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二度あることは三度あるとよく言うよね
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休みも開けて本日から通常生活に戻った。
…筈なのだが。
とある一点のみ、問題が残っていたのである。それは、修学旅行後に浅見家にて絢斗くんをガブガブガブと噛んでしまった為に、彼の身体中に噛み跡とキスマがびっしり…ということだ。
本日絢斗くんは、露出している部分である首周りにそれ等を隠す目的で、複数枚の絆創膏が貼られているのだ。はっきり言う、逆に大変目立ってしまっている。当然B組のみんなも認識しているし。誰がやったのか分かりきってるし。
結果…僕達二人は生徒達やら姫路先生からわくわくと興奮した様子で問い詰められてしまったのであった。
…やはり一日程度で完全に消えることは出来なかったな。
やりすぎた…猛反省である。
「わぁ!!すっっげぇぇ…絢斗の首やばくね?」
「あれか一応他のクラスのことも考えて剥がさない方がいいのかこれは。いやでも…見たい!!誰か絆創膏持ってねぇのか?」
「私持ってるよー!剥がしてもいーい?地味センいーい?」
自分の周りに一斉にわらわらと生徒達が集まってきては、キラキラとした眼差しでそんな事を言われてしまったのである。
む、無理だ!!!
こんな純粋な眼差しに対してあんな…ドロドロとしたものを彼等に伝え、見せるだなんて無理だ!!
冷や汗が滲む。もうカーディガンの下は汗まみれである。
絢斗くんの方に視線を向けてみれば、彼もまた囲まれており、どうしたらいいのか分からないお顔をしていた。
やばい、マジでやばい。
どどどうしたら…!!
いや僕のせいだけど!!!
「……ぁの…えぇぇぇぇと……。」
「高城先生。」
「っわ゛ぁ!!!ひ、ひひ姫路先生…!!」
いつの間にか背後を取られていたらしく、真横からぬるっと本担任様が顔を出してきたのであった。
ほんと毎回この方は心臓に悪すぎる。
毎度毎度心臓が止まりかけるので、もう少し気配を押し出して欲しいものだ。
…だなんて本人に言える勇気もないし。
何よりも…彼女はいつもよりもお顔に影が掛かっていて、どす黒いオーラを溢れさせていたのであった。
「あの絆創膏……噛み跡、みたいなのが隠しきれてないですよ………昨日一昨日、もしかしなくても獣のような交尾をされたんですか?されたんですよね?だから浅見くんの首元…いや、首から下もきっと沢山盛りだくさんに噛み跡を残したんですよね??そうなんですよね?そうと言ってください、詳細を!!!はやく!!!私に教えてください!!!ほら!!!!」
「……………ひぇ…。」
ずずずいーーーっ!!!と近寄ってきたかと思えば、自分よりも背の低い女性に、顔の横に両腕をドンッ!!突かれ黒板に壁ドンをされてしまったのである。勢いが強すぎたのだろう、チョークが何本か落下し折れていた。
こ、こわい…………!!!!
一息で呪文みたいな生徒達に聞かせられない良からぬお言葉を頂いてしまったし、ドスの効いた声だし…。
色々と限界になってしまって情けなくも、その場にへたりこんでしまったのだった。
「ひ、姫ちゃんどーーどーー落ち着け。高城先生泣いちゃってんぞ。」
「あららら…高城先生大丈夫?いやぁ…過去一熱意が火山噴火並だったもんな…よしよし。」
こんな状態の教員組を憐れに思ったのだろう。田所くんは姫路先生を彼女の背後から肩を掴み僕から引き剥がしてくれ、野田くんはえぐえぐと泣き始めてしまった僕をそっと抱き締めて慰めてくれたのであった。
や、優しいね…君達はいつも…!!
