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23 思い出の中の美少年
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満月の下で見るメディス伯爵は、この世のものではないような美しさだ。
均整が取れた長身を包んだ外套は、裾が風に揺れている。
長い黒髪はいつも後ろでまとめているが、今夜に限っては下ろしたままだ。湯を使った後なのか、風に混じってオリエンタルな香油の香りがほんのりと漂う。
夜を統べる魔王のような妖しい魅力が、俺の心を瞬時に鷲掴みにする。
……とは言っても、見惚れていることをヤツに知られるのは癪だ。俺はヤツから視線を戻して、遠い屋敷の灯りを見つめた。
「シェリル、こんなところにいたんですか。捜しましたよ」
感情がわからない声で、伯爵は話しかけてきた。
「……へぇ、アンタ暇人だな。こんな取るに足らないオメガのことを気にかけるだなんて、大貴族様のすることじゃねーだろ」
「いつもより、荒れているようですね。何かありましたか?」
無言を貫いていると、ヤツは俺の隣に腰掛けてきた。
ただそれだけのことなのに、なぜか心臓の鼓動が奇妙に跳ねる。
(うっ、なんだ、俺……! まだ、発情期が終わってないからか……?)
動揺する俺と反対に、冷静な声音で伯爵は問いかけてくる。
「ところで、明日どうするか決めましたか? 王都に同行する者の人数を確認しているところなのです。馬や宿の手配が必要なので……一緒にいらっしゃいますか?」
「そのつもりだったんだが……」
言い澱んだ俺に、伯爵は首を傾げた。
「アリサ嬢が、行きたくないとでも?」
「まぁ、そんなとこだな」
「もしかして……彼女とユンに何か……?」
「……」
「答えないってことは図星ですね。実はさっき、人目を忍ぶように抱き合っている二人を見たばかりなのです」
「抱き合ってる……!?」
ギクッと体を震わせた俺に、伯爵は安心させるように軽く笑った。
「……ダイニングの外のバルコニーでね。いかがわしい感じじゃないから、心配は要らないでしょう」
「そんなこと、心配してねーよ!」
「ユンは真面目過ぎる男です。たとえアリサ嬢が誘惑したとしても、きちんと神の許しを得てからじゃないと、それ以上の関係には進展しないでしょう」
「……まぁ、そうだろうな。あんたと違って、ユンは真面目だ」
「何ですって!? やっぱり、彼を誘惑しようとしたんですか!?」
唐突に、怒りを露わにした伯爵に俺は苦笑する。
「まさか! 俺にも人を見る目はある」
「ふ、ん……人を見る目ね。そうとも思えないですけどね」
「はぁ?」
「私と初めて会った日のことを、君は覚えていますか?」
「あったりまえだろ! 辺境の地の宿屋で、変な男たちにやられそうだったのを助けられて……」
「違います」
即座に否定されて、俺は眉を顰めた。
月に照らされたメディス伯爵の横顔――そこには、底知れぬ知性の輝きと上流階級特有の高慢さが見て取れる。
こんな美しい顔、一度見たら忘れられないと思う。
あの宿屋で、初めて会ったと思い込んでいたが……伯爵はそうではない、と言う。
十数年の記憶を遡ってみても、俺は彼と会った覚えはない。
「じゃあ、俺のことを前から知っていたっていうのか?」
「まぁ、そういうことになりますね」
「どこで?」
促すと伯爵は呆れたように横目で見てから、ゆっくりと過去に俺と出会ったときのことを話し始めた。
***
――およそ、十年ほど前に話は遡る。
まだ母さんが生きていて、俺とアリサは森と川が近くにある小屋に暮らしていた。
自然に囲まれたその場所が、王都からどれほど離れているのかはよくわからない。人々の主な仕事は農業や漁業だったから、片田舎だったことは間違いない。
とある豪農の主の妾になった母さんは、俺たちが生まれたから家は与えられたものの、十分な経済的な支援は受けていなかった。
