❤クリスタルに誘われて❤

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第2章。永遠への道程。

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❤クリスタルに誘われて❤
2142年3月12日。~2142年9月13日。

第2章。永遠への道程。

(登場人物)
💚物部十四郎。
 東北の有識者。58歳。後継者がいないので物部ユリア(旧、中田光彦)養女として迎える。

(サルト銀河団連合帝国)
❣️ユリア・サルト・ザトン。
 サルト銀河団連合帝国神聖女王。生物学的年齢17歳。クリスアーナの娘。サルト人。

(ユリア神聖女王親衛隊)
(クリスタル艦隊)
❣️パラメ・サルト・クリスタル。
 ユリア直属の親衛隊。統轄大元帥。

(ブロン艦隊)
❣️パメライル・ブロン・バロンダ。
 デロング銀河帝国女王。4女。

❣️パメハイレ・ブロン・バロンダ。
 デロング銀河帝国副女王。従妹。

❣️ハロルナ・ブロン・バグ。
 デロング銀河帝国軍副統合大元帥。従姉妹。

❣️マレハナ・ブロン・ナグ。
 デロング銀河帝国軍副統轄大元帥。従姉妹。


(マルダ艦隊)
❣️マルシェラ・マルダ・ガクル。
 マルダラン銀河帝国女王。3女。

❣️マナレル・マルダ・ガラン。
 マルダラン銀河帝国軍副統合司令長官。

(サルト宇宙連合帝国)
❣️クリスティーヌ・サルト・ザトン。
 サルト宇宙連合帝国最後の女王。

❣️クリスアーナ。
 超巨大なクリスタル超越知性体。クリスタル集合体の母体。惑星全体に拡がっている。ユリア・サルト・ザトンの母親。サルト人が建造した超越知性体クリスタル・サルト。
 メドライザ超銀河団ラインザル銀河団ザルトン銀河ザトン星系第3惑星サルト。地球から1億8000万光年。
❣️クリスアーナ・サルト・ザトン。
 クリスアーナの分身。

🧡サルト人。
 100億年前。宇宙の半分近くを制圧していた宇宙誕生後の最初の知性体。

❣️クリス・サルト・クリスタル。
 クリスアーナの親衛隊統合大元帥。

❣️クロス・サルト・クリスタル。
 クリスアーナの親衛隊統轄大元帥。

❣️クレル・サルト・クリスタル。
 クリスアーナの親衛隊副統轄大元帥。

❣️クラレ・サルト・クリスタル。
 クリスアーナの親衛隊大元帥。

❣️クレロ・サルト・クリスタル。
 クリスアーナの親衛隊大元帥。

❣️パロレ・サルト・クリスタル。
 クリスアーナの親衛隊大元帥。

❣️パラロ・サルト・クリスタル。
 クリスアーナの親衛隊大元帥。


❣️パメラロイ・ブロン・バロンダ。
 サルト銀河団連合帝国副神聖女王。ブロン艦隊統合大元帥。

❣️マルシェラ・マルダ・ガクル。
 サルト銀河団連合帝国統轄女王。マルダラン銀河帝国女王。マルダ艦隊統合大元帥。3女。

(ユリア神聖女王親衛隊)
🧡女性特殊親衛隊ピンクフォース。
 親衛隊女性隊員から選抜されて特殊訓練を受けた特殊部隊。現在10万人。
❣️ミリル・バートン。
 ピンクフォースの統轄司令。