思わず野田くんに抱き着いてしまった。
「の、のぉだぐん゛ん゛…たどころぐん゛ん゛……僕、僕…大人なのに…泣いちゃったよぉぉ……。」
「おーおー…これはしゃーないって。俺でも泣くよ。」
よしよしと若干お母さん感を醸し出しながら、僕のくるくるな髪の毛を野田くんは撫でてくれた。
少しだけ、安心する。
田所くんに捕獲されている姫路先生の眼光が若干強くなっているが、今の状態ならば先程の怒涛の質問に答えられるかな…。
そう思っていたら、ボサボサ頭の絢斗くんが焦った様子で突撃してきたのであった。絆創膏は何とか死守したらしく、剥がれた様子は見受けられなかった。
「ちょ、な、何してんだ!!野田抱きつかせんな!!」
「えぇー?だって絢斗みんなに囲まれてたじゃーん。だから今俺達は高城先生担当してただけだよー。」
「そーだそーだ。あと姫ちゃん。」
「む、むぅぅーーー…!!」
結局みんなには絆創膏を剥がして見せることはなく、代わりに二人の首元に鎮座しているペアリングを見せる事で収めてもらったのだった。
そして、やはりなるべく首元には付けないようにしようと心に誓った。じゃないと今後姫路先生に追いかけ回される夢を見そうである。
そんな事があったが…。
昼休みの職員室にて二年生教員四人で向き合いながらお昼を摂りつつ、話をしていた。姫路先生は自作のお弁当、山根くんと東先生はコンビニで買ってきたお弁当を持ってきていたらしい。…僕は、ここ最近は絢斗くんの手作り弁当である。色とりどりで可愛らしいのだが、男の子らしくボリューム満点なんだ。彼からの愛情が伝わってきて食べるのが勿体なくなってしまう。だから食べる前に何時も写真を撮るのが日課になっている。
勿体ないが食べないという選択はまずないので、美味しくお腹の中に収めさせてもらう。今日も美味しいな。
「折角ですし、田中先生も合わせて今週の金曜日にまた飲み会しませんか?修学旅行お疲れ様会って事で。」
そんなことを東先生が言ってきたのであった。なるほど、そういう飲み会もあるのか。ドラマの世界だけかと思っていた。
「あ、良いな。僕もしたいって思ってた。」
「良いですねー!私から田中先生に伝えときます!場所はどうしますか?連続で高城先生のお家にお邪魔してしまいましたし。今度はお店にしますか?」
「居酒屋ってことですよね。僕余りこの周辺のお店わかんないですよね…。」
「大丈夫だ高城くん、僕もさっぱりだ。」
「じ、自信満々に言わなくても。」
そう言うと山根くんが椅子を動かして、ピタッと隣に張り付き、耳元にコソコソと話しかけてきたのだ。少しこそばゆい。
「……居酒屋でも構わないが、そうなると浅見はどうする?今回は呼ばない感じか?」
?!?!
口に含んだお茶を噴き出してしまった。
「ぶはっ!!!!そ、そそそそれは!?!?」
「なに、なんだよ!!二人でコソコソすんな山根先生!!」
「私も気になります…!!あと、最近その距離感も好きです!!」
真面目な声のトーンでとんでもない事をいきなり言わないで欲しい。確かに考えなきゃいけない箇所ではあるが…。
あと、姫路先生のストライクゾーンが広くなってきているし諸々捌ききれないのだが。
「いや、ほら……あれだ。待ってくれ、メッセージ送るから。」
山根くんはそういい、少し前に五人グループで作られたチャットルームにメッセージを送信してくれた。
画面には…。
『浅見は呼ばなくていいのか、という話をした。』
「なるほど…。」
「……最早呼ぶ事が当たり前になっていた節がありましたね。そうですよね、普通ならば呼べないですもんね。」
「かと言って呼ばないとなると後からワーワー言われそうですしね。…また、高城先生の家に…なってしまい………あ。」
「?…東せん……せぇ゛っ!?!?」
言葉を発し切る前に背中に何かがドシッ!!とのしかかったのだった。
え、なに!?
危うく舌を噛むところだったのだけど!!背中もだが、腰への衝撃が凄まじい。
「……なんの話ししてんの?」
首に腕がまわり嗅ぎ慣れた香りが漂う。
………どうやら、絢斗くんが力任せに凭れ掛かってきたらしい。声色からして、不満そうな気配だ。
会いに来てくれた、のかな。
「浅見か、これだ。」
「んー?………なるほどな。」
山根くんがスマホの画面を見せると、流れるように彼は僕の脚の上に座ってきたのだった。三人が何もこの動作に言及しない辺り、慣れてきたみたいである。胸の奥がムズムズするな。
「…今週の金曜日か。わかった。せんせー達が良けりゃ、俺ん家ですれば?」
「「「「!?!?」」」」
「つまみ、とか俺作れるし。ゅ…、高城の事監視できるしうぃんうぃん?じゃないか?」
………あれよあれよという間に飲み会が浅見家で開催されることになってしまったのであった。監視、というワードに驚きを隠せないが、絢斗くんが安心するのならば僕としては特に何かを言うつもりはないし。初めから一緒に居れるのならば全然アリだ。
後日、田中先生が泣いて喜んでいたと姫路先生から伝えられたのは、もはや何も言うまいよ。彼女はそういう人なのだ。
…筈なのだが。
とある一点のみ、問題が残っていたのである。それは、修学旅行後に浅見家にて絢斗くんをガブガブガブと噛んでしまった為に、彼の身体中に噛み跡とキスマがびっしり…ということだ。
本日絢斗くんは、露出している部分である首周りにそれ等を隠す目的で、複数枚の絆創膏が貼られているのだ。はっきり言う、逆に大変目立ってしまっている。当然B組のみんなも認識しているし。誰がやったのか分かりきってるし。
結果…僕達二人は生徒達やら姫路先生からわくわくと興奮した様子で問い詰められてしまったのであった。
…やはり一日程度で完全に消えることは出来なかったな。
やりすぎた…猛反省である。
「わぁ!!すっっげぇぇ…絢斗の首やばくね?」
「あれか一応他のクラスのことも考えて剥がさない方がいいのかこれは。いやでも…見たい!!誰か絆創膏持ってねぇのか?」
「私持ってるよー!剥がしてもいーい?地味センいーい?」
自分の周りに一斉にわらわらと生徒達が集まってきては、キラキラとした眼差しでそんな事を言われてしまったのである。
む、無理だ!!!
