王様のナミダ

白雨あめ

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心のありか2

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ガンっ!

突然、すごい音が響き渡る。
それに重なるよう聞こえてきた声。

「桜庭っ!」

一瞬聞き間違いかと思ったが、おそるおそる動いた視線は変わらない彼の姿を捉えた。


「かいちょう、」

なんで、ここに。
まさかあの転校生。生徒会室に駆けこんだんじゃ。


「桜庭......。」


驚いたように目を見開いて、息を整え、ゆっくりとこちらへ近づいてくる会長に、シーツから身体を起こす。
その、少し歪んだその表情に自然と腕を伸ばしていた。
いろいろぐちゃぐちゃな頭のなかで、

あぁ、会長に触れたい。

ただそう思ってーーーー、



「おい、貴様。誰の許可があってここへ入ってきたんだ。さっさと出ろ。」



それは、冬至の右腕に邪魔された。

「ちょっ、冬至っ!」

「一体なんだ。静かにしてろ。」

だって、会長にあんな言い方。

「会長! ごめん。」

「………、調子はどうだ。」

「へ? あ、うん。全然大丈夫。もうぴんぴん。」


腕で力こぶを作って、笑顔で答える。
会長、転校生から聞いて走ってきてくれたんだろうけど、すごく申し訳ない。

俺は本当に大丈夫だし、会長だって忙しいはずなのに。

「そうか。ならいい。」

安心したように息を吐き出す会長に、こちらも安心する。

忙しくてあんまり眠れていないだろう会長を、関係ないことで煩わせてしまった。
だけどそれと同時に、俺のことを心配して走ってきてくれた会長に心が暖かくなるのがわかる。


一言でいうと、とてもうれしいということで。


手に当たるシーツをぎゅっと握る。

たとえ同じ気持ちじゃなくたって、会長は俺を見てくれてる。
走ってきてくれる。

それはたぶん凄いことで、とっても幸せなことで。

俺、さっき転校生に会った時酷いことを言った気がする。
会長と転校生は、たぶん気持ちが一緒だから。

俺とは違うって、そう思ったから。


......あー。ダメだ、気持ちが沈む。


でも、こんなことじゃいけないよね。
ブルーになる気持ちを振り切るように顔をあげる。
会長にお礼を言いいたいなぁ、なんて考えていると俺の視界から会長を隠すようにたつ人物。


「............冬至。」

会長が見えないじゃないか。
立った冬至に低い声が漏れる。

一体なんなんだ。今日の冬至くんは。

俺のすること、すべて邪魔されてる気がするんだけど。


「ちょっと。冬至。」

「おいバ会長。」

......、まただ。また俺の言葉を無視して被せてくるし。

なんなんだよ。

恨みがましく冬至を見上げる。


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