異世界に来たんだから自分の欲望に忠実に生きる!

修ですが

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27話 マチルダ・レーリア

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 まだ、薄暗い中目覚めた。
 小屋の中からは小さな寝息が聞こえる。

 俺は『気配察知』を使い周りの反応を調べた。反応はない。
 血の臭いを嗅ぎつけた獣達の襲撃を心配していたが杞憂に終わった。
 欠伸が出るのを手で口元を押さえながら外に出る。
 一面水で濡れている、あれから雨が降ったようだな。
 まだ、小雨が降っていたが濡れるのを構わず小川に向かい顔を洗った。
 小川の少し深い場所に腹を割いたオオカミを2頭沈めてある。
 血の臭いを消す為だ。
 
 「解体しないとな。」

 スキルリストを頭の中で念じる。
 レベルアップをした為か以前見たときよりも「????」の表示減っている。
 以前は表示されなかったスキルが幾つか新たに表示されていた。
 その中から解体に関係したものはないかと目を通していく。

 『解体作業』

 全ての解体作業に効果を発揮する。
 レベルに応じて正確さと速度、丁寧度に補正がつく。
 レベル1(0/50)

 習得スキルポイント 5p

 俺は『解体作業』を習得した。

 更にポイントを振りレベルも上げた。

 《解体作業レベルアップ》
 
 レベル1⇨3

 使用スキルポイント 15p

   何故『解体作業』に更にポイントを振ったかというと動物の皮や肉を切り分けるイメージがないからだ。
 現代人で肉を切り分けるのはお肉屋さん位だろう。
 それも各部位毎に分けた状態からで。まるまる1頭ぜんぶをスーパーの店員が切り分けれるとは思えない。
 理由としては魚屋さんでマグロの解体作業は見た事があるが豚や牛の店頭解体作業は見た事も聞いた事もないからだ。

 見せないだけで裏で作業しているかも知れないが。

  毛皮から肉を切り離す作業が出来るのは猟師位だろう。
 お肉屋さんの店員は結構居るだろうが、猟師は?殆ど居ないのではないか。

 そんな作業をスキルを習得しただけの俺が出来るとは思えなかった。
 だからポイントを振ってスキルを強化した。ポイントに余裕が有るのもあるが。

 早速『解体作業』のスキルを使用してオオカミの解体を始めようと小川から引き上げた。

 アウトロー達の手荷物の中にあった小刀を使い作業を始める。
 何の経験も知識もないのに作業が進んでいく。

 これぞチート。

 長い時間を掛けて取得したスキル。そこから更に技術を磨いた熟練者達は俺がポイントを振っただけでスキルを使用している事を知ったらどう思うか?
 泣くんじゃなかろうか。
 努力した時間を返せ!と

 何の苦もなく作業はあっという間に終了した。毛皮は何処も破れておらず綺麗な仕上がりだ。

 続いて肉を切り分ける作業を始める。

 ロースやヒレのような部位が何処かは解らないので頭を落としてからザックリと切り分ける。

 肉を持って小屋に戻り暖炉に火を点ける。他に食べる物がないので肉を焼く。
 朝から焼肉だが仕方ない。小屋の中を漁り塩を手に入れたので肉に振りかけ焼いていく。
 オオカミの匂いとは思えない良い香りがしてきた。
 多分、女性は倒れてから何も口に出来て居ないだろうから多めに焼く。

 女性のベッドにいき声を賭ける。

 「起きてる?」

 「は、はい。起きてます。」

 「何も食べてないよね?肉しかないけど食べる?」

 「は、はい。頂きます。」

 後ろ手を縛った紐を切り目隠しを外してやる。
 「服を着てこっちで食事して。」

 「あ、貴男は。」

 「今はいいから。」

 女性に言いたい事は後で聞く旨を伝えた。
 肉を食べたら小屋の前に小川が流れている事も伝える。

 俺はその間に残りの肉の処理をしていく。食べきれない分を処理する。

 薄く切り分け干せば干し肉になるのかな?塩がないので途中で傷むかも。
 外はまだ小雨が降っているから部屋干しだ。天気が回復したら外で干す積もりだ。

 燻製作りにもチャレンジしてみる。桜の木があれば細かく刻んで燻すんだが。
 適当に樹皮を細かく刻んで燻してみよう。
 小屋には砂糖が無かったので見た目に期待出来そうにないな。