こんな純粋な眼差しに対してあんな…ドロドロとしたものを彼等に伝え、見せるだなんて無理だ!!
冷や汗が滲む。もうカーディガンの下は汗まみれである。
絢斗くんの方に視線を向けてみれば、彼もまた囲まれており、どうしたらいいのか分からないお顔をしていた。
やばい、マジでやばい。
どどどうしたら…!!
いや僕のせいだけど!!!
「……ぁの…えぇぇぇぇと……。」
「高城先生。」
「っわ゛ぁ!!!ひ、ひひ姫路先生…!!」
いつの間にか背後を取られていたらしく、真横からぬるっと本担任様が顔を出してきたのであった。
ほんと毎回この方は心臓に悪すぎる。
毎度毎度心臓が止まりかけるので、もう少し気配を押し出して欲しいものだ。
…だなんて本人に言える勇気もないし。
何よりも…彼女はいつもよりもお顔に影が掛かっていて、どす黒いオーラを溢れさせていたのであった。
「あの絆創膏……噛み跡、みたいなのが隠しきれてないですよ………昨日一昨日、もしかしなくても獣のような交尾をされたんですか?されたんですよね?だから浅見くんの首元…いや、首から下もきっと沢山盛りだくさんに噛み跡を残したんですよね??そうなんですよね?そうと言ってください、詳細を!!!はやく!!!私に教えてください!!!ほら!!!!」
「……………ひぇ…。」
ずずずいーーーっ!!!と近寄ってきたかと思えば、自分よりも背の低い女性に、顔の横に両腕をドンッ!!突かれ黒板に壁ドンをされてしまったのである。勢いが強すぎたのだろう、チョークが何本か落下し折れていた。
こ、こわい…………!!!!
一息で呪文みたいな生徒達に聞かせられない良からぬお言葉を頂いてしまったし、ドスの効いた声だし…。
色々と限界になってしまって情けなくも、その場にへたりこんでしまったのだった。
「ひ、姫ちゃんどーーどーー落ち着け。高城先生泣いちゃってんぞ。」
「あららら…高城先生大丈夫?いやぁ…過去一熱意が火山噴火並だったもんな…よしよし。」
こんな状態の教員組を憐れに思ったのだろう。田所くんは姫路先生を彼女の背後から肩を掴み僕から引き剥がしてくれ、野田くんはえぐえぐと泣き始めてしまった僕をそっと抱き締めて慰めてくれたのであった。
や、優しいね…君達はいつも…!!
