脚フェチ王子の溺愛 R18

彩葉ヨウ(いろはヨウ)

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記憶③

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「終わったか…。」



「お待たせして申し訳ありませんでした。」




私は、準備を終えた後、自身が使っていた部屋へと案内され、シェリーの後ろから顔を出すと、隊長はほうっと頷いた。




「時間がなかったにしては上出来だ。
さすがだな。」



「ええ。シェリーの腕は王族侍女顔負けですから。」



「…当たり前よ。
こっちにも意地っていうものがあるんだからっ…」




シェリーは素直に顔を赤らめるわけではなく、プイッとそっぽを向いてしまったが、
それが照れ隠しであることは分かるので、
そっとしておく。



「…黒で正解だったな。
お前の髪色が綺麗だから随分と映える。」



「ありがとうございます。
黒は目立たなくて好きなのですが、
きっと今後は着れなくなってしまいますから、
嬉しいです。」





用意されていたのは黒のストレートドレス。
スパンコールが散りばめられており、きらきらとするそのドレスは、このお店では当たり前のスリット入りだ。




「…さてと、早速本題だが、
いつもシェリーがやってるやつを
見様見真似で構わないからやってみろ。
バーレスクか、ポールダンス…か…
濃厚接触ボディタッチでも構わない。
……言っている意味が分かるか?」



「…は?…言っている意味が分かりません。
突然連れてこられ、何をするかと思えば、
どういうつもりですか?
私はもう卒業したはずです。」



「…グリニエルこいつが最後の客だ。
つべこべ言わず尽くせばいい…。
これで思い出せば、やる意味だってあるだろ。」




「…。」




その言葉で、やっと隊長の言う意味を理解する。


つまりは脚を使って記憶を取り戻させろということだろう。しかし、今日明日と魔力を貯めれば明後日にはがある。



やる必要はないと思うところで、
ハッとした。







魔力を貯めているのは、
可能性があるからであって、
必ず彼の記憶を取り戻すことのできる保証はない。


そうなれば、脚で彼をもてなそうが、
魔力を使って衝撃を与えようが
確率としては同じとなる。


「…っ。」




そこまで考えてしまえば悩むことなどない。






「…やります。」








元はと言えば、
グリニエル様のために始めたこと。


むしろ、自分が出来ることで良かったとさえ
思うのは何故だろう。



「……他の人とグリニエル様がされるくらいなら、私がやります。」



「…。」


ここにグリニエル様を連れてきたのには
その理由があったからだろう。


私がこれを断れば、きっと
シェリーがすることとなる。

だから彼女も同様にいつもの格好で
ここで待っていたのだ。





ならば、私は断るわけにはいかない。




そう思って口にすると、
隊長はコクンと頷いた。





「…何かあれば呼べ。
俺は終わるまで部屋で待っている。」



「……はい。」












隊長はそういうと、扉へと向かい、
先にシェリーを出させて振り返った。



「時間は2時間。それ以上は俺も仕事があるし、ルキアが騒ぎ始めるだろう、それまでに戻らなければ、また別の方法を探す。




「…っはい。分かりました…」







「いや、明日の朝には戻る。
悪いが、そこら辺を上手くやっていてくれ、。」











「………そうか……分かった。」





私が返事をする前に、
グリニエル様が返事を返すと、
隊長はその要求を飲んで部屋を後にした。













「………1人にしてしまってごめんなさい、
グリニエル様。
隊長はどうやら、記憶を取り戻させたいようで…。
少し手荒ではありますが、付き合って頂けますか?」






「……ああ。」








「…。」





私が彼の目を真っ直ぐと見つめると、
彼も同じように視線を合わせた。


そこで、私の予想は確信に変わった。
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