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再会
しおりを挟むいつからだろう。
愚痴をこぼすようになったのは。
いつからだろう。
過去を思い出すようになったのは。
今日も私はお酒を片手に友達と
お店に呑みに出ていた。
「今日も呑むぞー!」
私の友達黒木美月(くろきみつき)は酒呑みで一緒によく付き合ってくれる。
大体私の周りは酒好きの子で
集まっていた。
そして、そんな女子会でいつもの如く
うだうだ言っているのは
紛れもないこの私、安藤奈々(あんどうなな)
今の彼氏と付き合って2年になり、
同棲している。
一緒に暮らしてると今まで見えてなかったものが見えてくるということを耳にするが、
それが現実だ。
もう今は諦めになっている。
慣れるまで大変だった。
仕事終わり家に帰って来れば
服は脱ぎっぱなしで、
座ればその場から絶対動かない。
もうそれがお決まりだった。
そうゆうことも問題なのだが、
何より「愛」を感じない。
夜の営みもなければ
キスすらしない。
セックスレスと言うのだろうが
それ以上に無さすぎる。
何回も私の体じゃ何も思わないんだと
喧嘩になったことがあるが、
「そうじゃなくて、男はそうゆう生き物だから」
と言われたことがある。
だとしても女として魅力を
感じないと聞こえてしまう。
そりゃ落ち込みますよね。
こうやってむしゃくしゃして
吐け口がないと友達に連絡し
予定があえば呑みに行っていた。
しょっちゅうではないが、
行く時は遅くまで呑んだ。
それでも付き合ってくれる友達が
唯一の救いだ。
携帯の時計を見ると20時をまわる。
「よし!次行くぞー!」
私の話を聞いてくれながらも
楽しんでいる美月を見ていると
こっちも嬉しくなる。
1軒目を出て次に行こうとしたとき。
目の前から身を覚えのある人影が
見えた。
「奈々?」
何年振りかに会ったにも関わらず
私の中で記憶が蘇る。
鮮明に。
「海(かい)」
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