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第0章

プロローグ

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 この世界には大きく分けて十五の国がある。
 その内の三つは現在、人が住んでいるかは不明である。
 一つはかつて迷宮王国と呼ばれたがある日突然地下深くにと沈んでしまった国。
 もう一つは遥か上空を今もなおゆっくりと移動している天空の島。そこには天人族が住んでいるという噂がある。
 そして最後の一つは世界中の大陸が囲んでいる海の中央にある、今は滅んでしまったが、魔人族と呼ばれていた種族が支配していた、不毛と化した古の魔大陸。

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 この世界ではほとんどの国の人間が十五歳になるその年に『祝福の儀』という『ジョブ』と『スキル』を『神』から授かる儀式を教会で行う。
 『剣術』や『魔法』も『ジョブ』と『スキル』が無ければ使いこなせない。
 そして貴族などの上流階級になればなるほどその結果で今後の人生が決まると言っても過言ではない。地位も名誉も職種も役職もすべて……。だから人々は願う。
 神様どうか『外れ・・スキル』だけは授けないで下さい――。

 しかし願いが届かず『外れスキル』を授かった者達は『祝福の儀』の事を『呪詛の儀』と呼び、『神』や虐げる人を憎み離れて行こうとする。

 だが『神』の悪戯か『外れスキル』を持つ者は『外れスキル』を持つ者とひかれ合うのだった。果たしてそれは本当に自分の意志なのだろうか――。
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