❣️フレア・マバル。
 ピンクフォースの副統轄司令。

❣️アリス・ナビ・ナダル。
 クリスライザの艦長。ピンクフォース副統轄司令。

❣️ミラ・バルーン。
 ピンクフォースの司令。

❣️ミレル・バン。
 ピンクフォースの副司令兼コスモライザ・ゼロの艦長。


🧡親衛隊ブルーフォース。
 物部ユリアの親衛隊。現在100万人。
❣️アルテナ・ミラグル。
 親衛隊ブルーフォースの統轄司令。

❣️ミラ・バルーン。
 ピンクフォースの副司令兼親衛隊ブルーフォースの副統轄司令。

❣️ヒラル・バタル。
 親衛隊ブルーフォースの副司令。 

(ユリア神聖女王親衛隊)
❣️パメライル・ブロン・バロンダ。
 デロング銀河連合共和国女王。4女。

❣️パメハイレ・ブロン・バロンダ。
 デロング銀河連合共和国副女王。従妹。

❣️ハロルナ・ブロン・バグ。
 デロング銀河連合共和国軍副統合大元帥。従姉妹。

❣️マレハナ・ブロン・ナグ。
 デロング銀河連合共和国軍副統轄大元帥。従姉妹。

❣️パメラルイ・ブロン・バロンダ。
 デロング銀河連合共和国女王。3女。2142年9月10日。クリスアーナと合流する。


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第2章。永遠への道程。
本文。

 順調に曳航が続き早10数年が過ぎ去り、現在2142年3月12日で有る。距離にしてようやく2000万光年で有る。危険を回避する為、極力銀河団、銀河に近付かない様に転移を実行するが、今回の転移は未知銀河外縁に実体する。計算の結果、銀河の中心に超巨大ブラックホールの強力な引力が5次元迄影響を与えた為で有ると判明する。
〈ユリア、気をつけなさい。強大な転移波動が探知されたでしょうから〉と、話し掛ける。
〈解りました。緊急警報を発令し、戦闘準備させます〉と答えて、ユリアは
「全艦隊に伝えます。直ちに戦闘準備をして下さい。我々の転移が探知されたでしょうから」と、指示する。
 旧の球型戦艦はクリスアーナな超科学技術で完全ロボット化に改造され、兵器とバリアと駆動機関は最新式に入れ替えれている。
 ブルーフォースとピンクフォースは、クリスアーナの超科学技術力で建造されたクリスライザ型戦艦で有る。
 クリスアーナの推測通り、大船団が10光年離れた宙域に実体化して来た。戦艦形状は、球型で有る。
〈ユリア、未知船団とコンタクトを取り、我々には戦う意識が無いと伝えなさい〉と、話し掛けるクリスアーナ。
〈解りました、お母様〉と、答えるユリア。
 ユリアは超光速通信機と思念波で話し掛ける。
「私はユリア・アマノ・カタムリアです。我々は長旅の途中でたまたま此の側に実体化しただけで、戦闘或いは侵略する意図は有りません。次の転移迄数日待機するだけですので、見守っていて下さい」と、話し掛ける。
 ユリア等は返信が届く迄待機する。だが、気を許さずに警戒を続行している。
 10数分後。「私はマルダラン銀河帝国軍副統合大元帥マナレル・マルダ・ガランです。統轄女王陛下の命令が最優先されますので、私の一存では判断出来ません。統轄女王陛下に問い合わせしますので、今暫くお待ち下さい」と、話し掛けて来た。
 スクリーンに映った女性は人間そっくりだが、頭に2本の角が生えていてまるで鬼其のもので有る。だが、膨大な転移波動はマルダラン銀河だけでは無く、銀河団全域に届いていた。其の波動は、ラインザル銀河団全域で探知された。其の結果、銀河団最大の軍事大国で有るデロング銀河帝国が大船団を発進させた。
