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三章:人付き合いは難しい
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ラスの良い所は、不機嫌な状態が長くは続かないところだ。
ムッとしていたのも少しの間だけで、すぐに普段通りの態度になって私の手を取る。
「今日はどうしたい?」
ぎゅっと手を握り、明るく尋ねるラスに、思わず微笑んでしまう。
『自分で自分の機嫌を取れない男は、ほんっと駄目だよ。男に限った話じゃないけど、めんどくさすぎる』
『モラハラ予備軍だよね。美香も気をつけなよ~。そういう奴に限って、最初は外面がいいんだから』
友人達の懐かしい声を思い出し、その点ラスは大丈夫だな、と勝手に思った。
「なに? 急にニコニコして」
「ううん。ラスは相変わらず可愛いな~と思っただけ」
「可愛いじゃなくて、カッコいいの方がいい!」
「うーん、じゃあ、カッコいい」
「じゃあ、って何だよ」
いつものように肩をぶつけてふざけ合った後、私は最初の質問に答えた。
「もしチェインが来てたら、遠くから様子を見たいの。協力してくれる?」
「……そんなことだろうと思った。まだ気にしてたんだな」
「そんなにすぐに忘れられないよ。ダンさんは元気にしてるって言ってたから、大丈夫だと思うけど」
私の言葉に、それまで黙っていたユーグさんが口を挟んだ。
「もしまだチェインが萎れてたら、どうするの?」
ユーグさんにも一通りの事情は話してある。
その時彼は「巡り合わせが悪かったね」と言っただけだった。
「え……?」
「可哀そうだから、責任取って求婚を受けてあげる?」
「ユーグ!」
彼を咎めようとするラスを制し、私は首を振った。
「彼の気が済むまで謝らないといけないと思うけど、それはないよ。気が楽になるのは私だけで、余計にチェインは傷つく」
「分かってるなら、いいんだ。余計なことだったね、ごめん」
「ううん、気になったことはちゃんと言って貰えた方が助かるよ。ありがとう」
ユーグさんは一瞬辛そうに目を細めたが、すぐに「なら、よかった」と微笑んだ。
町には今日も大勢の人がいた。
ジャンプと雨の間は、いつもこんな風に賑わっているらしい。
チェインを探すのは難しいかもしれないと思ったのも束の間、ラスはすぐに彼を見つけた。
「ミカ、そのまま左向いて。広場の奥のベンチにいる」
「……ほんとだ」
チェインは一人ではなかった。
ベンチに腰掛け、仲間らしき青年達と談笑している。
グループの中には綺麗な女の人もいた。
「よかった……笑ってる」
今チェインが浮かべているのは、最後に見た、あの胸が痛くなるような自嘲の笑みじゃなかった。
楽しそうに何かを言い、女の人に太腿を叩かれてる。
のびのびとした彼の様子に、ようやく心の重石が取れた。
元気そうに見えるからと言って、私のやったことが消えるわけじゃない。チェインの心の中は誰も分からないから。
それでもああして笑っている彼を見ることが出来て、良かった、と心底思った。
「どうする? 挨拶しに行く?」
「ううん、いい。せっかく楽しんでるところに、水差したくないよ」
「そっか。じゃあ、別のとこ回ろう」
ラスは快く了承してくれる。
今度はユーグさんも何も言わなかった。
私達は出店をぐるりと回り、気になるものがないか探すことにした。
他に買い物があるというユーグさんとは一旦別れ、ラスと二人で散策する。
屋台で生絞りのジュースを飲んだり、綺麗な柄の織物を見たりしているうちに、とある出店の前で足が止まった。
店の軒先には、沢山の色糸が並べられていた。
中には絹糸らしきものまである。
「わ~、糸屋さんだ!」
以前来た時は、なかった気がする。
布と一緒に生糸を売ってるお店は見かけたが、色糸を売っている店はなかった。
