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第3章。宇宙の精霊。

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2142年9月15日。~2148年11月5日。

第3章。宇宙の精霊。

(登場人物)
💚物部十四郎。
2148年5月23日。
 物部十四郎テラ連邦共和国執政官就任。

(サルト銀河団連合帝国)
❣️クリスティーヌ・サルト・ザトン。
 サルト宇宙連合帝国最後の女王。宇宙の精霊。

❣️クリスアーナ・サルト・ザトン。
 ユリアの母親。上皇神聖女王。サルト人。

❣️ユリア・サルト・ザトン。
 サルト銀河団連合帝国神聖女王。生物学的年齢17歳。クリスアーナの娘。サルト人。

2142年9月15日。
❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄❄
2148年11月5日。

第3章。宇宙の精霊。
本文。

 2142年9月15日。クリスアーナの体内にサルト最後女王クリスティーヌ・サルト・ザトンの意識流体が流れ込んで来る。意識流体は、クリスアーナ体内の1つのクリスタルに流入すると、急激に成長して全長800キロメートルになり、膨大なエネルギーと精神エネルギーが増加する。其の結果、精神球体クリスティーヌ・サルト・ザトンは、自我意識で自由に自分を姿形を実体映像を造り出す事が可能になる。

 クリスアーナは自分自身を防衛する為惑星軌道リングに、新たに最強の兵器を増設する。更に防衛艦隊を増長している。
 ユリアは科学技術総合研究所の所長に就任し、傘下の共和国から優秀な科学者、医学者、技術者を募集する。其の結果、想定以上に人材が集まる。
 選抜した科学者等と共に、ユリア研究ラボを結成する。主な研究題目は、ブラックホールと、高エネルギーで有る。
 ユリアと数名のチームは、ブラックホールの制御と生成で有る。ユリアの知識の中では、ブラックホール制御装置。生成装置の設計図が有る。其の設計図を元に製造を開始する。
 完全自動の製造マシンが、設計図通りに製造を開始する。数時間後には、ブラックホール制御装置と生成装置が完成する。
 別室の実験場で簡単な実験を開始する。
「良いわよ、ブラックホールを生成して」と、声を掛けるユリア。
「ブラックホール制御装置はスタンバイしてます」と、答える研究チームの一員。
 ブラックホールが何も無い空中に、いきなりブラックホールが生成される。其のブラックホールの制御を開始する。危険を開始する為、実験は数秒で終了させる。
「実験は大成功です」と、話し掛けるユリア。
 ユリア研究チームが全員拍手をし、お目出とうございます。と、全員が声を掛ける。
「次は大量生産してクリスタル艦隊並びにクリスライザに取り付け無ければ」と、話し掛けるユリア。
「後は艤装工作班にまかせましょう」と、チームの一員が声を掛ける。
「そうね」と、納得して答えるユリア。

 兵器総合研究センターでは、新兵器の研究開発を実行している。其の最優先は、ブラックホールを利用した兵器で有る。
 推進機関総合研究センターでは、ブラックホールを利用した駆動機関の研究をメインで実行している。
 以上の様に、各研究センターでは研究を続けている。此の様な理由に寄り、クリスアーナ惑星軌道リングに常駐する人々が増え続け、現在では20億人に達している。クリスタル人を含めると50億人を越えている。
 クリスアーナは居住スペースを広げる為に、赤道上惑星軌道リングに直交する南北の惑星軌道リングの建設を開始し、同時に赤道上惑星軌道リングを2倍に広げる建設を始めている。

 其の頃。ダスドロン銀河連合帝国バダロ・ドロン・ダズル第1大元帥傘下の制圧艦隊100万台は、クリスアーナから800万光年迄近付いていた。クリスアーナは、此の事は全く知らなかった。だが、クリスティーナの意識流体が自分自身を実体映像化して宇宙空間を時間、距離とは無縁の様に探索している。まるで宇宙の精霊みたいに。其の宇宙の精霊クリスティーナが、クリスアーナに向かって来る大船団を見付けてクリスアーナに伝える。
 クリスアーナは、直ちにユリアと生体脳パルメラに伝える。
「お母様、向かって来る大船団は生体脳パルメラに任せましょう」と、話し掛ける。
「そうね」と、答えるクリスアーナ・サルト・ザトン。

