紫電の射手 勇者パーティで無能扱いされて追放しかし、雷に打たれて世界最強の魔法剣士に!

秋水

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第三章 紫電の命運

act.47 驚愕の新情報

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「ここの点がこの研究所の位置でいいのよね?」
「はい。その通りでございます」

 モニカがマキナに確認を取り、羽ペンとインクを取り出し書き足す。モニカは目線を両方の地図で往復させながら研究所と思わしき所在を次々に書き足していく。

「え? これって……」
「どうしたモニカ?」

 一心不乱に作業を進めていた彼女が手を止め、驚愕といった表情をこちらに向けてくる。

「見て! 魔界の中にも点滅してるところがあるの」

 そう言われ、彼女が指さす点と地図を確認する。それは間違いなく魔界と書かれ、詳細がわからない部分上に存在していた。つまり研究所、それに類する拠点が魔界の中にも存在していることを示しているのだ。

 2人は合わせたようにマキナを見る。

「私のメモリーには該当するデータはございません。恐らくこちらの情報もアクセス不可かと思われます」
「詳しくはわからないが、魔界の中にも拠点が存在しているのか……マキナ、念のため調べてみてくれるか?」

 無理を承知でマキナなに調べてもらうようにな頼む。モニカが地図に書き写し終わったことを確認した彼女は無言かつ、無表情で歩み出て調べてくれる。

 ビー!

 先程と同じような警告音を発し赤く光る。マキナの言う通りこの情報も閲覧することは不可のようだ。しかし、魔界内にもここのような拠点の存在が確認出来たことが重要だ。

「これは大きな収穫かもしれないな」

 世界に点在する研究所、拠点の場所を把握することが出来た。自身の力を知る手掛かりが大きく増えたのだ。それだけでも収穫があったと信じよう。

「マキナ、ここで得られそうな情報はもうないか?」

 自分達の基準で未開の遺跡だと思っていたが、ここはマキナにとっては家も同然であり、もっとマキナに指示を仰ぐのが正しい。

「はい、恐らくこれ以上の情報を得るのは難しいかと思われます。この拠点は研究所と言っても私達オートマトンの保管、運用実験をする拠点ですので」
「マキナ以外のオートマトンはいないの? イグナールの魔力があれば、皆動かせると思うんだけども」

 モニカが彼女に尋ねる。マキナの言う事が本当なら彼女以外のオートマトンが大勢いる――保管されている――はずだ。

「私が目覚めた保管庫には1体も残されておりませんでした。彼女達の行方はわかりませんが、恐らく全て存在しないと考えます」

 「彼女達」と言うことはオートマトンは皆女性の姿をしているのだろう。戦いのために造られた人形……もしかするとマキナのようなではなく、彼女と全く同じ人形が複数存在したのだろうか? それは少し、いやかなり怖いな。

 マキナに初めて遭遇した事を思い出し、あのような行為を複数の同じ顔のメイドに迫られると想像すると、2人の見えないところで少し身震いするイグナールであった。
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