「いらっしゃい。ジャンプで仕入れてきたばっかりなんだよ。綺麗だろ?」
「はい、すごく! ……欲しいけど、お金足りるかな」
私はまだ通貨の感覚を掴んでいない。値札を確認して、お財布を開く。
懸命にお金を数える私に、ラスは「足りなかったら、俺の分も足せばいいよ」と言ってくれた。
「糸だけ買うの? 布は?」
「糸だけでいいの。雨の間に『組紐』作ろうかな、と思って」
「くみ、ひも?」
「うん、ブレスレットみたいなやつ」
「へえ……よく分かんないけど、面白そう」
「ラスもよかったら、一緒にやろう。久しぶりだから、作り方思い出さなきゃ」
賑やかに話しながら、色糸を選ぶ。
散々迷った後、青と金の糸に決めた。ラスの瞳と髪の色だ。
「ありがとね。これは、おまけ」
店の主人は、オレンジの色糸もつけてくれた。
包装という概念はないので、そのまま受け取り、ワンピースのポケットに大切にしまう。
「あの、またお店出しますか?」
去り際、振り返って尋ねてみる。
主人はにっこり笑って「また仕入れてくるよ」と答えた。
浮き浮きした気分で、出店を後にする。
ダンさん達にドライフルーツのお土産を買ってから、ユーグさんとの集合場所に向かった。
林の入り口が見えてきたところで、ラスが繋いだ手に力を込めた。
「チェインが待ってる」
「え……?」
ラスが、あっち、というように視線を向ける。
その先には、木の幹にもたれるようにして立っている青年の姿が見えた。
「……私じゃない人を待ってるとか、ないよね?」
「ないと思う。さっきから、ずっとミカを見てた」
タリム人は鼻だけでなく、目もいい。
私にはまだチェインの顔もよく見えないが、ラスには見えているのだろう。
「ちょっと行ってくる。ユーグさんと待ってて」
「分かった」
ラスは素直に手を離し、私を送り出してくれた。
手に残る温もりを御守りのように握りしめ、チェインに近づく。
「こんにちは」
たったそれだけの台詞を言うのに、ものすごく勇気が要った。
出店でジュースを飲んだ後なのに喉がカラカラで、掠れた声になる。
チェインはがちがちに固まっている私を見て、ふ、と笑った。
「こんにちは、ミカ。お前から挨拶してくれたの、これが初めてだな」
彼の言葉に、息が詰まる。
自分の無礼さを改めて突きつけられた気分だった。
「ご、ごめん、私――」
「おいおい、責めたわけじゃねーぞ。ただ、そうだな、と思っただけだ。んな青い顔すんなって」
「あ、うん。ごめん……」
「謝るのも、もうなし。謝罪はあん時、ちゃんと聞いたからな。今日は俺が謝る番だ」
チェインはそう言って、勢いよく頭を下げた。
「しつこく付きまとって悪かった」
「ちょ、ちょっと待ってよ! チェインに悪いとこなんてないでしょ!」
悲鳴のような声になる。
チェインは顔を上げ、動転した私を穏やかに見つめた。
「そうか?」
「そうだよ! 私がきっぱり断ってれば、あんなことにはならなかった」
「まあ、こっちの世界じゃそうだな」
チェインは認め、「でもさ」と続ける。
「そっちの世界の男は、空気とやらを読むんだろ? 俺は読めなかった。迷惑がられてることに気づけなかったし、勝手に指輪まで買ってきた。はっきり断んの、きつかっただろうな、って冷静になった後で気づいたよ」
チェインの言葉に、私は何と答えればいいか分からなかった。
空気を読む、という元の世界特有の言葉がチェインの口から出たことに驚いたし、私を気遣ってくれる優しさが意外だったのだ。
「……それ言ったの、ベネッサさんじゃないよね。もしかして、ユーグさん?」
「うん、あの変わりもんの魔法使い。突然うちに来て、俺のやったことがただびとのミカにとってどれほどの負担だったか、まくし立ててった」
他にはいないと思ったけど、まさか本当にユーグさんがそんなことをしたなんて……!
飄々としてるように見えて、実は保護者馬鹿なの!?
