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1 前世をおもいだしました。
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私、アマリア・ジュタールは転生者だ。
転生者だと気づいたのは年の離れた弟カイルが少し大きくなって卵アレルギーだとわかった時だ。
その頃は卵アレルギーなんて言葉はなく、するりと頭に浮かんできた言葉と共に記憶が蘇った。
よく転生ものの小説であるように転んで頭をぶつけたり熱を出して倒れたりはしなかった。すんなり前世と今世の記憶が融合した。
それまでは何かにつけて違和感は感じてはいたが、理由がわからなかった。
だって、中世ヨーロッパのような佇まいなのに、どこか近代的なこの世界。
馬車ではなく車が発達しているし、バスや電車もある。シャワー、下水道もきちんと整備されている。電気も通っているが、街に電線などは見当たらない。前世を思い出した私にはご都合主義の世界に見えた。
前世を思い出したとはいえ全てを思い出した訳ではない。何かをきっかけにそれに付随する事だけが思い出されるのだ。それ以外はベールがかかったように思い出せない。
でも、前世の記憶から料理が好きだったようだ。いろんなレシピが思い出される。
最初は貴族の令嬢がお料理なんて。と止められた。
年の離れた弟カイルがアレルギーがあり、末っ子として甘やかされて好き嫌いも多く、身体が弱かった。
それを見かねてアレルギーでも食べられる美味しいお菓子を作って食べさせた。その後もカイルの嫌いな食べ物を使った料理を作って段々と好き嫌いを治していった。
食が細く、病弱気味のカイルが今ではすっかり健康になってオマケにシスコンになっている。
その知識を元に作った料理の数々はカイルを筆頭に家族に好評でとても喜ばれた。
今では料理は料理人にレシピを教えるだけにして私は趣味のお菓子作りをする。
ほぼ毎日お菓子を作り、兄と弟、両親や使用人達に食べてもらって楽しく暮らしていた。
よくある転生ものの小説のように魔物が出てくるから召喚しての勇者パーティとか転生チートで天下を取るとか乙女ゲームとかではないのだろう。穏やかに自然体で暮らしている。
そんな私も15歳で婚約した。お相手は2歳年上のジェラール・マノマリット侯爵子息。
婚約前から兄の友人として何度か家に来た時にお会いしていた。
兄から紹介された名前に聞き覚えがある気がしたが「侯爵子息だし、令嬢達の噂で聞いたのだろう。確かに噂になるくらい美形だわ」と感心したものだ。
だから婚約者となった時に彼の相手がなぜ自分なのか不思議に思った。だって私は身分だけは伯爵令嬢で、両親やシスコンの兄弟からは可愛いとは言われるものの容姿はそれなりの範疇で絶世の美女ではない。
だから何故私なんだ。と思った。
理由は簡単。年頃でマノマリット侯爵家より高位の公爵家や同等の侯爵家の令嬢には既に婚約者がいらっしゃる。そうなれば家格の釣り合いからも、伯爵令嬢の中から選ぶしかないのだろう。
彼の家にとって政略結婚というには何のメリットもない。それほどマノマリット侯爵家は家格、財産共にパーフェクトなのだ。伯爵令嬢の中には私より美人だったり、可愛らしい令嬢もたくさんいた。
そんなよりどりみどりの中、私が婚約者となったのは多分兄が彼の親友だったからだろう。
だからお茶会などでは婚約者になれなかった令嬢達から嫌味や意地悪は毎回だ。
もしかしたら、こんな虐めに耐えられる人物として名が上がったのではないか?とさえ思えてくる。実際耐えてはいるが、平気なわけではない。
婚約が結ばれて初めてのお茶会で令嬢方に嫌味を言われたからだ。
その時、「理不尽。どうせすぐに婚約破棄されるのに嫌味やイジメに1人で耐えなければならないのか?」と漠然と思った。