 ユリアが知らない所で、ラインザル銀河団全域では大騒動になろうとしていた。各勢力の大艦隊が勢力圏外に集結して警戒待機を始めている。
 数時間後。想定外の所から戦火が開いた。強硬派のマルダラン銀河帝国軍統轄大元帥ベル・マルダ・ガロンが、マナレル副統合大元帥の命令を無視して攻撃命令を出す。
 眼前の大艦隊が動き出し、いきなり発砲して来る。球型ロボット艦隊のバリアが発光するが、難無く受け止める。
 戦闘の意思が無かったユリアだが、攻撃を受けて其のままにして置く程お人好しでは無かった。
「全ロボット艦隊へ、直ちに迎撃せよ❗」と、命令する。
 ロボット艦隊は恐れる事無く敵艦隊に突進して行き、重インパルス砲で攻撃する。敵艦隊のバリアは真っ赤に燃え上がるが持ち堪える。
 スクリーンを見守っていたユリアはグラビトン砲に切り替え第2次攻撃を命令する。最も弱い兵器で攻撃された事も知らずに、大した兵器は所持して無いと思い込み、大胆に攻撃を始める。
 球型戦艦の強力なバリアは必要以上に攻撃して来るが、難無く受け止める。対し、球型戦艦のグラビトン砲に依る攻撃で次々と押し潰されて爆発して行く。光景を目の当たりにしたマナレル・マルダ・ガラン副統合大元帥は愕然とする。戦ってはいけない種族に戦争を仕掛けたと後悔し、全艦隊に向けて戦闘を中止して後退せよ。と、命令を出すが、戦闘と言う魔物に取り憑かれ、其の命令はと届かなかった。
 数時間後。奇跡が起こる。いきなり巨大なマザーシップが実体化して来た。
 実体化して直ぐに「全艦隊へ、直ちに戦闘を中止して後退しなさい」と、命令してから「上司の命令を無視して帝国存亡の危機を招く失態を起こしたヨベル・マルダ・ガロン統轄大元帥を逮捕しなさい」と、命令する。
 通信を切り替えて「私はマルダラン銀河帝国統轄女王マルシェリア・マルダ・ガクルです。未知なる種族のユリア陛下。此の様な失態を犯したのは全て私の責任です。更に、状況を判断する限り、我が帝国は滅亡していたでしょう。つまり、我々は敗退したのです。従って我々は敗戦国としてユリア陛下に保障せねばなりません。と言う事で、私の妹マルシェラ・マルダ・ガクル女王と、マナレル・マルダ・ガラン副統合大元帥並びに傘下の艦隊を戦争保障としてユリア陛下に永久に同行させます」と、話し掛ける。
 瞬時考えから「承知致しました。では、私からも譲渡します。遠距離転機機10台。遠距離通信機10台。私の旗巻と同タイプのクリスライザ型万能宇宙船。全長。5400キロメートル。最大幅。540キロメートルのクリスタルライルザ1台。全長。2400キロメートル。最大幅。240キロメートルのクリスタルライル10台。全長。240キロメートル。最大幅。24キロメートルのクリスタルレグ100台。補修技師ロボット10万台。並びに学習指導ロボット10台をプレゼントします」と、話し掛けるユリア。
「有り難う御座いますユリア神聖女王陛下。我々は永遠にユリア神聖女王陛下の下僕として忠誠を誓い永遠にお仕えする事を宣誓します」と、話し掛けるマルシェリア・マルダ・ガクル統轄女王。
「全て受け入れます。では、マルダラン銀河帝国の防衛の為にクリスタル艦隊1個軍団を常駐させます」と、話し掛けるユリア。
「有り難う御座います神聖女王陛下」と、答えるマルシェリア・マルダ・ガクル統轄女王。
「もう一つプレゼントが有りますので、我がクリスライザに要人全員を招待します」と、話し掛けるユリア。

