追放、ざまぁ、外れスキル!それがデスゲームへの参加チケットだった。~僕が一番外れスキルをうまく使えるんだ!

猫出R

文字の大きさ
51 / 55
第四章 俺様の外れスキルは【四死】 ~獣人国レオのレグルスの場合

第04話 二回戦(ざまぁ回その壱)

しおりを挟む
「みにあぁぁっぁぁさま、お待たせしたにゃぁぁぁ! 舞台の床の修理も終わったにゃあ『獣王祭じゅうおうさい』再開にゃあぁぁぁ!」

 ワー ワー ワー ワー

「では早速始めるにゃあ。第二試合は第一試合で圧勝した金獅子族代表レグルス坊ちゃま事レグルス選手にゃぁあああ」

「うぉぉぉぉ、レグルス坊ちゃまの雄姿がまた観られる、もしかして勝ち抜き戦になったのはその為では? とにかくがんばってくだせぇぇぇぇ」

 いや、勝ち抜き戦になったのは――あれ? ある意味合っているのか。

「そして対戦相手は先祖が東にある小さな島国出身の風馬ふうま族キタルファ選手にゃああああ。両選手は舞台へ上がるにぁぁぁぁあ!」

 ワー ワー ワー ワー

 俺様は舞台へ上がり対戦相手の2mはありそうなキタルファを見あげた。昔城で何度か見た事のある顔だ。そして親父の毒殺に加担した裏切り者の一人。その褒美で大臣になった男。後は良く分からないが確か『忍者』というものを生業としているらしい。

「レグルス殿、お久しぶりでござるな、拙者の事は覚えておいででござるかな?」

「ああ勿論だよ、裏切り者のキタルファ大臣」

「……そうでござる、拙者は裏切り者でござる」

「まあ俺様は親父の事は別に好きじゃなかった、むしろ考え方が甘すぎる親父の事は嫌いだったよ、ほら見た事かとお前達みたいな奴に寝首をかかれたろ。が、それとこれとは話が別だ『獣王祭じゅうおうさい』で卑怯な真似をしたお前達には『いにしえの掟』に従い死んでもらう、本気で行くぞ」

「望む所でござる、だが拙者も一族の為にそう簡単にはやられないでござるよ」

「ああそれでいい、これで最後なんだから悔いが残らない様に全部出しきれよ」

「随分自信があるのでござるな」

「ん? そうでもないさ。俺様のスキルは外れスキルだよ。最強だけどな!」

「では第二試合ぃぃぃぃ始めにゃぁぁぁぁぁ!」

「行くでござるよ、本来なら風馬一族に代々伝わるスキルはこのような表舞台では見せないのでござるが――『風馬烈風ふうまれっぷうの術』」

 キタルファは大きく息を吸い、右手で片方の鼻の穴を押さえる。そしてもう片方の鼻の穴から俺様に向けて物凄い突風を吹き出した。

「残念だったでござるな、信じてはいないがレグルス殿のスキル『不死身』は対策済みでござる。このまま場外まで吹き飛ばすでござる――なっ!? なぜ?」

 しかし俺様はびくともしない。俺様の右足は床の石畳を壊し膝近くまで埋まっている。そうここは一回戦でアルネブが穴を空けた場所。当然修復したが試合を急いだ為にまだ完全に固まっておらず、俺様の一蹴りでまた破壊された。

 審判の猫又の顔をチラリと見ると『えぇぇ嘘にゃあ……』という引きつった顔をしていた。

「だ、だがそのままでは動けないでござるぞ、喰らえ『風馬高車馬落ふうまこうしゃばおとしの術』」

 キタルファは高く飛び上がると空中でボンッと膨れ上がり倍の大きさの体になった。見えている肌も鉄の様な色になっている。そしてそのまま全体重を乗せて俺様の頭上から落ちて来た。

