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第1幕~林の町にて、、先行く二人、雨揺らぎ騒林追うは一人と、また一人
さて…道が険しい事が分かってしまいましたね。剣気…ですか
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ダンジョンマップに記される、踏み慣らされた本道をやや外れ、行く。
途中、鉢合った【パライズマッシュ】
サクイヤのパッドショルダーを向けた突進の衝撃を受け、まず一体。
反応が遅れたらしいキノコ達に、斬り込むルルヒラの斬撃に、次いで二体。
二人を追う、宙に浮かび漂うドクロの体当たりを受け、両目部分の窪みから続く火吹きは、ユエリの操気で操作されたもの。
それで、三体目となった。
「なるほどねえ、、
魔銀で浮力を受け、内臓された火応石によって、、
かしら?」
【魔銀】は士官教習所では、【外気法】の訓練で行われる【念動】の操作でも使われる。
【魔銀】に操気を流し込み、【念動】によって浮力を受けているらしい。
そして、【気応石】の一種、【火応石】だ。
【火応石】に流し込まれた【火操術】の操気によって、ドクロの両目の穴からの火吹きを可能としているらしかった。
ユエリはドクロを旋回させ、火輪となったドクロで、パライズマッシュを火炙っていく。
ルルヒラ、サクイヤは既に跳ねるキノコ達を、もう数体屠っている所だ。
「ふふ…上手く扱えてますね?
それでこそ、お譲りした甲斐もあります」
そこに、ちょうどまた鉢合わせてしまったらしい、【ダブルホーン・ラビット】三体の奇襲があったが、突進する兎の顎を踵ですくい上げ、振り向き様に片刃斧を斬り上げる。
後に続こうかという、兎が二体。
「んー、確か、、
破損は問わない、だったな?」
駆ける兎を足裏で抑えつけ、並走していたもう一匹の背に剣を一突き。
そのまま、剣から手を離し、もがくもう一匹の二本ツノを抑え、ゴキリ…と首の折れる音だ。
【フォリンズの種火】から発注されたらしい依頼、〈骨のある魔物の骨〉の条件に、ダブルホーン・ラビットは一致する。
「幸先いいわね
、、で、コダチリ草はどっちよ?」
三人は大袋を取り出し、キノコ、兎と分けていく。
屠った数は、兎が三、キノコが八、と合わせて十一体だ。
「そうですね…すぐそこですよ?」
サクイヤが示した方角は、雑草生い茂っているのは分かったが、コダチリ草の有無までは分からない。
「あっちね?
ルルヒラ、あれ貸して」
「んー、これか?」
取り出したのは、【望遠レンズ・モノクル】だ。
「あ…それって、、
アーティファクトですよね?
確か遠見の…」
軽く驚いた表情のサクイヤだ。
やはり、工房長の娘でも驚くほどの一品なんだろうか?
「お二人とも…それはダンジョンで?」
「んー、以前な
教習所の実地講習の時、見つけてな?」
「なるほど…希少品ですよ、それ、、
以前、他の冒険者の方が使ってたの見た事あります…」
ダンジョンで時折見つかる【アーティファクト】には、有用性の高さから、数少ないながらもよく知られたものもあるとの事だった。
【望遠レンズ・モノクル】は、そんな知る人ぞ知る、名品の内の一つらしい。
「ふうん?有名なのね、これ、、」
片眼鏡に手を当て、雑草茂る方角を見やっている。
「ああ、ギザ葉のやつよね?