 2142年3月14日。マルシェリア統轄女王等一行がクリスライザ統合司令センターに現れる。ユリアは丁重に出迎え、第1会議室に案内する。
 ユリアは最初に「私はたった1人のサルト人で不老不死の存在ですので、貴女達も不老不死になって頂きます」と、話し掛ける。
 数時間後。全員の不老不死の処置が完了する。其の後、友好を深める為に友好祭パーティーを開催する。パーティーは数週間続けられ、互いの友好を更に深める事になる。

 2142年4月18日。巨大船団が不気味に接近して来る。クリスアーナは探知していたが、目的が解らず娘には知らせなかった。其の結果、遠巻きに包囲されてしまった。如何に強力なバリアど有ろうと、火力の出力の差で撃ち破られかも知れない。其の事を認識したクリスアーナは娘に連絡する。
 連絡を受けたユリアは全く冷静だった。
〈お母様、心配する必要は有りません。攻撃を受けているわけでは有りませんし、有れくらいの船団なら難無く対抗出来ますし、殲滅する事も可能ですから。今は、無視して未知船団の出方を待ちましょう〉と、思考波で伝える。
〈では、ユリアに任せます〉と、答えるクリスアーナ。
 対話を終えて何も無かったかの様に接待を続ける。
 其の頃、デロング銀河帝国パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王は苛ついていた。
 側近の幹部に「どうして未知船団は我々を無視しているのじゃ」と、イライラしながら話し掛ける。
「我々を恐れていないからでしょうか、或いは何時でも殲滅出来ると思っているのでしょう」と、答える。
 パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王は、其の答えにプライドが傷付けられる。
「全艦隊に告ぐ。直ちに未知船団を殲滅せよ」と、命令する。
 攻撃命令を察知したクリスアーナは、直ちに娘に伝える。
 事情を知ったユリアは母親の力を何10倍にも増幅して、超強力な思念波と、物質実体化映像能力を発動させる。
〈我は宇宙の女神クリスアーナで有る。種族存続を望むなら我に帰依せよ。或いは滅亡の道程を選ぶか選択せよ〉と、話し掛ける。
 パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王は「唯のハッタリじゃ。直ちに殲滅させよ」と、命令する。
 デロング銀河帝国軍先鋒艦隊6000台が一斉に物質実体化映像を攻撃するが、其のビームのエネルギーは全て吸収され、更に強化する。
〈愚か者め〉と、思念波で語り掛ける。
 物質実体化映像が、両手を前方に向けて消滅フィールドを放射する。其れに触れた敵艦隊はアッと言う間に消滅する。其の台数は5000台で有る。
 瞬間移動を繰り返し、次々と敵艦隊を消滅させて行く。僅か数分で敵艦隊は凡そ10万台が消滅する。
 パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王は流石に驚き、全艦隊に撤退を命令する。 
〈パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王、無条件降伏せよ。其れが種族滅亡から救う唯一つの選択方法じゃ〉と、話し掛ける。
 パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王は流石に恐怖を感じ「承知致しました。我々は無条件降伏します」と、話し掛けて来た。
 ユリアは超光速通信機で「私は、サルト銀河団連合帝国神聖女王のユリア・サルト・カタムリアです。パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王、側近幹部を連れて直ちに我が母船に出頭せよ」と、話し掛ける。
 小一時間後。パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王等一行が、ビンクフォース隊員にエスコートされて統合司令センターに入室して来る。
 2時間少々の時間を掛けて、デロング銀河帝国の取り扱いに付いて説明する。説明後。文書とデジタル調印をする。次に不老不死の処理をする。
 全ての事務的処理をおえから「此れで正式にデロング銀河帝国は、我がサルト銀河団連合帝国の傘下と致す。パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王は我が腹心として統轄女王兼副神聖女王に任命します」と、話し掛けるユリア。
「ユリア神聖女王陛下の下僕として、永遠に忠誠を誓います」と、宣言する。パメラロイ・ブロン・バロンダ統轄女王。



 マロダリン銀河団を後にして、2142年5月3日には更に3000万光年転移する。右斜前方1200万光年先には銀河団が見える。
「ユリア、寄り道しない」と、話し掛けるパメラロイ副神聖女王。
「相変わらず好奇心が強いわね」と、話し掛けるユリア。
「私もパメラロイと同じ」と、話し掛けるマルシェラ・マルダ・ガクル統轄女王。
「ではそうしましょうか」と、答えるユリア。
「クリス、話を聞いていたわね。クリスライザを右斜前方1200万光年先には銀河団へ」と、指示するユリア。
「承知致しました」と、答える生体脳クリス。

