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冷えた学校
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何とか全員着席をする事が出来た。
僕は姫路先生、山根くん、東先生と一緒の教員席。
今回の修学旅行に同行してくださっている養護教諭の田中先生が、気をつかってくれたのか、僕の分の料理やらスープを持ってきてくれた。
どれも暖かいもので、口にすると些か気持ちが解れた。流石だ。そして当然彼女も同じ席であり、隣に腰掛けてくれた。心配そうな顔をしている。
「……その、以前にも話をしましたけども。」
改めて前の学校についての話を…ゆっくりとだが始めたのであった。こんな状況になってしまったのだ、話さないわけにはいかない。
「先程の男性教師…名前を藤本と言うのですが。僕と同じ日に就任をした同じ歳の教員なんです。学校側からの対応も…僕が知る限りでは同じだったように思えます。」
「……その、ブラック的な対応をされていたということでしょうか?」
「そうなりますね。あぁ、でも僕よりかは優秀な人材であったので適応力は向こうの方が明らかに上ですよ。」
…今でもよく覚えている。
僕は残念な事に比較的物事の覚えが他の人と比べるとゆっくりなタイプなようで、それを事前に伝えておいたのだが。
業務を教えてくださっていた先輩の先生方から『だからなんだ?分かっているのならば高城先生側がもっと早く覚えられるように努力をするべきでは無いのか』と言われてお終いであった。
そんな僕に対し、藤本くんはなんでも出来るタイプであった。所謂オールラウンダーと言うやつで、愛想も良く器量も良しで、事務作業全般も僕にやりやすいやり方を考えてくれる位の優しさもあったのだ。
だからそんな僕達を周りの先輩方は良く『出来る藤本とダメな高城』と比較していていたのだった。
たまにならば…あぁ、申し訳ないな程度で済んでいたが。毎日毎日言われてしまうと、そうだよな、はいはい。という風に思考が停止してしまっていた。どうやっても僕は認められないし。そんな事を考えても机の上の書類は溜まる一方で、毎日自分自身を消耗しているような気分であった。
「…なんと言いますか、客観的に見たら藤本くんは良い奴だったんです。凄く助けて貰っていましたし。」
「………。」
「良い奴故…といいますか。あの冷えた学校に適応する為には致し方ないと思うんですよ。」
「………………適応。となると、その藤本とやらはその学校の教員みたいな振る舞いを高城くんにするようになったのか?」
「そう、山根くん大正解だ。」
そういうと山根くんは眉間に深い皺を寄せたお顔になっていた。綺麗なお顔が台無しだよ。
だが、事実だ。
少なくとも僕は彼の事を友人に限りなく近しい人だと思えていたのだった。
だが…藤本くんはそう思っていなかった…。いや、違うな。きっと彼も彼で自分のポジションを確立させる為に必死だったのだろうと思う。だから、あんな事をしたんだ。
『………………そう、高城先生はな?もうどうしょうもないんだ。何をするにも遅くてさ。俺が親身になって業務を教えても中々覚えてくれないんだよ。いやぁ、他の先生方からあの人の事を任されているけど、苦労するよほんとに………ほんとにな。』
『えぇー?そうなんだ?藤本先生かわいそー!高城マジ能無しじゃーん。』
『いる意味なくね?』
『あはは、まぁまぁ…人には向き不向きがあるからな。みんなもそんな高城先生には優しくしてあ…………げて…………ぁ。』
『…………………あはっ、ご、ごごめんね、能無しで。物覚えも悪くて…。』
『ち、ちがっ…!!!た、高城!!!!』
『……………ごめん、藤本くん。』
僕の事を下げるような発言を生徒に対して自慢話のようにしていたのは、藤本くんなのにな。
それをたまたましている所に鉢合わせてしまい、気まずくて逃げたら…彼は焦った顔をして追い掛けようとしてくれた。
だが、彼はきっと生徒達に言ってしまった手前その場から動く事が出来なかったのだろう。そりゃそうだよね、自分自身が高城を下げた事を言っているくせに焦って追い掛けたら…あの発言は嘘なのかと思われてしまうものね。
特にあの学校は成績が第一だから。人として優秀かどうかに対して酷く敏感であった。使えない人材であれば基本的には村八分のような扱いをする傾向だったし。僕はまんまとそこに嵌ってしまったわけだ。