えっ!どうしてすぐに婚約破棄されると思ったのだろう。その時私の頭の中にある乙女ゲームが蘇ってきた。
転生者だと気づいたのは年の離れた弟カイルが少し大きくなって卵アレルギーだとわかった時だ。
その頃は卵アレルギーなんて言葉はなく、するりと頭に浮かんできた言葉と共に記憶が蘇った。
よく転生ものの小説であるように転んで頭をぶつけたり熱を出して倒れたりはしなかった。すんなり前世と今世の記憶が融合した。
それまでは何かにつけて違和感は感じてはいたが、理由がわからなかった。
だって、中世ヨーロッパのような佇まいなのに、どこか近代的なこの世界。
馬車ではなく車が発達しているし、バスや電車もある。シャワー、下水道もきちんと整備されている。電気も通っているが、街に電線などは見当たらない。前世を思い出した私にはご都合主義の世界に見えた。
前世を思い出したとはいえ全てを思い出した訳ではない。何かをきっかけにそれに付随する事だけが思い出されるのだ。それ以外はベールがかかったように思い出せない。
でも、前世の記憶から料理が好きだったようだ。いろんなレシピが思い出される。
最初は貴族の令嬢がお料理なんて。と止められた。
年の離れた弟カイルがアレルギーがあり、末っ子として甘やかされて好き嫌いも多く、身体が弱かった。
それを見かねてアレルギーでも食べられる美味しいお菓子を作って食べさせた。その後もカイルの嫌いな食べ物を使った料理を作って段々と好き嫌いを治していった。
食が細く、病弱気味のカイルが今ではすっかり健康になってオマケにシスコンになっている。
その知識を元に作った料理の数々はカイルを筆頭に家族に好評でとても喜ばれた。
今では料理は料理人にレシピを教えるだけにして私は趣味のお菓子作りをする。
ほぼ毎日お菓子を作り、兄と弟、両親や使用人達に食べてもらって楽しく暮らしていた。
よくある転生ものの小説のように魔物が出てくるから召喚しての勇者パーティとか転生チートで天下を取るとか乙女ゲームとかではないのだろう。穏やかに自然体で暮らしている。
そんな私も15歳で婚約した。お相手は2歳年上のジェラール・マノマリット侯爵子息。
婚約前から兄の友人として何度か家に来た時にお会いしていた。
兄から紹介された名前に聞き覚えがある気がしたが「侯爵子息だし、令嬢達の噂で聞いたのだろう。確かに噂になるくらい美形だわ」と感心したものだ。
だから婚約者となった時に彼の相手がなぜ自分なのか不思議に思った。だって私は身分だけは伯爵令嬢で、両親やシスコンの兄弟からは可愛いとは言われるものの容姿はそれなりの範疇で絶世の美女ではない。
だから何故私なんだ。と思った。
理由は簡単。年頃でマノマリット侯爵家より高位の公爵家や同等の侯爵家の令嬢には既に婚約者がいらっしゃる。そうなれば家格の釣り合いからも、伯爵令嬢の中から選ぶしかないのだろう。
彼の家にとって政略結婚というには何のメリットもない。それほどマノマリット侯爵家は家格、財産共にパーフェクトなのだ。伯爵令嬢の中には私より美人だったり、可愛らしい令嬢もたくさんいた。
そんなよりどりみどりの中、私が婚約者となったのは多分兄が彼の親友だったからだろう。
だからお茶会などでは婚約者になれなかった令嬢達から嫌味や意地悪は毎回だ。
もしかしたら、こんな虐めに耐えられる人物として名が上がったのではないか?とさえ思えてくる。実際耐えてはいるが、平気なわけではない。
婚約が結ばれて初めてのお茶会で令嬢方に嫌味を言われたからだ。
その時、「理不尽。どうせすぐに婚約破棄されるのに嫌味やイジメに1人で耐えなければならないのか?」と漠然と思った。
えっ!どうしてすぐに婚約破棄されると思ったのだろう。その時私の頭の中にある乙女ゲームが蘇ってきた。
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