 数日後の2142年5月7日。バルボラン銀河団外縁に到着する。26の銀河が集合している比較的小さな銀河団で有る。其の先には超銀河団が連なっている。生体脳クリスは、ロボット調査艦100台を射出する。
「事前調査しますので、調査が完了する迄待機ポジションに入ります」と、話し掛ける生体脳クリス。
 数時間後。調査艦からの報告が届き始める。
「バルボラン銀河団内で、最も活発に活動しているのはバタブログ銀河です。第1段階の調査の結果。此のバタブログ銀河に支配的勢力の中枢が存在すると予測出来ます。コンタクトを取りましょうか」と、話し掛ける生体脳クリス。
「トラブルは避けたいので、コンタクトの必要は有りません」と、答えるユリア。
「承知致しました。但し、調査は続行します」と、答える生体脳クリス。
 更に数時間後。事態が一変する出来事が起こる。バタブログ銀河から巨大艦隊が発進し、最も近いラロン銀河帝国に進軍して行く。
「ユリア、銀河大戦が勃発する様ですね。どうしましょうか」と、問い掛けるパメラロイ副神聖女王。
「様子を見守るしか無いわね」と、話し掛けるマルシェラ統轄女王。
「調査・監視船を派遣して暫し監視しましょうか」と、話し掛けるユリア神聖女王。
 2142年5月12日。バタブログ銀河船団はラロン銀河外縁に到着し、バタブログ銀河船団は各個軍に分かれ有人惑星に向かって行く。
「調査の報告を致します。バタブログ銀河船団は、バルタロン・ロボット帝国中枢生体脳パルメラが指揮するロボット艦隊です。侵略を受けているのは、バラメラル・ラロン・ニビル統轄女王が統轄するラロン銀河帝国です。
 ロボット艦が中枢生体脳パルメラに〈パルメラは何故近隣の銀河を制圧するのですか〉と問い掛けた所、パルメラは〈上位存在からの至上命令で、近隣の銀河を制圧し来たるべき大戦に備えて大規模集合体を築き上げよ。と命令されているからです〉と、答える。で、ロボット艦は〈其の上位存在とは何者ですか〉と、問い掛けると〈超古代種族サルト宇宙連合帝国最後のクリスティーヌ・サルト・ザトン女王からの至上命令です〉と、答える。〈では、何故今頃に命令を実行するのだ〉と、問い掛けた所、〈クリスティーヌ・サルト・ザトン女王からの至上命令と同じ脳波波動を探知し、封印されていたアーカイブが起動したからです〉と、答えた。と、言う事です」と、説明する生体脳クリス。
「ならば直ちに制圧を中止させよ」と、指示するユリア。
「試みましたが出来ませんでした。ユリア様がサルト人で有ると認識させないと停める事は不可能です」と、答える生体脳クリス。
「では搭載艦でタロルダ星系第3惑星バルタロンに向かう」

 射出されたクリスライルはアッと言う間に転移し、タロルダ星系外縁に到着する。ユリアは思念波で〈中枢生体脳パルメラ。私はユリア・サルト・ザトンじゃ。私を認識せよ〉と、話し掛ける。
〈脳波振動並びに身体的構成は合致しました。後は、生体振動、生体構造、遺伝子等の検査が必要ですので、タロルダ星系第3惑星バルタロン地上のパルメラ・ドームにおいで下さい〉と、話し掛けて来た。
〈承知した〉と、答え瞬間移動移動でパルメラ・ドーム上空に実体化する。
 ユリア・サルト・ザトンの存在を確認したパルメラは、フィクティブ転送で、パルメラ・ドーム最奥中枢部に転送する。数時間後、全ての検査が終了し、ユリア・サルト・ザトンはクリスティーヌ・サルト・ザトン直系の最後のサルト人で有ると認知される。其の直撃、封印されていたクリスティーヌ・サルト・ザトン女王の意識流体が解放されて、ユリアの全身を経由してクリスアーナに流れて行き合体融合する。融合後、ユリアの全身に戻り合体融合した。此れ等の事が瞬時に実行された。
〈ユリア・サルト・ザトンは、クリスティーヌ・サルト・ザトン直系の最後のサルト人で有ると認知されました。以後、ユリア・サルト・ザトンを至上絶対命令権者として登録されました。此の決定は以後変更される事は有りません〉と、話し掛けてから数秒後。「ユリア様、御命令をお待ちします」と、女性の声で呼び掛けて来た。
「では、パルメラ、ロボット侵略艦隊を早急に呼び戻しなさい」と、命令するユリア。
「承知致しました」と、答える中枢生体脳パルメラ。
「命令通り侵略を止めて戻る様に命令を出しました」と、答える中枢生体脳パルメラ。
「では、パルメラ。自立航行は可能なのか」と、問い掛けるユリア。
「自立航行も、防衛も可能です」と、答える中枢生体脳パルメラ。
「では、直ちに発進して我が母上クリスアーナと合流して欲しい。合流後は母上の指示に従って欲しい」と、指示するユリア。
「承知致しました」と、答える中枢生体脳パルメラ。
 直系500キロメートルの半球ドームの中枢生体脳パルメラは、反重力エンジンを起動して静かに浮上して行く。ユリアは瞬間移動でクリスライルに戻り、直ちに発進させる。
 小一時間後。直系500キロメートルのパルメラ半球ドームは、クリスアーナに到着し、合体融合する。侵略艦隊は撤退してパルメラ半球ドームの戻って行く。
 赤道上空人工太陽の遥か上空に、巨大なリングを造り出し、其処に、各種工場、宇宙空港、各種製造工場、宇宙船製造工匠等1帝国に匹敵する機能、能力、戦力が凝縮されている。其処に、直系500キロメートルのパルメラ半球ドームが合体融合して、各方面で強化される。