県内随一の進学校であったし、みんなずっとお勉強漬けであったのだ。ストレス値も今の学校に比べると段違い。だから、その捌け口としてそんな風習…にも似たものが存在していたのである。生徒に対しても、教員に対しても構わずあったのだ。
藤本くんはその対象になりたくなかったのだろうな。
今振り返っても、やっぱり僕には合わない学校だと思う。
「それをきっかけに、辞表を出してさっさと辞めちゃいました。今でもその判断は良かったと思いますよ。」
「それは、そうです!!間違いないですよ。高城先生が消費されるだけですから。」
「………その、高城先生と藤本先生の間になにか他にも確執?と言うんですかね。そういうのがあったんですか?先程の高城先生からの反応から…まだ何かあるのかなと。」
やはり、姫路先生はよく人を見られる方だ。素晴らしいな。
「…姫路先生には敵いませんね。そうです。ありました。」
「と、言いますと。」
「……………僕としては、彼のことは友人みたいな存在だと思っていたのですが。やはり、そんな事があったから人間不信になってしまったんですよね。だから……その。」
「「「「………。」」」」
「辞める時、藤本くんには黙って辞めたんです。あはは…それだけなんですけどね。なんですが……やっぱり、罪悪感みたいなものは残ってますね。」
そんな事がありながらも、最後の日まで積み上げられた捌ききれない業務を彼は何も知らないまま、手伝ってくれていた。
あんな事件があったにも関わらず、彼はまるで何も無かったかのように朗らかに話し掛けて一緒に作業をしていた。
僕はそんな藤本くんが、とても怖かったのだ。だから、最後まで伝える事が出来なかったのである。
彼の気持ちがわからなくて。
なんであんな事を言っていたのか、なのにどうして優しくしてくるのか。
自分を上げる為に、仲良くしている人物を下げる神経が分からなかったのだ。
「最終的には…そういう人間もいるよな、で自分の中では決着を付けました。どうせこの先会う事も無いだろうと思ってましたし。」
「……なのに、今回会ってしまった。ということかよ。」
「そう、そうなんだよね………ってあれ。」
「………ゆぅし。」
「…っわわ!!」
ガタッ!!という音が椅子から鳴り、上体が僅かに強く後ろに引き寄せられる。
そして、同時に首元に温もりが降り注いだのだった。耳元に優しく、大好きな声が囁かれた。
「……け、絢斗くん。」
「ゆぅし、ゆー、しっ。そんなの…そんなヤな過去があったとか……俺、俺…なんも知らなかった。」
首筋にわしゃわしゃと髪の毛が触れ、少しだけ擽ったかったがそれ以上に…絢斗くんの鼻を啜る声が気になってしまったのだった。
心配してくれたのか。
僕の元に来てくれたのか。
……泣いてくれているのか、僕の為に。
その事実が………嬉しくて。
胸が苦しくて。
あの時に疲弊しながらも何とかしがみつこうとしていた自分自身が………少しだけ救われた気がしたのだった。
「……………………ありがと。」
「っ、ぅぅぅぅ…………!!」
後ろにしがみついてくれている彼の腕を引き寄せ、自身の脚の上に誘導させた。
…やっぱり、ボロボロと涙を零している。ポケットに入れておいたハンカチを取り出してそれを拭う。だが、それも追いつかないレベルに泣きじゃくってしまっていて。あぁ、もう鼻先も目元も頬も真っ赤だ。
なんだろうか、そんな彼を目の当たりにしてしまったからか。自分自身も鼻の奥が僅かにツン、としてしまった。
声がほんの少しだけ震える。
「もう昔の話だよ。明日明後日に会ったとしてももう平気だから。」
「で、でもっ……、向こうは…わかん、ねーじゃん…。」
「あ、あー…そう、かな?」
ぐしゃぐしゃに彼の髪の毛を撫でる。言っては悪いが、こんな楽しくない話にここまで彼の気持ちを乱す必要は無いのだ。
早く笑顔になって欲しくて、身体を寄せ、包み込むようにした。
彼が言うことも、まぁ…藤本くんの性格からして無くはないが。もう何年も前の事だし。さっきは彼としてもこんな場所で再会するとは思わなかったから、驚いただけだと思う。
もう僕に対してなんの気持ちもない筈だ。だから。
「大丈夫じゃないかな?」
「高城くん。」
「な、なにかな?」
神妙な顔をした教員陣が一斉に僕の方に顔を向けていたのだった。