その農家で収穫された穀類を使ってパンを焼き、それを毎週末に開催される市場で売ることで、ようやく俺たちを養うだけの収入を得ていた。
ただ、今にして思えばその頃は恵まれていた。俺とアリサの父親……農家の主の庇護のもと、母さんも元手をかけずに商売をすることができたから。
……が、ある時、俺たちの存在を正妻に知られ、怒り狂った彼女によって俺たち一家はその小屋から追い出されてしまった。
その後、母さんが身を寄せたのは、名もない辺境の街の宿屋だった。
宿の主は母さんの従兄だったが、ケチな中年男でろくに母さんに給金を支払わなかった。
「金が欲しけりゃ、客でもとるんだな。子持ちでも、お前みたいに器量よしなら問題ないだろう。金払いのいい紳士と一晩過ごせば、金貨の何枚かは入るだろうに」
嘲りの言葉を投げかけられても、母さんは真面目に宿での仕事を続けた。
結婚をせずに子を産んだ女に対して、世間は冷たい。
オメガ性だということで人前に出られない時期があることも、そこから離れられない理由だった。
体を売れば、もっと豊かな暮らしができたに違いない。
でも、母さんはそれを選ぶことはなかった。子どももオメガ性だということを考えて、自分自身が身を持ち崩すことをよしとしなかったのかもしれない。
いずれにせよ、宿の主もその妻も俺たちを厄介者扱いし続けた。
そんな苦しい生活から少しでも抜け出そうと、母さんは宿の仕事の休憩時間にできるような内職を始めた。
夜も寝る暇もなく部屋で繕い物をしている母さんを手伝おうと、俺もアリサも見よう見真似で裁縫や編み物に手を出してみたものの、結局それは母さんの邪魔をする結果になっていたかもしれない。
そうするうちに、どんどん母さんはやつれていって、ある冬の日にひどい高熱を出して寝込んでしまった。
医者を呼ぶにも、薬を買うにも金が必要だ。
だけど、俺たちはまだ小さくて……どうすれば、誰に頼ればいいかわからなかった。
一番近い場所にいる大人たちは、母さんが寝込んだせいで仕事が増えて仕方ない、とぼやくばかりで心配さえもしてくれなかった。
熱はどんどん上がるばかり……俺は、母さんの身の周りの世話はアリサに任せて、医者を探しに行くことにした。
親戚の宿屋は村外れにあったが、市場が開かれる教会の近くにはさほど遠くなかった。
大して信心深くはない俺だが、神にすがる気持ちは子どもの頃のほうが強かった。
(神父様にお願いすれば、お薬買うお金を貸してくれるかもしれない……!)
そう思って、さびれた教会のドアを開けたが、誰もいなかった。
静謐な空間にあるのは、神の偶像のみ――。
……と、思って肩を落とした俺だったが、帰ろうとした瞬間、祭壇の前で何かが動くのに目を留めた。
「あ……っ」
俺は驚きのあまり、目を瞬かせた。
そこに、天使がいた……。
いや、よく見れば天使ではなく人間だということがわかった。
俺の視界に入ってきた人物は、さらっとした黒髪で華奢な……俺よりいくつか年は上だが、まだ子どもと言ってもいいような年齢の人物だ。
一瞬、ステンドグラスから入る色とりどりの光に照らされて、その人物の背に天使の翼が見えたような気がした。
(なんだ……)
天使なら神様のお使いだから、母さんの薬をくれたかもしれない。
でも、人間なら……俺たちを蔑むだけじゃないか。
俺は一瞬のうちに落胆した。
そんな俺に気づいて、その人は床から身を起こした。
遠目には性別されも判別しがたいが、身につけている上質な天鵞絨の上着を見れば、貴族の子弟だということがわかった。
「君は……? お祈りをしに来たの?」
涼やかな、まだ声変わりしていない少年は俺に話しかけてきた。
「……いえ、神父様にお願いがあって」
「あいにく、神父様は隣町の大聖堂に用事があって行っているらしい。僕も父の使いで来たんだけど、無駄足だったみたい」
「そう、ですか……」
俺のガッカリした様子を見て、彼は小首を傾げた。
「どうかしたの? よかったら、話だけでも聞かせてくれる?」
育ちがよさそうな少年に、気後れしなかったわけではない。
