かー君の目から見たら弓道の和弓に他ならなかった。しかし、ミミッコはそう言いながら舌で和弓を隠している布を外そうとしている。
「ちょっとっ、ミミッコっ。」
 思わず声が出る。その声は、まだ人の少ない電車のホームで響き渡り、ちらほら振り向く人もいた。かー君は無かったことにして、下を向きながら早歩きを続けた。ミミッコは、和弓に押されるようにしながら浮いていた。和弓に触れない姿を目にしても、かー君の早まった心臓の鼓動は治まることが無かった。

 かー君は、夕食と風呂、わずかな家族との団らんを終え机には古文の教科書とノートを開いている6畳ほどの自室にいた。
「おいおいおいーっ、この部屋は漫画とゲームしかないじゃんっ!天国かよー!」
 かー君の部屋は机と腰ほどの高さの漫画だけが詰まった本棚、その上にはテレビが置いてありテレビゲームがつながっていると言った絵にかいたような子供部屋だ。果たしてそれが天国と言える環境なのか、それとも抜け出さ事の出来ない沼への入り口なのか分からない。ただ、ミミッコにとっては気分の高まる楽しさだけを覚えれる部屋に違いなかった。
「えっ、このゲームやろうよー!2人でできるよ!セットしてっ、セットしてっ!」
「えっ、ちょっと待ってっ。古文の課題やってからじゃないと…。」
 誰かとゲームで遊んだことの無いかー君にとって、誰かとゲームで遊ぶことはそれはそれは魅力的なことで多分に心が揺らいだが、流石に古文の課題を終わらせなければならないという自制心が勝った。
「えー、古文の課題やるのー。大丈夫だよー、テストの時は誰かの答えを覗いて教えるからさー、満点間違いなし。」
 ミミッコから堂々のカンニングという、学生の身からしたら極めて不健全な突拍子もないもし認めたら学生の立場をすべて否定する提案が出た。
「えっ、ホントにっ!いや、でも…。無理だよ…。」
 かー君は、一瞬心が揺らいだ。だが、古文の課題を明日提出しなければ怒られるという思いから、それを断った。
「なんだよー、真面目だなぁ。じゃあいいよ、一人で遊んでるから。」
 ミミッコはそう言いながらゲーム機の小さな電源ボタンを押そうと下でゲーム機をなめまわしていたが、ボタンは押せなかった。どうやら、ミミッコは物に干渉することが出来ないようだった。かー君はミミッコを背に粛々と課された課題に取り組んでいた。時々ミミッコが話しかけるが、それが集中力を維持する事につながったのが課題ははかどり、終わったころには今寝れば普段の生活サイクルと変わらない程度だった。
「おっ、やっと終わったのか―っ!よし、じゃあゲームしようっ!」
 ミミッコが、昼と変わらないテンションで声をかける。これが誰にでも聞こえてると思ったら騒がし過ぎてぞっとするが、かー君にしか聞こえていない。
「あっ、いやーその前に…。学校で話した七不思議についてもっと話したいな…。」