 2142年9月20日。大船団が50光年迄近付いて来た。ラボのスクリーンで近付いて来る大船団を見たユリアは、ロダス銀河帝国艦隊と同じ形をしていると認識し、ロダス銀河帝国と何等かの関連が、有ると瞬間的に悟る。
「お母様、接近して来る大船団はロダス銀河帝国と関連が有る種族です。間違い無く我々を攻撃する様です」と、話し掛けるユリア。
「私も同じ結論よ」と、答えるクリスアーナ・サルト・ザトン。
「迎撃体制を整いました」と、報告する生体脳パルメラ。
「パルメラ、迎撃は任せます」と、話し掛けるクリスアーナ・サルト・ザトン。
「承知致しましたクリスアーナ様」と、答える生体脳パルメラ。
 生体脳パルメラ傘下のロボット艦隊10万台が惑星軌道リングから射出され、50万キロメートル離れて防衛ラインを整える。
 大船団から10万台が離れてロボット艦隊に向かって行く。
 見守っていたクリスアーナ・サルト・ザトンが、思念波と超光速通信で「君達は一体何者か。何故我々を攻撃しょうとしている」と、話し掛ける。返信は全く期待してなかった。
 所が数秒後。「私はダスドロン銀河連合帝国第1大元帥のバダロ・ドロン・ダズルじゃ。我が種族の分家筋に当たるロダス銀河帝国救援の為に未知種族で有る貴様らを殲滅する」と、意気込んでいる。
「無警告で先に攻撃を掛けて来たのはロダス銀河帝国の方ですよ。私達は防衛の為に撃退しただけ」と、答えるクリスアーナ・サルト・ザトン。
「言葉通りなら貴女はやり過ぎなのだよ」と、話し掛けるバダロ・ドロン・ダズル。
 2人の会話を聞いていたユリアは「ロダス銀河帝国の殲滅を命令したのは私しです」と、会話の間に割り込んで話し掛ける。
「何れにしても貴様らを殲滅する。以上」と、話し一方的にコンタクトを切る。
 数時間後。ダスドロン銀河連合帝国艦隊が一斉に攻撃を開始する。クリスタルロボット艦隊10万台が迎撃を開始する。1対10で圧倒的にロボット艦隊が不利な状況では有るが、ロボット艦隊の反撥バリアは強力で敵艦隊のエネルギービームを全て跳ね返している。
 ロボット艦隊のグラビトン砲が次々と敵艦隊を叩き潰して行く。だが、数が多過ぎて敵艦隊が減っている様には見えない。寧ろロボット艦隊が減っている様だ。

 近くで観察していた宇宙の精霊クリスティーヌは、敵艦隊乗務員に向けて超強力な思念波で呼び掛ける。
〈我は宇宙の精霊クリスティーヌ、汝等は何故我の娘等に何をするつもりだ。私の怒りに触れる前に立ち去るが良い〉
 バダロ・ドロン・ダズル第1大元帥は「惑わされるな。此れは全て幻影で敵の策略だ」と、全艦隊に向けて檄を飛ばす。
 其の一言で敵艦隊の動揺が和らぎ、立ち直る。
〈愚か者目、思い知るが良い〉と話し掛けてから、超強力なメンタルエネルギーで全ての敵艦隊を掴み取り団子の様に1箇所に纏める。其れを超強力な力で投げ飛ばす。
 敵艦隊はバリア同士が接触して大爆発をする。其の爆発が次々と連載し爆発する。更に、投げ飛ばされた事に乗務員はほぼ全員が意識を失い死傷者が大半を占めていた。文字通り壊滅に等しい状況だった。
 此の一報は本国バルボラン銀河団ダスドロン銀河ダスロン星系第3惑星ドロンのミラン・ドロン・ダズル統轄女王の元に届いた。
「何と、100万台の大艦隊が宇宙の精霊クリスティーヌの怒りに触れて一瞬で壊滅しただと。とても信じ難い。超古代の伝説では宇宙の覇者サルト宇宙帝国最後女王の名前と同じじゃ」と、側近等に話し掛ける。
「サルト人の最後の女王が現実に現れた。と、言う事ね。何故今頃になって現れたのかしら」と、次女のミロル・ドロン・ダズル副統轄女王。
「娘等と話していたわよね」と、話し掛ける3女のミリル・ドロン・ダズル女王。
「此の目で確かめましょう。本当にサルト最後女王でしたら我々の存亡の危機だわ。確認して謝罪しなければ」と、話し掛けるミラン・ドロン・ダズル統轄女王。

