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10 答え合わせ
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ジェラールはガイナスが聞いた話は一部だけで大事な部分が抜けていると憤慨して言った。
それを聞いてガイナスはこれはアマリア嬢に聞かせたくなかったが…と言い言葉を続けた。
「では抜けている大事な部分とはプロポーズの返事の後の『あなたのお気持ちに沿うように…』と言う貴方の言葉の事ですか?」
「違う。」
噛みつくような勢いで否定するが、ガイナスは冷ややかに問う。
「ではそれは言っていないと?」
ジェラールは苦々しく
「言ったが、それはそういう意味ではない。」
そう言って項垂れた。
私としては婚約解消するのならひっそりしてくれれば良いだけだ。
兄は婚約解消に乗り気ではなさそうだったが、最終的には全て俺に任せておけ。と言ってくれた。
彼は婚約者から兄の友人に戻るだけ。そう思うも、やはりゲームと同じように修道院へ行こう。と決断した。兄の側にいるこの人を見て胸が苦しくなるのだから。
ゲームのアマリアも婚約者に恋をしていたのね。だから側で他の人と仲良くするのを見るのが耐えられなかったのか。
自分の意思が固まると不思議と冷静になってきた。そしてすっかり冷めてしまったお茶のおかわりをもらおうと
「お茶のおかわりをお持ちしますね。ガイナス様、ジェ…マノマリット様も先ほどと…「ジェラールだ。アマリア。ジェラールと呼んでくれ。」
懇願に近い声で言われた。婚約者ではなくなるのならいくら兄の友人とはいえ名前で呼ぶのは憚られる。
「ですが、婚約を解消するのでしたら…「絶対しない。させない。」
ジェラールの力強い言葉にアマリアは答えられない。
「王女には悪いが全て話すよ。
だから婚約解消は絶対しないよ。」
そう言って話し始めた。
王女から告白された。それはジェラールではなくガイナスが好きだと。
その王女に本気かどうか確かめるために聞いた言葉をガイナスに聞かれプロポーズの言葉と間違われた。
ちょうどガイナスが立ち去った後だろう。王女がガイナスの気持ちを知るためにとジェラールにある計画を持ちかけた。それはお互いの相手の前で仲良くしてヤキモチをやかすというものだ。
王女はガイナスがただ護衛として側にいるのか?少しでも好意を持っているのか知りたかったのだ。
ジェラールは騙すみたいで嫌だと最初は反対したが、「本当に好きならヤキモチをやくはず」との言葉でジェラールもアマリアの気持ちを知ることができるとその作戦に乗ってしまった。
ジェラールはアマリアから兄の友人の立ち位置で見られているからアマリアから嫌われてはいないだろうが婚約者として好かれているか不安だったのだ。
その計画とは王女への親しげな名前呼びと今までにない近い距離だったのだ。
王女のクラスにアマリアとガイナスがいるため親しげに名前を呼び近い距離でのエスコートをして教室に入ったが、ガイナスは王女が授業を受けなかった事に怒っていたのでヤキモチかどうかはわからなかった。
一方、アマリアはこちらを見ることもなくいつも通りに見えて2人して失敗だと思った。
翌日のお昼休みに再チャレンジとばかりに腕を組んだが、アマリアからヤキモチをやかれるような事はなく反対に拒絶を感じて落ち込んでいた。
そんな時スティーブから
「アマリアからお前の方から婚約解消してくれるように伝えてほしい言われた。」
と聞かされジェラールは焦っていた。
それを聞いてガイナスはこれはアマリア嬢に聞かせたくなかったが…と言い言葉を続けた。
「では抜けている大事な部分とはプロポーズの返事の後の『あなたのお気持ちに沿うように…』と言う貴方の言葉の事ですか?」
「違う。」
噛みつくような勢いで否定するが、ガイナスは冷ややかに問う。
「ではそれは言っていないと?」
ジェラールは苦々しく
「言ったが、それはそういう意味ではない。」
そう言って項垂れた。
私としては婚約解消するのならひっそりしてくれれば良いだけだ。
兄は婚約解消に乗り気ではなさそうだったが、最終的には全て俺に任せておけ。と言ってくれた。
彼は婚約者から兄の友人に戻るだけ。そう思うも、やはりゲームと同じように修道院へ行こう。と決断した。兄の側にいるこの人を見て胸が苦しくなるのだから。
ゲームのアマリアも婚約者に恋をしていたのね。だから側で他の人と仲良くするのを見るのが耐えられなかったのか。
自分の意思が固まると不思議と冷静になってきた。そしてすっかり冷めてしまったお茶のおかわりをもらおうと
「お茶のおかわりをお持ちしますね。ガイナス様、ジェ…マノマリット様も先ほどと…「ジェラールだ。アマリア。ジェラールと呼んでくれ。」
懇願に近い声で言われた。婚約者ではなくなるのならいくら兄の友人とはいえ名前で呼ぶのは憚られる。
「ですが、婚約を解消するのでしたら…「絶対しない。させない。」
ジェラールの力強い言葉にアマリアは答えられない。
「王女には悪いが全て話すよ。
だから婚約解消は絶対しないよ。」
そう言って話し始めた。
王女から告白された。それはジェラールではなくガイナスが好きだと。
その王女に本気かどうか確かめるために聞いた言葉をガイナスに聞かれプロポーズの言葉と間違われた。
ちょうどガイナスが立ち去った後だろう。王女がガイナスの気持ちを知るためにとジェラールにある計画を持ちかけた。それはお互いの相手の前で仲良くしてヤキモチをやかすというものだ。
王女はガイナスがただ護衛として側にいるのか?少しでも好意を持っているのか知りたかったのだ。
ジェラールは騙すみたいで嫌だと最初は反対したが、「本当に好きならヤキモチをやくはず」との言葉でジェラールもアマリアの気持ちを知ることができるとその作戦に乗ってしまった。
ジェラールはアマリアから兄の友人の立ち位置で見られているからアマリアから嫌われてはいないだろうが婚約者として好かれているか不安だったのだ。
その計画とは王女への親しげな名前呼びと今までにない近い距離だったのだ。
王女のクラスにアマリアとガイナスがいるため親しげに名前を呼び近い距離でのエスコートをして教室に入ったが、ガイナスは王女が授業を受けなかった事に怒っていたのでヤキモチかどうかはわからなかった。
一方、アマリアはこちらを見ることもなくいつも通りに見えて2人して失敗だと思った。
翌日のお昼休みに再チャレンジとばかりに腕を組んだが、アマリアからヤキモチをやかれるような事はなく反対に拒絶を感じて落ち込んでいた。
そんな時スティーブから
「アマリアからお前の方から婚約解消してくれるように伝えてほしい言われた。」
と聞かされジェラールは焦っていた。
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