擁護してくれたのは嬉しいけど、チェインはものすごく驚いただろうと思うと居た堪れない。
「重ね重ね、申し訳ないです……」
「いや、いいって。言われて初めて気づいたし。だから、これでチャラってこと。次からはお互い普通にしてようぜ」
「……うん」
チェインの申し出はとてもありがたかった。
素直に頷いていいのか迷うほど、私にとって都合がいい。
彼は片眉を上げ、からかうように言った。
「ほんとに分かったのか? 俺を見かけた癖に、遠回りして避けるのもなしだぞ?」
「気づいてたの!?」
「当然。俺が気づいたこと、多分ラスは知ってた」
「ええっ?」
驚きの連続で、まともな言葉が出てこない。
「俺がもう怒ってないことにも気づいただろうに、ミカには言わねえんだから、ほんといい性格してる」
チェインはそう言って苦笑し、「んじゃ、そろそろ行くわ」と歩き始める。
「本当にごめんね……! 望んでくれて、ありがとう!」
精悍な背中に声をかける。
チェインは振り返らないまま、ひらひらと手を振った。
ムッとしていたのも少しの間だけで、すぐに普段通りの態度になって私の手を取る。
「今日はどうしたい?」
ぎゅっと手を握り、明るく尋ねるラスに、思わず微笑んでしまう。
『自分で自分の機嫌を取れない男は、ほんっと駄目だよ。男に限った話じゃないけど、めんどくさすぎる』
『モラハラ予備軍だよね。美香も気をつけなよ~。そういう奴に限って、最初は外面がいいんだから』
友人達の懐かしい声を思い出し、その点ラスは大丈夫だな、と勝手に思った。
「なに? 急にニコニコして」
「ううん。ラスは相変わらず可愛いな~と思っただけ」
「可愛いじゃなくて、カッコいいの方がいい!」
「うーん、じゃあ、カッコいい」
「じゃあ、って何だよ」
いつものように肩をぶつけてふざけ合った後、私は最初の質問に答えた。
「もしチェインが来てたら、遠くから様子を見たいの。協力してくれる?」
「……そんなことだろうと思った。まだ気にしてたんだな」
「そんなにすぐに忘れられないよ。ダンさんは元気にしてるって言ってたから、大丈夫だと思うけど」
私の言葉に、それまで黙っていたユーグさんが口を挟んだ。
「もしまだチェインが萎れてたら、どうするの?」
ユーグさんにも一通りの事情は話してある。
その時彼は「巡り合わせが悪かったね」と言っただけだった。
「え……?」
「可哀そうだから、責任取って求婚を受けてあげる?」
「ユーグ!」
彼を咎めようとするラスを制し、私は首を振った。
「彼の気が済むまで謝らないといけないと思うけど、それはないよ。気が楽になるのは私だけで、余計にチェインは傷つく」
「分かってるなら、いいんだ。余計なことだったね、ごめん」
「ううん、気になったことはちゃんと言って貰えた方が助かるよ。ありがとう」
ユーグさんは一瞬辛そうに目を細めたが、すぐに「なら、よかった」と微笑んだ。
町には今日も大勢の人がいた。
ジャンプと雨の間は、いつもこんな風に賑わっているらしい。
チェインを探すのは難しいかもしれないと思ったのも束の間、ラスはすぐに彼を見つけた。
「ミカ、そのまま左向いて。広場の奥のベンチにいる」
「……ほんとだ」
チェインは一人ではなかった。
ベンチに腰掛け、仲間らしき青年達と談笑している。
グループの中には綺麗な女の人もいた。
「よかった……笑ってる」
今チェインが浮かべているのは、最後に見た、あの胸が痛くなるような自嘲の笑みじゃなかった。
楽しそうに何かを言い、女の人に太腿を叩かれてる。
のびのびとした彼の様子に、ようやく心の重石が取れた。
元気そうに見えるからと言って、私のやったことが消えるわけじゃない。チェインの心の中は誰も分からないから。
それでもああして笑っている彼を見ることが出来て、良かった、と心底思った。
「どうする? 挨拶しに行く?」
「ううん、いい。せっかく楽しんでるところに、水差したくないよ」
「そっか。じゃあ、別のとこ回ろう」
ラスは快く了承してくれる。
今度はユーグさんも何も言わなかった。
私達は出店をぐるりと回り、気になるものがないか探すことにした。
他に買い物があるというユーグさんとは一旦別れ、ラスと二人で散策する。
屋台で生絞りのジュースを飲んだり、綺麗な柄の織物を見たりしているうちに、とある出店の前で足が止まった。
店の軒先には、沢山の色糸が並べられていた。
中には絹糸らしきものまである。
「わ~、糸屋さんだ!」
以前来た時は、なかった気がする。
布と一緒に生糸を売ってるお店は見かけたが、色糸を売っている店はなかった。
「いらっしゃい。ジャンプで仕入れてきたばっかりなんだよ。綺麗だろ?」
「はい、すごく! ……欲しいけど、お金足りるかな」
私はまだ通貨の感覚を掴んでいない。値札を確認して、お財布を開く。