 ユリアは「1日でも早く此処から移動したいわね」と、側近等に話し掛ける。
「色々有って楽しいわよ」と、話し掛けるパメライル・ブロン・バロンダ女王。
「後、数ヶ月は無理よ」と、話し掛けるクリスアーナ・サルト・ザトン。



 2142年10月5日。巨大な宇宙船が近付いて来るのを探知する。
 報告を受けたユリアは「パルメラ、迎撃体制を整え監視せよ」と、命令する。
 数時間後。巨大な宇宙船が3光年迄近付いて来た。其の宇宙船から超光速通信機でメッセージが届く。
「私はダスドロン銀河連合帝国統轄女王ミラン・ドロン・ダズルです。宇宙の精霊クリスティーヌ様、クリスアーナ・サルト・ザトン様、ユリア・サルト・ザトン様に謝罪する為に参りました。私のメッセージが届きましたら返信願います」と、話し掛けて来た。
 報告を受けたユリアは「承知しました。お待ちしております」と、返信する。
 宇宙の精霊クリスティーナはバルボラン銀河団内外に、メンタル・温厚・オーラを撒き散らしていた。其のオーラが冷酷で残忍な心が消え去り温厚な性格に変貌していた。

 2142年10月6日。クリスアーナ惑星軌道リング統合司令センター内の第1会議室で、ダスドロン銀河連合帝国要人等とサルト銀河団連合帝国要人とが対談が開始される。席上、最初に話し出したのはユリアだった。
「何故戦争になったのかは、私には全く解らない」と、前置きする。
「弁解になりますが、我が種族は本能的に残忍で冷酷な性格をしております。だが、宇宙の精霊クリスティーナの温厚オーラの影響を受け穏和な性格に変貌しました。そして、宇宙で最も逆らってはならないのが宇宙の精霊で有ると知りました。故に、宇宙の精霊クリスティーナの直系の子孫、いいえ、直系の娘、孫で有ると認識し、戦って勝てる相手出はなく、真逆に永遠に使えなければならないと本能的に悟りました。此の様な理由に寄り対談を申し込みました。其の主旨は、謝罪と共に絶対服従する事です。従って、我が種族を戦闘種族として下僕の末端に付け加えて下さいませ」と、話し掛けるミラン・ドロン・ダズル統轄女王。
「承知した。では、ダスドロン銀河連合帝国は、サルト銀河団連合帝国ダスドロン銀河連合共和国とする。宜しいかミラン・ドロン・ダズル統轄女王」と、問い掛けるユリア。
「ユリア神聖女王陛下の仰せのままに」と、答えるミラン・ドロン・ダズル統轄女王。

 数時間後。ダスドロン銀河連合共和国要人の不老不死の承知を済ませ、再び第1会議室に集合する。
 席上ミラン統轄女王が「ユリア神聖女王陛下の親衛隊並びに戦闘部隊として、先ずユリア神聖女王の親衛隊として4女のミロラ・ドロン・ダズル女王を司令とし、傘下としてハロメリア・ドロン・ダズル。
 ユリア神聖女王陛下の戦闘部隊は、3女のミリル・ドロン・ダズル女王。傘下として、次男のバズラ・ドロン・ダズル副統合大元帥。従弟のバズリ・ドロン・ダズル副統轄大元帥。親族のバダロ・ドロン・ダズル第1大元帥等を同行させます」と、最初に話し掛けるミラン統轄女王。
「承知した。心遣いに感謝します。では私は、フィクティブ・タキオン転送機50台。タキオン通信機50。全長。5400キロメートル。最大幅。540キロメートルのクリスタルライザ。2台。全長。2400キロメートル。最大幅。240キロメートル。のクリスタルライル10台。全長。240キロメートル。最大幅。24キロメートルのクリスタルレグ。100台を譲渡します。更に、防衛の為にクリスタル艦隊10ヶ軍団を常駐させます」と、話し掛けるユリア。
「有り難う御座います神聖女王陛下。有り難く頂きます」と、話し掛けるミラン統轄女王。

