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しおりを挟む部屋の窓から外の様子をそっと伺う。
馬車のなかにいても目立つほども眩い赤髪は、昨日の男で間違いない。
アルマディンのほかにも騎士風の男が数名、エントラスの前をうろうろと歩いている。
……いったいなんなの。
私に用があるわけじゃないのかしら……。
私に会いたいだけならあんな大勢の護衛を引き連れてくる理由がない。
昨日は御者ひとりだったのに。
もしかしたら私に会いに来てくれたのかもしれないと思って高鳴っていた胸が急速に熱を失っていく。
私に会いに来てくれたわけじゃなかったんだ……。
私は誰からも必要とされてない。だれからも………。
気持ちは沈みながらも、外の様子がきになり顔を上げる。
窓の隙間から外を伺おうと顔を出した。
すると、先ほどまで馬車のなかにいたアルマディンが外に出て、こちらにむけて手をふっていた。
「………、ガー………ット!」
手をこちらに大きく振りながら、叫んでいる言葉。それはとぎれとぎれで正確にはわからなかった。
だけど…。
再び胸が高鳴る。
身体が熱くなって、私は私の身体を押さえつけることがどうしてもできなかった。
早くあの人のもとにいきたい。
あの人に会って言葉を交わしたい。そう思ってしまったから。
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