「これは空気を吸って体を大きくしたわけではないでござるよ、筋肉を一時的に増やし体毛も鋼鉄化させたのでござる。そして重さは数倍になっているでござるよ」

 グシャと音をたて俺様は潰された。石畳に俺様の血が飛び散る。

 キャー 坊ちゃまぁぁぁ うわーー

 コロシアム中に悲鳴がこだまする。

「……あっけなかったでござる」

 キタルファは鋼鉄化状態を解除する。と同時にキタルファの身体が持ち上がり場外に向けて投げ飛ばされた。

「な、このままでは、ふ、『風馬高車馬落ふうまこうしゃばおとしの術』」

 キタルファは体を重くして投げ飛ばされた勢いを殺し石畳の上に落ちた。間一髪で場外負けをしのいだ。

 ワァー 坊ちゃまぁぁぁ うぉーーー

 今度はコロシアム中に歓喜がこだまする。

 キタルファの視線の先には潰れて死んだと思われた俺様が無傷で立って要る。

「な、なんで生きているでござるか? ほ、本当に『不死身』でござるのか?」

「なんだ嘘だと思っていたのか?」

 嘘だけど――それにしても思わす場外に落とすところだった。そんな勝ち方はダメなんだよ。

「くっ、ならば、『風馬四馬身ふうまよんばしんの術』」

 なんとキタルファは四体になった。そして一斉に俺様に襲い掛かって来た。

「へー面白いスキルだな、幻術のたぐいか?」

 襲い掛かって来るキタルファを殴りつける。するとポンッと煙のように消えた。二体、三体と殴っていくが煙となって消える、最後の四体目を殴る、やっと手応えがあった。

「ぐはっ」、キタルファは吹っ飛んで行った。

「さて、次はどんなスキルを見せてくれるんだい」

 俺様は挑発する、強化して居られる時間が後三分しかないからだ。

「……仕方がないでござる、このスキルは『獣魔化』以上に強化されるが理性もそれ以上に無くなるので余り使いたくなかったでござるが――『風馬牛頭馬頭ふうまごずめずの術』」

 またキタルファは増えたが先程より少なく、たったの二体。しかし二回りほど大きくなり顔つきも体つきも今までとは違い獣に近く荒々しくなっている――いや違うよく見たら片方の顔はだった……。

「おい、そっちの一体は牛なんだが?」

「フー、フー」

 しかし今までとは違いキタルファは俺様と会話をする気は無いようだ。そして二体同時に襲い掛かって来た。先程とは違い殴りつけても二体とも手応えがあった。動きも早いし防御力もそれなりにあるようだ、いや痛覚が鈍くなっているのか?

「そのスキルは幻術のたぐではいないって事か、『獣魔化』した二体の獣人を相手にしているって考えた方がいいのかな?」

 当然キタルファは何も答えず俺様に襲い掛かって来る。涎を垂らしながら――もう理性が無くなっているのか、これ元に戻れるのか?

「『視死しし』」

 一度死んだことにより使用可能になった“相手の弱点や攻略方法が分かる”スキルを使う。すると俺様の前に文字が浮かび上がる。【牛頭か馬頭どちらか片方倒せばスキルの能力は切れ元に戻る】と。

 なるほど、時間が無いとっとと片付けよう。

 俺様は突進してきた牛頭の方をジャンプで躱し反転してそのまま肩の上にまたがる。そして二本の角を持ち時計回りに全体重をかけ力任せにひねった――グギッと嫌な音がして牛頭の頭部がだらんと垂れる。牛頭は数歩進んだ後倒れ、そして消えた。

