ドゥームレジスター

バルッ!!

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翌朝、大地は訓練場に立っていた。広大な敷地には、木剣を振る騎士たちや、弓矢を放つ射手たちが忙しなく動き回っている。彼らの気迫に圧倒され、大地は緊張で固まっていた。

「神野大地、動けないなら帰れ。」
背後から冷たい声が飛んできた。振り向くと、フィーネが腕を組んで立っている。

「いや、動けるよ!ただ……初めて見る光景だから、ちょっとびっくりしただけ。」

「言い訳はいらない。今日からお前は訓練生だ。私が教官を務めるから覚悟しておけ。」

「えっ、フィーネが俺の教官?」

「文句でもあるのか?」

「いやいや、全然!むしろ頼りにしてるよ!」

フィーネは眉を上げつつ、手にした木剣を投げ渡してきた。大地は慌てて受け取る。

「まずは基本の剣術からだ。構え方、振り方を覚えろ。力があるかどうかより、正しい動きができるかが重要だ。」


フィーネの指導は容赦なかった。構えが崩れるたびに鋭い指摘が飛び、大地はひたすら木剣を振るう。

「くっそ……こんなに剣を振るのがキツいなんて思わなかった……。」

大地が息を切らしながら呟くと、隣で訓練を見ていた若い騎士が笑いながら声をかけてきた。

「最初はみんなそうだ。俺も剣を持った初日は泣きそうだったよ。」

話しかけてきたのは、茶色い髪を無造作に束ねた快活そうな青年だった。

「俺はロイク。ここで訓練生をまとめてるんだ。お前が噂の迷子ってやつか?」

「噂って……もう広まってるのかよ。俺は神野大地。よろしくな、ロイク。」

「よろしく。まあ、最初はきついかもしれないけど、慣れれば案外楽しいもんだぞ。」

その言葉に励まされ、大地は少しだけ前向きな気持ちを取り戻した。


訓練が終わり、ヘトヘトになった大地は訓練場の隅で水を飲んでいた。すると、不意に黒い本が微かに光り始めた。

「またお前か……今度は何だよ。」

大地が本を取り出して小声で呟くと、本から静かな声が聞こえた。

《貴方の力は眠っています。訓練によって鍛えることで、その力を引き出すことが可能です。》

「力って、時間を止めるやつのことか?」

《はい。ただし、それは一部に過ぎません。貴方が鍛錬を重ねることで、新たな力を発現する可能性があります。》

「新たな力……?」

《今は剣術の基本を習得することに専念してください。身体を鍛えることで、貴方の能力も次第に解放されるでしょう。》

大地は本の言葉にうなずきながら、改めて自分が置かれた状況の厳しさを実感した。

「……やるしかないよな。」

新たな目標
その夜、大地は宿舎で疲れた体を横たえながら考えた。

「異世界に来て、俺がやるべきことって何なんだろう……。」

思考がまとまらない中、大地は黒い本を手に取った。

「お前が言う使命って、具体的に何を指してるんだ?」

《それは、この世界に訪れる大いなる危機を乗り越えることです。》

「大いなる危機……?」

《詳細は、未来の選択によって変わります。貴方が何を選ぶかで、この世界の運命は形を変えるでしょう。》

「俺の選択で世界の運命が変わる……か。責任重大だな。」

大地は黒い本を閉じ、窓の外に広がる夜空を見上げた。二つの月が輝く風景は幻想的でありながら、どこか不安を誘うものでもあった。

「でも、俺がこの世界に来た意味があるなら、それを探し出してみせる。」

彼の心には、新たな決意が芽生え始めていた。

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