懸命にお金を数える私に、ラスは「足りなかったら、俺の分も足せばいいよ」と言ってくれた。
「糸だけ買うの? 布は?」
「糸だけでいいの。雨の間に『組紐』作ろうかな、と思って」
「くみ、ひも?」
「うん、ブレスレットみたいなやつ」
「へえ……よく分かんないけど、面白そう」
「ラスもよかったら、一緒にやろう。久しぶりだから、作り方思い出さなきゃ」
賑やかに話しながら、色糸を選ぶ。
散々迷った後、青と金の糸に決めた。ラスの瞳と髪の色だ。
「ありがとね。これは、おまけ」
店の主人は、オレンジの色糸もつけてくれた。
包装という概念はないので、そのまま受け取り、ワンピースのポケットに大切にしまう。
「あの、またお店出しますか?」
去り際、振り返って尋ねてみる。
主人はにっこり笑って「また仕入れてくるよ」と答えた。
浮き浮きした気分で、出店を後にする。
ダンさん達にドライフルーツのお土産を買ってから、ユーグさんとの集合場所に向かった。
林の入り口が見えてきたところで、ラスが繋いだ手に力を込めた。
「チェインが待ってる」
「え……?」
ラスが、あっち、というように視線を向ける。
その先には、木の幹にもたれるようにして立っている青年の姿が見えた。
「……私じゃない人を待ってるとか、ないよね?」
「ないと思う。さっきから、ずっとミカを見てた」
タリム人は鼻だけでなく、目もいい。
私にはまだチェインの顔もよく見えないが、ラスには見えているのだろう。
「ちょっと行ってくる。ユーグさんと待ってて」
「分かった」
ラスは素直に手を離し、私を送り出してくれた。
手に残る温もりを御守りのように握りしめ、チェインに近づく。
「こんにちは」
たったそれだけの台詞を言うのに、ものすごく勇気が要った。
出店でジュースを飲んだ後なのに喉がカラカラで、掠れた声になる。
チェインはがちがちに固まっている私を見て、ふ、と笑った。
「こんにちは、ミカ。お前から挨拶してくれたの、これが初めてだな」
彼の言葉に、息が詰まる。
自分の無礼さを改めて突きつけられた気分だった。
「ご、ごめん、私――」
「おいおい、責めたわけじゃねーぞ。ただ、そうだな、と思っただけだ。んな青い顔すんなって」
「あ、うん。ごめん……」
「謝るのも、もうなし。謝罪はあん時、ちゃんと聞いたからな。今日は俺が謝る番だ」
チェインはそう言って、勢いよく頭を下げた。
「しつこく付きまとって悪かった」
「ちょ、ちょっと待ってよ! チェインに悪いとこなんてないでしょ!」
悲鳴のような声になる。
チェインは顔を上げ、動転した私を穏やかに見つめた。
「そうか?」
「そうだよ! 私がきっぱり断ってれば、あんなことにはならなかった」
「まあ、こっちの世界じゃそうだな」
チェインは認め、「でもさ」と続ける。
「そっちの世界の男は、空気とやらを読むんだろ? 俺は読めなかった。迷惑がられてることに気づけなかったし、勝手に指輪まで買ってきた。はっきり断んの、きつかっただろうな、って冷静になった後で気づいたよ」
チェインの言葉に、私は何と答えればいいか分からなかった。
空気を読む、という元の世界特有の言葉がチェインの口から出たことに驚いたし、私を気遣ってくれる優しさが意外だったのだ。
「……それ言ったの、ベネッサさんじゃないよね。もしかして、ユーグさん?」
「うん、あの変わりもんの魔法使い。突然うちに来て、俺のやったことがただびとのミカにとってどれほどの負担だったか、まくし立ててった」
他にはいないと思ったけど、まさか本当にユーグさんがそんなことをしたなんて……!
飄々としてるように見えて、実は保護者馬鹿なの!?
擁護してくれたのは嬉しいけど、チェインはものすごく驚いただろうと思うと居た堪れない。
「重ね重ね、申し訳ないです……」
「いや、いいって。言われて初めて気づいたし。だから、これでチャラってこと。次からはお互い普通にしてようぜ」
「……うん」
チェインの申し出はとてもありがたかった。
素直に頷いていいのか迷うほど、私にとって都合がいい。
彼は片眉を上げ、からかうように言った。
「ほんとに分かったのか? 俺を見かけた癖に、遠回りして避けるのもなしだぞ?」
「気づいてたの!?」
「当然。俺が気づいたこと、多分ラスは知ってた」
「ええっ?」
驚きの連続で、まともな言葉が出てこない。
「俺がもう怒ってないことにも気づいただろうに、ミカには言わねえんだから、ほんといい性格してる」
チェインはそう言って苦笑し、「んじゃ、そろそろ行くわ」と歩き始める。
「本当にごめんね……! 望んでくれて、ありがとう!」
精悍な背中に声をかける。
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