 目録の引き渡しに数週間掛かり、2142年10月28日にようやく終了する。同日に盛大な友好祭が実施され、種族間の交流を促進する手助けになる。
 ユリア等とミラン統轄女王等はお別れの挨拶を交わし此の宙域から離脱する。100万光年程推移してから更に800万光年推移する。此の時点で、地球標準時で2143年1月10日を迎える。実体化した宙域は、2つの銀河が合体したばかり巨大銀河で有る。銀河中枢部の超巨大なブラックホールの超強力な重力に引き付けられた様だ。簡単な調査をし、当面の危険は無いと確認してメンテナンスを開始する。
 2つの銀河が合体した事に依る銀河内の被害はほぼ見られない。小一時間後。簡単な調査の結果が届く。
「銀河内の有人惑星の大半が、戦争の爪跡が残っています。戦争終了後30年は経過しています。さらなる詳細な調査が必要です」と、話し掛ける生体脳クリス。
「承知した。詳細な調査をして救援しなければ」と、話し掛けるユリア。
 数ヶ月後の2143年4月12日。詳細な調査が終わり報告が届く。
「此の銀河はサロダクス銀河と呼ばれています。銀河中心部を境に、東西2つの帝国が存在しています。1つはミレダロン帝国。もう一つはロゴスタン帝国です。
 ミレダロン帝国の本拠地は、サロダクス銀河星系第3惑星ダロルです。ミレス・ダロル・ミグロン統轄女王が卒いています。其の下に、ミラル・ダロル・ミグロン女王。ミスレ・ダロル・ミグロン統轄摂政です。
 ロゴスタン帝国の本拠地は、サロダクス銀河ロゴン星系第3惑星タレルです。ハナル・タレル・バラダル統轄女王。ハルナ・タレル・バラダル女王。ハレロ・タレル・バラダル統轄摂政等が統轄してます。
 戦争の原因は不明ですが、共に疲弊した現在では対話の可能性が有ります。ユリア様、コンタクトを取りますか」と、説明した後問い掛ける生体脳クリス。
「クリス、では始めにミレダロン帝国ミレス・ダロル・ミグロン統轄女王とコンタクトを取って欲しい」と、要請するユリア・サルト・ザトン。
「承知致しました」と、答える生体脳クリス。

 生体脳クリスは派遣した調査艦を通して、ミレダロン帝国ミレス・ダロル・ミグロン統轄女王にメッセージを送信する。
「私はサルト銀河団連合帝国のユリア・サルト・ザトン神聖女王の代理、生体脳クリスです。ミレダロン帝国ミレス・ダロル・ミグロン統轄女王陛下へ。我々は転移して実体化したら、強力な重力に引かれてサロダクス銀河外縁に実体化しました。調査した所、銀河大戦が終了し、疲弊していると知りました。我々としては見過ごす事が出来ず、再興の手助けをしたいと考えメッセージを送りました。此のメッセージを受信したならば返信願います。勿論、援助を断る事も自由ですので返信下さい」と、話して送信する。
 小一時間後。返信が届く。
「私はミレス・ダロル・ミグロンです。ユリア・サルト・ザトン神聖女王陛下へ。援助の申し出喜んでお受け致します」と、話し掛け来る。
 返信を待っていたユリアは「返信をお待ちしておりました。私はユリア・サルト・ザトンです。では直ちにクリスライザとクリスタル艦隊1万台を引率してレロン星系第3惑星ダロルに訪問します」と、話し掛けるユリア。
 数時間後。クリスライザとクリスタル艦隊1万台が第3惑星ダロルに到着する。
 数分後。ユリアは地上に降りて、緊急避難場所にいるミレス統轄女王等と会う。
「惑星全体が廃墟状態の様ですね。国民の皆様方は何処いるのですか」と、問い掛けるユリア。
「緊急避難に間に合わなかった人々が
大半です」と、答えるミレス統轄女王。
「既に惑星全体の調査は終えていますので、再建等は我々に任せて下さい。幸いにも大陸中央部に広大な砂漠地帯ですので、此処に新たな成都と女王神殿を建設します。他には、アッ、取り敢えず衣食住を提供しなければね」と、話し掛けるユリア。
「では、最初に食料の提供をしていただければ幸いです」と、話し掛けるミレス統轄女王。
「承知しました」と、答えて思考波で生体脳クリスに詳細を話す。
 数分後。クリスライザが派遣した救助船が10台降下して来る。1台がユリアのいる側に着地する。格納庫が開き、中から救助ユニット、看護ユニット、食料ユニット、住居ユニット等が次々と吐き出される。
 ミレス・ダロル・ミグロン統轄女王等側近は、ユリアと共に設置した転送機でクリスライザに移動する。
 クリスタル艦隊数台が大陸中央部の砂漠地帯に降下する。格納庫から各種工作機械が次々と飛び出し、砂漠地帯を慣らしながら物質転換機で特殊硬化プラスチック化して行く。
 山脈の裾野の大平原を開拓し、女王宮殿並びに関連施設等の建設を開始した。他の地域では、破壊された瓦礫の撤去作業が至る所で始めている。
 再建を開始してから数ヶ月の2143年10月3日。再建はほぼ8割が完了する。山脈の裾野の女王宮殿は、サルトの科学技術力で建てられた最新式の建築様式になっている。防衛システムでも完璧で有る。反対側で有る東の端には、執政府ビルと関連施設がたち並んでいる
 既にミレス・ダロル・ミグロン統轄女王等が住んでいる。統轄女王等並びに国民達は、ユリア・サルト・ザトン神聖女王を救世主として絶大的な人気となる。ミレス統轄女王も同じ思いだった。
 女王宮殿から「我々の救世主で有るユリア・サルト・ザトン神聖女王を我々の神聖女王として崇拝し、同時に私は忠実な下僕として永遠にお仕えし、忠誠を誓う事を此処に宣言致します。同時に、ミレダロン帝国は神聖女王陛下の傘下となり、正式にサルト銀河団連合帝国ミレダロン連邦共和国と改名されました」と、全ての民に向けてメッセージを送る。

