異世界に来たんだから自分の欲望に忠実に生きる!

修ですが

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81話 望まぬ結果

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 彼女は伝令役として旅立った。
 俺に出来る事はした後は彼女次第だ、無事を祈ろう。

 さて、
 俺はこれから魔族に対して仕掛けてみる。俺達の任務は足止めだ、時間稼ぎでもある。
 侵攻してくる相手にこの人数で迎撃しても何ら障害にもならないだろう。
 こちらから打って出るべきだ。

 俺の戦闘スタイルも奇襲に向いているし貴族を守りながらの戦闘は無理がある。
 守ると約束はしたが。
 
 迎え撃つだけが貴族を守る事ではないと考えた。
 
 しかし、火力が足りない。
 今使える魔法はファイヤーアローのみで主戦力は投擲攻撃で魔法はネタ目的程度にしか使用していない。

 俺は残りのポイントを火の魔法に振り分け新たな魔法を習得する事にする。

 火の魔法レベルは現在も1のままだ残60ポイントから40ポイントを使い火の魔法をMAXまで上げる。

 習得出来た魔法は


 ファイヤーボール
 ファイヤーウォール
 
 以上、2点だ。

 少ないな、初級だからか?

 俺はメテオとかの有名魔法を期待していたんだが。

 ちょっとガッカリしながら河原に向かう、予め貴族達にこぶし大の石を集めさせておいたのでマジックバックに仕舞う。

 只の石コロだがここまで俺の全力投擲で生き残った者はいないので主戦力として期待している。
 攻撃が通じない場合も一応考えてある、生け贄要員は確保済みだ。

 攻撃が通じない場合はわざと貴族達の元へ行き貴族達を囮に使い逃げ延びる手段を使う。
 卑怯だが仕方ない。俺が死ぬ訳にはいかないからだ。
 貴族達も自分達が産まれてきた理由が分かって喜ぶに違いない。

 貴族達の犠牲を無駄にしない為にも俺は生き延びる。

 魔族達へ向かう前に貴族達の方へ向き頭を下げて呟く。
 「南無……」

 別れの挨拶は済んだ。
 俺達の間に長々と別れを惜しむ友誼は存在しない。これで終わりだ。

 魔族達の動きはまだないが更に数が増しているようだ。『気配察知』で解る反応を確かめるのもバカバカしくなる程の軍勢。

 目を瞑っても当たると思える程だがまだ攻撃はしない。
 生け贄要員ではあるが生け贄確定ではない。上手く誘導出来れば貴族達とは反対方向へ誘えるはずだ。
 幸いにも貴族達と反対方向が風上になっている。こちらから攻撃を開始すれば誘導出来そうだ。

 
 攻撃準備に入る、初撃に使うのはファイヤーウォール。
 火の壁を使う為にイメージする。俺がイメージしたのは壁ではなく波だ。
 火による津波のイメージ。
 高さは生い茂っている木々よりも高く幅は反応範囲全てだ。
 全てを焼き尽くし全てを飲み込む炎の津波。

 「焼き尽くせ!ファイヤーウォール!」

 イメージ通りの炎の波が魔族に向かって動いていく、全てを飲み込み焼き尽くしながら。
 念を入れてもう1発もう1発と魔法を繰り返し発射した。

 3発目の魔法を放った時に「クラッ」ときた。初めての体験だった、これが魔力切れだろうか。
 『忍び足』のスキルは使えるようなのでスキルを使いその場を離れた。

 離れた後に木に登り魔法を放った方を見れば焼け野原が続いていた。
 『気配察知』の反応も疎らになっており物凄い数の魔族を倒したようだ。

 マジックバックから石コロを取り出して疎らな反応に向かう、トドメを刺す為に。

 あれ程見通しの悪かった森も今は見通せるようになっており、彼方此方から煙を上げていた。

 大きな火傷を負い苦しんでいる魔族に対して隠れながら石コロを頭目掛けて投擲をした。

 頭が弾け飛ぶ者や首がヤバイ方向に曲がる者など生き残った魔族を刈り取っていく。
 反応がある個体も僅かなり俺の役目は終わったと判断し貴族達の元へ向かう。

 残った魔力で回復魔法を使えばなんとか全員助ける事が出来そうだと歩き出す。

 たが、貴族達を助ける事は出来なかった。
 風上から風下へ向かう魔法。風を利用した火の壁、火の津波は魔族達ばかりか貴族達をも飲み込んでいた。

 「あれ?おかしいな、いないな」
 何処までも続く焼け野原、そして気付く見慣れた家に。

 「ここに家があるという事は」
 家から貴族達がいた方へ走る、見つけたものは密集して黒焦げになっているモノ。

 「まさか……」
 黒焦げのモノを足で軽く蹴ると……。

 見覚えのある顔、貴族だ。
 俺に文句を言った貴族に間違いない。

 助けるつもりだった。
 生け贄要員でもあった。

 結果は魔族共々俺が殺害してしまった。
 こんな結果は望んで無かった。

 全員助けて恩を売り可愛い女性を紹介して貰うはずだったのに。

 こんな結果になるのなら女性を伝令役に出すんじゃなかったと項垂れる。

 金貨も宝石も餞別に渡してしまったのは失敗だ。
 
 俺はトボトボと肩を落として歩き始めた。 
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