 女性がちゃんと食べてるか覗いてみたらガツガツと食べている。やっぱりお腹が減ってたんだな。多めに焼いて良かった。

 アウトロー達の手荷物のを整理しておく。
 小刀は投擲用に使い短剣を腰に差す。
 ポーション?等の液体の小瓶があるが用途が解らないので今は放置。
 女性が持ち逃げしかお金の他にも硬貨は沢山持っていた。金貨が多い。
 他にも魔石や宝石類もチラホラある事から結構な実力者だった可能性もある。
 其れを確かめる事は此処では出来ないが。

 女性が小川歩いて行く。
 顔は涙で汚れていたから顔は洗うだろう。
 躰の方も俺の体液や涎が付着してるので水浴びをするかも。
 
 俺は小屋の中からタオルを探しにいく。真っ白な物は無く少し黄ばんだタオルを発見したので其れを持ち小川に向かう。

 女性は服を脱ぎ水浴びをしていた。

 「このタオルを使いなよ。」
 と、声を賭ける。

 「キャっ!」
 女性は顔を真っ赤にし手で胸と股間を隠す。
 「あ~、昨日散々みたよ?」
 昨日、全身見たし舐めたし触ったよと告げる。
 顔は紅いままだ。
 水浴びが終わったら小屋で話そうと言いこの場を離れた。

♢  ♢  ♢

 「こちらに座って下さい。」

 俺は小屋の中にあるテーブルを挟んで差し向かいに座り着席を促す。

 「お互い自己紹介からで宜しいですか?」

 女性はキョトンとした表情を見せる。

 「どうかしましたか?」

 「あ…いえ、その。」

 如何したのだろうか?食べ過ぎでお腹が痛いのかな?

 「昨日とは口調が違うので…。」


 女性は言葉遣いが昨日と違い戸惑ったようだ、普通に話しをする時にドスは効かせないだろう。
 「私は田村ふじおです。」

 「田村…様ですか?」

 「様はいりません。」

 女性はオドオドとした様子で言葉を返す。
 「貴女の名前を聞いても?」

 「あ、はい。」
 「マチルダ・レーリアです。」

 「ではマチルダさん、聞きたい事が有れば聞いて下さい。」

 女性は自分を拉致した相手の仲間なのか、他の仲間は何処に行ったかを言い辛らそうに聞いて来た。
 
 「先ず最初の質問ですが私はあの者達の仲間ではありません。次にあの者達には2度と遭う事は無いでしょう。」

 マチルダに4人組は既に亡くなっている事を伝える。

 「あ、貴男が殺したんですか?」

 「トドメは私です。」

 モンスタートレインの事は伏せて魔獣との戦闘で傷付き楽にして欲しいと頼まれたので殺害したと嘘をついた。

 今は本当の事を話す時ではないと判断したからだ。

 「そう…だったんですね」

 マチルダは仲間ではないかと疑い謝罪してきた。

 「此方こそ申し訳ない有りません。」

 女性が川辺で倒れて服が水で濡れていたので風邪を引くと思い上着を脱がせた事と昨日の晩の事を謝罪した。

 「初めて人を…頼まれたとはいえ…気分が高ぶり興奮してしまいまして…」

 マチルダには初めての殺人で普段の精神状態ではなく、女性の裸を見て興奮が抑えられなかったと両手を突き頭を下げた。

 「許されざる行為をしてしまい何とお詫びすれば良いかと。」

 再度頭を下げた。

 「頭を上げて下さい、田村様!」

 「様は要りません、フジオでけっこうです。」
 さりげなく名前で呼ばせようと試みる。名字だと仕事中みたいだから。

 「解り…ました、田村さん」

 名前で呼ばせる作戦は失敗に終わる。
 初めての真面に会話して直ぐに名前では呼ばないよね?
 まだ、警戒してるね?

 「あの時の私の格好なら仕方ないですよね、それにあの時の私はもう汚れてしまってたんです」

 マチルダは俯き涙をうかべた、俺は手を握り囁いた。

 「私に償ないをする時間を頂けませんか」

 マチルダは目を見張り俺を見て暫く経ってからコクと頷いた。




 

 

 
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