11 / 12
11 王城の廊下で
しおりを挟む
私は殿下と共に部屋を後にして、王城の廊下を歩いていました。
お城の外に待たせている馬車へ向かうのを、殿下は見送ってくださるのだというのです。
本当に紳士的な方だわ。
そうして、殿下と2人廊下を歩いていると思いがけない方々に出会いました。
昨日のブランス侯爵家のダンスパーティーの主役である、グスタフ様とエーデルワイス辺境伯様です。
グスタフ様のお姿を見て、ちょっと身体を強張らせてしまった私ですが・・・そんな私の肩を殿下は優しく触れてくれました。「大丈夫だよ」という頼もしいお言葉とともに。
そうよ。私には殿下がいてくださるんだから、大丈夫。
そう思った私は、グスタフ様のお姿をしっかりと見てみました。彼はきまずそうな顔をしながら、内股でお尻を押さえていました。
・・・どうなさったのでしょうか?もしかしたら、おトイレを我慢されているのかしら?
「これは、殿下にクリスティーナ嬢。ちょうど先程、我々の結婚を陛下にお伝えしたところです。昨夜は大変お騒がせしてしまい、申し訳ありませんでした。特にクリスティーナ嬢には、ご不快な思いをさせてしまい、謝罪を申し上げます」
エーデルワイス辺境伯様が私達にそうお声をかけて、頭を下げてこられました。昨夜の口調とはだいぶ異なっておりますが、これが通常のエーデルワイス辺境伯様の口調なのでしょう。その堂々とした立ち振る舞いは、さすが王国の大将軍の地位を拝命されていらっしゃるだけあります。
彼はグスタフ様の頭にも手を当てて、一緒に頭を下げさせていらっしゃいました。やはり、昨日の断罪劇については辺境伯様も殿下と同様に罪悪感があるのかもしれません。彼らは腰まで頭を下げていらっしゃいました。
「頭を上げてくれ、エーデルワイス大将軍。クリスティーナ嬢には私から説明をして理解を得てもらった」
「殿下の言う通りです。どうか頭をお上げになってくださいまし、エーデルワイス辺境伯様」
殿下の言葉に合わせて、私も声をかけさせていただきました。殿下も私も、辺境伯様にしかお声をかけていないのが、ポイントですね。
「お二人とも、お優しい言葉をありがとうございます。私の妻のグスタフについては、私の騎士団で共に騎士として王国にお仕えする所存です」
そのように辺境伯様はおっしゃっていました。
ちなみにですが、辺境伯様がグスタフ様を「妻」と呼んでいるのは、同性同士の結婚の場合に、どちらの籍に入るかによって便宜上の夫か妻かが決まるからです。この場合は、グスタフ様はエーデルワイス辺境伯家の籍に入るという形なので、彼は辺境伯様の妻、という立場になる訳です。
でも、身体を鍛えていないグスタフ様に、騎士なんてつとまるのかしら?
「そうか、グスタフ夫人はこれから大変だろうが、大将軍が伴侶でいてくれるから安心だな。神に真実の愛を誓いあった訳だし」
殿下のお言葉に、辺境伯様は満面の笑みです。対照的に、グスタフ様はムスっとしたお顔ですね。相変わらず、内股でお尻を押さえていらっしゃいます。
「それではお二方、これにて失礼いたします」
そう言って、辺境伯様はグスタフ様の肩に手を添えて行ってしまいました。結局グスタフ様は一言も言葉を発しませんでしたが・・・そう思っていたら、後ろからお二人の会話が聞こえました。
「うふふふ♡昨日はとっても熱い夜だったわね♡今夜も一晩中寝かさないからね♡ダーリン♡♡♡」
「ひ、ひぃぃぃぃ!」
お城の外に待たせている馬車へ向かうのを、殿下は見送ってくださるのだというのです。
本当に紳士的な方だわ。
そうして、殿下と2人廊下を歩いていると思いがけない方々に出会いました。
昨日のブランス侯爵家のダンスパーティーの主役である、グスタフ様とエーデルワイス辺境伯様です。
グスタフ様のお姿を見て、ちょっと身体を強張らせてしまった私ですが・・・そんな私の肩を殿下は優しく触れてくれました。「大丈夫だよ」という頼もしいお言葉とともに。
そうよ。私には殿下がいてくださるんだから、大丈夫。
そう思った私は、グスタフ様のお姿をしっかりと見てみました。彼はきまずそうな顔をしながら、内股でお尻を押さえていました。
・・・どうなさったのでしょうか?もしかしたら、おトイレを我慢されているのかしら?