「僕は知っているぞそれ。」
「え?」
「それはな、フラグっていうやつだ。」
僕は姫路先生、山根くん、東先生と一緒の教員席。
今回の修学旅行に同行してくださっている養護教諭の田中先生が、気をつかってくれたのか、僕の分の料理やらスープを持ってきてくれた。
どれも暖かいもので、口にすると些か気持ちが解れた。流石だ。そして当然彼女も同じ席であり、隣に腰掛けてくれた。心配そうな顔をしている。
「……その、以前にも話をしましたけども。」
改めて前の学校についての話を…ゆっくりとだが始めたのであった。こんな状況になってしまったのだ、話さないわけにはいかない。
「先程の男性教師…名前を藤本と言うのですが。僕と同じ日に就任をした同じ歳の教員なんです。学校側からの対応も…僕が知る限りでは同じだったように思えます。」
「……その、ブラック的な対応をされていたということでしょうか?」
「そうなりますね。あぁ、でも僕よりかは優秀な人材であったので適応力は向こうの方が明らかに上ですよ。」
…今でもよく覚えている。
僕は残念な事に比較的物事の覚えが他の人と比べるとゆっくりなタイプなようで、それを事前に伝えておいたのだが。
業務を教えてくださっていた先輩の先生方から『だからなんだ?分かっているのならば高城先生側がもっと早く覚えられるように努力をするべきでは無いのか』と言われてお終いであった。
そんな僕に対し、藤本くんはなんでも出来るタイプであった。所謂オールラウンダーと言うやつで、愛想も良く器量も良しで、事務作業全般も僕にやりやすいやり方を考えてくれる位の優しさもあったのだ。
だからそんな僕達を周りの先輩方は良く『出来る藤本とダメな高城』と比較していていたのだった。
たまにならば…あぁ、申し訳ないな程度で済んでいたが。毎日毎日言われてしまうと、そうだよな、はいはい。という風に思考が停止してしまっていた。どうやっても僕は認められないし。そんな事を考えても机の上の書類は溜まる一方で、毎日自分自身を消耗しているような気分であった。
「…なんと言いますか、客観的に見たら藤本くんは良い奴だったんです。凄く助けて貰っていましたし。」
「………。」
「良い奴故…といいますか。あの冷えた学校に適応する為には致し方ないと思うんですよ。」
「………………適応。となると、その藤本とやらはその学校の教員みたいな振る舞いを高城くんにするようになったのか?」
「そう、山根くん大正解だ。」
そういうと山根くんは眉間に深い皺を寄せたお顔になっていた。綺麗なお顔が台無しだよ。
だが、事実だ。
少なくとも僕は彼の事を友人に限りなく近しい人だと思えていたのだった。
だが…藤本くんはそう思っていなかった…。いや、違うな。きっと彼も彼で自分のポジションを確立させる為に必死だったのだろうと思う。だから、あんな事をしたんだ。
『………………そう、高城先生はな?もうどうしょうもないんだ。何をするにも遅くてさ。俺が親身になって業務を教えても中々覚えてくれないんだよ。いやぁ、他の先生方からあの人の事を任されているけど、苦労するよほんとに………ほんとにな。』
『えぇー?そうなんだ?藤本先生かわいそー!高城マジ能無しじゃーん。』
『いる意味なくね?』
『あはは、まぁまぁ…人には向き不向きがあるからな。みんなもそんな高城先生には優しくしてあ…………げて…………ぁ。』
『…………………あはっ、ご、ごごめんね、能無しで。物覚えも悪くて…。』
『ち、ちがっ…!!!た、高城!!!!』
『……………ごめん、藤本くん。』
僕の事を下げるような発言を生徒に対して自慢話のようにしていたのは、藤本くんなのにな。
それをたまたましている所に鉢合わせてしまい、気まずくて逃げたら…彼は焦った顔をして追い掛けようとしてくれた。
だが、彼はきっと生徒達に言ってしまった手前その場から動く事が出来なかったのだろう。そりゃそうだよね、自分自身が高城を下げた事を言っているくせに焦って追い掛けたら…あの発言は嘘なのかと思われてしまうものね。
特にあの学校は成績が第一だから。人として優秀かどうかに対して酷く敏感であった。使えない人材であれば基本的には村八分のような扱いをする傾向だったし。僕はまんまとそこに嵌ってしまったわけだ。