 ラロン銀河帝国の情報部が、突然撤退した侵略艦隊に疑問を抱き調査した結果、未知種族の介入に寄り中止されたと知る。其の事実をラロン銀河帝国バラメラル・ラロン・ニビル統轄女王に報告する。
 報告を受けたバラメラルは、超光速通信機で「私はラロン銀河帝国統轄女王バラメラル・ラロン・ニビルです。此の度、我がラロン銀河帝国存亡の危機に未知種族の介入に寄り終結したと知り、深く感謝しております。此の私のメッセージを受信したならば是非返信する事をお願い申し上げます」と、話し掛けて来た。
 バラメラル統轄女王のメッセージを聞いたユリアは、直ちに返信する。
「私はサルト銀河団連合帝国神聖女王で有るユリア・サルト・ザトンです。早々なメッセージに感謝申し上げます。今回のロボット艦隊の侵略行動は、我が祖先の至上命令が私の存在を探知し、封印されていたシークレット・プロジェクトが発動した為で有ります。従って、私が原因だと考えています。
 其の様な理由から、私は謝罪と救済と援助と科学技術の援助をしたいと考えています。此の度は誠に想定外の事では有りましたが、此処で真底から謝罪申し上げます」と、話し掛けてから深々と一礼する。
「早々の返信有り難う御座います。如何なる理由で有り、我々の危機を救ってくれた事実は変えられません。で、許されるなら面談したいと考えています」と、話し掛ける
「お待ちしております」と、答えるユリア。

 2142年6月2日。ラロン銀河帝国バラメラル・ラロン・ニビル統轄女王等一行がクリスライザに到着する。ユリアの親衛隊ピンクフォースの隊員のエスコートで、クリスライザ統合司令センターの転送機から次々と出て来る。
 第1会議室に全員が着席する。最初に、ユリアが話し始める。
「今回の様な想定外の出来事に対し、私はサルト銀河団連合帝国の最高指導者として戦争保障致します。品目は、全長5400キロメートル。最大幅540キロメートルのクリスタルライザ4台。指定の場所に自由に転送させる事が可能なミラクルな転送機システムで、転送範囲無制限のフィクティブ・タキオン転送機10台。到達距離無制限のタキオン通信機100台を贈呈致します。個人的には、此処にいる皆様全員に不老不死を贈呈致します。受けて頂けましょうか」と、問い掛けるユリア。
「喜んでお受け致します。其のお返しに、我々一同永遠の下僕としてお仕えする事を誓います」と、答えるバラメラル・ラロン・ニビル統轄女王。
「快く受けて頂き感謝します。それでは、本日付けでサルト銀河団連合帝国傘下ラロン銀河連合共和国と改名するが宜しいか」と、問い掛けるユリア。
「ユリア神聖女王陛下の命じるままに」と、答えるバラメラル・ラロン・ニビル統轄女王。続けて「更にバラメレル・ラロン・ニビル第2女王。ラハレロ・ラロン・ニダロ摂政。レハマヤ・ラロン・ドゴン大元帥を神聖女王陛下の親衛隊として同行させます」と、話し掛けるバラメラル・ラロン・ニビル統轄女王。
「心使いに感謝します」と、答えるユリア。
 数時間後。全員の不老不死の処置が完了する。丁度其の様な時に、新たな脅威が迫って来るのを誰一人気が付かな無かった。