 其の頃、クリスアーナ・サルト・ザトン上皇神聖女王もユリアと同じ様に再建をしていた。そして、ロゴスタン帝国も傘下となり、サルト銀河団連合帝国ロゴスタン連邦共和国になる。
 新たに傘下となった2つの連邦共和国首脳等が、クリスライザに集合する。席上、旧ミレダロン帝国ミレス・ダロル・ミグロン統轄女王と、旧ロゴスタン帝国ハナル・タレル・バラダル統轄女王はユリア神聖女王の立ち会いの元、和解し恒久平和を誓う。

 2人の統轄女王はユリア神聖女王の親衛隊として、ハナル・タレル・バラダル統轄女王は、ハルナ・タレル・バラダル女王。ハラロ・タレル・バラダル副統轄摂政。ハロレ・タレル・バラダル副摂政と、其の傘下部隊を。
 ミレス・ダロル・ミグロン統轄女王は、ミラル・ダロル・ミグロン女王。ミラレ・ダロル・ミグロン副統轄摂政。ミラロ・ダロル・ミグロン摂政と其の傘下部隊をユリア神聖女王の親衛隊として同行させると宣言する。
 ユリアは感謝して同行する事を承認する。クリスアーナは起動リングの収容人数を500億人拡張する為に10倍に広げる工事を開始する。各種工場も増設し、食料供給システム、食料製造工場、農業等の増設も平行して建設を開始している。
 軍事関連の増設、自然環境エリアの増設等も力を入れている。正に、動く帝国其のままで有る。

 直径10万キロメートルのクリスアーナ・ドームは、現在地球から1億2千万光年離れた宙域にいる。未だ、遥か彼方の目標で有り何時辿り着くか現状では全く解らない。しかし、不老不死のユリアに取っては時間とは無縁で有るからだ。
 直径10万キロメートルのクリスアーナ・ドームが完成するのにほぼ10年掛かった。で、現在2148年5月6日で有る。両連邦共和国の再建は植民星系を含めてほぼ終了している。
 ユリアは2人の統轄女王に別れを告げて此の宙域から離脱する。小一時間後。クリスアーナ・ドームは転移を実行する。実体化した宙域は周囲が銀河だらけだった。



 同時刻の2148年5月6日の地球では、想定外の事が勃発した。急に高エネルギーを放出し続けた結果、地球の存在を未知種族に探知されていた。
 未知種族は地球を調査する為に、艦隊を地球に派遣する。詳細を調査した未知種族は、超科学技術力と未開文明がアンバランスに共存している不思議な文明で有ると認識し、其の旨を本国に通告する。報告を受けた本国は、艦隊に制圧するよう命令を出した。
 正規艦隊と合流した先遣艦隊は、地球を制圧する為に急襲する。

