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第二章 自然の国
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「レイネンドランドの王子とご結婚……ですか」
フレデリックは初めてその言葉を聞いて、ほうけたような声を出した。
「はあ。それはまた、急な話ですね」
「……王族の政略結婚など、急に進むものだ。しかし」
シャールは窓枠に腰をかけ、自室をぐるりと見渡して、ため息をついた。
「私も十六……そろそろ来るとは思っていたが、まさかこんなことになるとはな……」
「アンゼがあれほど怒ってレイネンドランドへ出発するわけだ……」
王女の部屋に招きいれられた親衛隊副隊長は、腕を組んでかの隊長の表情を思い出す。童話に出てくる悪鬼もかくや、の表情だった。
「レイネンドランド……」
シャールは前髪をかきあげる。さら、と金髪がゆらつく。
「憧れなかった、わけでは……ない」
夕陽色の瞳に、睫毛の影が落ちる。
自然にあふれた国。かの国では、鳥も多いと言う。
「ティエラ……」
懐かしい友の名をつぶやくと、隣でフレデリックが不思議そうな顔をした。
そうだった。フレデリックは外国人なのだ。この国に来たのは五年前で、シャールが飼っていた鳥のことなど知るはずがない。
ティエラはとても珍しい鳥だった。いまだ、種類が分かっていない。同じ鳥を見かけたことは今のところなかった。
レイネンドランドになら、いるのだろうか?
ティエラの幻を求めて、シャールの心がそんなことを考える。
――いや。
今はティエラのことを考えている場合ではない。
「………」
窓外からは夕陽が差し込んでいる。太陽の位置を確かめた。晩餐に呼ばれるにはまだもう少しある。
絨毯に自分とフレデリックの影が伸びている。
シャールは、胸の前に両の掌を持ち上げた。何かを包むかのような形に。
すっと目を細めて、視線を落とす。
フレデリックが、王女のしようとしていることを察して少し離れた。
――願う。
光を。明るい灯火を。
けれど彼女の掌は、うんともすんとも言わない。
苦笑して、シャールは両手を下ろした。
「やはり、無理だな」
「シャール様」
「うん。いいんだ」
これは愚を犯した者に与えられた罰だから。
願えば何もかもが叶う。そんな力を持つことを、当然だと思うことの罪。
生命をもてあそぼうとしたことの罪。
フレデリックが落ち着かなさそうに視線を泳がせた。
「レイネンドランドの王子……レイサル王子。たしかエディレイド殿下のご学友でしたね」
「ああ、うん」
「ここはひとつ、エディレイド殿下にお話をうかがうのもいいのでは? レイサル王子について……」
シャールは目をぱちぱちさせた。
それから人差し指を唇に当てて考えた後、
「それもいいかもしれないな」
と窓枠から降りた。
「え? 何だって?」
エディレイドは晩餐の前に突然自室に来訪した妹の問いに、怪訝な顔をした。
「僕にレイサルのことを聞きたいのか?」
「仲がよいのではないのか? 兄上」
シャールは腰に手を当てた。
「それはまあ……レイサルとは、文のやりとりもする仲だけれど」
「その友人が、突然妹を妻にすることになったのだぞ! 少しは反対したらどうなんだ」
「反対ってシャール。言ったろう? 僕は歓迎だ」
エディレイドは何か書きものをしていたようだが、ペンを置いて妹の頭をなでた。
シャールはすげなくその手を払う。
「レイネンドランドが何かを企んでいるのは間違いないのに。兄上はこのままでいいとおっしゃるつもりか?」
「いや……」
エディレイドはシャールによく似た、それでいてはっきり違う蜜色の瞳を揺るがせた。歯切れも悪い。
「何なんだ。はっきりおっしゃったらどうだ?」
シャールは傲岸不遜に胸を張る。このごろ調子が狂っていたから、取り戻そうとわざとオーバーアクション。
エディレイドの部屋。彼自身と、特攻してきたその妹と、他には誰もいない。第二王子は学業熱心だけあって部屋には書斎が作られ、本が膨大な数置かれていた。
部屋の隅には鳥かご。鳩が飼われている。
ふと見ると、部屋の窓際に黄色い石が置かれていた。シャールの拳よりも大きい。シャールは目を見張る。
「あれは……紡石か兄上。あれほどの大きさを紡げるようになったのか?」
「あ? ああ。少し限界に挑戦してみたんだけれど」
「こめた願いは何だ? うかつに大きなものを紡いでは駄目だ、万が一のときに被害が――」
言いかけて、王女は口をつぐむ。――自分が意見できることではない。
王族の中で、もっとも紡石生成に長けているのはエディレイドだ。研究にも熱心だから、紡石の危険性など誰よりも知っている。
