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在りし日の2人
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「いや……これは噂以上に凄いな……」
「何だか……目のやり場に困ります」
婚礼の儀式とそれを祝う宴が済み、豪華だが重い婚礼衣装を脱いだ2人は祖先へ結婚の報告をしにこの霊廟を訪れていた。
入口までは案内係として従兄とその妻が一緒だったが、彼等はメダルの使用方法を伝えると早々に戻ってしまい、新婚の2人だけが取り残されていた。とりあえず教えられたとおりメダルを使い、王家の宝だというレリーフを2人で眺めていたのだ。
「……」
さまざまな体位で絡み合う男女。しかも男性器には金箔があしらわれ、女性の胸の頂はルビーやピンクサファイアをはめ込んである。よりわかりやすく表現したつもりだろうか、ご丁寧にも秘所に男の象徴を入れる様子も生々しく描かれている。2人は呆けたようにそのレリーフの前で立ち尽くしていた。
夫の留学先で互いに一目惚れし、婚約してすぐに2人は結ばれていた。今更、夫婦の営みを教本で知る必要はないのだが、このレリーフには王家に伝わる大事な言葉が刻まれていた。
「この世で最も強い薬があるとすれば、それは真の愛である。
真に愛し合う者達を引き裂く事無かれ。
子々孫々の繁栄が約束されるだろう」
異国の出身である妻の為に、夫がレリーフの上部に刻まれている文字を読み上げる。彼女は後からそれを繰り返した。
「……さて、形式的な儀礼は済んだし、新婚らしい夜を楽しもうか?」
「え……。ここで?」
夫の申し出に新妻は狼狽える。婚礼を上げた新婚の2人は、この霊廟で朝まで祈りを捧げるのがしきたりだと聞かされていた。
「隣に寝所が整えられている。行こうか」
夫は妻の額に口づけると、狼狽える彼女の体をヒョイと抱き上げて歩きはじめる。レリーフがある壁の脇から奥に進むと、彼が言ったとおり幾重にも薄い帳が降ろされた寝台があった。部屋はたくさんの花で飾られており、一夜を過ごす2人の為に軽食と飲み物も整えられていた。
「……」
「本物の霊廟は地下だ。ここは別名契りの間。新婚夫婦が初夜を迎えるための部屋だよ」
「そうなの?」
「あんなレリーフ見て何もしないで過ごす方が無理だよ。ましてや、君がいるのに……」
夫は妻を優しく寝台に降ろすと、覆いかぶさるようにして彼女に口づける。
「ほら、もうこんなになってる」
「あ……」
夫は妻の手を握ると自分の股間に導く。そこは服の上からでもはっきりとわかるほど熱を滾らせていた。
「欲しい……」
先程まで軽い口調でしゃべっていたのが嘘のように、彼はどこか熱を孕んだ眼差しで妻の顔を覗き込んでいた。彼女はコクリと喉を鳴らすと、小さく頷く。
「愛してる……」
2人は唇を重ねると、互いの服を脱がせあい、一糸まとわぬ姿で抱き合った。そして……レリーフを再現するかのように、夜が明けるまで何度も何度も求めあった。
それは、2人の甘い記憶……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
言うまでもなく沙耶の両親、ジンと沙織のお話。
あのレリーフの詳細と2人の蜜月を書きたくてできた小話。
残りは本編「掌中の珠の様に2」完結後に更新します。
「何だか……目のやり場に困ります」
婚礼の儀式とそれを祝う宴が済み、豪華だが重い婚礼衣装を脱いだ2人は祖先へ結婚の報告をしにこの霊廟を訪れていた。
入口までは案内係として従兄とその妻が一緒だったが、彼等はメダルの使用方法を伝えると早々に戻ってしまい、新婚の2人だけが取り残されていた。とりあえず教えられたとおりメダルを使い、王家の宝だというレリーフを2人で眺めていたのだ。
「……」
さまざまな体位で絡み合う男女。しかも男性器には金箔があしらわれ、女性の胸の頂はルビーやピンクサファイアをはめ込んである。よりわかりやすく表現したつもりだろうか、ご丁寧にも秘所に男の象徴を入れる様子も生々しく描かれている。2人は呆けたようにそのレリーフの前で立ち尽くしていた。
夫の留学先で互いに一目惚れし、婚約してすぐに2人は結ばれていた。今更、夫婦の営みを教本で知る必要はないのだが、このレリーフには王家に伝わる大事な言葉が刻まれていた。
「この世で最も強い薬があるとすれば、それは真の愛である。
真に愛し合う者達を引き裂く事無かれ。
子々孫々の繁栄が約束されるだろう」
異国の出身である妻の為に、夫がレリーフの上部に刻まれている文字を読み上げる。彼女は後からそれを繰り返した。
「……さて、形式的な儀礼は済んだし、新婚らしい夜を楽しもうか?」
「え……。ここで?」
夫の申し出に新妻は狼狽える。婚礼を上げた新婚の2人は、この霊廟で朝まで祈りを捧げるのがしきたりだと聞かされていた。
「隣に寝所が整えられている。行こうか」
夫は妻の額に口づけると、狼狽える彼女の体をヒョイと抱き上げて歩きはじめる。レリーフがある壁の脇から奥に進むと、彼が言ったとおり幾重にも薄い帳が降ろされた寝台があった。部屋はたくさんの花で飾られており、一夜を過ごす2人の為に軽食と飲み物も整えられていた。
「……」
「本物の霊廟は地下だ。ここは別名契りの間。新婚夫婦が初夜を迎えるための部屋だよ」
「そうなの?」
「あんなレリーフ見て何もしないで過ごす方が無理だよ。ましてや、君がいるのに……」
夫は妻を優しく寝台に降ろすと、覆いかぶさるようにして彼女に口づける。
「ほら、もうこんなになってる」
「あ……」
夫は妻の手を握ると自分の股間に導く。そこは服の上からでもはっきりとわかるほど熱を滾らせていた。
「欲しい……」
先程まで軽い口調でしゃべっていたのが嘘のように、彼はどこか熱を孕んだ眼差しで妻の顔を覗き込んでいた。彼女はコクリと喉を鳴らすと、小さく頷く。
「愛してる……」
2人は唇を重ねると、互いの服を脱がせあい、一糸まとわぬ姿で抱き合った。そして……レリーフを再現するかのように、夜が明けるまで何度も何度も求めあった。
それは、2人の甘い記憶……。
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言うまでもなく沙耶の両親、ジンと沙織のお話。
あのレリーフの詳細と2人の蜜月を書きたくてできた小話。
残りは本編「掌中の珠の様に2」完結後に更新します。
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