 2142年6月12日。爬虫類が進化した知性体で、専制君主の形態を維持した冷酷で残忍な知性体で有るロダス人は、本能に導かれるまま、バルボラン銀河団を制圧する為に、ロダス銀河帝国軍がロゴン星系から発進する。其の最初の目標は、サルト銀河団連合帝国ラロン銀河連合共和国領で有る。
 最初の一報が届いたのは、2142年6月12日深夜であった。クリスアーナの分身で有るクリスアーナ・サルト・ザトンが、情報を受けて先鋒軍としてロボット艦隊を発進させる。
 小一時間後。ロボット艦隊がロダス銀河帝国軍先鋒艦隊と戦闘が開始する。ロダス銀河帝国軍は善戦するが、サルト銀河団連合帝国製のロボット艦隊の敵では無かった。先鋒艦隊はアッと言う間に全滅する。だが、ロダス銀河帝国軍艦隊は恐る事無くロボット艦隊に襲い掛かる。多勢に無勢の諺通りに、1体100の構造になり、火力の差で1台又1台とロボット艦隊が消滅して行く。
 だが、結果的には1体100の割合でロダス銀河帝国軍艦隊が消滅している。ロダス銀河帝国軍艦隊司令長官は、此のままでは全滅すると悟り全艦隊に撤退命令を出す。
 ロダス銀河帝国軍艦隊は慌てて撤退するが、完全に撤退する迄に全艦隊の半数が消滅していた。
 翌朝の2142年6月13日。報告を受けたユリアは将来的な脅威を感じ取って、ロボット艦隊にロダス銀河帝国を壊滅する様命じる。命令を受けたロボット艦隊が1軍団単位で次々に発進して行く。



 2142年8月1日。ロダス銀河帝国は完封なき迄叩き潰され、此処数百年は立ち直れ無いだろう。だが万が一に備えて、サルト銀河団連合帝国ラロン銀河連合共和国にクリスタル1個軍団を配備し、更にバルボラン銀河団バタブログ銀河タロルダ星系第3惑星バルタロンに、クリスタル・バルタロンを設置し、クリスタル艦隊1個軍団を配備する。
 
 ユリア達は此れで安心だと考えていた。と、言う理由も有り盛大な祝賀祭を開催する。ユリア等がお祭り騒ぎをしている間に、クリスアーナはクリスタル人の製造と、クリスタル艦隊の造船を24時間休まず実行している。更に、新たな戦艦製造ラインを10ラインを新設している。其の上、自立航行可能になる様に、新たな駆動機関の研究開発をしている。

 ダスドロン銀河連合帝国バダロ・ドロン・ダズル第1大元帥傘下の制圧艦隊100万台が、サルト銀河団連合帝国ラロン銀河連合共和国に向かって進軍している。其の距離は680万光年で有る。クリスタル艦隊なら一瞬で踏破可能で有るが、ダスドロン銀河連合帝国軍艦隊には不可能だった。彼等の転移範囲は精々100万光年程度で有る。故に、安全を考慮して転移は8回から10回は必要で有る。と言う事は、かなりの時間が必要になる。早く20日から30日は必要で有ろう。
 