「……そ、それは、まあいい。それより、兄上。話の続き……を」
たっぷり長い時間呼吸だけをしていたエディレイドは、やがて妹のまっすぐな夕陽色の目に根負けした。
「……僕なんだよ。お前をレイサルに紹介したのは……」
シャールは目を丸くした。
「そんな……聡明な兄上がなぜ!」
「レイネンドランドとの条約は非常に意味がある。強く絆を結ぶにはやはり縁組だろうと考えてね」
エディレイドはため息をついた。
「お前なら若くても賢いし、お前に忠誠を誓っている親衛隊をつれていけば他国に嫁いでも強く生きていくと思った。だから推薦した」
「……レイネンドランドと、条約を結ぶべきと考えたのか。未来の国王とも呼ばれるあなたが」
シャールは威嚇する。
ああ、とエディレイドはうなずいた。
「あのレイネンドランドとこの国の間にある山を切り崩せば、二つの国は一心同体なほどぴったりしっくりくる。シャール、お前はレイネンドランドに行ったことがないだろう? 信じられないくらい、緑豊かな国だよ」
「――王族は二つあることになる」
「王権両立を考えよう、とレイサルとは話している」
エディレイドは真顔で言った。
シャールは鼻で笑った。
「王権両立? そんなものできるわけないだろう」
「あっちは跡継ぎがレイサル一人しかいないんだ。あるいは妹のレイチェル殿かな。あっちの方が分が悪いのを分かっていて、レイサルは賛成してくれている」
違う、とシャールは心の中で吐き捨てた。
エディレイドは分かっていて言っている。本当に分が悪いのはこちらの方だと。
長兄アディルカは短気で、政治にはまったく向いていない。武人になるべきタイプの人間だ。一方三兄サディクはぼんやりしすぎていて、とてもじゃないがこちらも政治などできない。
それではレイサルとエディレイドで、ちょうどよく両立するではないかというとそれも違う。
エディレイドの、役に立たない兄妹たちは、足を引っ張る材料でしかない。
レイネンドランドのレイチェル姫は大人しく兄に従順と聞いているが、シャールはエディレイドに従順ではないのだから。
(何を考えている……?)
エディレイドの判断は、どうにも違和感があって納得できなかった。
「兄上」
シャールは強い口調で言った。
「レイネンドランドと条約を結ぶことに、私は反対だ。結婚条約でなくてもだ。我が国は独立していくべき国。……どこの国にも、この力を伝えてはいけない」
「シャール……」
エディレイドは妹に向き直り、その瞳をのぞきこんだ。
「お前は、辛い思いをしているだろうね。この国で」
「―――」
「紡石の生成ができなくなった十年前。よく覚えているよ。あのときのお前の顔もよく覚えている。だから」
そっと妹の顔を両手で包み込み、
「お前は、行くべきだ。他の国へ――ティエラから、解放されなさい」
「ティエラ」
それが自分の友の名のように思えて、シャールは震える。
「うん? ああ……あの日はお前の大切な鳥が死んでしまった日でもあったね。僕は、そのショックで生成ができなくなったのだと思っていたんだけれど」
「………」
あの日――
自分が行おうとしたことを、シャールは誰にも言っていなかった。乳兄妹のアンゼリスカを除いて。
アンゼリスカは特別だ。本当の兄たちよりも本物の兄に等しい存在なのだ。けれど、
それ以外には誰にも、言えるはずがないと思っていた。
その心が今、蜜色の優しい瞳を受けて、解けていく。
「兄上……私は、罪人なんだ」
「シャール?」
「私はあの日、ティエラを、紡石で生き返らせようとした」
エディレイドが目を見張った。
シャールは、悲しく笑った。
「……生き返った。生き返ったんだ、兄上。でも……それは儚い夢だった。ティエラはすぐに石に戻って、そして私は力を失った」
私は――
「……私は、怖い。願いを石にすることが」
だっていつだって。
この両の掌に残っている感触は、冷たく硬くなった友の。
「死んでしまったティエラの感触だけが、この手に……残っているから……」
唇が震えた。
エディレイドはシャールを抱きすくめた。
「いい。もういい……シャール。それ以上言うな」
泣くな、と耳元で囁かれた。
泣いてなどいない。――涙は、十年前に捨てた。
ティエラのために捨てた。あのとき以上に悲しいことなど――もう起こることはないと、思っているから。
「やはりお前はこの国を離れるべきだ、シャール」
エディレイドは、優しく妹の背をなでた。
「あちらの国でなら……鳥も多い。ひょっとしたらティエラと同じ種も見つかるかもしれない。そうしたらお前の傷も癒えるだろう。かわいいシャール、これ以上悲しむな」
「兄上……」
エディレイドの背をなでる手は優しく。
ぬくもりは確かなものだった。なのに。
すがれなかったのはなぜだろう……?
