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第一章 夕陽の瞳
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「何だ。今までと変わらんじゃないか」
と、無神経極まりないことを言ったのはアディルカだった。
それに重ねるように、
「……いいんじゃない……。どうせあの誕生日以来、この国の中でだって、生成できるふりをしてきたんだからさ……」
やる気のなさそうな声で、ようやく口を開いたのは第三王子サディク。
「できるわけがない」
シャールは両手を拳に固めて震わせる。
「できるわけがない……騙し続けるなど……無茶だ!」
「今までのやり方を応用すればいいシャール。そのための手はずも整える。お前の幸せのためなんだよ」
エディレイドが、妹をなだめるように優しく言った。
「相手のレイサルは僕の学友だ、信頼できる。何よりレイネンドランドの次期国王だ。お前の未来の幸福は約束される」
シャールは口を開きかけて、何も言葉なくそのままつぐんだ。
レイネンドランドの豊かさ欲しさに、王女は捨て石になる。
それでも。
王族とは常に、利用されるものだ。どれほど抵抗しようとも、国のためと言われてはシャールに否は言えない。
「父上、今回はここまでに致しましょう。この話にはまだ余裕があります」
エディレイドが父王に手を挙げてみせる。「シャールに、少し考える時間を与えなくてはかわいそうでしょう」
「そうか? おぬしがそう言うならそうするが」
国王はようやくその視線に穏やかさを取り戻した。
エディレイドは妹を見る。
「シャール、部屋に戻りなさい。ラストレイン隊長ご苦労様。カシュア副隊長にも伝えておいてくれ」
「ありがとう存じます、エディレイド殿下」
アンゼリスカは拝礼する。そして、姫、と囁いた。
シャールは、ゆっくりと立ち上がった。
「こんなやり方は通用しない。必ずそれを思い知ります、父上」
それだけ言い捨てると、彼女はアンゼリスカを伴い、会議室を後にした。
■■■■■
会議室を出ると、そこにはシャールの親衛隊副隊長が待っていた。
フレデリック・ミンスタイン・カシュア。当年とって二十五歳。こちらも異例の若さで副隊長を務めている。春の若草色の髪に空色の瞳をした彼は、精悍な顔つきの割に爽やかに見られることの方が多い。
会議室から出てきた主と上司の様子に、フレデリックは眼鏡をかけ直して「何かあったのか?」と訊いた。
シャールは煮え湯を飲まされたかのようなひどい顔をしているし、アンゼリスカはひどく難しい顔をしている。
フレデリックの問いは無視して、シャールは廊下を歩き出した。アンゼリスカもその後に続く。
「おいこら、ちょっと待ってくれよ――」
嘆息して、フレデリックはアンゼリスカに並んだ。
三人は城下町から城へ戻って来た際に、一度服を着替えていた。シャールは簡易ドレスに、アンゼリスカは茶と白を組み合わせ、縁取りを金で縫った親衛隊の服装だ。肩の階級章は三つ、隊長を表している。
フレデリックは、アンゼリスカと同じ衣装に階級章が一つ減っている。
三人は廊下を踏み鳴らした。
城内の奥まった場所。光は充分に集められるよう設計されているが、実際に会議室に来ようとするとかなりの記憶力と体力がいる。首脳会議に来る者たちは、そのせいで会議が始まる頃には頭も暖まり、脳が活性化し、体力もつくという。
廊下は広い。大理石で作った彫像であちこちが飾られている。
紡石(ピエトラ)をこよなく愛するこの国は、普通の石も愛する。民家も石造りであるのが当たり前だ。
城内のステンドグラスが光を色鮮やかに床に映し、壁の大理石は光の反射が美しい。