背の高い、、」
「そうですよ…コダチリ草ですね」
遠見に見えるのは、太い茎に長細いギザ葉だ。
背が高く、立ち並ぶ様が木立に似ている事から【コダチリ草】と呼ばれるらしい。
この《ニチリア、西の深木林》に、ほど近い町ではよく食卓に上るとの事だった。
「あー、行くか」
キノコ、兎の回収も終え、コダチリ草の密生地帯へ足を運ぶ。
「んー、組合支給の大袋だったな」
「ですね…根が深いので、、
こう抑えて…茎の根元を切るんですよ
根があれば、またすぐ生えてきますので」
冒険者組合から支給された大袋に、コダチリ草を放り込む。
「ふうん?なるほどね
それじゃ、試し切りといこうかしら?」
言って、腰の短刀。
刀身が半円を描くショテルダガーを専用の丸鞘から、引き抜く。
サッとしゃがみ、茎を片手に根元を切る様は、何故か雑草取りの日常の風景にそっくりだ。
有り体に言えば、地味な作業だった。
剣を片手に、コダチリ草を掴み、切る、ルルヒラ。
腰をやや屈め、片手斧の先端を引っ掛けるように、切っていくサクイヤ嬢。
対して、一人しゃがみ、草刈りの主婦の趣きさえ漂ってくるユエリだった。
「んー、地味だな、、
なんかこう、な?」
「うっさいわ?まったく、、
労働の格差に異議あり、よ、、
もう、、」
ブツブツ小言が多いのは、作業の効率がそのまま、得物の刃渡りの長さに比例するからだ。
ただ、慣れている手付きのサクイヤは、決して長いとは言えない片手斧で、器用にもサッサッと一振り二振りする度に、この長い雑草を倒していく。
それを傍目にすれば、小言が多くなるのも多少、頷けた。
「ふふ…どうしたんです?
手が止まってますね?」
そう言って、雑草へとユエリをけしかける。
このサクイヤ嬢、案外と言うか既に薄々察している事だったが、あざとい。
「んー、そういえば、、
ここならいいか、、
見たいと言っていたな?」
そう言って、ルルヒラは二人を後方へ下げさせ、剣を構える。
「え…剣気ですか?
ここで?」
腰を屈め、【内気法】により、気穴を巡らせた気が彼の周囲の景色を揺らめかせる。
空気から伝わる微熱が、彼の気の充足を右手に持つ剣へと伝えていた。
そのまま、剣を一つ、軽く薙いだだけだ。
空気の揺らめきが、射程内に立ち並ぶコダチリ草を、そよぐ。
直後、微風に煽られたコダチリ草は、ゆっくりと端から綺麗に寝転んでいった。
非常に彼らしいと言える、ごく自然な【剣気】は目視ではっきりとは確認出来ないものの、僅かな空の揺らめきから凄味を感じ取れる。
「す…凄いですね、、
やはり…ちゃんと使えたんですね」
サクイヤが昨日、彼に対して確信した通りの…彼女が初めて見る、真っ当な【剣気】だった。
「そりゃ、使えるわよねえ
ルルヒラ?
、、でも、やっぱり過剰じゃないかしら?」
「んー、少し切り過ぎたか?