 時間はさかのぼり放課後の学校、前列の廊下から2列目の机に腰かけたかー君と教卓の上のミミッコは同じくらいの目線の高さで会話していた。
「それでね…。七不思議っていうのはね…。この学校に昔から伝わる七不思議ってのがあってそれを解明してほしいって話なのよー!7つすべての不思議が解明出来たら幻の宝箱が開くって話っ!」
 ミミッコの口から一昔前のロールプレイングゲームに有りそうな設定の話がされた。普通の人なら話半分で聞くものかもしれないが、かー君はオカルト話を決して信じてはいないが非現実的な話として空想にふけながら聞くことが好きだった。今現在が不思議体験をしているというのに新たな不思議の話が舞い込むが、心の中では前向きになってるかー君もいた。
「七不思議の解明、幻の宝箱…。ミミッコは七不思議とか幻の宝箱とは違うの?」
 かー君に限らず誰しもが真っ先に思い浮かぶ疑問だろう。愛嬌を感じさせる声色でミミッコに尋ねた。
「オレは違うよ。この学校ってさ、戦前からあるでしょ。それからしばらく経ってね、生徒たちが七不思議の噂がたってオレもずっと気になってたんだ!」
「えっ、ミミッコは戦前からいたのっ?噂って戦後?幻の宝箱なんて結構近代的に聞こえるけど?」
 この学校は戦前に起源がある歴史ある学校だったが、大幅な改築があったり、名前の解明があったりでその頃の面影は無い。
「そうっ、オレは戦前からこの学校にいるんだっ!噂はー…、いつ頃だったろ、忘れちゃった!ある時休み時間かなんかに七不思議の噂話が流行ってね。ここ最近はめっきり聞かなくなっちゃたけど…、寂しいねっ。」
「寂しいかどうかは知らないけど…。その噂ボクも聞いたことないし、ホントにあるの?」
 学校の噂話など代々受け継がれる事など少ないと思うが部活や委員会の間では案外あったりして、しかしながらそんな中学校内の組織に属していないかー君が何も知らないことは普通だろう。
「あるっ…、多分。まぁ無くてもさ、面白そうじゃん、後生だと思って付き合ってよー。」
「まぁ面白そうだけどさぁ…。えっ、やっぱりもう一度確認させてっ。ミミッコはホントにただこの学校にいただけなの?自分が何者かってホントに分からないの?」
「そうだよ、気がついたら一つの教室にいたのっ!これまでいろんなことがあった気がするけど忘れちゃったっ!」
 ミミッコのルーツに関する問いかけには問いかけには、あくまで忘れてしまったの返答しかない。
「そうなんだ…。」
 かー君はやや考える素振りを見せながらうつむいた。
「あっ、でも七不思議の解明ってい言ってもね、オレには不思議な力があるからきっと簡単だよ…。」
 考える事を変えるようにミミッコが新しい話題を出す。
「不思議な力?」
「オレ、時間を戻せるんだ…。」

 時は戻り、かー君の部屋。かー君は学校での話がずっと気になっていた。寧ろそのような話は大好きだったが、古文の課題の方が心の中を占めていて口にしていなかった。
「あー、水泳部のあの子が朝練ある時水着でくるって話?」
「違うよっ!あとよくよく聞いたらその人男だったしっ!」
 ミミッコの理外の言葉に思わず大きな声が出た。
「どうしたのー瑞希ー、大きな声出してーっ!」
 夜にしては大きすぎたその声に母親が反応した。
「ちょっと、ミミッコ。ミミッコが余計なこと言うから変な感じになっちゃたじゃん!」
 小声で言う。
「なんかあったのー?」
 母親のその声は、部屋にやや近づいているように聞こえた。
「あー、うん。」
 かー君は、部屋でぼそっと相槌をうつ。母親には聞こえていないだろう。
「えっ、どうする学校で少し話した時間を戻せる能力使う?」
「あっ、それホントにできるのっ?使ってボクどうなるの?大丈夫なの?分からないけど…。身体とか、ぐにゃぐにゃってならない?」
 ミミッコは、かー君が気になっているであろう話題をやっぱり覚えていた。だが、かー君はそれを指摘する素振り無く、たかだか大声に母親が反応したことに時間を戻して無かったことにしようとしてた。
「うん、全然大丈夫!じゃあここをベースにして、かー君が突然奇声を上げた直前に時間を戻すねっ!」
「えっ、いっ………。」
 かー君が声を出したその刹那、夜中にぱっと目が覚めたような一瞬自分の置かれた状況が分からない感覚があり、そして自分が自分の部屋にいる事を理解した。
「えっ、あれ…どういう…どうなったの…?」
「時間を20秒くらい戻したんだよっ!ほら、かー君のお母さん何も言ってないでしょっ!」
 確かに母親は何も喋っていない。
「ホントに戻ったの?」
 かー君は思わず時計を見たが時間が戻ったかどうかは分からなかった。
「そうそう!オレは時間を戻せるんだ!」
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