そして中庭には石造りの噴水。
乙女が肩にかついだ水壷から水を流している。さあさあと流れる噴水には、小さな虹がかかっていた。
フレデリックは、アンゼリスカの隣に並んで歩きながら口を開く。
「アンゼ、怪我は」
「医務室で癒してもらった」
「ついでにちゃんと抱きつかれてきたか?」
「何でそうなる!」
アンゼリスカが怒鳴りつけると、フレデリックはいたずらっぽく笑んだ。彼の方が五歳歳上だが、年齢差を感じさせない何かがフレデリックにはある。
アンゼリスカはふんとそっぽを向く。――事実、医務室で癒しの紡石を生成してくれた女性看護師たちに、きゃあきゃあ黄色い声で騒がれたのは秘密だ。
「しかしもったいないな。それだけもてていまだに彼女なしか。身近な幸福は見逃しちゃあダメだぜ」
やれやれとフレデリックは頭を振る。
その後頭部を、アンゼリスカは遠慮なく拳で打った。
「私には今そんな余裕はない。第一私に言う前に自分はどうなんだ自分は!」
「俺か? 聞きたい?」
にやりと縁なし眼鏡の奥の空色の瞳が笑って、アンゼリスカは失言を悟った。
「……いや、いい」
「そんなに聞きたいか。そうかあ。いいぞ聞かせてやっても。昨日はだな、侍女のユイリが相手してくれたな。あの子は気立てがよくていい。うん。おとといは馬番のセーナだった。あいつは気が強くてしゃべり甲斐がある。ああ、それでその前の日は町娘のインルーイが――」
「いいと言ってるだろうがというかお前町娘にまで手を出してるのかっ!」
「町娘いいぞ? 気取ってなくて。かわいいぞ」
「……お前その内女どもに刺されても知らんぞ……」
「そんなつまらない女には引っかからないから大丈夫さ」
「お前の存在が女性たちの性格をねじまげないことを祈る」
「人聞き悪いな。俺は女の子たちをかわいくする方法しか知らないぜ」
「……いっそ私が今ここで刺してやってもいいが」
「あっはっは。医務室のお嬢さんたちと仲良くなれるからある意味歓迎――ってうわ、本当に剣を抜こうとするな、待て、落ち着け、アンゼ!」
――背後の側近たちの馬鹿騒ぎは完全無視して――
シャールは一人、歩き続けていた。
朝一番にあの騒ぎがあり、その後あの子供に色々と尋ねた。そして城に戻ってきてアンゼリスカは医務室へ、シャールとフレデリックは着替え。
首脳会議があるのは朝食の少し後で、ちょうど着替えたアンゼリスカが医務室から出てきたタイミングだった。だから、朝食を抜いてシャールは親衛隊長を連れ、会議に出席したのだ。
その結果が――あれだとは。
いまだに信じられない。
いや、現実味に欠けている。
レイネンドランドがこちらとの結婚友好条約になど納得するはずがない。
ありえない。ありえない――……
背後では副隊長がまた女性遍歴を披露し始めていた。
「知ってるか? 侍女のマーファ。彼女は学業熱心なんだよな。語学に興味があるらしくて、特にレイネンドランドの言葉をよく知っている。俺も彼女に習ってレイネンドランド語を――」
ぎくり、とシャールは足を止めた。
アンゼリスカが壮絶な目で副隊長を見る。フレデリックは目をぱちくりさせた。
「なんだ? 何かあったか?」
「……いや、何でもない」
シャールはゆるやかに頭を振る。「フレッド……お前もレイネンドランドに興味があるのか」
「俺ですか。俺は、単にシャール様が外国へ旅行に行くとしたらレイネンドランドだろうから、そのときにお供できるようにと考えただけです」
「私がレイネンドランドに?」
「あなたの好みに一番合っていると思いますよ」
「………」
夕陽の色の瞳が揺れた。そうなのだろうか、と王女の声は小さくこぼれる。
フレデリックは何事かと隊長を見るが、アンゼリスカは王女の心を案じて少女の肩を抱くばかりで、副隊長の方を見ていない。