思わず野田くんに抱き着いてしまった。
「の、のぉだぐん゛ん゛…たどころぐん゛ん゛……僕、僕…大人なのに…泣いちゃったよぉぉ……。」
「おーおー…これはしゃーないって。俺でも泣くよ。」
よしよしと若干お母さん感を醸し出しながら、僕のくるくるな髪の毛を野田くんは撫でてくれた。
少しだけ、安心する。
田所くんに捕獲されている姫路先生の眼光が若干強くなっているが、今の状態ならば先程の怒涛の質問に答えられるかな…。
そう思っていたら、ボサボサ頭の絢斗くんが焦った様子で突撃してきたのであった。絆創膏は何とか死守したらしく、剥がれた様子は見受けられなかった。
「ちょ、な、何してんだ!!野田抱きつかせんな!!」
「えぇー?だって絢斗みんなに囲まれてたじゃーん。だから今俺達は高城先生担当してただけだよー。」
「そーだそーだ。あと姫ちゃん。」
「む、むぅぅーーー…!!」
結局みんなには絆創膏を剥がして見せることはなく、代わりに二人の首元に鎮座しているペアリングを見せる事で収めてもらったのだった。
そして、やはりなるべく首元には付けないようにしようと心に誓った。じゃないと今後姫路先生に追いかけ回される夢を見そうである。
そんな事があったが…。
昼休みの職員室にて二年生教員四人で向き合いながらお昼を摂りつつ、話をしていた。姫路先生は自作のお弁当、山根くんと東先生はコンビニで買ってきたお弁当を持ってきていたらしい。…僕は、ここ最近は絢斗くんの手作り弁当である。色とりどりで可愛らしいのだが、男の子らしくボリューム満点なんだ。彼からの愛情が伝わってきて食べるのが勿体なくなってしまう。だから食べる前に何時も写真を撮るのが日課になっている。
勿体ないが食べないという選択はまずないので、美味しくお腹の中に収めさせてもらう。今日も美味しいな。
「折角ですし、田中先生も合わせて今週の金曜日にまた飲み会しませんか?修学旅行お疲れ様会って事で。」
そんなことを東先生が言ってきたのであった。なるほど、そういう飲み会もあるのか。ドラマの世界だけかと思っていた。
「あ、良いな。僕もしたいって思ってた。」
「良いですねー!私から田中先生に伝えときます!場所はどうしますか?連続で高城先生のお家にお邪魔してしまいましたし。今度はお店にしますか?」
「居酒屋ってことですよね。僕余りこの周辺のお店わかんないですよね…。」
「大丈夫だ高城くん、僕もさっぱりだ。」
「じ、自信満々に言わなくても。」
そう言うと山根くんが椅子を動かして、ピタッと隣に張り付き、耳元にコソコソと話しかけてきたのだ。少しこそばゆい。
「……居酒屋でも構わないが、そうなると浅見はどうする?今回は呼ばない感じか?」
?!?!
口に含んだお茶を噴き出してしまった。
「ぶはっ!!!!そ、そそそそれは!?!?」
「なに、なんだよ!!二人でコソコソすんな山根先生!!」
「私も気になります…!!あと、最近その距離感も好きです!!」
真面目な声のトーンでとんでもない事をいきなり言わないで欲しい。確かに考えなきゃいけない箇所ではあるが…。
あと、姫路先生のストライクゾーンが広くなってきているし諸々捌ききれないのだが。
「いや、ほら……あれだ。待ってくれ、メッセージ送るから。」
山根くんはそういい、少し前に五人グループで作られたチャットルームにメッセージを送信してくれた。
画面には…。
『浅見は呼ばなくていいのか、という話をした。』
「なるほど…。」
「……最早呼ぶ事が当たり前になっていた節がありましたね。そうですよね、普通ならば呼べないですもんね。」
「かと言って呼ばないとなると後からワーワー言われそうですしね。…また、高城先生の家に…なってしまい………あ。」
「?…東せん……せぇ゛っ!?!?」
言葉を発し切る前に背中に何かがドシッ!!とのしかかったのだった。
え、なに!?
危うく舌を噛むところだったのだけど!!背中もだが、腰への衝撃が凄まじい。
「……なんの話ししてんの?」
首に腕がまわり嗅ぎ慣れた香りが漂う。
………どうやら、絢斗くんが力任せに凭れ掛かってきたらしい。声色からして、不満そうな気配だ。
会いに来てくれた、のかな。
「浅見か、これだ。」
「んー?………なるほどな。」
山根くんがスマホの画面を見せると、流れるように彼は僕の脚の上に座ってきたのだった。三人が何もこの動作に言及しない辺り、慣れてきたみたいである。胸の奥がムズムズするな。
「…今週の金曜日か。わかった。せんせー達が良けりゃ、俺ん家ですれば?」
「「「「!?!?」」」」
「つまみ、とか俺作れるし。ゅ…、高城の事監視できるしうぃんうぃん?じゃないか?」
………あれよあれよという間に飲み会が浅見家で開催されることになってしまったのであった。監視、というワードに驚きを隠せないが、絢斗くんが安心するのならば僕としては特に何かを言うつもりはないし。初めから一緒に居れるのならば全然アリだ。
後日、田中先生が泣いて喜んでいたと姫路先生から伝えられたのは、もはや何も言うまいよ。彼女はそういう人なのだ。
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