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第二章 紫電の剣
act.25 団欒?の昼食
しおりを挟む「この封書は?」
イグナールがカミラに尋ねる。
「こちらは先日お話しした、知合いの研究者への紹介所と地図が封入されております」
それでイグナールとモニカはギルド登録のさい話していた古代魔法の研究者の件について思い出した。
「ああ、そうか! 短い間にいろいろあったせいで忘れてたよ」
「すみません。こんなに早く用意して頂いて、ありがとうございます」
イグナールの素直な発言に対して、彼の横腹にモニカが肘鉄を見舞い諭す。
「いえ、お気になさらずに」
受付のカミラは2人に温和な笑顔を向けトレーを差し出す。ライセンスと報酬、雷魔法の手掛りになりうる封書を手にし、受付を後にした。
「さて、報酬も貰ったことだし、ご飯でも食べながら今後の方針を考えましょう」
魔王討伐を目指す多種多様な人々で溢れかえる討伐ギルド。男も女も、人間も亜人も混在する空間であってもメイド服のマキナは目立つ。3人は奇異の目にさらされながらギルドを後にする。
◇◇◇
「なんだかすごい見られてた気がするな」
「まあ、討伐ギルドにメイドを連れたパーティなんて目立つでしょ」
最早常連となりつつある大衆食堂で食事を取りながら話すイグナールとモニカ。4人用の席に陣取った3人。モニカとマキナが並んで座り、モニカの対面にイグナールが座っている。
「マキナはやっぱり普通の飯は食えないのか?」
「はい、私は雷属性の魔力で駆動しておりますのでこういった形でエネルギー補給をすることは出来ません」
予想はしていたがやっぱりか……そうなると、彼女のエネルギー補給のたびにアレをしないといけないのか。
彼女がエネルギー補給と称した行為を思い出し、なんともいえない表情を浮かべるイグナール。
「マキナのその……魔力の補充ってああいうやり方しかないのか?」
その言葉にピクリと反応するモニカだったが、黙々と食事を続ける。
「いえ、経口での強制吸引はあくまで緊急だったための対処でございます。私に魔力放出を行って頂ければ問題ございません」
イグナールは内心ホッとした。対面で黙々と食べ物を口に運んでいたモニカの表情も和らぐのが見える。
「しかし、イグナール様がご所望であるならば結合での摂取も可能となっております」
その瞬間、水を飲んでいたモニカが盛大に噴き出した。
「おい、モニカ! 何やってるんだよ!」
彼女の口から散布された水はイグナールと彼の昼食を濡らす。
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