 日本共和国と西之島共和国の留守を預かっている物部十四郎は、万が一に備えて日本共和国民の避難を勧告する。1人でも多くの民を地下都市と海底都市へ避難させる。
 西之島共和国は、防衛体制を整えてから、軌道エレベーターを運行停止にする。海底都市の生体脳は、地球全体にバリアを展開し、迎撃システムを起動。至る所に隠されていた砲座をせり出す。
 地球全体のバリアは、敵艦隊数100台の集中砲撃により部分的に崩壊し、敵艦隊の侵入を許してしまった。集中砲撃は更に続けられ、崩壊区域が益々広がる。
 海底都市カタムリアナの生体脳リアナは、此れ以上のバリアの展開は無意味と認識してバリアを解除する。バリア崩壊を知った敵艦隊は、一斉に大気圏内に進入し、大都市、中堅都市の向かって降下し、徹底的に破壊している。各国の防衛軍はまるで歯が立たずアッと言う間に全滅する。
 辛うじて善戦しているのは、軌道エレベーターと浮揚要塞と西之島共和国で有る。
 日本共和国も壊滅状態となり、日本人が何人生き残っているのかさえ解らない。救済方法すら解らない。取り敢えず、各国の首脳とコンタクトを試みる。
 物部十四郎はコンタクトを取ろうと尽力を尽くすが、未だにコンタクトが取れない。やむを得ず物部十四郎は、隠密的に兵士ロボットを数万台を派遣する。日本共和国にも手を差し伸べ、1人でも多く救済する為に、未知種族に気が付かれない様に地下都市アマトへの避難を促進する。諸外国にも救済の手を差し伸べるが、未知種族の監視を掻い潜り救出するのは困難の連続で有る。
 ようやくアメリカ合衆国大統領等側近とコンタクトが取れる。理由を話し、極秘の転送機で海底都市カタムリアナに移動させる事に成功する。続いて各国の代表を移動させて行く。最後にロシアの代表と中国の代表の移動させる。
 主だった各国の代表で、共同採決をする。其の内容は、国々の枠を取り除き、地球統一国家の設立で有る。国家名は、物部十四郎が提唱したテラ連邦共和国に決定する。其の初代執政官に物部十四郎が満場一致で可決し、初代執政官に就任する。
 物部十四郎執政官は地球を奪回する為に、地球統一戦線と言うレジスタンスの結成を提唱し承認される。次に各国の民の救出の為の話し合いを始める。話し合いの結果、生き残っている各国の情報機関が強力して秘密裏に活動して転送機で海底都市に移動される事になる。

 運悪く火星は地球の反対側に有り、地球が未知種族に制圧された事を全く知らなかった。時が過ぎ去り2148年11月3日。火星が太陽の裏から抜け出てる。其の時始めて地球の異変に気が付いた。火星マリネリス基地の司令生体脳ネリスは、地球奪還作戦の計画を検討する。計算した結果、未知種族に対抗するには、戦艦数が少な過ぎると判断する。
 生体脳オリスと生体脳ネリスが会話して、ゲリラ的な戦法で地球上の未知種族の基地をポイント攻撃する事に決定する。