確か、大袋一つにつき、だったな」
些か呆然としているサクイヤは、やや反応が遅れながらも答える。
「あ…そうですよ
この分だと、大袋に四つ分ぐらいですか
少し、多かったですね?」
「んー、やはりな、、
気の引き締めが少し、甘かったか、、」
独白しつつ大袋を手に、コダチリ草を詰めていく。
「でも…やはり、凄いですよ
…使える人いたんですね、ルルヒラさん」
「まあ、確かに少ないわよね、、
教習長にあんた、それとガズイ、、
ああ、教官にも居たわ、そういえば、、」
《ニチルイン王立士官候補生学術教習所》で、二人が在学中、【剣気】を扱えたのは思い出せるだけで、たったの数人だ。
他は無理に使おうとして、酷い場合だと自身の腕を半ばまで切断してしまうような、そんな例もあった。
通常は【内気法】での、【身体強化】で徐々に徐々に…と、体の気穴に気が巡るのを馴らしてから、ようやく扱える極意のようなものだ。
「少し…聞いてもいいですか?」
「んー、剣気か?」
「はい…一体どうやれば、あの様に?」
聞き、少し考え込む風のルルヒラだ。
「んー、身体強化は出来るな?」
「はい…こうですよね?」
彼女の脚部が揺らめきを纏い、高く跳躍する。
真上の木の枝を掴み、しばらくぶら下がったあと、手を離し自然落下する。
「あー、それをだな
全身でやるんだ、、
、、で、だ」
彼の全身を、先ほどと同じく揺らめきが周囲の景色ごと覆った。
「、、安定させる、、
な?」
揺らめきは止み、彼の気の微熱が伝わってくる。
【身体強化】を一瞬ではなく、恒久的に持続させる。
見れば、ユエリも【身体強化】で、周囲が多少だが、揺らいでいる。
「苦手なのよねえ、、
固定するの、こうして、ううん、、」
彼女の【身体強化】はすぐ止み、気の微熱も伝わってこない。
「こう…ですか?」
サクイヤの【身体強化】は、脚部に重点が置かれているようで、脚部の揺らぎもすぐに止み、足元から微熱が伝わってくる。
だが、気を全身に固定させるまでには至っていないらしく、脚部以外は揺らめくものの、【身体強化】を持続させ恒久化するまでには至っていないらしい。
その証拠に、足元からの微熱以外は伝わってこなかった。
「んー、その脚のをな?
全身でやってだな
、、で、こうだ」
彼は剣を持つ腕を水平に伸ばし、剣の周囲を揺らめかせ…しかし、揺らぎはすぐに止み、やはり剣からも微熱が伝わってくる。
これは【武装強化】と呼ばれ、触れた物の材質次第な所もあるが、接している間に限り強度を高めるものだ。
「武装強化ねえ、、
まあ、私には無理だわ」
「わたしも…そうですね
もう少し、いえ…」
どうにか、全身の気穴に気を固定しようかと、集中するサクイヤ嬢だが、一朝一夕で出来るものではない。
【武装強化】まで至るには、長い目で見る必要がありそうだった。
「あー、無理しない方がいいな
怪我されても困るしな?」
「それも…そうですね」
そう言って、コダチリ草の回収を再開する三人だった。
途中、鉢合った【パライズマッシュ】
サクイヤのパッドショルダーを向けた突進の衝撃を受け、まず一体。
反応が遅れたらしいキノコ達に、斬り込むルルヒラの斬撃に、次いで二体。
二人を追う、宙に浮かび漂うドクロの体当たりを受け、両目部分の窪みから続く火吹きは、ユエリの操気で操作されたもの。
それで、三体目となった。
「なるほどねえ、、
魔銀で浮力を受け、内臓された火応石によって、、
かしら?」
【魔銀】は士官教習所では、【外気法】の訓練で行われる【念動】の操作でも使われる。
【魔銀】に操気を流し込み、【念動】によって浮力を受けているらしい。
そして、【気応石】の一種、【火応石】だ。
【火応石】に流し込まれた【火操術】の操気によって、ドクロの両目の穴からの火吹きを可能としているらしかった。
ユエリはドクロを旋回させ、火輪となったドクロで、パライズマッシュを火炙っていく。
ルルヒラ、サクイヤは既に跳ねるキノコ達を、もう数体屠っている所だ。
「ふふ…上手く扱えてますね?
それでこそ、お譲りした甲斐もあります」
そこに、ちょうどまた鉢合わせてしまったらしい、【ダブルホーン・ラビット】三体の奇襲があったが、突進する兎の顎を踵ですくい上げ、振り向き様に片刃斧を斬り上げる。
後に続こうかという、兎が二体。
「んー、確か、、
破損は問わない、だったな?」
駆ける兎を足裏で抑えつけ、並走していたもう一匹の背に剣を一突き。
そのまま、剣から手を離し、もがくもう一匹の二本ツノを抑え、ゴキリ…と首の折れる音だ。
【フォリンズの種火】から発注されたらしい依頼、〈骨のある魔物の骨〉の条件に、ダブルホーン・ラビットは一致する。
「幸先いいわね
、、で、コダチリ草はどっちよ?」
三人は大袋を取り出し、キノコ、兎と分けていく。
屠った数は、兎が三、キノコが八、と合わせて十一体だ。
「そうですね…すぐそこですよ?」
サクイヤが示した方角は、雑草生い茂っているのは分かったが、コダチリ草の有無までは分からない。
「あっちね?