そんな主君と上司の様子に、首をかしげて、
「レイネンドランドのことなら、アンゼの方が詳しいんじゃないか? お前、昔あの国に行ってたことがあるんだろう?」
と、無神経極まりないことを言ったのはアディルカだった。
それに重ねるように、
「……いいんじゃない……。どうせあの誕生日以来、この国の中でだって、生成できるふりをしてきたんだからさ……」
やる気のなさそうな声で、ようやく口を開いたのは第三王子サディク。
「できるわけがない」
シャールは両手を拳に固めて震わせる。
「できるわけがない……騙し続けるなど……無茶だ!」
「今までのやり方を応用すればいいシャール。そのための手はずも整える。お前の幸せのためなんだよ」
エディレイドが、妹をなだめるように優しく言った。
「相手のレイサルは僕の学友だ、信頼できる。何よりレイネンドランドの次期国王だ。お前の未来の幸福は約束される」
シャールは口を開きかけて、何も言葉なくそのままつぐんだ。
レイネンドランドの豊かさ欲しさに、王女は捨て石になる。
それでも。
王族とは常に、利用されるものだ。どれほど抵抗しようとも、国のためと言われてはシャールに否は言えない。
「父上、今回はここまでに致しましょう。この話にはまだ余裕があります」
エディレイドが父王に手を挙げてみせる。「シャールに、少し考える時間を与えなくてはかわいそうでしょう」
「そうか? おぬしがそう言うならそうするが」
国王はようやくその視線に穏やかさを取り戻した。
エディレイドは妹を見る。
「シャール、部屋に戻りなさい。ラストレイン隊長ご苦労様。カシュア副隊長にも伝えておいてくれ」
「ありがとう存じます、エディレイド殿下」
アンゼリスカは拝礼する。そして、姫、と囁いた。
シャールは、ゆっくりと立ち上がった。
「こんなやり方は通用しない。必ずそれを思い知ります、父上」
それだけ言い捨てると、彼女はアンゼリスカを伴い、会議室を後にした。
■■■■■
会議室を出ると、そこにはシャールの親衛隊副隊長が待っていた。
フレデリック・ミンスタイン・カシュア。当年とって二十五歳。こちらも異例の若さで副隊長を務めている。春の若草色の髪に空色の瞳をした彼は、精悍な顔つきの割に爽やかに見られることの方が多い。
会議室から出てきた主と上司の様子に、フレデリックは眼鏡をかけ直して「何かあったのか?」と訊いた。
シャールは煮え湯を飲まされたかのようなひどい顔をしているし、アンゼリスカはひどく難しい顔をしている。
フレデリックの問いは無視して、シャールは廊下を歩き出した。アンゼリスカもその後に続く。
「おいこら、ちょっと待ってくれよ――」
嘆息して、フレデリックはアンゼリスカに並んだ。
三人は城下町から城へ戻って来た際に、一度服を着替えていた。シャールは簡易ドレスに、アンゼリスカは茶と白を組み合わせ、縁取りを金で縫った親衛隊の服装だ。肩の階級章は三つ、隊長を表している。
フレデリックは、アンゼリスカと同じ衣装に階級章が一つ減っている。
三人は廊下を踏み鳴らした。
城内の奥まった場所。光は充分に集められるよう設計されているが、実際に会議室に来ようとするとかなりの記憶力と体力がいる。首脳会議に来る者たちは、そのせいで会議が始まる頃には頭も暖まり、脳が活性化し、体力もつくという。
廊下は広い。大理石で作った彫像であちこちが飾られている。
紡石(ピエトラ)をこよなく愛するこの国は、普通の石も愛する。民家も石造りであるのが当たり前だ。
城内のステンドグラスが光を色鮮やかに床に映し、壁の大理石は光の反射が美しい。
そして中庭には石造りの噴水。
乙女が肩にかついだ水壷から水を流している。さあさあと流れる噴水には、小さな虹がかかっていた。