でも、その時は神父に会えなかったショックで、次に何をすべきかわからず混乱していた。
とにかく、自分より年上の少年に話せば何か方法が見つかるかもしれない。
俺は泣きそうになるのを我慢して、自分たちの身の上を語り始めた。
均整が取れた長身を包んだ外套は、裾が風に揺れている。
長い黒髪はいつも後ろでまとめているが、今夜に限っては下ろしたままだ。湯を使った後なのか、風に混じってオリエンタルな香油の香りがほんのりと漂う。
夜を統べる魔王のような妖しい魅力が、俺の心を瞬時に鷲掴みにする。
……とは言っても、見惚れていることをヤツに知られるのは癪だ。俺はヤツから視線を戻して、遠い屋敷の灯りを見つめた。
「シェリル、こんなところにいたんですか。捜しましたよ」
感情がわからない声で、伯爵は話しかけてきた。
「……へぇ、アンタ暇人だな。こんな取るに足らないオメガのことを気にかけるだなんて、大貴族様のすることじゃねーだろ」
「いつもより、荒れているようですね。何かありましたか?」
無言を貫いていると、ヤツは俺の隣に腰掛けてきた。
ただそれだけのことなのに、なぜか心臓の鼓動が奇妙に跳ねる。
(うっ、なんだ、俺……! まだ、発情期が終わってないからか……?)
動揺する俺と反対に、冷静な声音で伯爵は問いかけてくる。
「ところで、明日どうするか決めましたか? 王都に同行する者の人数を確認しているところなのです。馬や宿の手配が必要なので……一緒にいらっしゃいますか?」
「そのつもりだったんだが……」
言い澱んだ俺に、伯爵は首を傾げた。
「アリサ嬢が、行きたくないとでも?」
「まぁ、そんなとこだな」
「もしかして……彼女とユンに何か……?」
「……」
「答えないってことは図星ですね。実はさっき、人目を忍ぶように抱き合っている二人を見たばかりなのです」
「抱き合ってる……!?」
ギクッと体を震わせた俺に、伯爵は安心させるように軽く笑った。
「……ダイニングの外のバルコニーでね。いかがわしい感じじゃないから、心配は要らないでしょう」
「そんなこと、心配してねーよ!」
「ユンは真面目過ぎる男です。たとえアリサ嬢が誘惑したとしても、きちんと神の許しを得てからじゃないと、それ以上の関係には進展しないでしょう」
「……まぁ、そうだろうな。あんたと違って、ユンは真面目だ」
「何ですって!? やっぱり、彼を誘惑しようとしたんですか!?」
唐突に、怒りを露わにした伯爵に俺は苦笑する。
「まさか! 俺にも人を見る目はある」
「ふ、ん……人を見る目ね。そうとも思えないですけどね」
「はぁ?」
「私と初めて会った日のことを、君は覚えていますか?」
「あったりまえだろ! 辺境の地の宿屋で、変な男たちにやられそうだったのを助けられて……」
「違います」
即座に否定されて、俺は眉を顰めた。
月に照らされたメディス伯爵の横顔――そこには、底知れぬ知性の輝きと上流階級特有の高慢さが見て取れる。
こんな美しい顔、一度見たら忘れられないと思う。
あの宿屋で、初めて会ったと思い込んでいたが……伯爵はそうではない、と言う。
十数年の記憶を遡ってみても、俺は彼と会った覚えはない。
「じゃあ、俺のことを前から知っていたっていうのか?」
「まぁ、そういうことになりますね」
「どこで?」
促すと伯爵は呆れたように横目で見てから、ゆっくりと過去に俺と出会ったときのことを話し始めた。
***
――およそ、十年ほど前に話は遡る。
まだ母さんが生きていて、俺とアリサは森と川が近くにある小屋に暮らしていた。
自然に囲まれたその場所が、王都からどれほど離れているのかはよくわからない。人々の主な仕事は農業や漁業だったから、片田舎だったことは間違いない。
とある豪農の主の妾になった母さんは、俺たちが生まれたから家は与えられたものの、十分な経済的な支援は受けていなかった。
その農家で収穫された穀類を使ってパンを焼き、それを毎週末に開催される市場で売ることで、ようやく俺たちを養うだけの収入を得ていた。