フレデリックは初めてその言葉を聞いて、ほうけたような声を出した。
「はあ。それはまた、急な話ですね」
「……王族の政略結婚など、急に進むものだ。しかし」
シャールは窓枠に腰をかけ、自室をぐるりと見渡して、ため息をついた。
「私も十六……そろそろ来るとは思っていたが、まさかこんなことになるとはな……」
「アンゼがあれほど怒ってレイネンドランドへ出発するわけだ……」
王女の部屋に招きいれられた親衛隊副隊長は、腕を組んでかの隊長の表情を思い出す。童話に出てくる悪鬼もかくや、の表情だった。
「レイネンドランド……」
シャールは前髪をかきあげる。さら、と金髪がゆらつく。
「憧れなかった、わけでは……ない」
夕陽色の瞳に、睫毛の影が落ちる。
自然にあふれた国。かの国では、鳥も多いと言う。
「ティエラ……」
懐かしい友の名をつぶやくと、隣でフレデリックが不思議そうな顔をした。
そうだった。フレデリックは外国人なのだ。この国に来たのは五年前で、シャールが飼っていた鳥のことなど知るはずがない。
ティエラはとても珍しい鳥だった。いまだ、種類が分かっていない。同じ鳥を見かけたことは今のところなかった。
レイネンドランドになら、いるのだろうか?
ティエラの幻を求めて、シャールの心がそんなことを考える。
――いや。
今はティエラのことを考えている場合ではない。
「………」
窓外からは夕陽が差し込んでいる。太陽の位置を確かめた。晩餐に呼ばれるにはまだもう少しある。
絨毯に自分とフレデリックの影が伸びている。
シャールは、胸の前に両の掌を持ち上げた。何かを包むかのような形に。
すっと目を細めて、視線を落とす。
フレデリックが、王女のしようとしていることを察して少し離れた。
――願う。
光を。明るい灯火を。
けれど彼女の掌は、うんともすんとも言わない。
苦笑して、シャールは両手を下ろした。
「やはり、無理だな」
「シャール様」
「うん。いいんだ」
これは愚を犯した者に与えられた罰だから。
願えば何もかもが叶う。そんな力を持つことを、当然だと思うことの罪。
生命をもてあそぼうとしたことの罪。
フレデリックが落ち着かなさそうに視線を泳がせた。
「レイネンドランドの王子……レイサル王子。たしかエディレイド殿下のご学友でしたね」
「ああ、うん」
「ここはひとつ、エディレイド殿下にお話をうかがうのもいいのでは? レイサル王子について……」
シャールは目をぱちぱちさせた。
それから人差し指を唇に当てて考えた後、
「それもいいかもしれないな」
と窓枠から降りた。
「え? 何だって?」
エディレイドは晩餐の前に突然自室に来訪した妹の問いに、怪訝な顔をした。
「僕にレイサルのことを聞きたいのか?」
「仲がよいのではないのか? 兄上」
シャールは腰に手を当てた。
「それはまあ……レイサルとは、文のやりとりもする仲だけれど」
「その友人が、突然妹を妻にすることになったのだぞ! 少しは反対したらどうなんだ」
「反対ってシャール。言ったろう? 僕は歓迎だ」
エディレイドは何か書きものをしていたようだが、ペンを置いて妹の頭をなでた。
シャールはすげなくその手を払う。
「レイネンドランドが何かを企んでいるのは間違いないのに。兄上はこのままでいいとおっしゃるつもりか?」
「いや……」
エディレイドはシャールによく似た、それでいてはっきり違う蜜色の瞳を揺るがせた。歯切れも悪い。
「何なんだ。はっきりおっしゃったらどうだ?」
シャールは傲岸不遜に胸を張る。このごろ調子が狂っていたから、取り戻そうとわざとオーバーアクション。
エディレイドの部屋。彼自身と、特攻してきたその妹と、他には誰もいない。第二王子は学業熱心だけあって部屋には書斎が作られ、本が膨大な数置かれていた。
部屋の隅には鳥かご。鳩が飼われている。
ふと見ると、部屋の窓際に黄色い石が置かれていた。シャールの拳よりも大きい。シャールは目を見張る。
「あれは……紡石か兄上。あれほどの大きさを紡げるようになったのか?」
「あ? ああ。少し限界に挑戦してみたんだけれど」
「こめた願いは何だ? うかつに大きなものを紡いでは駄目だ、万が一のときに被害が――」
言いかけて、王女は口をつぐむ。――自分が意見できることではない。
王族の中で、もっとも紡石生成に長けているのはエディレイドだ。研究にも熱心だから、紡石の危険性など誰よりも知っている。
「……そ、それは、まあいい。それより、兄上。話の続き……を」
たっぷり長い時間呼吸だけをしていたエディレイドは、やがて妹のまっすぐな夕陽色の目に根負けした。