 もう片方の馬頭を見ると元のキタルファの姿に戻っていた。

「はぁ、はぁ」

 『獣魔化』と一緒でよっぽど体力と精神力を削られるんだろうな、肩で息をしていた。さて時間が無い、急ぐか。

 俺様は片膝を付いているキタルファの顎を思いっきり真上に蹴り上げた。仰け反る様に俺様の目の前に背中から落ちて来たキタルファの心臓辺りを狙って鋭い爪で貫いた。

「さよならだ、キタルファ」

「ぐばぁ、レ、レグルス殿……風馬族の罪は拙者が全部……」

 キタルファは今にも消えそうな声で俺様に悲願してきた。

「……ああ、いいだろう、死にゆく者の頼みだ」

「かたじけないで……ござる」

 空中で一度落下が止まったキタルファから俺様の右手を抜くとそのまま舞台の上に仰向けのまま倒れ石畳を血で染めた。キタルファの顔を見るとまるで憑き物でも落ちたような晴れやかな顔をしていた……。

 観客からは悲鳴が上がるが気にせず俺様は審判を見る。俺様と目が合った猫又のお姉さんは慌て近寄って来てキタルファだったものを確認する。

「……にゃぁぁぁぁ キタルファ選手の死亡を確認したにゃあ……試合終了にゃあ、これにより二回戦勝者も金獅子族のレグルス坊ちゃん選手にゃぁあああ!」

 ワー ワー ワー ワー
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル『自動販売機』を授かって婚約破棄されましたが、 実は回復薬も魔力食も出せる最強スキルでした

暖夢 由
ファンタジー
十八歳の成人儀式で授かったのは、誰も聞いたことのない《自動販売機スキル》。 役立たずと嘲られ、婚約者レオンには即座に婚約を破棄され、人生が崩れ落ちたように思えた。 だがそのスキルには、食べ物を作り、摂取すれば魔力を増やし、さらに“治癒効果”を付与できるという隠された力があった。 倒れた母を救い、王都の名門・ヴァルセイン伯爵夫人を救ったことで、カミーラは“呪詛”という闇の存在を知る。伯爵邸で出会った炎の力を持つ公爵家次男レグナスとの出会いが、彼女の運命を大きく変えていく。 やがて王都全体に“謎の病”が蔓延。カミーラは治癒スープの炊き出しを行い、人々を次々と回復へ導く。 一方、病の裏で糸を引いていたのは………。 “無価値”と嘲られたスキルが、いま世界を癒し、未来を照らす光となる――。

暗算参謀は王国を追放される――戦わずして勝ち続けた男の失脚譚――

まさき
ファンタジー
現代日本から異世界へ転生した主人公。 彼に与えられた唯一の能力は、瞬時にあらゆる数値を弾き出す「暗算」だった。 剣も魔法も使えない。 だが確率と戦略を読み解くことで、王国の戦を幾度も勝利へ導いていく。 やがて王国の戦略顧問として絶大な信頼を得るが、 完璧すぎる功績は貴族の嫉妬を招き、巧妙な罠により不正の罪を着せられてしまう。 証明できぬ潔白。 国の安定を優先した王の裁定。 そして彼は、王国を追放される。 それでも彼は怒らない。 数字は嘘をつかないと知っているからだ。 戦わずして勝ち続けた参謀が、国を去るその日までを描く、 知略と静かな誇りの異世界戦略譚。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。 ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。 王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。 なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。 自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。 11月14日にHOT男性向け1位になりました。 応援、ありがとうございます!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

無能と追放された結界師、三十路のおっさんですが17歳の辺境伯令嬢と婚約して人生逆転します

みかん畑
ファンタジー
無能と蔑まれ、Aランクパーティを追放された結界師フィン。 行き場を失った彼を拾ったのは、辺境伯の娘リリカだった。 国土結界の恩恵が届かない辺境で、フィンの結界は本当の価値を発揮していく。 領地再建、政治の駆け引き、そして少女のまっすぐな想い。 これは無能と呼ばれた男が、辺境で居場所を見つけ、やがて年の差婚へと至る物語。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

私が目覚めたのは断罪劇の真っ最中でした

アーエル
ファンタジー
「今北産業、説明ぷりーず」 「「「…………は?」」」 「今北産業、状況説明ぷりーず」 だれか説明してくださいな ☆他社でも公開しています

処理中です...