ただ、今にして思えばその頃は恵まれていた。俺とアリサの父親……農家の主の庇護のもと、母さんも元手をかけずに商売をすることができたから。
……が、ある時、俺たちの存在を正妻に知られ、怒り狂った彼女によって俺たち一家はその小屋から追い出されてしまった。
その後、母さんが身を寄せたのは、名もない辺境の街の宿屋だった。
宿の主は母さんの従兄だったが、ケチな中年男でろくに母さんに給金を支払わなかった。
「金が欲しけりゃ、客でもとるんだな。子持ちでも、お前みたいに器量よしなら問題ないだろう。金払いのいい紳士と一晩過ごせば、金貨の何枚かは入るだろうに」
嘲りの言葉を投げかけられても、母さんは真面目に宿での仕事を続けた。
結婚をせずに子を産んだ女に対して、世間は冷たい。
オメガ性だということで人前に出られない時期があることも、そこから離れられない理由だった。
体を売れば、もっと豊かな暮らしができたに違いない。
でも、母さんはそれを選ぶことはなかった。子どももオメガ性だということを考えて、自分自身が身を持ち崩すことをよしとしなかったのかもしれない。
いずれにせよ、宿の主もその妻も俺たちを厄介者扱いし続けた。
そんな苦しい生活から少しでも抜け出そうと、母さんは宿の仕事の休憩時間にできるような内職を始めた。
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そうするうちに、どんどん母さんはやつれていって、ある冬の日にひどい高熱を出して寝込んでしまった。
医者を呼ぶにも、薬を買うにも金が必要だ。
だけど、俺たちはまだ小さくて……どうすれば、誰に頼ればいいかわからなかった。
一番近い場所にいる大人たちは、母さんが寝込んだせいで仕事が増えて仕方ない、とぼやくばかりで心配さえもしてくれなかった。
熱はどんどん上がるばかり……俺は、母さんの身の周りの世話はアリサに任せて、医者を探しに行くことにした。
親戚の宿屋は村外れにあったが、市場が開かれる教会の近くにはさほど遠くなかった。
大して信心深くはない俺だが、神にすがる気持ちは子どもの頃のほうが強かった。
(神父様にお願いすれば、お薬買うお金を貸してくれるかもしれない……!)
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……と、思って肩を落とした俺だったが、帰ろうとした瞬間、祭壇の前で何かが動くのに目を留めた。
「あ……っ」
俺は驚きのあまり、目を瞬かせた。
そこに、天使がいた……。
いや、よく見れば天使ではなく人間だということがわかった。
俺の視界に入ってきた人物は、さらっとした黒髪で華奢な……俺よりいくつか年は上だが、まだ子どもと言ってもいいような年齢の人物だ。
一瞬、ステンドグラスから入る色とりどりの光に照らされて、その人物の背に天使の翼が見えたような気がした。
(なんだ……)
天使なら神様のお使いだから、母さんの薬をくれたかもしれない。
でも、人間なら……俺たちを蔑むだけじゃないか。
俺は一瞬のうちに落胆した。
そんな俺に気づいて、その人は床から身を起こした。
遠目には性別されも判別しがたいが、身につけている上質な天鵞絨の上着を見れば、貴族の子弟だということがわかった。
「君は……? お祈りをしに来たの?」
涼やかな、まだ声変わりしていない少年は俺に話しかけてきた。
「……いえ、神父様にお願いがあって」
「あいにく、神父様は隣町の大聖堂に用事があって行っているらしい。僕も父の使いで来たんだけど、無駄足だったみたい」
「そう、ですか……」
俺のガッカリした様子を見て、彼は小首を傾げた。
「どうかしたの? よかったら、話だけでも聞かせてくれる?」
育ちがよさそうな少年に、気後れしなかったわけではない。
でも、その時は神父に会えなかったショックで、次に何をすべきかわからず混乱していた。
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