ルルヒラ、あれ貸して」
「んー、これか?」
取り出したのは、【望遠レンズ・モノクル】だ。
「あ…それって、、
アーティファクトですよね?
確か遠見の…」
軽く驚いた表情のサクイヤだ。
やはり、工房長の娘でも驚くほどの一品なんだろうか?
「お二人とも…それはダンジョンで?」
「んー、以前な
教習所の実地講習の時、見つけてな?」
「なるほど…希少品ですよ、それ、、
以前、他の冒険者の方が使ってたの見た事あります…」
ダンジョンで時折見つかる【アーティファクト】には、有用性の高さから、数少ないながらもよく知られたものもあるとの事だった。
【望遠レンズ・モノクル】は、そんな知る人ぞ知る、名品の内の一つらしい。
「ふうん?有名なのね、これ、、」
片眼鏡に手を当て、雑草茂る方角を見やっている。
「ああ、ギザ葉のやつよね?
背の高い、、」
「そうですよ…コダチリ草ですね」
遠見に見えるのは、太い茎に長細いギザ葉だ。
背が高く、立ち並ぶ様が木立に似ている事から【コダチリ草】と呼ばれるらしい。
この《ニチリア、西の深木林》に、ほど近い町ではよく食卓に上るとの事だった。
「あー、行くか」
キノコ、兎の回収も終え、コダチリ草の密生地帯へ足を運ぶ。
「んー、組合支給の大袋だったな」
「ですね…根が深いので、、
こう抑えて…茎の根元を切るんですよ
根があれば、またすぐ生えてきますので」
冒険者組合から支給された大袋に、コダチリ草を放り込む。
「ふうん?なるほどね
それじゃ、試し切りといこうかしら?」
言って、腰の短刀。
刀身が半円を描くショテルダガーを専用の丸鞘から、引き抜く。
サッとしゃがみ、茎を片手に根元を切る様は、何故か雑草取りの日常の風景にそっくりだ。
有り体に言えば、地味な作業だった。
剣を片手に、コダチリ草を掴み、切る、ルルヒラ。
腰をやや屈め、片手斧の先端を引っ掛けるように、切っていくサクイヤ嬢。
対して、一人しゃがみ、草刈りの主婦の趣きさえ漂ってくるユエリだった。
「んー、地味だな、、
なんかこう、な?」
「うっさいわ?まったく、、
労働の格差に異議あり、よ、、
もう、、」
ブツブツ小言が多いのは、作業の効率がそのまま、得物の刃渡りの長さに比例するからだ。
ただ、慣れている手付きのサクイヤは、決して長いとは言えない片手斧で、器用にもサッサッと一振り二振りする度に、この長い雑草を倒していく。
それを傍目にすれば、小言が多くなるのも多少、頷けた。
「ふふ…どうしたんです?
手が止まってますね?」
そう言って、雑草へとユエリをけしかける。
このサクイヤ嬢、案外と言うか既に薄々察している事だったが、あざとい。
「んー、そういえば、、
ここならいいか、、
見たいと言っていたな?」
そう言って、ルルヒラは二人を後方へ下げさせ、剣を構える。
「え…剣気ですか?
