掌中の珠のように2

花影

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遭遇5

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義総が暴走気味のエッチシーンがあります。


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 スイートルーム専用の区画へ直行するエレベーターの中、義総は震える沙耶を無言で抱きしめた。やがて目的の部屋があるフロアに着くと、彼は彼女をそっと促してエレベーターを降りる。そして持っていたカードキーをすぐ近くのドアに差し込んで開けると、彼女を中へ連れ込み、すぐに唇を重ねる。
「んっ……んっ」
 甥と不毛な会話を交わした苛立ちも露わに、義総は荒々しく貪る様に唇を重ねる。沙耶も拒まず、義総の求めに応じるまま一心に互いの舌を絡ませる。
「悪い子だな、沙耶。こんな恰好をして男の目を引き付けるなんて……。お仕置きだな」
 互いの息も唾液も奪い合うように交わした長い口づけからようやく沙耶を解放すると、義総は彼女の首元に顔をうずめ、その場で彼女のワンピースをはだけさせる。
「あ、あん……ここじゃ……いや……」
 扉を隔てた向こう側は、何時、誰が通るか分からない通路である。沙耶は義総を止めようとするが、彼は背中のファスナーを降ろしてワンピースをはだけさせるとすぐに彼女の胸の膨らみを解放し、両手で捏ねる様に揉み始める。
 誰かに聞かれたら恥ずかしい……。沙耶は必死で声を殺そうとするが、そんな彼女の努力もむなしく、義総が胸の先端を口に含み舌で転がすと嬌声が漏れ出てしまう。
「あぁ……ああぁん……だ、だめぇ……」
 体から力が抜け、沙耶はいつの間にか壁に押さえつけられていた。義総は更に右手をスカートの中に忍び込ませ、彼女の太ももをさわさわと撫でながら次第に足の付け根へと移動していく。沙耶は足を閉じようとするが、力が入らない上にいつの間にか足の間に入れられていた義総の膝が邪魔をしてどうすることも出来ない。
「濡れているな」
「あんっ」
 不意にショーツの上から秘所を突かれ、快楽が全身を襲って沙耶は甘い声を漏らす。その声に義総は不敵な笑みを浮かべると、湿り気を増したショーツの上から割れ目に沿ってゆっくりと指を動かす。
「あ、あ、あっ……」
 沙耶は快楽に体を震わせ、義総にしがみつく。やがてショーツをずらすと潤んだ秘所に指を滑り込ませる。
「こんなに濡らして……」
「ああぁ……」
 クチュリと音をたてて奥まで入っていた義総の指が引き抜かれ、蜜で濡れた指を見せつけられる。彼は指に絡んだ蜜を舐め取ると、また彼女の中に指をいれ、ゆっくりと抽送を始める。
「あっ、あっ、あぁぁ……んっ、んんっ」
 指の動きが速くなるにつれて漏れ出る嬌声も大きくなってくる。義総は巧みに指を動かしながら彼女の唇を塞ぎ、その喘ぎ声も奪う。
「んっ、んっ、んんん!」
 絶頂に達したらしく、沙耶の体が一度硬直したかと思うとクタリと力が抜けて行く、義総が秘所から指を抜くと、蜜が溢れ出て彼女の腿を伝い流れ落ちる。

 義総は弛緩した沙耶の体を抱き上げ、奥のベッドルームに向かう。このホテルで最高級の部屋だけあって、廊下から出た先はやたら広いリビングだった。その奥に扉が2つあり、ぐったりとしている彼女が部屋の中を見渡す間も無く奥の方の部屋に連れ込まれた。
言うまでも無くそこはベッドルームとなっていて、ダブルサイズのベッドが2つ並べて置かれていた。そのうちの一つに沙耶はふわりと寝かされ、一度達して気だるくなった体を起こす間も無く義総は上着を放り投げ、タイを外し、ズボンもシャツも下着も脱ぎ捨てて伸し掛かってくる。
「ひっ、あぁぁ!」
 全裸となった義総とは対照的に乱れたワンピースを着たままの沙耶の姿は非常に艶めかしい。彼は我慢できなくなり、濡れて役に立たなくなったショーツを脱がせると既にそそり立っている自分の欲望を突き立てた。
「たまらんな」
 義総は沙耶の頬に口づける。相変わらず狭い膣内は彼のモノを締め付けてすぐにでも中に欲望を吐き出してしまいそうになる。彼は彼女の中で落ち着くのを待ってからゆっくりと抽送を始める。
「あぁぁ……」
 みっちりと中を満たされた灼熱の欲望によって生み出される快楽に、沙耶はたまらず義総に縋りつく。彼はもう一度唇を重ねると、欲望の赴くままに腰を動かし続ける。
「あ、あぁぁぁ……も、もうだめぇ!」
「くっ……そんなに締め付けると、もたない……」
「ひゃぁぁぁぁん!」
 沙耶は体をのけ反らせて達し、続けて義総も中で欲望を解き放った。ビクビクと放たれる熱いものを感じながら沙耶は体を弛緩させてぐったりとベッドに身を横たえる。義総は乱れた彼女の長い髪を整え、そっとその頬に口づけて彼女を労わる。
「……怖かったか?」
「……」
 小さく沙耶が頷くと、義総はゆっくりと顔を近づけて唇を重ねる。互いの舌を絡め、じっくりと濃密な口づけを堪能してからようやく離す。
「あれの妄想と世迷言はいつもの事だ。気にしないで忘れろ。それから……1人には絶対なるな。分かったな?」
「はい」
 沙耶が神妙に頷くと義総はもう一度軽く唇を重ねる。
「あと、こんなものはもう身に着けるな」
 義総はもうクシャクシャになってしまっているワンピースに手をかけるとスルリと脱がす。そしてつけていた下着もガーターベルトも脱がしてポイポイと放り投げる。
「あっ、やん……」
 裸にされて恥ずかしくて逃げようとするが、繋がったままの状態で抑え込まれているので逃げられない。しかも、中に埋められたままの義総の欲望が再び存在を主張し始めているので、つい甘い声が漏れてしまう。
「どうした?」
 何事でも無い様に言いながら義総は一度腰をズンと動かす。もう既に復活を果たした彼の欲望に沙耶はすぐに腰砕けとなってしまう。
「明日も休みだろう?このまま朝まで楽しむことにしよう」
 義総の言葉に沙耶は顔をひきつらせた。


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本当は暴走する義総が怖くて頷いたが、訂正するのも怖かったのでそのまま黙っていた沙耶だった。なんだかんだで義総の機嫌を操る術を身につけつつあるのかもしれない。
ちなみに取り残された明人は青柳と支配人によって強制的に車へ押し込まれ、自宅に送り届けられたらしい。
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