❄❄


 其の頃ユリア等は、銀河だらけの宙域に実体化していた。生体脳クリスは、此の銀河団をバラダスタリア銀河団と命名する。
「近隣の銀河を調査しますか」と、問い掛ける生体脳クリス。
「嫌、其の必要は無いでしょう」と、答えるクリスアーナ・サルト・ザトン上皇神聖女王。
「極力何もしない方が良いかも」と、話し掛けるユリア。
「間違いなく探知されてるわよ」と、話し掛けるハルナ・タレル・バラダル女王。
「迎撃体制を整えておきましょう」と、話し掛けるミラル・ダロル・ミグロン女王。
「迎撃体制は整えております」と、話し掛ける生体脳パルメラ。
「先ずは次の転移に備えてメンテナンスに重点をおきましょう」と、話し掛けるユリア。
 何等問題も無く数週間が過ぎ去る。所が2148年11月5日。大艦隊が近付いて来る。其の意図は不明だが、問題が起こる可能性が高い。
「新たな大艦隊を探知しました」と、話し掛ける生体脳クリス。数秒後。「大艦隊探知。近隣4銀河からの様です。対処致しますか」と、問い掛ける生体脳クリス。
「私が呼び掛けてみましょう」と、話し掛けるユリア。
 数秒後。ユリアは「私はサルト銀河団連合帝国神聖女王のユリア・サルト・ザトンです。我々は通りすがりに偶然に此処に実体化しただけで近隣の銀河に全く興味は有りません。只、次の転移の準備で数ヶ月は滞在する予定です。但し、攻撃して来るならば迎撃する用意が有る事をお伝えしておきます。後は、貴方がた判断にお任せ致します」と、思念波と口頭で話し掛ける。
「ユリアの話を聞くかしら」と、話し掛けるミラル・ダロル・ミグロン女王。
「どうかしら。惑星がいきなり実体化して来たら脅威と感じ取って攻撃をして来るわよ」と、話し掛けるハルナ・タレル・バラダル女王。
「待ちましょう」と、話すクリスアーナ・サルト・ザトン上皇神聖女王。
 数時間後。4艦隊に動き出す。未知の1艦隊がクリスアーナ・ドームに近付いて来る。攻撃されるかと考えていたが、いきなり減速してメッセージを送信して来た。
「私はロゴスタラアナ銀河ラバスタル星系第3惑星ラアナに本拠地を置いているラバスタル帝国女王のタリアナレル・ラアナ・バログルです。強力な転移エネルギーを探知した為、艦隊を卒いて様子を見に来ただけで、戦争するつもりは全く有りません。私のメッセージを受信したなら返信下さい」と、話し掛ける。
 ユリアは直ぐに返信する。「私はサルト銀河団連合帝国神聖女王のユリア・サルト・ザトンです。友好的な返信に感謝致します」と、話し掛ける。
「早々の返信に感謝致します」と、タリアナレル・ラアナ・バログル女王が話し掛けてきた。
「タリアナレル女王陛下、他の3艦隊は御存知ですか」と、問い掛けるユリア。
「全く解りません。我々は他の銀河への干渉は出来ませんでしたから。最近ようやく銀河のイザコザが終了したばかりですので」と、答えるタリアナレル女王。
「問題が無ければクリスアーナ・ドームの外縁リング第1宇宙空港に着地下さい。タリアナレル女王と対談したいと考えていますので」と、話し掛けるユリア。
「承知致しましたユリア神聖女王陛下」と、答えるタリアナレル女王。
「感謝致します。対談の前に他の3艦隊の始末を付けますので」と、話し掛けるユリア。
 数分後。ユリアは3艦隊に向けて「私はサルト銀河団連合帝国ユリア・サルト・ザトン神聖女王です。貴方がたは私に何か特別な用事、或いは私と戦争をしたいのですか。是非、返答願います」と、話して送信する。
 小一時間後。
「私はミゴダロスタン銀河ゴスタリアナ星系第3惑星スタンに本拠地を置くゴスタリアナ銀河帝国女王のリアナテリアス・スタン・ダゴスです。私達は伝説の宇宙の精霊クリスティーヌ様に逆らう意志は全く有りません。従って我々は、クリスアーナ・ドームの外縁リング第1宇宙空港に向かいますので御承認下さい」と、話しかけてくる。
「承知しました。では、第2宇宙空港に着艦して下さい。近く迄来たら誘導されるます」と、答えるユリア。
 数秒後。「私はバドロスタン銀河ドロバスタ星系第3惑星バスタに本拠地を置く、バスタ銀河帝国女王のロベリアナス・バスタ・ロスロンです。私も伝説の宇宙の精霊クリスティーヌ様に対抗するつもりは全く有りません。寧ろ宇宙の女神として崇めています」と、話し掛けて来る。
「感謝致します。では第3宇宙空港に着艦して下さい」と、話し掛けるユリア。
 最後の1艦隊から「私はラバロスタリアナ銀河ラバタリア星系第3惑星タリアナに本拠地を置くラバタリアナ銀河帝国女王リアスタリア・タリアナ・ロスタンです。我が父上は独裁者で銀河団の制圧を画策しています。母上が生きてた頃は抑えていたのですが、今は抑えようが有りません。私は穏健派ですが、少数派ですので対抗出来ません。可能なら父上の暴挙を止めて頂きたいと考えています」と、話しかけてきた。
「事情は理解しました。では、第4宇宙空港に着艦して下さい。力になれると思いますので」と、話し掛けるユリア。

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