「これは、殿下にクリスティーナ嬢。ちょうど先程、我々の結婚を陛下にお伝えしたところです。昨夜は大変お騒がせしてしまい、申し訳ありませんでした。特にクリスティーナ嬢には、ご不快な思いをさせてしまい、謝罪を申し上げます」
エーデルワイス辺境伯様が私達にそうお声をかけて、頭を下げてこられました。昨夜の口調とはだいぶ異なっておりますが、これが通常のエーデルワイス辺境伯様の口調なのでしょう。その堂々とした立ち振る舞いは、さすが王国の大将軍の地位を拝命されていらっしゃるだけあります。
彼はグスタフ様の頭にも手を当てて、一緒に頭を下げさせていらっしゃいました。やはり、昨日の断罪劇については辺境伯様も殿下と同様に罪悪感があるのかもしれません。彼らは腰まで頭を下げていらっしゃいました。
「頭を上げてくれ、エーデルワイス大将軍。クリスティーナ嬢には私から説明をして理解を得てもらった」
「殿下の言う通りです。どうか頭をお上げになってくださいまし、エーデルワイス辺境伯様」
殿下の言葉に合わせて、私も声をかけさせていただきました。殿下も私も、辺境伯様にしかお声をかけていないのが、ポイントですね。
「お二人とも、お優しい言葉をありがとうございます。私の妻のグスタフについては、私の騎士団で共に騎士として王国にお仕えする所存です」
そのように辺境伯様はおっしゃっていました。
ちなみにですが、辺境伯様がグスタフ様を「妻」と呼んでいるのは、同性同士の結婚の場合に、どちらの籍に入るかによって便宜上の夫か妻かが決まるからです。この場合は、グスタフ様はエーデルワイス辺境伯家の籍に入るという形なので、彼は辺境伯様の妻、という立場になる訳です。
でも、身体を鍛えていないグスタフ様に、騎士なんてつとまるのかしら?
「そうか、グスタフ夫人はこれから大変だろうが、大将軍が伴侶でいてくれるから安心だな。神に真実の愛を誓いあった訳だし」
殿下のお言葉に、辺境伯様は満面の笑みです。対照的に、グスタフ様はムスっとしたお顔ですね。相変わらず、内股でお尻を押さえていらっしゃいます。
「それではお二方、これにて失礼いたします」
そう言って、辺境伯様はグスタフ様の肩に手を添えて行ってしまいました。結局グスタフ様は一言も言葉を発しませんでしたが・・・そう思っていたら、後ろからお二人の会話が聞こえました。
「うふふふ♡昨日はとっても熱い夜だったわね♡今夜も一晩中寝かさないからね♡ダーリン♡♡♡」
「ひ、ひぃぃぃぃ!」
105
あなたにおすすめの小説
【短編】お姉さまは愚弟を赦さない
宇水涼麻
恋愛
この国の第1王子であるザリアートが学園のダンスパーティーの席で、婚約者であるエレノアを声高に呼びつけた。
そして、テンプレのように婚約破棄を言い渡した。
すぐに了承し会場を出ようとするエレノアをザリアートが引き止める。
そこへ颯爽と3人の淑女が現れた。美しく気高く凛々しい彼女たちは何者なのか?