「……僕なんだよ。お前をレイサルに紹介したのは……」
シャールは目を丸くした。
「そんな……聡明な兄上がなぜ!」
「レイネンドランドとの条約は非常に意味がある。強く絆を結ぶにはやはり縁組だろうと考えてね」
エディレイドはため息をついた。
「お前なら若くても賢いし、お前に忠誠を誓っている親衛隊をつれていけば他国に嫁いでも強く生きていくと思った。だから推薦した」
「……レイネンドランドと、条約を結ぶべきと考えたのか。未来の国王とも呼ばれるあなたが」
シャールは威嚇する。
ああ、とエディレイドはうなずいた。
「あのレイネンドランドとこの国の間にある山を切り崩せば、二つの国は一心同体なほどぴったりしっくりくる。シャール、お前はレイネンドランドに行ったことがないだろう? 信じられないくらい、緑豊かな国だよ」
「――王族は二つあることになる」
「王権両立を考えよう、とレイサルとは話している」
エディレイドは真顔で言った。
シャールは鼻で笑った。
「王権両立? そんなものできるわけないだろう」
「あっちは跡継ぎがレイサル一人しかいないんだ。あるいは妹のレイチェル殿かな。あっちの方が分が悪いのを分かっていて、レイサルは賛成してくれている」
違う、とシャールは心の中で吐き捨てた。
エディレイドは分かっていて言っている。本当に分が悪いのはこちらの方だと。
長兄アディルカは短気で、政治にはまったく向いていない。武人になるべきタイプの人間だ。一方三兄サディクはぼんやりしすぎていて、とてもじゃないがこちらも政治などできない。
それではレイサルとエディレイドで、ちょうどよく両立するではないかというとそれも違う。
エディレイドの、役に立たない兄妹たちは、足を引っ張る材料でしかない。
レイネンドランドのレイチェル姫は大人しく兄に従順と聞いているが、シャールはエディレイドに従順ではないのだから。
(何を考えている……?)
エディレイドの判断は、どうにも違和感があって納得できなかった。
「兄上」
シャールは強い口調で言った。
「レイネンドランドと条約を結ぶことに、私は反対だ。結婚条約でなくてもだ。我が国は独立していくべき国。……どこの国にも、この力を伝えてはいけない」
「シャール……」
エディレイドは妹に向き直り、その瞳をのぞきこんだ。
「お前は、辛い思いをしているだろうね。この国で」
「―――」
「紡石の生成ができなくなった十年前。よく覚えているよ。あのときのお前の顔もよく覚えている。だから」
そっと妹の顔を両手で包み込み、
「お前は、行くべきだ。他の国へ――ティエラから、解放されなさい」
「ティエラ」
それが自分の友の名のように思えて、シャールは震える。
「うん? ああ……あの日はお前の大切な鳥が死んでしまった日でもあったね。僕は、そのショックで生成ができなくなったのだと思っていたんだけれど」
「………」
あの日――
自分が行おうとしたことを、シャールは誰にも言っていなかった。乳兄妹のアンゼリスカを除いて。
アンゼリスカは特別だ。本当の兄たちよりも本物の兄に等しい存在なのだ。けれど、
それ以外には誰にも、言えるはずがないと思っていた。
その心が今、蜜色の優しい瞳を受けて、解けていく。
「兄上……私は、罪人なんだ」
「シャール?」
「私はあの日、ティエラを、紡石で生き返らせようとした」
エディレイドが目を見張った。
シャールは、悲しく笑った。
「……生き返った。生き返ったんだ、兄上。でも……それは儚い夢だった。ティエラはすぐに石に戻って、そして私は力を失った」
私は――
「……私は、怖い。願いを石にすることが」
だっていつだって。
この両の掌に残っている感触は、冷たく硬くなった友の。
「死んでしまったティエラの感触だけが、この手に……残っているから……」
唇が震えた。
エディレイドはシャールを抱きすくめた。
「いい。もういい……シャール。それ以上言うな」
泣くな、と耳元で囁かれた。
泣いてなどいない。――涙は、十年前に捨てた。
ティエラのために捨てた。あのとき以上に悲しいことなど――もう起こることはないと、思っているから。
「やはりお前はこの国を離れるべきだ、シャール」
エディレイドは、優しく妹の背をなでた。
「あちらの国でなら……鳥も多い。ひょっとしたらティエラと同じ種も見つかるかもしれない。そうしたらお前の傷も癒えるだろう。かわいいシャール、これ以上悲しむな」
「兄上……」
エディレイドの背をなでる手は優しく。
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