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第二章 紫電の剣
act.27 再稼働
しおりを挟む「それで今後の方針なんだが、取りあえずカミラからもらった封書を確認してみようか」
討伐ギルドの受付カミラからもらった封書。そこには彼女の知り合いである古代魔法の研究者の居場所を印た地図と紹介状が入っているはずだ。
モニカがカバンを漁り、封書を取り出す。封蝋を切って中身を確認している。
「うーん、ルイーネか」
「ルイーネって確かまだ全然解明されていない遺跡があるところだよな」
「そうね、作りも頑丈で入り口も閉じたままだからなんの調査もされてないのよね」
バージスからルイーネは途中にある町を経由していくならば、人の脚で5日はかかる。旅支度のためにも金はいる。
「マキナがいう研究所はここから近いのか?」
「はい、平原近くの森の中でございます」
「そんなに近いのか……何故今まで発見されなかったんだ……」
「この付近は魔界と隣接しておりますので、魔王軍から発見されぬよう地の下に建設されており、入り口には特別な認証が必要となっております。それが今まで発見に至らなかった要因かと推測致します」
古代技術で作り上げ、隠した重要拠点。それが今までに発見されなかった理由ではないかとマキナはいう。
「取りあえずの目標はマキナの研究所だな。その後ルイーネへの旅支度を整える」
「そうね、少し遠回りになっちゃうけど……」
モニカはイグナールの顔を心配そうに観察する。それに気が付いたイグナールは表情を和らげ彼女の目を見つめる。
「大丈夫だモニカ。焦っても何もならない。今は自分のことを知って、強くなる。ちゃんとディルクと肩を並べられるくらいにな」
イグナールの言葉に安心したのか、モニカは彼に笑顔を返した。
「さぁ飯を食ったら、風呂だったな」
◇◇◇
食堂での食事を終えた後、モニカの要望通り風呂に入りバージスを出る。向かう先は平原の先にある森の中だ。しばらく歩いてからイグナールは一つの疑問を口にした。
「なあマキナ」
「はい、如何致しましたか?」
「今までマキナがいた研究所はどういう状況だったんだ? どうして最近になって……」
マキナが目覚めて理由である。先日も疑問を持っていたことだが、優先される疑問が多すぎてほったらかしにされていた。
「それは、強い雷属性の魔力を感知し、その余波を吸収したからでございます。研究所が無人になって以降、メモリー、情報を保存するため低電力で稼働しておりました。研究所はその強い魔力の回収を私に命じたのです」
強い雷属性魔力……それはイグナールが平原で試し撃ちした一発に違いない。あれが引き金となって活発的に研究所が動き出したのだと言う。
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