県内随一の進学校であったし、みんなずっとお勉強漬けであったのだ。ストレス値も今の学校に比べると段違い。だから、その捌け口としてそんな風習…にも似たものが存在していたのである。生徒に対しても、教員に対しても構わずあったのだ。
藤本くんはその対象になりたくなかったのだろうな。
今振り返っても、やっぱり僕には合わない学校だと思う。
「それをきっかけに、辞表を出してさっさと辞めちゃいました。今でもその判断は良かったと思いますよ。」
「それは、そうです!!間違いないですよ。高城先生が消費されるだけですから。」
「………その、高城先生と藤本先生の間になにか他にも確執?と言うんですかね。そういうのがあったんですか?先程の高城先生からの反応から…まだ何かあるのかなと。」
やはり、姫路先生はよく人を見られる方だ。素晴らしいな。
「…姫路先生には敵いませんね。そうです。ありました。」
「と、言いますと。」
「……………僕としては、彼のことは友人みたいな存在だと思っていたのですが。やはり、そんな事があったから人間不信になってしまったんですよね。だから……その。」
「「「「………。」」」」
「辞める時、藤本くんには黙って辞めたんです。あはは…それだけなんですけどね。なんですが……やっぱり、罪悪感みたいなものは残ってますね。」
そんな事がありながらも、最後の日まで積み上げられた捌ききれない業務を彼は何も知らないまま、手伝ってくれていた。
あんな事件があったにも関わらず、彼はまるで何も無かったかのように朗らかに話し掛けて一緒に作業をしていた。
僕はそんな藤本くんが、とても怖かったのだ。だから、最後まで伝える事が出来なかったのである。
彼の気持ちがわからなくて。
なんであんな事を言っていたのか、なのにどうして優しくしてくるのか。
自分を上げる為に、仲良くしている人物を下げる神経が分からなかったのだ。
「最終的には…そういう人間もいるよな、で自分の中では決着を付けました。どうせこの先会う事も無いだろうと思ってましたし。」
「……なのに、今回会ってしまった。ということかよ。」
「そう、そうなんだよね………ってあれ。」
「………ゆぅし。」
「…っわわ!!」
ガタッ!!という音が椅子から鳴り、上体が僅かに強く後ろに引き寄せられる。
そして、同時に首元に温もりが降り注いだのだった。耳元に優しく、大好きな声が囁かれた。
「……け、絢斗くん。」
「ゆぅし、ゆー、しっ。そんなの…そんなヤな過去があったとか……俺、俺…なんも知らなかった。」
首筋にわしゃわしゃと髪の毛が触れ、少しだけ擽ったかったがそれ以上に…絢斗くんの鼻を啜る声が気になってしまったのだった。
心配してくれたのか。
僕の元に来てくれたのか。
……泣いてくれているのか、僕の為に。
その事実が………嬉しくて。
胸が苦しくて。
あの時に疲弊しながらも何とかしがみつこうとしていた自分自身が………少しだけ救われた気がしたのだった。
「……………………ありがと。」
「っ、ぅぅぅぅ…………!!」
後ろにしがみついてくれている彼の腕を引き寄せ、自身の脚の上に誘導させた。
…やっぱり、ボロボロと涙を零している。ポケットに入れておいたハンカチを取り出してそれを拭う。だが、それも追いつかないレベルに泣きじゃくってしまっていて。あぁ、もう鼻先も目元も頬も真っ赤だ。
なんだろうか、そんな彼を目の当たりにしてしまったからか。自分自身も鼻の奥が僅かにツン、としてしまった。
声がほんの少しだけ震える。
「もう昔の話だよ。明日明後日に会ったとしてももう平気だから。」
「で、でもっ……、向こうは…わかん、ねーじゃん…。」
「あ、あー…そう、かな?」
ぐしゃぐしゃに彼の髪の毛を撫でる。言っては悪いが、こんな楽しくない話にここまで彼の気持ちを乱す必要は無いのだ。
早く笑顔になって欲しくて、身体を寄せ、包み込むようにした。
彼が言うことも、まぁ…藤本くんの性格からして無くはないが。もう何年も前の事だし。さっきは彼としてもこんな場所で再会するとは思わなかったから、驚いただけだと思う。
もう僕に対してなんの気持ちもない筈だ。だから。
「大丈夫じゃないかな?」
「高城くん。」
「な、なにかな?」
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「え?」
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