ここで?」
腰を屈め、【内気法】により、気穴を巡らせた気が彼の周囲の景色を揺らめかせる。
空気から伝わる微熱が、彼の気の充足を右手に持つ剣へと伝えていた。
そのまま、剣を一つ、軽く薙いだだけだ。
空気の揺らめきが、射程内に立ち並ぶコダチリ草を、そよぐ。
直後、微風に煽られたコダチリ草は、ゆっくりと端から綺麗に寝転んでいった。
非常に彼らしいと言える、ごく自然な【剣気】は目視ではっきりとは確認出来ないものの、僅かな空の揺らめきから凄味を感じ取れる。
「す…凄いですね、、
やはり…ちゃんと使えたんですね」
サクイヤが昨日、彼に対して確信した通りの…彼女が初めて見る、真っ当な【剣気】だった。
「そりゃ、使えるわよねえ
ルルヒラ?
、、でも、やっぱり過剰じゃないかしら?」
「んー、少し切り過ぎたか?
確か、大袋一つにつき、だったな」
些か呆然としているサクイヤは、やや反応が遅れながらも答える。
「あ…そうですよ
この分だと、大袋に四つ分ぐらいですか
少し、多かったですね?」
「んー、やはりな、、
気の引き締めが少し、甘かったか、、」
独白しつつ大袋を手に、コダチリ草を詰めていく。
「でも…やはり、凄いですよ
…使える人いたんですね、ルルヒラさん」
「まあ、確かに少ないわよね、、
教習長にあんた、それとガズイ、、
ああ、教官にも居たわ、そういえば、、」
《ニチルイン王立士官候補生学術教習所》で、二人が在学中、【剣気】を扱えたのは思い出せるだけで、たったの数人だ。
他は無理に使おうとして、酷い場合だと自身の腕を半ばまで切断してしまうような、そんな例もあった。
通常は【内気法】での、【身体強化】で徐々に徐々に…と、体の気穴に気が巡るのを馴らしてから、ようやく扱える極意のようなものだ。
「少し…聞いてもいいですか?」
「んー、剣気か?」
「はい…一体どうやれば、あの様に?」
聞き、少し考え込む風のルルヒラだ。
「んー、身体強化は出来るな?」
「はい…こうですよね?」
彼女の脚部が揺らめきを纏い、高く跳躍する。
真上の木の枝を掴み、しばらくぶら下がったあと、手を離し自然落下する。
「あー、それをだな
全身でやるんだ、、
、、で、だ」
彼の全身を、先ほどと同じく揺らめきが周囲の景色ごと覆った。
「、、安定させる、、
な?」
揺らめきは止み、彼の気の微熱が伝わってくる。
【身体強化】を一瞬ではなく、恒久的に持続させる。
見れば、ユエリも【身体強化】で、周囲が多少だが、揺らいでいる。
「苦手なのよねえ、、
固定するの、こうして、ううん、、」
彼女の【身体強化】はすぐ止み、気の微熱も伝わってこない。
「こう…ですか?」
サクイヤの【身体強化】は、脚部に重点が置かれているようで、脚部の揺らぎもすぐに止み、足元から微熱が伝わってくる。
だが、気を全身に固定させるまでには至っていないらしく、脚部以外は揺らめくものの、【身体強化】を持続させ恒久化するまでには至っていないらしい。
その証拠に、足元からの微熱以外は伝わってこなかった。
「んー、その脚のをな?
全身でやってだな
、、で、こうだ」
彼は剣を持つ腕を水平に伸ばし、剣の周囲を揺らめかせ…しかし、揺らぎはすぐに止み、やはり剣からも微熱が伝わってくる。
これは【武装強化】と呼ばれ、触れた物の材質次第な所もあるが、接している間に限り強度を高めるものだ。
「武装強化ねえ、、
まあ、私には無理だわ」
「わたしも…そうですね
もう少し、いえ…」
どうにか、全身の気穴に気を固定しようかと、集中するサクイヤ嬢だが、一朝一夕で出来るものではない。
【武装強化】まで至るには、長い目で見る必要がありそうだった。
「あー、無理しない方がいいな
怪我されても困るしな?」
「それも…そうですね」
そう言って、コダチリ草の回収を再開する三人だった。
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