 デロング銀河連合共和国女王のパメラルイ・ブロン・バロンダは、母国を出て、クリスアーナを追い掛けている。幾ら離れていても、クリスタル同士が不可思議な力で繋がっている為、お互いの位置が確認出来る。
 2142年9月10日。パメラルイはようやくクリスアーナと合流して、ユリアに追従する事を伝えてユリアの承認を得た。
「バメラルイお姉様。母上の許可を得たのでしょうね」と、問い掛ける4女のパメライル・ブロン・バロンダ。
「当然でしょうパメライル」と、答える3女のバメラルイ女王。
 タイミング良くタキオン通信機が動作して、サルト銀河団連合帝国パメラロイ・ブロン・バロンダ副神聖女王の上半身が映る。
「ユリア様、バメラルイは到着しましたか」と、問い掛けるパメラロイ副神聖女王。
「今着いたばかりです」と、答えるユリア神聖女王。
「バメラルイ、予想通りユリア様の所に行ったのね。一言話せば許したのに」と、話し掛けるパメラロイ副神聖女王。
「御免なさいお母様。許してくれないと思いましたから」と、弁解するバメラルイ女王。
「しょうがないわね。同行を許します。会いたい時は何時でも会えますものね」と、話し掛けるパメラロイ副神聖女王。
「パメラロイ様、責任を持って預かりますから」と、答えるユリア。
「途中巨大船団と遭遇しましたけど。まさか、此処では無いわよね」と、話し掛けるバメラルイ女王。
「戦艦の形状は解ります」と、問い掛けるユリア。
 説明を聞いたユリアは、ロダス銀河帝国と同じ形で有ると知る。「至急戦闘準備を」と、生体脳クリスに命令する。
「了解しました。但し、到着は30日後ですが」と、答える生体脳クリス。
「エッ、そうなのですか。2、3日位と考えていましたが」と、話し掛けるユリア。
「ユリア様、クリスタル艦と比べているからです。我々の科学技術力は宇宙で1、2位を争う程進化しておりますので」と、話し掛ける生体脳クリス。
「確かに其の通りね。では、対処はユリアとロボット船団中枢生体脳パルメラにお任せするわね」と、話すユリア。
「承知致しました」と、答える生体脳クリス。

 クリスアーナは、外円直系40000キロメートルの超巨大な惑星リングに、居住エリアや各統合本部、宇宙船製造所工匠、各種工場等を増設し、大星間帝国以上の能力を秘める施設を築き上げる。
 現在クリスアーナは、新型駆動機関の研究開発と、新型バリアの研究開発と、新しい兵器の研究開発を実行している。
 ユリアはクリスアーナから思考波通信で、クリスアーナ惑星軌道リングの機能、施設等の全貌を始めて知った。
「お母様、何時の間に造り出したの。非常に有り難いけど」と、話し掛けるユリア。
「そうでしょう。ユリア、クリスライザを格納庫に格納して惑星軌道リング統合司令センターに来なさい」と、話し掛けるクリスアーナ。
「解りました」と、答えるユリア。
 小一時間後。ユリア等は統合司令センターに入る。其処はクリスライザの統合司令センターと全く同じだった。違いはかなり広いと言う事だけだ。
 何処からとなく、クリスアーナ・サルト・ザトンが歩いて来た。気が付いたユリアは「お母様❗」と、話し掛ける。
「ユリアの遺伝子から私し自身を造り出したのよ。いわゆる分身と言う事ね。ロボット船団中枢生体脳パルメラと合体融合して進化したのよ」と、説明してから「戦力を強化しているのは、超古代時に、宇宙の覇権を賭けて、我がサルト銀河団連合帝国とタログロン銀河団連合帝国が全面戦争に入り数万年後、お互いに疲弊して自然終結したのです。だが、我々が再び復活した様に、タログロン銀河団連合帝国も復活して再び宇宙大戦が勃発するかも知れないと感じ取ったからよ」と、説明するクリスアーナ・サルト・ザトン。
「論理的ですけど確率的には低いと思います。第1、其のタログロン銀河団連合帝国とはどの様な種族なのですか」と、問い掛けるユリア。
「私達サルト人と同程度の科学技術力を持ち、同じ位古い種族です。姿形は私達サルト人に似ていますが、生活環境並びに考え方の相違が有り、互いに受け入れ難い理念が有ります。私達は平和共存、民主共和制を理念としてます。グロン人は共和共同体、共和共産制を理念しています」と、説明するクリスアーナ・サルト・ザトン。
「其れでも努力すれば話し合いは可能かも知れないね」と、話し掛けるユリア。
「そうだと良いのですけど」と、答えるクリスアーナ・サルト・ザトン。
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