人でなしと最強少女のサディスティックなハーレム生活

たかまちゆう

文字の大きさ
3 / 82

第3話 私の意地

しおりを挟む
 私の中から、感情が消え失せていきます。
 唯一残ったのは、私が私であるための意地だけでした。

 この男に、決して負けてはならない。
 たとえどんな方法を使ってでも、ミーシャと共に行く。

 私は、そのように決断しました。

「分かりました。裸になって跪けばよろしいのですね?」
「……は?」

 彼は、初めて表情を凍り付かせました。
 私は、そのことに微かな喜びを覚えながら、身に着けている物を次々と脱ぎ捨てました。

「お、おい! そんなことをされても、俺の気は変わらないと言っているだろう!?」

 彼は、狼狽えた様子で言いました。

 そうです。たとえこの男の言うとおりにしても、彼は私の身体を眺めて満足し、そのまま妹だけを連れて行ってしまうでしょう。
 ですから、言われたとおりにするだけでは駄目なのです。

 私は、下着も脱ぎ捨てて、生まれたままの姿になりました。
 そして、戸惑った様子の彼に、ゆっくりと歩み寄ります。

 ここには、少し前に私が魔法で生み出した、小さな明かりしかありません。
 しかし、この薄暗い聖堂であっても、近寄れば、私の身体を詳しく観察することができるでしょう。

 間近で身体を見せられて、彼は激しく動揺していました。
 この男は、仮に私が脱いだとしても、激しく羞恥し、少しでも身体を隠そうとすると考えていたに違いありません。

 しかし、だからこそ、私は彼の予想を裏切りました。
 案の定、彼は、平然と身体を晒す私をどのようにすればよいか、判断できない様子です。

 彼の反応は、私の想定したとおりでした。
 しかし、私にとっての最大の脅威は、この男ではありません。
 ミーシャも含めて、周囲の少女達が、どのような反応をするのかが予想できませんでした。

 ひょっとしたら、彼を攻撃していると認識して、私を殺すかもしれません。
 あるいは、嫉妬に駆られて暴走するかもしれないと思ったのです。

 しかし、ミーシャも含めた6人の少女達は、何もしませんでした。
 ただ、裸になった私を見て動揺し、俯いたり目を逸らしたりしています。
 もっと明るい場所であれば、彼女達が、顔を真っ赤にしているのが見えるのではないかと思えます。

 彼女達の反応が、あまりにも普通であることが、私にとっては驚きでした。

 私は、彼の命令に従って、その足元に跪きます。
 そんな私を見て、今度は彼の方が後ずさりました。

「お願いします。妹と共に、私を連れて行ってください」

 私は、改めてお願いしました。


 ここまでされて、彼は、どのように思うでしょうか?
 ひょっとしたら、逆上してしまうかもしれません。

 そうなれば、私を凌辱して惨殺し、そのまま立ち去ってしまうかもしれませんでした。

 ですが、そうなってしまったとしても構わない、と思いました。
 怖気づいてミーシャを手放せば、私は後悔に苛まれ、生きていくことが出来ないでしょう。

 この男から逃げ出さないことは、私が私として存在するために必要なことなのです。


「この……薄汚い売女が!」

 彼は、私を罵りました。
 その口調が負け惜しみのようになっていることを、私は聞き逃しませんでした。

「平然と裸になりやがって! その醜い身体で、何人の男を弄んだ!? 男に求められることが快感だったか!? 言ってみろ!」
「私は、男に抱かれたことなどございません」
「嘘を吐くな! お前みたいな、見てくれだけがいい女には、町の男達が溢れるほどの供物を抱えて言い寄ってきたはずだ!」

 彼の口調には、強い憎しみが込められていました。

 どうやら、彼は、大人の女性を憎んでいるようです。
 そのことは、幼い少女達をコレクションするという歪んだ性癖から、推測できていたことでした。

「私に好意を示してくださった男性は、何名か、いらっしゃいました」

 私は、正直にお伝えしました。

「やはりそうか!」
「ですが……私は、その全ての申し出をお断りしました。私には許婚がおりますので」
「許婚だと!? ならば、お前は……既に人妻ではないか!」
「いいえ。この国では、成人した後に正式な婚姻の儀式をしなければ、夫婦になったとは認められません」
「……その許婚と、肌を重ねたことはあるのだろう?」
「ありません。婚前交渉など、恥ずべきことです」
「……だが、唇を重ねたことぐらいはあるはずだ」
「ございません」
「……」

 彼は、黙り込んでしまいました。
 色々なことを検討しているのが伝わってきます。

「……とりあえず、服を着ろ! 今すぐにだ!」

 男は、上擦った声で、私に命令しました。
 どうやら、この勝負は私の勝ちのようです。

 私は立ち上がり、脱ぎ捨てた自分の着衣を、改めて身に着けました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...