フレデリックは、アンゼリスカの隣に並んで歩きながら口を開く。
「アンゼ、怪我は」
「医務室で癒してもらった」
「ついでにちゃんと抱きつかれてきたか?」
「何でそうなる!」
アンゼリスカが怒鳴りつけると、フレデリックはいたずらっぽく笑んだ。彼の方が五歳歳上だが、年齢差を感じさせない何かがフレデリックにはある。
アンゼリスカはふんとそっぽを向く。――事実、医務室で癒しの紡石を生成してくれた女性看護師たちに、きゃあきゃあ黄色い声で騒がれたのは秘密だ。
「しかしもったいないな。それだけもてていまだに彼女なしか。身近な幸福は見逃しちゃあダメだぜ」
やれやれとフレデリックは頭を振る。
その後頭部を、アンゼリスカは遠慮なく拳で打った。
「私には今そんな余裕はない。第一私に言う前に自分はどうなんだ自分は!」
「俺か? 聞きたい?」
にやりと縁なし眼鏡の奥の空色の瞳が笑って、アンゼリスカは失言を悟った。
「……いや、いい」
「そんなに聞きたいか。そうかあ。いいぞ聞かせてやっても。昨日はだな、侍女のユイリが相手してくれたな。あの子は気立てがよくていい。うん。おとといは馬番のセーナだった。あいつは気が強くてしゃべり甲斐がある。ああ、それでその前の日は町娘のインルーイが――」
「いいと言ってるだろうがというかお前町娘にまで手を出してるのかっ!」
「町娘いいぞ? 気取ってなくて。かわいいぞ」
「……お前その内女どもに刺されても知らんぞ……」
「そんなつまらない女には引っかからないから大丈夫さ」
「お前の存在が女性たちの性格をねじまげないことを祈る」
「人聞き悪いな。俺は女の子たちをかわいくする方法しか知らないぜ」
「……いっそ私が今ここで刺してやってもいいが」
「あっはっは。医務室のお嬢さんたちと仲良くなれるからある意味歓迎――ってうわ、本当に剣を抜こうとするな、待て、落ち着け、アンゼ!」
――背後の側近たちの馬鹿騒ぎは完全無視して――
シャールは一人、歩き続けていた。
朝一番にあの騒ぎがあり、その後あの子供に色々と尋ねた。そして城に戻ってきてアンゼリスカは医務室へ、シャールとフレデリックは着替え。
首脳会議があるのは朝食の少し後で、ちょうど着替えたアンゼリスカが医務室から出てきたタイミングだった。だから、朝食を抜いてシャールは親衛隊長を連れ、会議に出席したのだ。
その結果が――あれだとは。
いまだに信じられない。
いや、現実味に欠けている。
レイネンドランドがこちらとの結婚友好条約になど納得するはずがない。
ありえない。ありえない――……
背後では副隊長がまた女性遍歴を披露し始めていた。
「知ってるか? 侍女のマーファ。彼女は学業熱心なんだよな。語学に興味があるらしくて、特にレイネンドランドの言葉をよく知っている。俺も彼女に習ってレイネンドランド語を――」
ぎくり、とシャールは足を止めた。
アンゼリスカが壮絶な目で副隊長を見る。フレデリックは目をぱちくりさせた。
「なんだ? 何かあったか?」
「……いや、何でもない」
シャールはゆるやかに頭を振る。「フレッド……お前もレイネンドランドに興味があるのか」
「俺ですか。俺は、単にシャール様が外国へ旅行に行くとしたらレイネンドランドだろうから、そのときにお供できるようにと考えただけです」
「私がレイネンドランドに?」
「あなたの好みに一番合っていると思いますよ」
「………」
夕陽の色の瞳が揺れた。そうなのだろうか、と王女の声は小さくこぼれる。
フレデリックは何事かと隊長を見るが、アンゼリスカは王女の心を案じて少女の肩を抱くばかりで、副隊長の方を見ていない。
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