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第二章 紫電の剣

act.24 思わぬ報酬

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「じゃあ、その研究所っ行けば何かわかるかもしれないってことか?」
「確約は出来ませんが、可能性の話ございます」
「なぁモニカ……」

 イグナールは母親にねだる子供のようにモニカへと視線を投げる。

「いいわよ、この後に何か予定があるわけじゃないし行きましょうか。それにマキナの話を聞いたらきっと行きたいって言うと思ってたわ。私も興味がないわけじゃないしね」

 あっさりと賛同してくれたモニカ。事前に話を聞いていた彼女には、この展開は予測済みだったようだ。

「でも、その前に明日ギルドに寄って報酬を貰わないと。それからちゃんとしたご飯を食べて、お風呂にはいってからね! イグナールが気絶なんかしちゃうからこんなところで野宿するはめになっちゃったんだから!」

 うーん。マキナのこと以外にも何か忘れているような? そう考え無意識に頬をさするイグナールであった。

◇◇◇

 翌日バージスに戻った彼らは、討伐ギルドへ報酬の受け取りに向かう。

「あら、イグナール様とモーニカ様と……新しいお仲間でしょうか?」

 先日ギルド登録と依頼の対応をしてくれた受付の女性カミラ・ハーラーだ。イグナールとモニカの後ろに付いているマキナを見ている。

「ええ、いろいろとありまして」

 モニカが前に出て対応する。まだマキナの事は伏せておこうという事だろう。そして、スライム討伐の先で、ヒューマン・スライムに遭遇したこと、異常繁殖の原因はそれではないかと説明する。

「まさかそのような事になっていようとは……それは完全にこちら側のミスでございます。しかし、ご無事で何より。お詫びといってはなんですが、ヒューマン・スライムは本来ならAランク相当の魔物……依頼報酬をギルドの方で上乗せさせてください」
「それはありがたいな」

 金欠気味の彼らにとって思っていもいない追加報酬であった。

「それでは、ライセンスをお預かりします」

 2人はギルドで登録したライセンスを取り出し、カミラが持つトレーに預ける。

「それでは確認してまいりますので、少々お待ちください」

 これは1種の記憶結晶であり、討伐した魔物の魔力微量ながら集める性質を持たせている。それを特殊なマジックアイテムで解析し、依頼内容と照らし合わせ、達成の真偽を確かめるのである。

「大変お待たせいたしました。確認が出来ましたのでこちらを」

 しばらくしてカミラがトレーを持って戻ってくる。そこには、預けたライセンスと報酬の金が入っているであろう袋。そして、封書が1枚確認出来る。


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