異世界に来たんだから自分の欲望に忠実に生きる!

修ですが

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90話 魔族の再侵攻、逃げ出す勇者

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 盾戦士達の後をつけ暫く歩く。

 勇者を捜す素振りも見せずに進む事かは白装束のスキルは優秀なのだろう。
 後でリストの確認をしようと思った。

 森を抜けて山に向かうようだ。
 流石勇者パーティーの一員である盾戦士達は切り立った崖も難なく進む。

 俺は見付からないように少し離れながら尾行するが進むスピードは速くついて行けるがギリギリだ。

 山頂付近に到達し距離を詰めようとするが盾戦士達の速度は落ちない。

 山頂には古い建物があった、見張り台があり辺りの見渡す事が出来た。
 馬車が2台止まっており物資も詰まれていた。


 「勇者は此処にいるのか?」
 『気配察知』には建物の中に反応が5個あり盾戦士達を含めれば7つにもなる。
 
 「多いな」
 相手の能力が解らないのに5人も相手に出来ないし盾戦士達が裏切る事も考えられるので一旦下がろうとした時に後方に反応が現れた。

 現れた反応は3つで1人は勇者だった。

 「よう!お疲れさん」
 勇者は知人にするように挨拶をし近寄ってきた。
 他の2人はローブを着て顔が見えないが奇妙な杖を持っている事から魔法使いだと推測した。

 そして、建物からも人影が現れて俺は取り囲まれる。

 勇者と違い盾戦士達の手には素手に武器が握られており戦闘準備は済んでいた。

 「裏切ったのか!」
 「初めから裏切っていないわよ」

 白装束は怒鳴り短剣を突きつけてきた。

 前方に勇者を含む3人後方には盾戦士達7人に囲まれた状態では抵抗するだけ無駄だったので俺は両手を上げ膝をつく。

 勇者が口を開く。

 「お前は何者だ?ゴブリン達を使役しているな、魔物使いか?」

 「使役などしていない、彼らとは友好を結んでいるだけだ」
 俺達の間に上下の差はないと言ったが盾戦士が口を挟む。

 「ゴブリン達はお前の事を「主様」と言っていたぞ!」
 それでも使役していないと言うつもりなのか、昨日新たにオークも使役しはじめたと周りの者達に話し始める。

 「魔物を使役して何をする積もりだ?」
 勇者は腰の剣に手を掛けて聞いてきた。

 「何もしない」
 俺は別に何もしないし、する予定も無かった。
 敢えて言うなら俺はこの世界で独りぼっちだ。
 なので居場所が欲しかった、仲間が欲しかった。

 それだけだ。

 勇者に思った事を正直に話した、嘘は言っていないので後から辻褄が合わないと指摘される事も無いだろう。

 「ふん、見え透いた嘘を吐くな」
 勇者の代わりに盾戦士が怒鳴る。

 「もう一度言う、本当の事を言え」
 はじめて勇者が凄んだ、気に入らない答えなら殺すと言っているようだ。

 しかし、本当の事は既に伝えており他の回答を持ち合わせていない。

 どうするかと思った時に頭の片隅に反応が出た。
 1つ2つと反応の数が増えていく。
 俺は意識せずに反応の方向へ『遠見』を使い反応の正体を確かめる。

 「魔力反応!」
 「気を付けて!何か魔法を使ったわよ」
 勇者の隣にいる魔法使いが叫ぶ。

 言葉遣いから女性だろうか。

 「魔物使い!魔法も使えるのか?器用だな」
 勇者は笑う、この人数で囲んでいるのだ余裕なのだろう。

 正体を確かめた俺にも余裕が生まれた事に気付いているのかな?

 上げていた両手を下げ立ち上がり膝についた土を払う。

 「俺も聞きたい事がある」
 此処に来るまで『気配察知』を使用していたが勇者が現れるまで解らなかった、何故だ?スキルかと。

 「教える義理はないが教えてやる」
 勇者の隣の魔法使いが口を開く。
 此方は男性なのか低い声で話しだす。

 「俺は隠蔽のスキルを持っている」
 魔法使いの話しによれば隠蔽は高レベル
で見破る事が出来る者はいないと胸を張る。

 俺は時間を稼ぐ為にもう1つ質問をする為に後に振り向く。

 白装束を指差し聞いた。
 「探知のスキルとはなんだ?」
 俺の気配察知とどう違うのか違いを聞くと。
 白装束は得意げに話し出した。
 無い胸を張る姿に憐れみを覚えたがうんうん、ナルホドと相づちを入れて最後まで聞く。自分のスキルに自信があるのか手振り身振りを交えて話す姿は滑稽だった。

 「どう?解ったかしら」
 つまり、探知のスキルとは捜し物に特化してるらしい、人でも物でも範囲内にあれば確実に捜す事が出来ると。

 俺は疑問に思った事があるので魔法使いに最質問した。

 「向こうはああ言ってるが隠蔽のスキルは探知に劣るのか?」

 魔法使いは顔色を変えて叫ぶ。
 「探知如きでは見破れない」
 
 今度は白装束が怒鳴る
 「ふん、あたしは解ってたわよ」
 白装束は隠蔽は通じて無かったと魔法使いを笑う。

 俺を挟んで2人が険悪になっていく、良い傾向だ。
 時間も稼ぐ事が出来たので本題に入った。

 「お前達に囲まれた時に俺は人生に絶望したが今は神に感謝している」

 「何故なら勇者は王国最強最高の戦士で一緒に居る仲間たちは勇者パーティーだからだ」
 
 勇者を含め全員がポカーンとしており白装束は気が狂ったと言い出した。

 俺は全員を見回し続けて述べる。

 「俺でも気付いたのだお前達は既に気付いているのだろう」

 俺は北を指差し
 「魔族の再侵攻だ!」

 勇者達は息を飲み硬直しながら北を見続けていた。

 「俺はついてる、あの場所に留まっていたら確実に死んでいた」

 勇者達は我に返り口々に喋りだした。

 「なんだ!あの数は」
 「撤退だ、撤退準備!」
 「何処に、何処に向かえば!」

 勇者達は逃げるようだ。
 動転して気付いてないようなので指摘して教えて上げる事にした。

 「逃げたら誰が街を守るんだ?神か?」

 勇者達はピタッと動きを止める。
 「見殺しか、街の住民達は」

 「勇者も自分の命は大事なんだな」
 「神に選ばれた勇者?笑えるな」
 「黙っててやるよ、偽勇者」

 俺の言葉にいちいち反応を見せる勇者達。

 「俺も微量ながら手伝うから一緒に戦ってくれ、街を守ってくれ」

 本来なら勇者達から俺に言う言葉のはずだが言われる前に先に言った。
 
 「俺は罪のない人達を守りたい!」
 勿論、嘘だが勇者達はどうするのかな?
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