短編にしては長めになってしまいました。
西洋ヨーロッパ風学園ラブストーリーです。
ざまぁを回避したい王子は婚約者を溺愛しています
宇水涼麻
恋愛
春の学生食堂で、可愛らしい女の子とその取り巻きたちは、一つのテーブルに向かった。
そこには、ファリアリス公爵令嬢がいた。
「ファリアリス様、ディック様との婚約を破棄してください!」
いきなりの横暴な要求に、ファリアリスは訝しみながらも、淑女として、可憐に凛々しく対応していく。
【完結80万pt感謝】不貞をしても婚約破棄されたくない美男子たちはどうするべきなのか?
宇水涼麻
恋愛
高位貴族令息である三人の美男子たちは学園内で一人の男爵令嬢に侍っている。
そんな彼らが卒業式の前日に家に戻ると父親から衝撃的な話をされた。
婚約者から婚約を破棄され、第一後継者から降ろされるというのだ。
彼らは慌てて学園へ戻り、学生寮の食堂内で各々の婚約者を探す。
婚約者を前に彼らはどうするのだろうか?
短編になる予定です。
たくさんのご感想をいただきましてありがとうございます!
【ネタバレ】マークをつけ忘れているものがあります。
ご感想をお読みになる時にはお気をつけください。すみません。
聖女だけど婚約破棄されたので、「ざまぁリスト」片手に隣国へ行きます
もちもちのごはん
恋愛
セレフィア王国の伯爵令嬢クラリスは、王太子との婚約を突然破棄され、社交界の嘲笑の的に。だが彼女は静かに微笑む――「ざまぁリスト、更新完了」。実は聖女の血を引くクラリスは、隣国の第二王子ユリウスに見出され、溺愛と共に新たな人生を歩み始める。
断罪するならご一緒に
宇水涼麻
恋愛
卒業パーティーの席で、バーバラは王子から婚約破棄を言い渡された。
その理由と、それに伴う罰をじっくりと聞いてみたら、どうやらその罰に見合うものが他にいるようだ。
王家の下した罰なのだから、その方々に受けてもらわねばならない。
バーバラは、責任感を持って説明を始めた。
貧乏令嬢の私は婚約破棄されたので、優雅な生活を送りたいと思います。
coco
恋愛
「お前みたいな貧乏人は、もういらない!」
私との婚約を破棄し、金持ちの女に走った婚約者。
貧乏だなんて、いつ私が言いました?
あなたに婚約破棄されたので、私は優雅な生活を送りたいと思います─。
【完結】「お前に聖女の資格はない!」→じゃあ隣国で王妃になりますね
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【全7話完結保証!】
聖王国の誇り高き聖女リリエルは、突如として婚約者であるルヴェール王国のルシアン王子から「偽聖女」の烙印を押され追放されてしまう。傷つきながらも母国へ帰ろうとするが、運命のいたずらで隣国エストレア新王国の策士と名高いエリオット王子と出会う。
「僕が君を守る代わりに、その力で僕を助けてほしい」
甘く微笑む彼に導かれ、戸惑いながらも新しい人生を歩み始めたリリエル。けれど、彼女を追い詰めた隣国の陰謀が再び迫り――!?
追放された聖女と策略家の王子が織りなす、甘く切ない逆転ロマンス・ファンタジー。
醜さを理由に毒を盛られたけど、何だか綺麗になってない?
京月
恋愛
エリーナは生まれつき体に無数の痣があった。
顔にまで広がった痣のせいで周囲から醜いと蔑まれる日々。
貴族令嬢のため婚約をしたが、婚約者から笑顔を向けられたことなど一度もなかった。
「君はあまりにも醜い。僕の幸せのために死んでくれ」
毒を盛られ、体中に走る激痛。
痛みが引いた後起きてみると…。
「あれ?私綺麗になってない?」
※前編、中編、後編の3話完結
作成済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる